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「アリス・ギア・アイギス Expansion」レビュー

2.0
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評価 ★★☆☆☆(30点) 全12話

TVアニメ「アリス・ギア・アイギス Expansion」PV 2023年4月3日放送開始!

あらすじ 時は未来。アキ作戦が終わり日常が戻った東京シャード。ヴァイスの襲来も減り、ヒマを持て余している成子坂製作所の面々。そこへ憧れのアクトレスになりたいと一人の少女が門を叩くのだったが、、、引用- Wikipedia

誰得シリアス

原作はソーシャルゲームな本作品。
監督は花井宏和、制作はノーマッド

宇宙

1話冒頭は謎の戦闘シーンから始まる。
宇宙空間なのにヘルメットも被らずに謎の武装をした少女が
「ヴァイス」という機械生命体と戦っている。
どういう世界観なのか、武装はなんなのか、ヴァイスとはなんなのか。

このあたりの説明は1話ではほとんどしてくれずに、
主人公に焦点が映る。
「ヴァイス」という存在の出現率が下がっており、
平和な日常を楽しんでいるキャラクターたち、
そんなところに就職希望である「のどか」が訪れるところから物語が始まる。

そんな「のどか」は「比良坂 夜露」という人物に憧れている。
彼女が戦闘している様をみて、彼女に憧れ、
彼女の居る「成子坂製作所」に就職を希望している。

明らかにヴァイスというやばそうな生命体と戦っており、
命の危険性もあるのに、そんな軽いノリで良いのだろうか?とやや疑問だ。
これで彼女たちがスポーツの競技者だったりするならわかるが、
一応は謎の生命体と戦っている状況のはずなのに妙に明るい。

ソシャゲあるある

基本的な世界観の説明というものをしていないため、
このあたりの認識がみている側、原作ゲーム未プレイ者との間で
大きな溝がある。

キャラクターデザインは原作では「島田フミカネ」氏が手掛けており、
アニメではその可愛さを感じることはできるものの、
物語の起承転結の「起」の部分が抜けていて、
どこか1期を見ずに2期からアニメを見ているような気分になってしまう。

1話の段階からドバドバドバドバキャラクターを出しており、
名前もよくわからないキャラクターがべちゃくちゃ喋りまくる。
ソーシャルゲームという媒体の特性上、ガチャというシステムが有り、
多くのキャラクターが必然的に各ソシャゲには存在する。

そんなソシャゲを原作としてアニメを作ると
1クールでは捌ききれないほどのキャラクターが出るというのは
ソシャゲ原作アニメの欠点だが、
この作品もわかりやすく、その欠点を1話から感じる。

主人公が特訓としょうして様々なキャラと特訓するが、
そんな様々なキャラの印象が付く前に
別のキャラクターが出てきて特訓するシーンに切り替わるため、
ろくにキャラクターの印象が残らない。

ヴァイスと戦うために必要な「エミッション」とやらの
適性が主人公にはないものの、特訓し彼女たちと関わる中で
適正を上げていく。
なんとなくは設定を理解できるが、なんとなくしか理解できない。

エミッションに関しても作中のキャラもよく分かってない部分が多いらしく、
色々なキャラとの特訓を繰り返していくうちに、
なぜか主人公の適性が上がっている。

メインキャラたちもよく分かっていないだけに、
見ている側もよく分からず、
そんなよくわからない中で「成子坂製作所」が業務停止命令を食らう。
1話の原作ファン以外お断り感が凄まじい作品だ。

ナレーション

2話冒頭で世界観がナレーションで明かされる。
未来の地球に機械生命体が侵略し、地球人は地球からの脱却を余儀なくされ、
そんな脱却の中でアリスギアというものが開発され、
民間企業に機械生命体の処理を依頼しているという状況のようだ。

1話からナレーションではなく誰かにこれを説明してほしかったと
思うものを2話の冒頭のナレーションで片付けてしまうせいで
世界観がイマイチ把握できない感じだ

カオス

そんなことはさておいて、彼女たちは「サバゲー」を始める(笑)
この作品は一言で言えば「カオス」な作品だ、
ヴァイスを放置して業務停止命令中の彼女たちの日常と、
そんな日常の中でのキャラの掘り下げに集中してる作品だ。

2話でサバゲーをしだしたかと思えば、コンカフェを始める。
1話の中で話がコロコロコロコロかわっていく。
まるで4コマ原作のアニメをみているような感覚になるほど
短い話が1話の中に詰め込まれている。

この作品の制作は「ノーマッド」だ。
ノーマッドは『ギャラクシーエンジェル』などの
制作プロデューサーを務めた小野達矢が設立したアニメ制作会社であり、
感覚的に「ギャラクシーエンジェル」に近い物がある。
全然関係ないが「エクセル・サーガ」にも雰囲気は似ている。

制作進行の方はギャラクシーエンジェルや
デ・ジ・キャラットにょなどに関わっていた方であり、
関わっていたことも納得できるほど、
あの頃の深夜ギャグアニメのノリを強く感じてしまう。
サバゲー要素があったのも「さばげぶっ!」の脚本を手掛けていたからかもしれない(笑)

2000年代初期の美少女ドタバタコメディ

おそらく意図的に2000年代初期の深夜アニメっぽさを
制作が目指しているのかもしれない。
ソシャゲ原作アニメの場合は真面目にストーリーを描くと、
原作の壮大なストーリーを中途半端に描くことになったり、
キャラクターの多さに振り回されることが多い。

だからこそ、2000年代初期のカオスな深夜ギャグアニメ的な
世界観の中でメインキャラクターを据えつつも、
多くのキャラクターをさり気なく出すことで
日常ギャグアニメに仕立て上げてるような印象だ。

