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胸焼け注意ななろう系「悪食令嬢と狂血公爵」レビュー

3.0
悪食令嬢と狂血公爵 ファンタジーアニメ一覧
画像引用元:©星彼方・講談社/「悪食令嬢と狂血公爵」製作委員会
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評価 ★★★☆☆(49点) 全12話

TVアニメ『悪食令嬢と狂血公爵』本PV ┋2025年10月2日深夜1時28分から放送開始!

あらすじ 「食べるからには美味しくいただきたいですし!」伯爵家の娘・メルフィエラは、誰にも理解されない趣味を持っていた引用- Wikipedia

胸焼け注意ななろう系

原作は小説家になろうな本作品。
監督は武田睦海、制作は旭プロダクション

ゲテモノ

1話冒頭、おしとやかなご令嬢が優雅に外でランチをしている。
そんなご令嬢が食べている美味しそうなサンドイッチ、
その中身は「魔獣の肉」だ(笑)
この世界における魔獣の肉はゲテモノであり、世間的には食べると
体調不良になることが多い代物だ。

魔獣の肉を美味しそうに食らうのが本作品の主人公であり、
悪食令嬢と呼ばれるほどの悪評が立っている。
かわいい見た目で、スタイルも抜群だ、だが、その悪食ゆえに評判は悪く、
実家からも「1年以内に結婚しなければ修道院に入れる」と言われるほどだ。

そんな社交界で婿探しをしていた主人公の前に
「狂血公爵」と呼ばれる貴族が現れ、魔獣を倒し、主人公を助けてくれる
というところから物語が始まる。

非常にわかりやすい作品であり、1話から丁寧に世界観と
主人公とメインキャラを描いている。
世間的には変わり者と言われる二人が出会い、わかり合っていく。
世間や社会、立場が重要とされる世界で
本当の理解者が現れたことで運命も変わっていく。

少女漫画的なストーリーが効果的に作用している。

求婚

序盤の物語のテンポ感は素晴らしく、1話で二人が出会い、
2話では求婚される(笑)
余計な展開や引き伸ばしがなく、サクサクと物語が進むがゆえに
コミカルなテンポ感が生まれており、変な引っ掛かりが生まれにくい。

悪食令嬢と狂血公爵 、世間から勘違いされ、立場もある二人が
「恋」を深めていく描写が微笑ましく、
初々しい二人の恋愛模様にニヤニヤしっぱなしだ。

魔獣を食べる主人公に、純粋に寄り添う公爵。
どこまで自分を受け入れてくれるのか、自分の素を、本性を、
なぜ彼女が魔獣を食べるのかを明かしていく。
そこに恐怖はある、世間的には忌避されるものだからこそ、
打ち明けるのにも勇気がいる。

それは公爵も同じだ。魔獣を平然と殺し、血に塗れる。
それは彼の役目であり、仕事だ。
誰かが魔獣を狩り続けなければ魔獣は溢れ、民衆に危険が伴う。
彼の姿を「かっこいい」と思うのが主人公だ。

互いが互いに自らが世間的に忌避されている部分をさらけだし、受け入れる。
恋愛感情の構築とそこからの発展が丁寧に描かれており、
真っ当な恋愛模様だ。
だからこそ彼は求婚し、彼女はそれを受け入れる。

そんな二人を応援してくれるものもいる。
なろう系とは思えないほどの丁寧な恋愛描写と、
丁寧なキャラクター描写が優しい世界観を作り上げており、
地味な感じは否めないが、その地味さが染み渡っていく。

少女漫画的なワードで言えばスパダリ男子な公爵ではあるものの、
自然とそんなキャラクターを受け入れられる。

偏見

本作品における魔物食はあくまでもオマケだ。
「ダンジョン飯」のように様々な魔物を色々と料理するという
シーンがメインではない。
本作品における魔物食というのは「偏見」のメタファーだ。

人種、性別、生まれ、肌の色、食生活、そういった文化の違いから
人は偏見をうみ、それが差別につながる。
今作の主人公はそんな偏見ゆえに差別されてきた少女だ。
そんな自分を受け入れてくれる公爵と公爵の騎士たちにとっては
魔物を狩ることがつとめであり、その死体の処理には困っている。

普通に食べてしまえば体調を壊す魔物を無害に料理する主人公は
重要な存在だ、彼女を受け入れてくれる場所をようやく見つけた彼女は
そこで適応し、馴染んでいく。

それと同時に主人公と公爵がひたすらイチャイチャしている(笑)
どんどんとそのイチャイチャ度はましていき、
甘々なシーンが多いのは人によっては好みが分かれる部分かもしれないが、
変にシリアスにも重たくなり過ぎもしないので気軽に見れる魅力がある。

覚悟

公爵の領地が抱えている問題は多い。
魔物が住まう領域が近く、魔物をかり続けなければ生活すらままならない。
いつ戦闘の中で死ぬかもわからない、そんな中でも必死に戦い続けている。
そんな公爵に、領地に嫁ぐことの意味を彼女は身にしみて実感していく。

それでも彼女は諦めることがない、飽くなき探究心、
そして公爵への愛ゆえに、彼女はこの土地で生きていくことを改めて決意する。
魔物から抽出するだけだった魔力の利用方法、
魔物が住まう領域だからこそ、様々な魔物の調理方法を彼女は研究し、
公爵のため、自らの研究のため、そして領民のために己がなせることを見つけ出す。

それを公爵が、領民が受け入れてくれる。
最初から最後まで優しく甘々な物語が描かれており、
1クールできちんと区切りがついている、
しっとりとじっくりと優しい煮込み料理のような作品だった。

総評:ダンジョン飯と見せかけてスパダリ男子

全体的に見て地味さは否めないものの、
1クール筋の通ったストーリーが描かれている。
母の研究を引き継ぎ魔物を研究し、魔物を食べる主人公。
そんな主人公が世間の「偏見」にさらされている中で自分を偏見無く
受け入れてくれる公爵と出会い、運命が変わっていく。
このストーリーを1クール、起承転結スッキリと描いている作品だ。

1話の段階ではダンジョン飯のようなグルメ系アニメっぽさがあるのだが、
2話以降ではそういった要素は若干薄れ、
魔物を食べるという忌避される行為が偏見や差別といったものの比喩になっており、
そんな偏見を偏見無く受け入れてくれるスパダリ男子と出会い、
主人公の立場、環境が変わっていく物語が描かれている。

序盤の時点で相思相愛であり、早い段階で婚約が決まり、
ライバルや邪魔をしてくる存在などもなく、トントン拍子に物事が進み、
結果として甘々な恋愛模様とイチャイチャなシーンは
やや胸焼けしてしまう部分があるものの、1クールで
物語にきちんと区切りが生まれている。

作画はあまりよくなく、名作というには2歩くらい足りない部分はあるものの、
1話を見て主人公や公爵を気に入れば最後までストレス無く楽しめる作品だ。
いい意味でなろう系らしさも薄く、重い要素はあるものの、
その重さを感じさせずコミカルに、甘々に描くストーリーに
癒やされる作品だった。

個人的な感想:灰汁抜き

この作品といい、最近は小説家になろう原作のアニメなのに、
小説家になろう的な要素が薄い作品が増えてきている。
なろう系もあらかたやりつくし、悪役令嬢系もそろそろ限界だ。
だからこそ、こういった逆張り的な作品が増えてるのかもしれない。

地味さは否めないものの1クールスッキリと楽しめる作品であり、
1話を見たら最後まで楽しめる作品だった。

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