「ホリミヤ」アニメレビュー

3.0
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青春
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評価 ★★★☆☆(57点) 全13話

あらすじ 片桐高校に通う堀京子は、派手な外見とは裏腹に成績優秀で、家事をこなし弟の面倒も見る家庭的な高校生。引用- Wikipedia

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ラムネ的青春アニメ

原作は堀さんと宮村くんを再構成した漫画作品。
監督は石浜真史、制作はCloverWorks

日常


画像引用元:ホリミヤ 1話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

1話冒頭、静かな始まりだ。
学生たちの何気ない、いつも通りな学校の風景。
美人で人気の堀さんという主人公は彼氏も作らず、
共働きな両親の代わりに家事をこなしている日々だ。

年の離れた幼い弟がいるからこそ、
普通の女子高生のような青春を送れてはいない。
それにどこか寂しさや虚しさは感じつつも、
せわしない彼女の日常は緩やかに消費されていく。

そんな代わり映えしない、彼女も変化を求めていない、
変わらない忙しい日々の中で彼女の前にある日、彼が現れるところから
物語が動き出す。

変化


画像引用元:ホリミヤ 1話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

彼女の前に現れたのは怪我をした幼い弟を送り届けてくれた男性だ。
長髪を結び、顔も耳もピアスだらけ、腕にはチェーンこそ巻いていないが
謎の紐を巻いており、普通ならばあまり近づかないタイプの人間だ。
そんな彼が同じクラスの地味な男子であることが発覚する(笑)

学校での彼とは同一人物とは思えないほどの変わりようは凄まじく、
シンデレラもびっくりな違いだ。
彼こと宮村はピアスが好きでそういうファッションが好きな男子だ。
だが、目立ちたいわけではない。だからこそ、学校では地味に通している。

そんな彼の「素」をしってしまった堀さん。
彼が幼い弟に好かれたという言い訳をしつつ、
2人は徐々に仲良くなっていく。
学校では知られていない2人の素の姿を2人だけが知っている。

特別にそのことを秘密にしているわけではないが、
なんとなく隠している自分の本当の素の姿。
そんな秘密の共有が徐々に二人の仲を深めていく。

2人だけが知っているからこそ、2人以外には知られたくない。
ちょっとした独占欲、ちょっとした嫉妬、他人には魅せない姿を
見て知ってしまって、それを「良い」と思ったからこそ、
2人の間に恋愛感情が生まれる。

ノーストレス


画像引用元:ホリミヤ 2話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

どこかベタさは感じ、色々なことがトントン拍子で
進む違和感はややあるものの、いい意味でストレスを感じない。
原作は別に少女漫画ではないものの、
堀さんを演ずるのが戸松遥さんということもあってか
00年代後半の少女漫画っぽさも感じる部分がある。

それと同時にこの作品はどこかライトだ。
原作者が女性であることもひしひしと感じさせるシーンも多い。
一瞬、シリアスになってもそれを引きずらない。

これは「ホリミヤ」のもとになった「堀さんと宮村くん」が
元々4コマだったということもあるのだろう。
日常の中でのギャグも多く、キャラクター同士のそんな明るい雰囲気と
ギャグでキャラクターを掘り下げながら
同時にキャラ同士の関係性も深めていく。

キャラクターたちの「恋愛感情」がそっと透けて見えており、
少しだけキャラの感情が透けて見えるからこそわかりやすく、
キャラの感情がダイレクトに見てる側に伝わる。

いい意味でも悪い意味でもこの作品のキャラクターたちは素直だ。
だからこそ変にどろどろした展開やシリアスが長く続くわけでもない。
互いが互いを気遣いつつも、自分の感情を素直にあらわにする彼らを
微笑ましく見れてしまう。

宮村くん


画像引用元:ホリミヤ 3話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

彼は性格が暗い。誰かと積極的に関わろうとはせず、
子供の頃から「余ってきた」という認識がある。
二人組を作れと言われても作れず、先生からも「余った」と言われる。
そんな子供時代の孤独、自分の性格が故の不器用さが彼を孤独にしていた。
そんな孤独が彼のピアスやタトゥーをやらせたという部分もある。

極力目立たず地味に生きる。それが普段の自分を隠していた原因だ。
そのほうが傷つくことがなくなる、自分自身の殻に閉じこもっていた。
そんな彼がちょっとしたきっかけで「堀さん」と出会う。
下心なんて無い、ちょっとした親切心だ。
「堀さん」の日常にも変化が生まれたのと同時に「宮村くん」にも
変化が生まれている。彼は孤独ではなくなった。

だが、孤独ではない自分に違和感を感じるときもある。
過去の自分が、今までの経験が、今の自分への違和感につながる。
それを彼はまっすぐに友人にぶつける。
そんな迷いに友人も真っ直ぐに答えてくれる。

堀さん


画像引用元:ホリミヤ 3話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

堀さんと宮村くんは友達だ。
だが、そんな関係性ではいられなくなってくる。
嫉妬と独占欲、それが恋愛感情への昂りにつながる。
非常に丁寧な恋愛感情の描写に胸をくすぐられる。

きっかけは幼い弟だった。
だが、幼い弟が小学校へ行きだすと「二人の時間」が増えてくる。
さりげない行為、さりげない言葉が2人の感情を後押ししだす。
互いに自覚はしている、だが、一歩踏み出せない。
このなんとも言えない歯がゆさがたまらない。

徐々に、徐々に、互いのことを知っていく。
知らないことが多い2人が徐々に互いを知ることで
自分の中の感情も止められなくなってくる。
見ている側がびっくりするほど「宮村くん」の
さりげない告白は思わず笑ってしまうほどだ(笑)

