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チグハグ紙芝居フルCGアニメ「GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS」レビュー

GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS アクション
画像引用元:© ASW/Project ギルティギア ストライヴ DR
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評価 ★★☆☆☆(28点) 全8話

TVアニメ『GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS』メインPV【4月5日より毎週土曜放送開始】

あらすじ 隆盛を極めた科学技術が衰退し、法力という新たなエネルギーが動かす時代。人類は、禁断の生体兵器「ギア」を 生み出した。生まれてきたギア達は、やがて人類に反乱を起こすこととなる 引用- Wikipedia

チグハグ紙芝居フルCGアニメ

原作は格闘ゲームな本作品。
監督は森川滋、制作はサンジゲン

ナレーション

1話からかなり総集編感がある。
ギルティギアシリーズは長い間続いている人気シリーズであり、
そんな格闘ゲームの初のアニメ化だ。
そんなシリーズの歴史を振り返るように冒頭でナレーションベースで
メインストーリーをどんどんと解説していく。

人間と生体兵器であるギアという存在との争いがおき、
長い戦いの末に人間とギアの子どもが生まれた。
断片的ではあるものの原作ゲームをやっていなくても
ギリギリついていける解説ではあるもののギリギリだ。

次々とキャラクターがでてきたかと思えば、
キャラの名前とともに簡単なプロフィールがナレーションで解説される。
序盤は基本的にこの繰り返しだ。
人間とギアの子どもである「シン=キスク」を主人公としながら、
ギルティギアの世界を描こうとしている。

長い戦いのすえにシンの両親であるカイとディズィーが
結婚式を行おうとしている。
人間とギアの戦いが終わっても差別は止まらない。
憎しみの連鎖から生まれる差別は簡単に解決できるものではない。

そんな結婚式に謎の少女が現れ、
「滅亡の未来」を防ぐべく、ギアを滅ぼすために襲いかかってくる。
戦いの中でカイとディズィーは氷漬けになってしまうというところから
物語が動き出す。

1話からかなりのテンポ感とキャラクターの多さは気になるところだが、
独特の世界観とテンポ感のお陰で癖になる魅力もある。

ロードムービー

2話になるとシンが謎の少女とソルとともに追うという
ロードムービーが始まる。
ソルは何やら「神の力」のようなものを失ったばかりのようだが、
そのあたりはアニメではろくに語られず、
語らないならそういうナレーションすらいらないのでは?と感じる部分だ。

1話ではジョニーが、2話ではブリジット、そして梅喧が。
どんどんとおなじみのキャラがでてくる。
サンジゲンによるCGでの戦闘シーンはキビキビと動き、
メリハリのある戦闘シーンを描いているのだが、
そんなCGでのシーンから止め絵の連続になることも多く、
せっかくの戦闘シーンが盛り上がりきらない。

予算の問題か時間の問題なのかわからないが、
やたらと止め絵が多いのは戦闘シーンの盛り上がりの腰を折っており、
せっかくサンジゲンが制作しているのに、
サンジゲン感が薄くなり、初のアニメ化なのに
止め絵まみれの戦闘シーンなのは残念でしか無い。

劇画調でカットインを入れたりとこだわっているのは分かるが、
止め絵のシーンばかりがずーっと何分も続くのは
アニメなのに漫画でも見ているような感覚になる。
中盤以降、戦闘シーン以外でも劇画調の止め絵が目立つのは
本当に気になるところだ。

中盤

4話のAパートは過去回想のように
これまでのシーンをツギハギにして話を作り上げている。
明らかに予算もスケジュールも足りてない。
たった8話しかないアニメなのに4話Aパートは総集編のような話だ。
あえて必要性のある話でもなく、わざわざ総集編のように
振り返る必要性は一切ない。

何回同じシーンを使い回すのかと思うほど同じシーンをこすり倒し、
振り返りと日常を描いている4話はなんともいい難いところだ。
制作側も苦肉の策だったのかもしれない。
色々と大人の事情が絡んでそうな作品だ

いつのまにか主人公であるシンがギアの王になっており、
人間とギアの争いが起きそうな状況で、ギアの命運を託されている。
いつのまにか地上の全ギアの命運を主人公が握っている。
展開自体は理解できるが、どうしてそうなったのかは
いまいち飲み込みがたいものがある。

未来

ストーリー的にやってることは理解できる。
未来からやってきた少女、そんな未来ではギアと人間の戦争が
再び起こっており、それを止めるために現代にやってきた。
そんな少女の未来の知識を利用して、
黒幕はギアに対するウィルスを生み出している。

黒幕はギアだけでなく人類をも滅ぼそうとしている。
短絡的でわかりやすい思想で安易ではあるものの、
話としてはわかりやすいのの、
終盤の展開はかなり慌ただしく、詰め込んでいる感は否めない。

唐突に明らかになる謎の少女の正体や黒幕の目的の安易さなど、
全8話だからこそ仕方ない部分はあるが、
終盤はかなり詰め込んでいる。

黒幕と呼べる敵もよくわからない姿になって襲いかかってくるのだが、
敵としての魅力がなく、なんかウニョウニョして増殖して
メインキャラに襲いかかってくるだけだ。

ブリジットがその間にボコられたかと思えば、
ブリジットと仲が良かった未来の少女がやる気を出し、
最後はみんなで協力してやっつけるというお約束展開だ。

「シン」という男の成長、人間とギアの間に生まれし存在という
この世界ではタブーな存在が自らの生き様を見定め
成長するというストーリーはきちんと描けていたものの、
色々と引っかかる部分がある作品だった。

総評:格闘ゲーム原作アニメのジンクス…打ち破れず「

全体的に見て、過去の格闘ゲーム原作アニメに比べれば
マシな出来栄えではあるものの、全8話しかないせいもあって
ゲームの知識を入れている前提の部分が非常に多く、
そこを無視するとしても詰め込みまくりなストーリー、
ナーレーションで片付けてしまう要素や止め絵の多さは基になるところだ。

ストーリー自体はシンプルだ、それなのにわかりにくいと感じるほど
ゲームをやってる前提の情報が非常に多く、キャラクターも多い。
そのキャラクターたちがいったいどこで誰なのかという
説明が疎かになっている部分もあり、専門用語の多さも相まって
ゲームをやっていない人には理解しづらい。

アニメーションとしてもフルCGで制作されているのに、
戦闘シーンなどで止め絵を連続することで戦闘シーンを描いていたりして、
盛り上がりにけけてしまう。
フルCGなのに紙芝居という意味不明な矛盾を生んでいる作品であり、
最後は力技で強引に話がまとまっている。

せめてアニメーション部分がもう少ししっかりしていれば
話は違ったかもしれないが、未来からキた謎の少女こと
「ユニカ」を出すためだけの作品でもあり、
そんなユニカがDLCでアニメ放送中に追加されている。

そういった大人の事情もあったのかもしれないが、
ギルティギアの知識があれば見れなくはないが、
かといって人に進める作品ではないという
微妙な評価で終わった作品だった。

個人的な感想:ギルティギア

個人的にギルティギアはGUILTY GEAR ISUKAまでと
GUILTY2しかプレイしていないため、
知らないキャラもちょこちょことおり、
知っているキャラも色々と変化していて驚いた部分もある作品だった。

格闘ゲーム原作アニメのジンクスは根深い問題だ。
そもそもゲーム原作のアニメにしたって打率は低い。
そこに更に格闘ゲームというジャンルで縛ってしまうと
余計に難易度が上がってしまう。

いつかこのジンクスを打ち破る作品は現れるのだろうか…

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