劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空の花束 シェイミ

☆☆☆☆☆(9点)

劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空の花束 シェイミ 評価

96分
監督/湯山邦彦
声優/松本梨香,大谷育江,うえだゆうじ,豊口めぐみほか

あらすじ
旅を続けるサトシ一行の前に、見たこともない小さなポケモンが現れる。それはかんしゃポケモンのシェイミであった。グラシデアの花畑に行く途中迷子になったようで、自分を花畑に連れて行くようサトシ達に頼む。しかし、突如シェイミが鏡の中に引き込まれ、同時にサトシとヒカリも引き込まれる。その先には、見たこともない不思議な世界が広がっていた。

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ピカチュウ!コイルに10万ボルトだ!

本作品はポケットモンスターの映画。
ポケモンとしては11作品目、ダイヤモンド&パールとしては2作品目の作品だ
一応、神々の戦いシリーズの2作品目だが前作をみていなくても問題はない

始まって早々怪獣大戦争が始まる。
前作にも出てきたディアルガとギラティナの戦いが激しく描かれ、
その中で可愛らしい「シェイミ」というポケモンが巻き込まれる
そのシェイミがサトシたちと出会う所からストーリーは始まる

ただ、このシェイミというポケモンがかなり生意気だ。
テレパシーと使いサトシたちと普通に会話するのだが
口調が生意気で口を開けばイヤミばかりを言うキャラだ。
更にいえば独特の語尾のおまけつきで「鼻につく」人も多いだろう。
しかも、このポケモンは「フォルムチェンジ」をしスカイフォルムというものになる。
そうなると余計に口も生意気になる

そんな可愛げのないシェイミを狙って追いかけっこが始まる。
シェイミに怒っている「ギラティナ」とギラティナがいる世界がほしいためにシェイミを狙っている「ゼロ」
そんな1人と一匹から偶然出会っただけのシェイミをサトシ達は守る。

道中の戦闘シーンははっきりいいって手抜きだ。
「ポケモン同士の相性」を完璧に無視した技の応酬は面白い以前に疑問に感じる
コイルの進化形であるジジコイルに10万ボルトをかましたり、コイルにバブル光線をぶちかましたり、
それぞれの登場人物がそれなりにポケモンを持っているのだから
相性のいいポケモンを出したポケモンバトルを描写すればいいのに、
あえて相性の悪い組み合わせでバトルをするのはかなり疑問だ
そのせいでサトシ達の手持ちポケモンは最初の食事シーンで一気に出されて以来ほとんどでない(苦笑)

終盤ではなぜか二匹のポケモンが戦闘に参加させられているが、
これも「出す意味」がよくわからない。
活躍させるシーンがなかったため慌てて出したような感覚だ

そして敵である「ゼロ」
こいつの目的は「ギラティナのいる世界」を手に入れることなのだが、
肝心の「なぜ手に入れたいのか」が描写されないため、ふわっっとした敵だ
キャラクター描写が甘くバックボーンの描写が薄いため彼の行動や言動が浮ついてしまっている。
更にゼロとのラストバルトルが・・・ポケモンバトルではない(苦笑)
彼が作った違和感バリバリの3DCGによる空飛ぶ機械との戦いになっており、
もはや、これはポケモンなのか?と感じてしまう内容だ。

敵の目的や、それを阻止したのも主人公である「サトシ」は関係なく
巻き込まれたのでそこに居ただけの存在になってしまっている。
サトシの行動や言動が映画オリジナルキャラに影響するようなことはなく、
つねに傍観者の立ち位置だ。

更に伝説のポケモンである「レジギガス」が何故か唐突に登場する。
物語の序盤から中盤まで一切そんな気配がないのに、
いきなりあらわれるこのポケモンは出す必要性がよくわからない。

全体的に見てチグハグな作品だった。
「ギラティナ」は怒りのあまり冒頭で戦っていたが、終盤では性格が変わったようにサトシの助けをし
「シェイミ」に関しても感謝ポケモンという特性は最後におまけのように感謝するだけ、
「ゼロ」は敵としての描写が浅く目的もふわふわっとしている。
映画オリジナルのキャラクターが噛みあっておらず、
それをまとめるはずのサトシは傍観者になってしまってまとまっていない。

バトルシーンに関しても確かに序盤や終盤の空中戦はそれなりに迫力があったのだが
中盤のとってつけたような相性無視の戦闘シーンが足を引っ張っており、
もう少しネられたバトルシーンが欲しかったと感じるところだ。

映像面でのクォリティは高いのだが、それをストーリーで生かしきれていない。
主人公であるサトシは本当に常に傍観者なのはストーリーとしての詰めの甘さを感じてしまった
確かに分かりやすくシンプルなストーリー展開で子ども向けと考えれば飲み込める部分もあるのだが
子ども向けと考えても妥協できない部分が多い。

個人的には1年後にはすっかりストーリーを忘れてしまいそうな作品だった(苦笑)
ポケモン映画の中でもっとも印象の薄い映画かもしれない・・・