努力・友情・勝利、これぞジャンプだっ!「僕のヒーローアカデミア」レビュー

2016年7月5日

評価★★★★★(82点)全13話
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あらすじ 超常能力“個性”を持って生まれるのが当たり前の世界。“個性”を悪用する犯罪者・敵(ヴィラン)を取り締まる存在・ヒーローは人々の憧れの存在となっていた。少年・緑谷 出久も幼い頃からヒーローに憧れ、ヒーローになるために難関・雄英高校への進学を目指していたが、先天的な“無個性”であるため合格は絶望的と周囲からバカにされ続けていた。出久は高校受験を控えたある日、世間から“平和の象徴”とまで謳われている憧れのヒーロー・オールマイトと偶然出会う引用 – Wikipedia


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努力・友情・勝利、これぞジャンプだっ!

原作は週刊少年ジャンプで連載中の漫画作品。
監督は長崎健司、制作はボンズ。

見だして感じるのは「ああ、週刊少年ジャンプだな!」という感じだろう。
努力・友情・勝利と週刊少年ジャンプが掲げる掲載作品のテーマ、
そんなテーマを冒頭の1分とオープニングを見ることに酔って感じることができる。
オープニングを歌っている「ポルノグラフィ」の曲も相まって、
「ジャンプ漫画原作」のアニメが始まった!という強い感覚を感じることができる。

そして内容。
この作品は「アメコミ」モチーフな少年ジャンプ漫画だ。
全世界で超能力に目覚めるものが多発し、
その「個性」を使い悪事をはたらくもの「ヴィラン」が現れ、
そんなヴィランに対抗するためにヒーローという職業が生まれた世界だ。

叩きつけられたような捻りのない「正統派」なバトル作品だ。
1話冒頭から「スパイダーマン」もびっくりなヒーローがヴィランと戦う様子を
主人公と一緒に見せることで、
この作品の世界観をわかりやすく、ストレートに伝えている。

簡単にいえばこの作品は「マーベル・コミック風ジャンプアニメ」だ。
「ヴィラン」という敵の呼称の仕方はまさしくそれであり、
アニメでも「アメコミ風文字演出」が加わることで余計にその趣を強めている。

しかしこの作品はアメコミを「インスパイア」しているが、
あくまでも「ジャンプ漫画」だ。
アメコミではあまり見かけない「学校」が舞台になっており、主人公も「少年」だ。
落ちこぼれな少年が「憧れのヒーロー」に出会い、
彼のヒーローになるためのストーリーが始まる。

なんてベタなんだろう、いやなんて「王道」なんだろう。
この作品に捻りなんて一切ない。
清々しさを感じるほどのストレートな設定と、
その設定に付き従うような愚直なまでの真っ直ぐなストーリーが
毎話、毎話、爽快感を強く感じさせてくれる。

「こういう展開になるんだろうな」という予想は見ている間にできる。
だが、その予想以上に予想通りな展開が
「待ってました!」と言わんばかりの王道の面白さを強く感じさせる。

言い方を変えればベタかつ、無個性な作品とも言えるかもしれない。
しかし、この作品はそう感じさせないように「アメコミ」というスパイスと
適度なギャグ要素をくわえ、ベタと感じさせず、無個性と感じさせない。
「王道の面白さ」を追求している作品だ。

ただ「王道」であるがゆえにストーリーのテンポはやや遅い。
主人公が憧れのヒーローに出会い、鍛えてもらい、能力を受け継ぎ、
ヒーロー科のある高校への受験に挑むという序盤のストーリーだけで3話だ。

1話1話明確で「ストーリーの内容」がしっかりとしており、
その1話1話が積み重なっていく感じが「王道」の面白さを強めているが、
1話1話淡々と進めている感じもある。

だが、その淡々さが「落ちこぼれな主人公」の努力を引き立てる。
彼は特殊能力持つのが当たり前の世の中で、何の能力も持っていない。
そんな彼が憧れのヒーローから「能力」をもらうことで、
ヒーローへの道が開ける。

しかし、あくまで「能力」はもらったものだ。
彼の体に見合わない強すぎる力はコントロールすることが難しく、
最初に発動した時は片腕と両足が粉砕してしまうほどだ。
「ヒーローアカデミア」で学生として生活しながら、
努力しながら徐々に能力を使いこなし、徐々にヒーローとして成長していく。

テンポが遅いからこそ1話1話にしっかりと「見どころ」があり、
淡々としているからこそ主人公の「努力」による成果を
見ている側にしっかりと実感できる

戦闘シーンも素晴らしい。
さすがは「ボンズ」と言いたくなるほど丁寧な描写で、
激しいアクションを存分に見せてくれる。
基本的に人間VS人間であり、その中での「能力」の見せ方と動きを
妥協なくしっかりと描くことで戦闘シーンを素直に楽しむことができる。

全体的に見て素晴らしく「王道」な「少年漫画原作」のアニメだ。
正統派かつ、捻りのないどストレートなストーリーと設定、
本来はベタに感じたり、ありきたりに感じたしまいかねない内容だが、
そこに「アメコミ」というスパイスを加える事で
王道の面白さを突き詰めた素晴らしい真っ直ぐに素直に
「面白い」と言える作品に仕上げている。

予想しやすいストーリー展開ではある、
だが、予想しやすいからこそのお約束敵少年漫画の盛り上がり方を
シンプルに味わせてくれる。

俺TUEEでも、中二病でもない、才能に頼った主人公でもない。
「努力」で才能のあるものに追いつく主人公は見ていて清々しく、
彼の痛々しい戦闘シーンの数々は王道なストーリーの中での盛り上がりを強めており、
彼が成長していく様をじっくりと味わうことができる。

努力・友情・勝利、
久しぶりに少年ジャンプが掲げるテーマを体現した清々しく突き進んでいる作品だ。
ストーリー的にはまだまだ序章であり、すでに2期も決定している。
長引いて「グダグダ」になるまえに綺麗にストーリーが終わることを期待したいが、
続きも楽しみな作品だ。