それに対する返事もさりげなく
序盤から中盤まで、出会いから、そして付き合うまでの流れに
思わず、ニヤニヤしてしまう。

サブキャラ


画像引用元:ホリミヤ 6話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

5話のラストの時点でこの作品のストーリーとも言うべき部分は
ある程度簡潔してると言っていい。
ホリミヤにおける堀さんと宮村くんが付き合う。
恋愛関係をえがいている作品だからこそ「付き合う」というのは
作品の結末の1つでもある。

それゆえに6話以降はサブキャラが中心の話が多い。
新キャラも追加しつつ、サブキャラたちの恋愛事情が描かれる。
これもメインの二人と同様に歯がゆくみずみずしい青さを感じる、
まさに「青春恋愛」ものらしいストーリーではあるものの、
メインキャラではないがゆえにサイドストーリー的な意味合いが強い。

それでも、
そんなサブキャラのストーリーが描かれつつ、
堀さんと宮村くんの恋人としての進展も描かれる。
終盤になると進展というよりは色々なことをやったあとなせいか、
もはや「プレイ」に近いものも見せられる(笑)

必ずしも


画像引用元:ホリミヤ 7話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

そんな中盤以降のサブキャラたちの恋愛は必ずしも報われるとは限らない。
特に生徒会の一員でもある「桜」の恋愛事情は見ていて辛い。
これは個人的すぎる主観だが、中盤からは彼女に感情移入してしまってる
部分が大きく、そんな彼女が報われない歯がゆさが募るうえに、
彼女のほうが絶対良い子なのに別の子が選ばれてしまうのが飲み込み難い。

他にも主人公のことを「いじめていた」キャラクターが
過去を後悔し、主人公と改めて友人としての関係性を結ぼうとしていたりと
見る人の価値観によってかなり好みが分かれそうな要素が大きく、
序盤から中盤まではいい意味でわかりやすい青春恋愛ものとして
程よい刺激を楽しめる作品だったが、中盤からはややほろ苦い要素が多い。

6話以降はサイドストーリーな感じが強く、
序盤から中盤までにはなかったドロドロとした部分や
シリアスなシーンの割合も増えてしまい、キャラクターも増えることで
作品の面白さが散漫になってしてしまう印象だ。

キャラを増やすことでストーリーを作ってる感じも否めず、
サブキャラの妹だったり、お隣さんだったり、
ぽっと出のキャラのエピソードが描かれるものの微妙でしか無い。

卒業


画像引用元:ホリミヤ 13話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

この作品は以外にも「卒業式」まできっちりと描かれている。
いつまでも続けることもできる作品だが、
そんないつまでも続く学生の日常の終わりである「卒業式」が
最終話で描かれる。

「宮村くん」はもし1話のあのきっかけがなければどうなったかなどと
思うものの、それに意味があるとは思えない。
if的なエピソードではあるものの、こうなるべくしてこうなった。
極端に言えば「作者」がそうしたからそうなった話であり、
そうなってなかったらというifのエピソードに面白みはない。

湿っぽい感じで卒業式が終わるものの、
最終話らしい盛り上がりがあったといはいえず、
結局は話しのピークはやはり5話で、それ以降は惰性で続いているような
そんな印象が拭えない作品だった。

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総評:ネタ切れと惰性


画像引用元:ホリミヤ 5話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

全体的に見て序盤から中盤までのベタではあるが
甘酸っぱい青春恋愛模様は分かりやすい面白さのあり、
堀さんと宮村くんの恋愛の結末までの物語は久しぶりにこんな
ストレートな青春恋愛者を味わったなと思えるような感覚になれる。

だが、中盤からはそんな「ホリミヤ」としての話が終わった後の
サイドストーリー的な感じのエピソードが非常に多く、
中盤までの面白さを超えてこず、つまらないとは言わないものの、
序盤から中盤までのような刺激はないまま終わってしまう感じだ。

この作品は公式サイドで「超微炭酸系」と表現されている。
そんな表現を借りるなら、この作品はラムネだ。
最初は懐かしい甘さと炭酸の刺激を味わえるもののの、
途中からその甘さに飽き、炭酸も抜けてしまい、くどくなり、ぬるくなる。
そんな感覚になる作品だ。

はっきりいってしまえば後半からネタ切れした感が否めない。
そのネタ切れを解消するために新キャラを出しエピソードを作るという
ありがちなことをしているが、中盤までの面白さを超えてくることはなく、
ラストは綺麗に締めているものの、そのラストに至るまでの
中盤からの描写が脇道ばかりしすぎてラストでしっくりとこない。

もう少し堀さんと宮村くんが付き合うまでの展開を引き伸ばしつつ、
サブキャラたちのエピソードも描きつつ最終話までの流れが
描かれれば1本の作品としての満足感が生まれたかもしれないが、
作品としての「後付感」が強い部分が大きく、
「中盤までは面白かったのに」という印象で終わってしまう作品だった。

個人的な感想:映像化に…


画像引用元:ホリミヤ 1話よりホリミヤ 5話より
©HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・「ホリミヤ」製作委員会

個人的には6話くらいまではこの作品を楽しんでみていたが、
中盤からの惰性感が凄まじく、段々と評価がオチていく感じになる作品だった。
中盤までが悪くなかっただけに、1クールというストーリー構成が
あわない作品だったのかもしれない。

実写映画化もされているが評価は微妙なようで、
シンプルな内容であるがゆえに逆に映像化が難しい作品だったのかもしれない。

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