「ゆるキャン△」レビュー

評価 ★★★★★(84点) 全12話

あらすじ フシーズンの一人キャンプが好きな女子高校生の志摩リン。リンが富士山の麓で冬の一人キャンプを楽しんでたところ引用- Wikipedia

ここをキャンプ地とする

原作は「 まんがタイムきららフォワード」で連載中の漫画作品。
監督は京極義昭、制作はC-Station

見出して感じるのは「まったり」とした雰囲気だろう。
一人の女の子が山へ向かい、キャンプ地でテントを立てる。
そう、たった一人だ。
手際よくテントを組み立て、手際よく準備をし、手際よく焚き火を起こす。
そこにトラブルのようなものはない。

淡々とかつ、何の盛り上がりもないキャンプ模様だ。
強烈に笑えるポイントや萌えれるポイントがあるわけでもない、
安易なセクシー描写があるわけでもない。
本当にただ女の子がキャンプしてるだけだ(笑)


引用元:©©あfろ・芳文社/野外活動サークル

驚くほど淡々と見せられるキャンプ模様になぜだか笑ってしまう、
淡々とだが丁寧に「キャンプ」を描いている。
キャンプの細かい建て方など、他作品でキャンプシーンを描くにしても、
ここまで細かくは描かないだろう。

そして飯、まず描かれるのは「カップラーメン」だ。しかもカレー味。
寒い中で美味しそうにラーメンを啜る姿は可愛らしく、
正直、同時期に放映していた「ラーメン大好き小泉さん」よりも
ラーメンが食べたくなるほどうまそうだ。

この作品の基本はコレである。
山へいき、キャンプをし、飯を食べて終わる。
そこになにか大きな事件やストーリーが展開するわけでもない。
あくまでも「キャンプが好きな女の子の日常」が描かれており、
それ以上でもそれ以下でもない。


引用元:©©あfろ・芳文社/野外活動サークル

だからこそいい。
その1点をブレずに集中して掘り下げ、細かく描くことで、
きちんとした雰囲気作りができており、
話が進めば進むほど一人ひとりのキャラクターの魅力が深まっていき、
この「ゆるいキャンプ」を一緒に味わえる。

本来はもっと別の要素を入れるだろう。
それだけでは話を膨らませきれず、マンネリになるからだ。
しかし、この作品は他の要素を入れない。
キャラクターも無駄に増やさず、メインのキャラとサブキャラの区切りを
しっかりとつけ「徐々に変化」していく彼女たちの心情を感じられる。

この作品の主人公である「志摩 リン」はキャンプが好きな女の子だ。
しかし、他人とワイワイと楽しむキャンプではなく、
「一人で」するキャンプが好きな子だ。
他人と関わることはあまりせず、友人も少なく、
キャンプをするときも一人だ。

そんな女の子がたまたま「各務原 なでしこ」に出会う。
彼女は元気な女の子だ(笑)
2人が出会ったことで徐々に2人が変化していく。


引用元:©©あfろ・芳文社/野外活動サークル

この「変化」が本当に繊細だ。
独りが好きな女の子と一緒に楽しみたい女の子、
対照的とも言える2人が徐々に、本当に徐々に「仲良く」なっていく。
この作品のストーリーの芯はそこであり、急激に進むわけではない。
一緒に何かを食べたり、一緒に寝たりする中でゆっくりと関係が変わっていく

序盤の最大の盛り上がりは「下の名前で呼ぶ」と言うシーンだろう。
他の日常アニメでは1話で済ますような些細なシーンでしか無い。
だが、この作品はそんな些細なシーンすらも決定的なシーンであり、
彼女が彼女の名前をささやくように言っただけで、
見てる側のテンションが上がり、仲良くなってることを感じさせる。


引用元:©©あfろ・芳文社/野外活動サークル

出会い、LINEで交流するようになり、お土産を渡す仲になり、
二人でキャンプをしに行き、みんなでもキャンプをする。
文章ではたった2行のできごとを1クール掛けてゆっくりと描いており、
この丁寧さが染み渡るような面白さを醸し出している。

決してテンポが悪いわけではない。
毎話のように実際のキャンプ地へキャラクターは足を運んでおり、
色々なキャンプ地で色々なものを食べ、
色々なキャンプ道具を使う姿を見せてくれる。

だからこそダレない。
テンポの悪さも感じず、マンネリ感も出ない。
ただキャンプをして、ただ女の子が仲良くなっていってるだけだ。
しかし、そんなシンプルな要素をきちんと掘り下げ丁寧に描写するからこそ、
この作品の見所が見てる側にきっちりと伝わり、そこに夢中になれる。

ストーリー構成も素晴らしい。
1話と最終話できっちりとキャラクターが成長し、変化しており、
それをしっかりと感じられる。
全12話という尺を本当にうまく使っており、ゆったりとしたテンポなのに、
無駄のないストーリー構成は最後の1シーンまで楽しむことが出来た。


引用元:©©あfろ・芳文社/野外活動サークル

総評

全体的に見てよく出来た作品だ。
「キャンプ」という本来はアニメ映えしにくい要素を、きちんと掘り下げ、
丁寧に背景を描写し、その中で二人の女の子が徐々に仲良くなり、
独りでしかキャンプをしなかった少女がみんなとキャンプをするように
なるまでの過程を1クール掛けてしっかりと描いていた。

この作品はあえて例えるなら「TVの旅番組バラエティ」だ。
お笑いやドラマではなく、芸能人が地方におもむき、
そこの料理を食べ、地元の人とのトークで癒やされる。
そんなTVの旅番組をアニメ化したような作品だ。


引用元:©©あfろ・芳文社/野外活動サークル

ゆく先々の絶景、美味しそうなご飯の数々、
キャラクターの生き生きとした表情、まったりとしたストーリー展開。
全てが「ほどよい塩梅」で作られており、
ストレスフリーでほっこりと最初から最後まで見れる作品だ。

ただ、その反面で地味さはある。
1話の雰囲気が気に入れば最後まで見ることができるが、
1話の雰囲気を退屈に感じたり、面白いと感じなければ
飽きてしまう作品だろう。
逆に言えば1話を気に入れば最後までしっかり楽しめる作品だ。


引用元:©©あfろ・芳文社/野外活動サークル

個人的な感想

個人的にはツボな作品だった。
キャンプ自体に何1つ興味がない私だが、
それでも「キャンプ楽しそう」と感じさせてくれるほど雰囲気がよく、
所々に感じる「水曜どうでしょう」っぽさが、
水曜どうでしょう好きにはたまらないポイントだろう(笑)

売り上げ的には 13000枚と爆売れ、
このまったりとした雰囲気、ストレスフリーで楽しめる内容が
現代人の疲れた心に響いたのかもしれない。
欲を言うならもっとみたかった、もっと彼女たちのキャンプを見ていたかった。
そう感じじるほど素晴らしい出来であり、2期が早く見たい作品だ。

本当に余談だが、
最終話で本当に水曜どうでしょうが出てくるは思わなかった。
あのカブにまたがる姿がまさかアニメ内で見れるとは思わず、
ちょっとテンションが上ってしまった(笑)
知らない人には何1つ伝わらないネタだろうが、
あえて作中に盛り込んだ制作陣を個人的に称賛したい。