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2026年アニメ映画ワースト1位「迷宮のしおり」レビュー

迷宮のしおり 映画
画像引用元:(C)「迷宮のしおり」製作委員会
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評価 ☆☆☆☆☆(10点) 全115分

映画『迷宮のしおり』本予告〈2026年1月1日(元日)全国ロードショー〉

あらすじ どこにでもいる普通の女子高生・前澤栞は、ある日突然スマホの画面が割れてしまい、気がつくと異世界の横浜にいた。 引用- Wikipedia

2026年アニメ映画ワースト1位

本作品は劇場オリジナルアニメ映画作品。
監督は河森正治、制作はサンジゲン

SUZUKA

見だして感じるのは主人公の声優のひどさだ。
演じているのはSUZUKAさん、新しい学校のリーダーズの
眼鏡をかけてる人といえば思い浮かぶ人も多いのではないだろうか。
当然、声優でもなく、今まで演技経験と呼べるものはほぼないといっていい。

そんなSUZUKAさんの演技はかなり厳しいものがある。
棒演技というほどではないものの、いわゆる芸能人声優的な浮いた演技であり、
その演技に付け加え声の質感、言い方は少し悪いがしゃがれた声は
アニメ映画という媒体で聞くにはかなり厳しいものがあり、
しかも異様に彼女のセリフ量が多い。

中盤くらいで一瞬慣れる部分はあるものの、
この作品の内容的に主人公がある種の二重人格的に
演技のテンションの違うキャラを二人演じるようなものだ。
普段のおとなしい主人公と元気で明るい主人公、
この両者の演じ分けはされているものの、元気で明るい主人公の演技はきつすぎる。

演技力は感情を出したときや、叫んだとき出やすい。
元気で明るい主人公の時はそれを余計に感じやすく、
この作品の7割くらいのセリフが主人公のため、余計に厳しい部分がある。
そのせいで主人公に対する感情移入や愛着、しいては作品に対する
没入感が生まれず、常にあの黒ぶちメガネの顔が頭に浮かんでしまう。

終盤ではそのSUZUKAさんの本領発揮ともいわんばかりの
ライブシーンがあるのだが、この歌のインパクトも薄い。
彼女を起用した意味を感じないどころかマイナスになってしまっている。

この作品は何を思ったのか1月1日に公開している。
200館規模での公開で宣伝を見かけた人も少ないだろう。
宣伝としての芸能人声優の起用なのはわかるが、
これほどのセリフ量があるならばもう少しまともな演技ができる人を
連れてこなければ宣伝もマイナスになってしまう。

CG

この作品はCGで制作されているのだが、
そのCGのクオリティもかなり低い。
制作のサンジゲンといえば青木鋼のアルペジオや、
最近ではバンドリなども手掛けている老舗のCGアニメ制作会社だ。

だが、この作品ではそんなサンジゲンらしさのようなものは感じない。
セルルックスタイルで描かれたキャラクターたち、
そのキャラクターたちのデザインがかなり簡素で、
主人公もほかの登場人物も没個性の塊だ。

横浜を舞台にしており、どこそこと歩き回る主人公のせいで
横浜(みなとみらい)の各所が出てくる。
その背景の描写は素晴らしく、終盤ではロボットバトルなども展開していたり、
果てはライブシーンまであるのだが、ロボットにしろライブシーンにしろ、
アニメーションとしての面白みがあまりにも薄い。

サンジゲンらしからぬ「CGの軽さ」を随所に感じてしまい、
CGの欠点というものが明確に出てしまっている。
この2点だけでもかなり厳しいのだが、最大の問題点はストーリーだ。

スマホ

主人公にはインフルエンサーの幼馴染がいる。
そんな彼女と自分の違い、SNS全盛期の今だからこそ
SNSの評価がすべてともいえる若者の価値観が描かれている。

幼いころに二人で上げた動画は主人公は15いいねしかつかなかったのに、
幼馴染のほうはバズりにバズった。
そんな経験が彼女にはあり、幼馴染に対して若干の引け目を感じつつも、
二人でtiktok的な動画をとっていたりする。

このtiktok的な動画のシーンも無駄に長い割にはつまらないのだが、
そんなことはこの作品においては些細な問題だ。
動画撮影中に起こった事故、その事故の動画が勝手にネットにあげられてしまう。
あげたのは幼馴染であることは間違いないのだが、
彼女にはなぜか連絡がつかず、いろいろなネットの声が彼女のもとに集まってくる。

そんな声に耐えられなくなった彼女のスマホが唐突に割れ、
彼女は「スマホの中」に取り込まれてしまうというところから物語が始まる。
ここに至るまでの展開もグダグダしており、
無駄に横浜のあちこちに移動しているため余計にテンポが悪くなっている。

迷宮

スマホの中の世界には主人公以外に人間らしい姿をした人間はおらず、
多くの人が「LINEのスタンプ」のような姿をしている。
現実世界でSNSやネットでの悪評に疲れ心が壊れてしまい、
スマホが割れたものたちが訪れる世界、そんな世界だ。

主人公はわけもわからず迷い込んでしまい、さらには
「もう一人の自分」が現実の自分の体を操っている。
主人公自身ができなかったSNSに写真を投稿したり、
髪を派手にして、大胆な格好をして、ブランドのものを買って……
それをSNSにあげる、主人公にはできなかった承認欲求を満たしている。

そんな姿を見ながら、何とかこの世界から脱出しようとするができない。
ここまでの展開もグダグダグダグダしており、
どういう世界なのか、いまどういう状況なのかの説明に時間がかかりすぎだ。

