評価 ★★☆☆☆(33点) 全88分
あらすじ 狙った獲物は必ず盗む凄腕、それが怪盗クイーン。ある日、サッチモ社の社長が持つ宝石を盗む予告状が怪盗クイーンから届いたと発表される 引用- Wikipedia
90分の取捨選択
原作は青い鳥文庫で刊行された児童文学書。
監督は池田重隆 、制作はイーストフィッシュスタジオ 。
怪盗クィーンシリーズの映画としては第二弾となり、
前作から監督が変更されており、映画の尺自体も58分から87分に伸びている。
おなじみ
前作もそうだが、クイーンたちがどうして怪盗になったのか、
そういった物語の導入がほとんど描かれていない。
しかし、前作と違ってシリーズ2作目のアニメ映画であるため、
前作を見ていたりすれば「おなじみ」のキャラクター感がしっかりと出ている。
クイーンという怪盗と、パートナーであるジョーカー、
そして人工知能搭載のロボットのRD.
このメインキャラの3人が怪盗として活躍している世界だ。
そんな3人が「出していない予告状」がサッチモという人物に届くという
ところから物語が始まる。
明らかな罠であるものの、怪盗クイーンの美学として
「人々の期待」を裏切るわけには行かない。
あえて罠にハマりにいく、それが罠でも、大胆不敵に鮮やかに盗み出す、
それこそが怪盗クイーンだ。
今作の舞台は「豪華客船」だ。
ミステリーではおなじみの舞台であり、そんな舞台に変装して忍び込む。
クイーンは鮮やかに盗み出すことが出来るのか。
だがクイーンよりも先に謎の怪盗が宝石を盗むために動き出す。
謎の怪盗の正体は?サッチモの目的はなんなのか。
映画の序盤でしっかりと期待感を上げてくれる。
刺客
サッチモの目的はわかりやすく、クイーンへの復讐だ。
クイーンへの恨みを持つものを集めた豪華客船、その舞台はよく、
露骨に怪しい人物達が出てきて、次々とクイーンを狙う。
いわゆるバトルシーン的な悪書シーンもちょこちょことあるのだが、
この作品全体で「作画」のクオリティはあまり高くなく、
最近のアニメ映画としては1枚1枚の作画のクオリティも
アニメーションとしての作画の枚数も露骨に少ない。
前作は60分未満で特別料金で1600円の鑑賞料金だったからこそ
まだ作画の微妙さにも納得できた部分はあるが、今作は通常料金だ。
それを考えると最近のアニメ映画としてはかなり物足りない部分が多く、
この品質では劇場のスクリーンで見たいとは私は思わない。
作品の内容、ターゲット的にも本来は劇場アニメではなく、
地上波でやるべき作品だ。
お姫様
もう一人の怪盗である「お姫様」が問題だ。
明らかな芸能人声優、明らかな棒読みだ(苦笑)
メインキャラクターの一人ゆえにセリフ量もそれなりにあり、
それだけにかなり演技の拙さが目立ってしまっている。
前作も怪盗クイーン以外の怪盗が居て…と
今作と同じような要素があり、ややネタとして被っている部分もあり、
新鮮味のようなものも薄いうえに前作よりもキャラとしても弱い。
彼女が怪盗にあこがれ、宝石を盗む理由もわかりやすく納得しやすいが、
前作のようなストーリーの面白さは感じづらく、
クイーンに復讐を誓う豪華客船の刺客だったり、
自分の国のために宝石を盗もうとするお姫様も狙われていたりと、
キャラも多く、そのせいで話もゴチャゴチャしている。
終盤
色々な刺客がでてきて、色々な方法で戦ってと、
アニメーションとしてそれが面白ければ盛り上がりどころになるが、
アニメーションとして拙いため盛り上がらず、
ストーリー間延びしている感じが生まれてしまっている。
姫様を狙う暗殺者の正体など悪くない部分はあるものの、
前作の終盤のようなミステリー感も薄く、
あっさりと色々と物事が解決して終わってしまう。
前作はそれなりに楽しめた記憶があるが、
この作品はどうにもしっくりとこずに終わってしまった
総評:棒読み姫とゴチャゴチャ脚本
全体的に見て色々な要素があったわりにはあっさりとしたラストであり、
割とシリーズの中では長めならしいこの作品を
90分ほどの尺で収めるのはややむりがあったのかもしれない。
無理矢理収めようとした結果、登場人物だけはやたらおおいが、
その各キャラの掘り下げやシーンの描写があっさりとしたものになっており、
印象に残らないキャラクターばかりになってしまっている。
あと30分くらいあればそのあたりも違ったかもしれないが、
90分と尺ゆえのゴチャゴチャさだろう。
本来はもう少し削っても良かったはずだが、
それができない結果、散らかってしまった作品だ。
イルマ姫というメインキャラに芸能人声優を起用したのも悪手であり、
中盤以降は慣れてくる部分はあるものの、演技や声が
明らかに浮いてしまっているせいで没入感も薄まってしまった。
それでもシリーズとして第二弾までこぎつけただけに、
第3弾、第4弾とシリーズ化を期待したいところだ。
個人的な感想:通年アニメ
前作もそうだが、映画ではなく本来は4クールくらいの
通年アニメでやるべき作品だ。
それをできないのが今であり、新規の通年アニメはなかなか難しい時代だが、
本来のターゲットそうである子供が見るのが難しく、
あくまで原作ファン向けになってしまっているのがもったいない。
地上波では無理ならばNetflixやディズニープラスなどで
配信アニメとしてがっつりと怪盗クィーンシリーズのアニメを
見て未tが居ところだ。




