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月影のトキオ」

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評価/★★☆☆☆(31点)

月は出ているか?

本作品は日本アニメーター見本市という企画の中の一本、
監督は水野貴信、制作は神風動画

見出して感じるのは「林原めぐみ」さんの見事な演じ分けだろう。
主人公である「トキオ」とヒロインである「セツコ」
少年と少女を見事に演じ分けており、
林原めぐみさんが演じていると知っているからこそ気づける声色の違いで
「男役」の林原めぐみさんの声はファンにとっても嬉しいところだ

そして作品の世界観。
「神風動画」というと最近だとジョジョのOPなどが有名だ
擬似2D処理という物を使い独特な絵柄によるアニメーションになっており、
シーンによって、キャラクターによっても「強い違和感」が生まれるほど
画面の細かい部分まで不思議なアンバランスな作画で描かれており、
非常に癖は強いが、同時に強い絵力と個性も生まれている

更にこの作品、そんな「神風動画」の作風を活かしたSFロボットものだ。
地球に訪れる侵略者から守るために「月」に住み、日夜侵略者から
地球を守っているトキオ。
そんなトキオのストーリーを描いている

序盤は独特の作画による世界観の構築と描写をし、
中盤からシリアスにストーリーを展開させていく
トキオ意外にも地球に訪れる侵略者から守るために土星や木星、火星にも番人がいる。
トキオは侵略者から守る「最後の砦」だ

ただ、短編の尺しかないゆえにトントン拍子でストーリーが進み
トントン拍子で世界観が描かれ、トントン拍子に終ってしまう。
世界観や設定を完ぺきに把握できないままに
キャラクターがどんどん死んでいっても感情移入が追いつかず、
よくわからないままに敵が来て、よくわからないままに敵が倒されてしまう

非常に癖のある絵や演出なため、
それが余計に本来はストレートなストーリーが伝わりにくくなってしまっており、
更に「7分」という尺のせいで余計に面白さが見てる側に
伝わる前に終わってしまった感じは強い。

全体的に見て、物凄く面白そうな作品の「PV」のような作品だ。
地球を護る最後の番人であるトキオ、月の力でロボットに乗り敵を倒す
王道なSFロボットのような世界観でありながら、
どこか「寂しさ」と仲間がどんどん死ぬ「シリアス」な雰囲気を感じさせる世界観は
「面白そう」な空気は感じる。
だが、7分という尺では空気だけで終ってしまい、物足りなさが強い

この作品をキッカケにテレビアニメ化すれば化ける作品かもしれない。
神風動画の「ポテンシャル」の高さや面白い作品を作れそうな実力は
この作品からしっかりと感じることができ、
少し懐かしい王道のSFロボット物のような王道の面白さを楽しむことはできる
だが、「短編アニメ」としては1つの作品としての物足りなさが出てしまい
もう少し要素を削ってスッキリとした作品に仕上げても良かったのでは?と感じる

個人的には「メガカノン」の描写がなんであんなふざけた感じになってしまったのか
物凄く気になるところだ。
敵が猫になってしまう描写と何か関係有るのかよくわからず、
色々と考えれば考えるほど「ひっかかる」部分が多い。

作品のテイスト、空気感は悪くないだけに
このテイストを活かした「4クール」くらいのSFロボットものがみたい
そう感じさせる作品だ。

「」は面白い?つまらない?

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