XG

この世界は謎の博士が作り出した電波「XG」によるものだ。
4G、5G、その先にあるXGは人間の脳波の波長と電波をあわせることで
スマホと脳波をつなげてしまうとんでもない代物だ。

ある種の陰謀論に近い、感受性の高い主人公はその電波にあてられてしまい、
この世界に迷い込んだらしいのだが、心が壊れたからなのか
謎の電波を受信したからなのか、いまいちよくわからないポイントだ。

主人公は「幼馴染」もこの世界に来てるに違いない!と
あちこち探し回るのだが結局見つからない、
その間にももう一人の主人公は1億いいね!を目指してインフルエンサー活動にいそしみ、
そんな1億いいね!を達成すれば本当の自分になれる!と
よくわからない理由で突き進んでいる。

すべてがノリで進むわりには細かい設定の解説もするのに
その解説を飲み込めるわけでもない。
SNS社会、承認欲求などいろいろと若い世代にはひっかかりそうな
それっぽい要素を詰め込んでいるが、ふわふわしたストーリー展開と
酷すぎる演技のせいで余計にストーリーが頭に入ってこない印象だ。

サイバーフォーミュラだ!?アクエリオンだ!?マクロスだ?!

そんなグダグダな序盤から中盤が終わると
ようやく話が盛り上がってくる、というより滅茶苦茶だ。
黒幕的な博士はなぜかサイバーフォーミュラのアスラーダみたいなのに乗り込み、
スマホの世界に侵入してきたかと思えばアクエリオンに変形する。
ちょっと何を言ってるかわからないと思うが、その通りなので仕方ない。

そんなアクエリオンと主人公とずっと一緒にいたウサギが唐突に変身し
巨大ロボットバトル的なものが描かれる。
このロボットバトルも特に面白みはないうえに、
勝とうが負けようが話の本筋的にはどうでもいい話だ。

終盤になると1億いいねを集めたもう一人の主人公がライブを開催する。
まるでマクロスのごとく歌うシーンは横浜を舞台に華やかなライブを披露しているのだが、
ストーリーがめちゃくちゃだ。

山田

中盤くらいからちょこちょこと出てくるもう一人の幼馴染である「山田」、
そんな山田が最終的には二人の主人公に告白することで
色々な物事が解決する、ちょっとなにをいってるかわからないとおもうが
そのとおりなのでしかたない。

これで山田との恋愛模様が序盤から描かれてるならともかく、
山田がメインとして出てくるのは中盤からであり、
序盤で行方不明になっていた幼馴染はただ引きこもっていただけという
拍子抜けな展開もある、しかも、彼女は主人公に黒魔術を使って呪いをかけている。
もう滅茶苦茶だ。

マクロス的な三角関係を描きたかったのかもしれないが、
三角どころか二角にもなってないような恋愛模様でしかなく、
最後は「私は私だー!」みたいなノリで終わる。
ちょっとめまいがしそうなほどの物語の雑な締め方は
本当に「ひどい」と心の底で思ってしまう作品だった。

総評:なにもかもが酷すぎる悪夢みたいな映画

全体的に見て悪夢みたいな映画だ。
主人公や山田を演ずる芸能人声優のひどさはかなり厳しいものがあり、
特に主人公は二人の主人公という演じ分けをするうえでの
演技力がかなり厳しいものになっており、セリフ量も異様に多いせいで
最後まで違和感が残るものになっている。

フルCGで制作されているアニメーションも面白みがなく、
終盤ではロボットバトルやライブシーンなどの派手なシーンこそあるものの、
そこに至るまでのアニメーションのつまらなさ、
無駄なスローの多用なども鼻についてしまう部分がある。

ストーリー的にはSNS社会で承認欲求に悩む少女、
なりたりい自分になれない自分となりたい自分を描きながら、
最後は私は私でいいんだという安易な展開は非常に厳しい部分がある。

世界観的にも現実世界とスマホの世界という2つの世界を描いているのだが、
そのわりには本当に登場人物が少なく、
主人公がスマホの世界の中で見る夢を見せられたりするシーンだったり、
やたらホラーなシーンも意味があるのかないのかいま1つ飲み込みがたいものがある。

そのキャラは本当に必要だったのか?その展開は必要だったのか?
と思う要素もかなりあり、110分ではなくもっとコンパクトに
90分くらいでまとめられてたらもう少し印象は変わったかもしれないが、
結局のところ、主人公の声優が芸能人というのが1番致命的だったかもしれない。

終盤でとってつけたように「河森監督」の過去作の要素が
どんどんと出てくるのはお祭り感があるといえばあるのだが、
河森監督が死ぬ直前に見る走馬灯のような映像を見せられても
作品の世界観とのちぐはぐさもあり、厳しいものがあった。

ラストも1億いいねを集めて横浜でライブをやった事実は消えたわけではなく、
主人公が今後、前と同じような生活や平穏な生活に戻れるとは思えず、
アフターストーリー的なものがエンドロールあとなどに
描かれるわけでもないため、そのあたりも気になってしまうところだ。

新年1発目で2026年ワースト1位が決まってしまうとは思わなかった、
今年、この作品よりひどい作品が出ないことを願うばかりだ。

個人的な感想:お前か!

このグダグダダラダラなめちゃくちゃな脚本を考えたのは
誰なのだろう?と検索したところ「お前か!」と思わず叫んでしまった。

LISTENERS リスナーズのストーリー原案、
HUMAN LOST 人間失格の脚本、
ゲートキーパーズ21の脚本と
どれもこれも私が過去に酷評した作品ばかりを手掛けている。

河森監督にもそれなりに責任はあるかもしれないが、
1番の原因は脚本を務めた「橋本太知」氏かもしれない….

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