評価 ★★☆☆☆(23点) 全12話
あらすじ なろうサイトで人気の原作!3,300万PVを誇る原作が、小説・漫画・そしてアニメへ!【鑑定】することしかできない最弱職で不遇職の【鑑定士】アイン。 引用- Wikipedia
便器職人
「いずれ最強の錬金術師?」に似てるアニメレビュー
原作はアルファポリスで連載されている小説作品。
監督は葛谷直行、制作はスタジオコメット
巻き込まれ
1話冒頭で軽いノリで主人公が「異世界召喚」に巻き込まれたうえに、
しかも女神が異世界に修正パッチをあてたため
元の世界に戻すこともできず、勇者でもない主人公に対して
女神がスーパーサポートしてくれることになる。
いつものやつだ。
ステータス画面ももちろんあり、主人公は前世では
サラリーマンのおじさんだったものの異世界召喚に伴い
17歳に若返り、更に女神によるスーパーサポートで
生産系に必要なスキルをもりもり付与されることになる。
明るく軽いノリだからこそまだギャグ的に受け止めることができるが、
色々とツッコミどころも多く、
死んでしまったのに悲観的な感情が一切なく、
前世への思いは一切ないのだろうか?と思うほど軽い。
「過去は忘れようすべて!」と
お決まりのごとくステータス画面もあり、
ギルドのなども存在しといつものなろう系だ。
主人公が戦いが苦手だからと「生産系」の職業をつくことを目指し、
錬金術師になる。
序盤から「アイテムボックス」などのお馴染みのスキルはあり、
なにかするたびにスキルを取得するお手軽さだ。
一方で主人公が巻き込まれた異世界召喚による勇者たちも
異世界に召喚されてきており、怪しげな皇女も動き出している。
しかし、主人公と勇者では1年ほど召喚の時間のズレが
女神によって生まれている。
女神や皇女がなにを考え、勇者たちと主人公がどう絡むのか、
先の展開を気にならせてくれる1話だ。
1話はかなりとんとん拍子に描かれており、
錬金術師としていろいろなものを作っているというシーンを
サクサクと描いている印象だ。
サクサクとはしているが、色々と加護やスキルなどはもらっているものの、
チート感は薄く、ある程度、努力しないと強くならない泥臭さも一応はある。
トイレ
2話では冒険者ギルドに登録し、作ったポーションで
大金を得て、商人とつながりを持ち、大きな家もゲットする。
異世界に来て一ヶ月ほどであっさりと成り上がっていく。
そんな中で彼はありとあらゆるものを錬成していく。
特に特徴体なのはトイレだ。
日本のトイレのような見た目で魔法で排泄物を浄化する仕組みだ。
そんなトイレに目をつけた商人にトイレの生産を頼まれ、
生産が主人公の主な業務になる(笑)
トイレの生産のための人出を得るために奴隷と契約し…と、
普通のなろう系アニメではありがちな展開ではあるものの、
冒険のためにゲットする奴隷ではなく、
「トイレ」を生産するための奴隷なのが今作の特徴だ。
トイレ生産要員としての奴隷契約に元地球人である
主人公は戸惑いつつも、奴隷と契約することになる。
そこには「訳あり」の呪われた奴隷がおり、
そんな呪いを解除され感謝される。
非常にありがちな展開だ。
だが、そんなありがちな奴隷をゲットするという展開の理由が
「トイレ生産のため」だ(笑)
登場人物たちは真面目にやっているものの、
理由がトイレ生産というだけでどうにも間の抜けた感じになってしまう。
トイレネタもやたら擦っており、
奴隷を雇った主人公ではあるものの、
何でもかんでも主人公がしてしまうため、
奴隷の一人がこんな事を言う
「料理を作るのは私のお仕事ぉ!