1話1話のつながりもほぼなく、1話飛ばしても問題ないほど
1話1話が単発のギャグアニメとして完結している。
3話では幽霊騒動がまきおこり、鬼ごっこをして終わり、
4話ではクイズ大会が開催されたり。

投げっぱなしなオチも多く、1話あたり2エピソードを描きながら、
カオスなドタバタコメディを描いている。
メインキャラクターは17人もいるのだが、
1話あたり2エピソード描かれるため、それぞれのメイン回があり、
一人ひとりのキャラクターの印象が深まっていく。

内輪ノリ感は強いものの、この手の美少女ドタバタコメディでは
ベタともいえるイベントを詰め込んで描いている印象だ。
ミステリー回だったり、ファンタジー回だったり、水着回だったり。
野球回がないことだけが逆に違和感をおぼえるほど
底弁のイベントの数々だ。

ギャグに関しては好みがあるため、人によって違うだろうが
個人的にはそこまで爆笑するわけでもなく、
かといってつまらないと切り捨てる感じでもない塩梅だ。

これが2クールないし4クールくらいでやれば、
この作品らしい「味」がもっと出たかもしれないだけに、
1クールという昨今のアニメ事情ゆえの縛りがやや残念なところだ。

終盤

ヴァイスのことは基本放置ではあるものの、
エンディング後のCパートでたまに描かれており、
そこではややシリアスな雰囲気でストーリーが進んでいたりもする。
ただ、このあたりは断片的にしか描かれておらず、
ナレーションでくらいしかこの作品の世界観を把握しきれていない。

そういったメインの世界観をいかさずに、
あくまで原作のキャラクターたちによる日常ギャグアニメに
割り切っていれば、もう少し高い評価が出来たかもしれない。
なにせ終盤は唐突にシリアスストーリーになってしまう。

TVアニメオリジナルキャラクターである「のどか」が
急に会社をやめ、姿を消してしまう。
それまでCパートなどで暗躍していた組織のようなものが
終盤、急に動き出す。
1話から10話までの雰囲気から終盤の2話、思いっきり話の雰囲気が変わる。

急にそんなシリアスな展開になっても見ている側としては
かなり戸惑うだけだ。
「のどか」は試験機のパイロットに選ばれたらしいのはわかる、
その試験機がかなりやばいものらしく、
パイロットの精神にまで干渉していく。

謎シリアス

1話から10話までのなかでこういったシリアス回がありつつ、
日常ギャグをやるならともかく、
終盤の2話でここまで唐突に雰囲気を変えられると戸惑いしか生まれない。
いわゆる「謎シリアス」や「誰得シリアス」だ。

この言葉自体久しぶりに使ったと思うほど、
かつての深夜アニメでは終盤でシリアスになるという
ストーリー構成が流行っていた時代が合ったものの、
この作品もある種、徹底的に2000年代アニメの雰囲気を
再現しているのかもしれない。

1クールで話をまとめるために、話をまとまった感を出すために、
話の区切りを作るためにシリアスストーリーを展開する。
意図はわかるものの、視聴者がのぞんでいないからこそ
「誰得シリアス」なんて言葉も生まれたくらいだ。

この作品の世界観について原作をやっていない人にとっては
「ふわっ」としたものだからこそ、
その世界観だからこそのシリアスストーリーについていけない。

業務停止命令をくらった彼女たちが仲間を救うために動く。
その展開自体は悪くないものの、
あまりにも雰囲気が違いすぎて、急な路線変更に見ている側の感情がついていかず、
素直に終盤のストーリーを楽しみきれない。

終盤は大団円になっておわるものの、
作品の方向性がよくわからなくなってしまう作品だった。

総評:誰が謎シリアスにしたぁああ!

全体的に見て、ソーシャル原作アニメだからこその
キャラクターの多さを2000年代前半の深夜美少女ドタバタコメディで
1話2エピソード詰め込みつつうまくさばいており、
ギャグの好み自体はあるものの1話から10話までの
カオスな懐かしい感じのするギャグストーリーは悪くなかった。

しかしながら問題は終盤の2話だ。
この世界の設定などはナレーションくらいでしか語られておらず、
詳しくは理解できない中で、急にシリアス展開になってしまう。
いわゆる「誰得シリアス」になり、
1話から10話までの雰囲気をぶち壊してシリアスストーリーを展開している。

1クールの区切り、話をまとめるために必要な
ストーリーであることはわかるものの、
急な路線変更に戸惑ってる中で物語が展開してしまい、
散々悪ふざけのような内容を描いておきながら、
最後はシリアスになる路線変更を飲み込めないまま終わってしまった。

個人的な感想:方向性としては

2000年代の深夜アニメの雰囲気をソシャゲ原作アニメでやる。
その方向性自体は悪くなく、話の当たり外れは合ったものの、
ギャグアニメだからこそ有象無象のソシャゲ原作アニメに比べると
ストレスを感じずに楽しめる作品にはなっていた。

しかしながら、やはり終盤の謎シリアスが飲み込めなかった。
1話から10話、あれほど自由にやっていたのに、
終盤はソシャゲ原作という縛り、1クールという縛りに
制作側が縛られてしまったような感覚だ。

ただ、もしかしたら2000年代深夜アニメのノリをやるという
方向性だからこその謎シリアスだったのかもしれない。
終盤までカオスな雰囲気を貫いていれば、
もう少し高い評価が出来たかもしれない作品だった。

「プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~」レビュー
評価 ★★☆☆☆(31点) 全12話 あらすじ アイスホッケーチーム「ドリームモンキーズ」。本拠地は栃木県日光市。そのチームが開催する体験教室の門を叩いた、地元の中学生引用- Wikipedia

「アリス・ギア・アイギス Expansion」は面白い?つまらない?

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