SF

偶像戦域」

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評価/★★☆☆☆(37点)

4クールでアニメ化して欲しい、いや劇場版だ

本作品は日本アニメーター見本市という企画の中の一本。
監督は山下いくと、制作はスタジオカラー

見出して感じるのは強烈な期待感だろう。
短編アニメでありながら「SF」、しかも全50話超えの
ロボットアニメが始まるかのような始まりと
ロボットのデザイン、登場人物の描き方など
とてもじゃないが、わずか5分で終わるようには見えない。

この作品に「声」はない。
字幕で全てのセリフが語られ、描かれるシーンを見ながら
「世界観」とストーリーを「把握」していく。
ただ、5分という尺では把握しきれない部分が多く
「察する」ことで何となくストーリーについていくしか無い。

更にロボットのデザインは素晴らしいのだが。
戦闘シーンがつまらない。
ストーリーを描写するために尺を使いすぎており、
せっかくの素晴らしいデザインのロボットによる戦闘シーンの尺が短く、
「5分」という尺を意識したストーリー構成になっておらず、
本当に全50話アニメのPVやダイジェストのようにしかなっていない。

この作品で何を魅せたいのか。
その「魅せたい」部分が散らばってしまっており、
5分という尺の中では描きたかった部分があまりにも多すぎて、
結果的に1つ1つの要素が要素でしか無く、
その要素が「面白さ」に直結しにくくなってしまっている。

デザインやコンセプトは素晴らしいのに、
その素晴らしさを5分という枠の中では「表面的」にしか見せきれておらず、
結果的に見出した時の期待感だけで終ってしまい、
その期待感に答えてくれるようなシーンがないのが残念だ

全体的に見て、このロボットアニメがガッツリ見たいと感じさせる作品だ。
人型でありながら流線型で天使のような羽をもつロボットデザインは素晴らしく、
最近のロボットデザインというよりはエヴァ以降の
2000年代のロボットデザインのようなどこか懐かしくはあるものの、
同時に「新しいロボットデザイン」を模索していた年代の挑戦的なセンスを感じ、
更にストーリーも2000年代の2クールアニメのような
どこか淡々として、どこか陰鬱とした雰囲気を感じさせる。

はっきりいってこの作品がもし4クールや2クールで作られても
「売れる」作品ではない。
キャラクターデザインも萌えや腐女子さん向けとも言いがたく、
なんとも「マニア向け」な要素が多すぎる作品ではある。
だからこそ、この「日本アニメーター見本市」という作品で
5分だけでもこの雰囲気の作品を作りたかったという気持ちは非常に伝わる作品だ

私は嫌いじゃない、だが、いわゆる「質アニメ」のような雰囲気もあり
5分という尺では、この作品の面白さがストレートに伝わりにくいのが残念だが、
随所随所に見られる「かっこよさ」が何とも渋く、
その渋いかっこよさが分かる人にはたまらない作品だ。
それだけに5分で終わるのはもったいない、もっと見たいと感じてしまう

欠点は目立つものの、渋いロボットアニメ好きならば
間違いなくツボに嵌る作品だ。
こういう感じの作品を最近見てないだけに、
逆に今やったら「新鮮」に映るかもしれない。
色々と練りこまれていそうな作品なだけに5分で終わらずに
いっそのこと「映画化」で見てみたいと思わせるポテンシャルのある作品だ

「」は面白い?つまらない?

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