それを全部御主人様がするなんて…
私なんて服を着た便器ですぅぅ!」
1クール全て見終わったあとに振り返ってみれば、
このトイレ推しの時期が1番輝いていた作品だ。
いつもの
トイレ時期がすぎると「いつもの」感が増す。
ギルドで依頼をこなそうとすると「やから」に
いちゃもんを付けられて…という感じだ。
1話から一緒に居た蜘蛛の従魔も進化して美少女になりと、
ハーレム感もどんどん強まっていく。
トイレを大量生産したおかげで領主に目をつけられたり、
素材をゲットするために依頼をこなしたりと、
淡々とした展開が続く。
一方その頃的に勇者たちの動向も描かれるが、
ずっと修行しているだけで話は進まない。
勇者の状況はあくまで1年後であり、
今現在の主人公の時系列には存在しないからこそ
絡みそうで絡まない。
それもあり特に大きなトラブルが起きることもなく、淡々と
錬金術師として作れるものが増えていくだけだ。
主人公が作った便器は神聖魔法という本来は教会が管理している
光属性の魔法を使っており、そのせいで領主たちが
ゴタゴタしたり、主人公が便器を作ったおかげで
王様に呼び出されたりもする。
この作品で起こる物語の展開の6割位は便器に起因する(苦笑)
中盤で馬を手に入れたり、新しい奴隷を手に入れたりするものの、
大きな物語の盛り上がりはない。
終盤に差し掛かる辺りでパーティー名を決めるという話だけで
1話使ったりもする、グダグダだ。
開拓
そんなグダグダな中盤をすぎると急に話が動き出す。
トイレを作ったせいで、街の下水が改善し、
そのせいでそれまで浄化魔法を使っていた神光教会の収入がへり、
それを恨んだ神光教会が主人公を狙ってくる。
またトイレが原因だ(苦笑)
数カ月後に召喚される3人の勇者のうち二人はクズであり、
色々と動向も描かれるのだが、そんなどうでもいい描写はあるのに
初のダンジョン攻略など、ほぼダイジェストだ
そんなダンジョンのボスの声がなぜかほぼゴジラだったりと
演出面でも謎だ、作画崩壊こそしないものの、
戦闘シーンをなるべくカットして描きたいという
制作側の声が聞こえるようなストーリー構成だ。
終盤になると王から村の開拓を頼まれる。
開拓もあっさりと終わり、中盤のグダグダが嘘のように
ダイジェストでどんどんとストーリーが進んでいく。
もはやストーリーとは言えないが。
勇者
終盤でようやく勇者と主人公が遭遇する、
3人の勇者のうち二人はクズであり、
主人公の女をとろうとするが、圧倒的に主人公のほうが強い。
そんな勇者と軽く接触したら、
この手のなろう系でおなじみの「スタンピード」が起こって終わる。
最終話で5人の新キャラが出るなど意味不明なこともしており、
そんな5人の新キャラとともにスタンピードをなんとかする流れになるが、
もう笑ってしまうほどの静止画の嵐だ(苦笑)
序盤から戦闘シーンを描くことを嫌ってるようにみえたが、
最終話では露骨に戦闘シーンを描きたくない!という制作側の叫びが聞こえる。
最初から最後まで盛り上がりがなく、面白みも薄く、
2期があれば1期でばらまいた伏線が回収されるのかもしれないが、
話の区切り方も悪く、特に先が気になるほどでもない作品だった。
総評:TOTOがスポンサーなの?
全体的に見て薄い作品だ、ふわっと異世界転生して、
ふわっと錬金術師として実力を上げていき、
ふわっとトイレを開発し、トイレを生産するために奴隷を雇い、
トイレをかわれて、領主に気に入られ、トイレのおかげで
国の衛生状態が改善し王に気に入られ、トイレのせいで目をつけられる。
作品の7割がトイレに起因する話だ(苦笑)
主人公がトイレさえ開発しなければ、トイレさえ売らなければ
序盤以降の展開は起こらなかった。すべてトイレのせいである。
TOTOあたりから袖の下でももらってるのでは?と思うほど
トイレを重要視した内容はよくわからない作品だった。
キャラクターに嫌味はなく俺つえーなチートという
感じではない作品なため、変なストレスはかからないものの、
裏を返せば毒にも薬にもならない印象を受ける作品だ。
女神や神光教会絡みの問題、3人の勇者の問題など、
本筋というべきストーリーが進めばもう少し深みが生まれるかもしれないが、
そんな深みが出る前に終わってしまう作品だった。
個人的な感想:便器
謎の便器推しには笑ってしまう部分があったものの、
それ以外の印象はひどく薄い。
おそらく来年には「あーあの便器アニメね」くらいの
印象しか残らず、それでいいのか…?と思ってしまう作品だ。
制作のスタジオコメットは老舗ではあり、
90年代にはキャプテン翼などを手掛けていた制作会社だが、
そんな老舗感をこの作品からは一切感じなかった。
2期があるかどうかは微妙なところだが、
2期があった場合、またトイレがでてくるのかどうかが気になるところだ(笑)