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平成卍解「BLEACH 千年血戦篇」レビュー

5.0
BLEACH 千年血戦篇 アクションアニメ一覧
画像引用元©久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
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オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

評価 ★★★★★(90点) 全12話

TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』PV第1弾/2022年10月放送開始

あらすじ 千年の時を経て、死神vs滅却師の血戦が幕を開けた。突如《見えざる帝国》の襲撃を受けた尸魂界を救うべく、死神代行・黒崎一護は、躊躇うことなく戦いに身を投じる。 引用- Wikipedia

平成卍解

原作は週刊少年ジャンプで連載されていた漫画作品。
監督は田口智久、制作はstudioぴえろ。

BLEACH

BLEACHは2001年から2016年まで連載されていた漫画であり、
アニメは2004年から2012年まで放送されていた作品だ。

当時の私はジャンプ大好き人間であり、
毎週ジャンプを買って読むのを楽しみにしていた。
BLEACHは私の世代にはど直撃の作品であり、当然アニメも見ていた。

当時のジャンプアニメは基本的に夕方アニメとして通年で放送されており、
アニオリストーリーを展開したり、テンポが悪かったり、
作画も決して良いとは言えなかった。
BLEACHだけがそうではなく、多くのアニメがそういうものだった。

BLEACHのアニメの放送はいわゆる打ち切りであり、
原作が完結しないままアニメを終えた。
そんなBLEACHが約10年の時を経て再びアニメ化される。
このニュースを最初に目にしたときは何の冗談かと思ったほどだ。

そこから放送が始まり、完結まで4クールかけて描かれることになった。
私はその間、話題になってはいたものの、見るという選択肢を取らなかった。
完結までは見ない、完結してから見ようと一度決めてしまったため、
放送中に話題になっても実際に見ることはなかった。

私としては14年ぶりのBLEACHだ。

涙

1話早々、私は感極まってしまった。
BLEACHという世界観にふさわしい色彩は変わらず、
令和という時代になっても変わらない声優たちの声、
豪華すぎる映像と「オサレ」な演出の数々、
メインキャラクターが虚相手に戦うさまをあえて1話の序盤で一気に見せ、
キャラクターの名前を出す。

これだけで感涙だ。
一護の「卍解」の声、「月牙天衝」という技、
一気に時代が平成に戻ったようなノスタルジーを全開にさせ、
それと同時に明らかにレベルの上がった作画に、
この作品に対して眠らせていた期待感が一気に解放されたような気分になる。

平成のBLEACHが令和に蘇る。しかもリメイクではなく「続き」からだ。
この感覚は平成、そして令和という時代を味わった
オタクでしか味わえない感覚だろう。

台詞回し

台詞回しもBLEACHそのものだ。いきなり現れた敵を一護が蹴り、
蹴られた敵がこんなことを言う。

「なんでいきなり蹴るんだ、バカなんじゃないか?」

これこそBLEACHである(笑)
シリアスなシーンでも笑いがあり、独特の抜け感がある。
だが、その抜け感から一気に緊張感を漂わせる。

藍染惣右介を倒し、死神代行消失篇を経て、死神の力を取り戻した一護。
そんな彼のもとに新たなる敵「クインシー」が現れる。
仲間であるはずの石田雨竜と同じ力を持つクインシーが
なぜ一護たちを襲ったのか、なぜクインシーが破面の仮面を被っているのか。

それと同時にソウル・ソサエティにも敵が襲いかかる。
1話でありながら続編だからこそ、1話で最大の盛り上がりが生まれている。

戦闘シーン

戦闘シーンの描き方は凄まじいものがある。
1話から劇場版レベルだ。グリグリと高速で動くキャラクター、
それを追うカメラワークの大胆さ、そこからケレン味を感じさせる剣戟と
技の応酬、BLEACHらしい「文字演出」も加え、ニヤニヤが止まらない。

あの平成アニメだったBLEACHが、鬼滅の刃や呪術廻戦のように
「令和の最高峰」のアニメとなって帰ってきた。
画面から目を離せず、口を開け、瞬きすら忘れ、よだれを垂らしながら
画面に食いつくように見てしまう。

夕方アニメではなく、深夜アニメだからこその流血表現、
人体損壊の描写も豊かであり、
それがより作品の緊張感を後押ししている。

1話のラスト、EDでは
「過去」のシーンがダイジェスト的に加えられているのも憎い演出だ。
さらにED後にはBLEACHポエムまで挟まれている(笑)
これほどファン泣かせな作品はないと1話で感じてしまう。

勢揃い

2話以降も懐かしいキャラが出るたびに「あー!」と叫びたくなる。
そんなキャラクターたちが新たなる敵と戦う姿がテンポよく描かれる。
BLEACHは長期連載作品なだけあってキャラクターが多い作品だ。

だが、そんな大勢のキャラクターも久保帯人さんによる
秀逸なキャラクターデザインとキャラ付けによって、
どのキャラクターも一度見れば忘れられないほど
強烈な個性を感じさせてくれる存在になっている。

新たなる敵「見えざる帝国」も同じく、
そんな魅力あるキャラ同士の戦闘が盛り上がらないわけがない。
お馴染みの隊長たちが惜しむこともなく「卍解」を使い、
そして封じられていく。

「卍解」という必殺技、BLEACHの象徴そのものを奪われるという
絶望的な状況は素晴らしいものがある。
「卍解」がないと倒せない敵をどう相手にすれば良いのか。
そんな状況を聞いて主人公である黒崎一護が名台詞を言う。

「なん…だと…?!」

名言しかないBLEACHの名言の一つを令和に味わえただけで
大満足だ(笑)

声優

一部の声優を除き、キャストの変更がないというのも素晴らしいところだ。
当時は新人だったり、中堅だった声優たちも、
長い時を経て多くのキャラクターを演じ、
中堅以上のベテラン声優になっている。

だからこそ「演技力」も凄まじいものになっている。
一つ一つのセリフの表現、その演技に声優たちの人生そのものを
吹き込んだかのような演技を見せてくれる。

奪われた卍解を使用者自身に使ってくる敵、
なすすべもなく敗北する「絶望」と卍解がない最強の
「更木剣八」や総隊長である「山本元柳斎重國」の存在感という希望の対比、
この盛り上げ方が、あの当時、ジャンプを毎週読んでいた
「ワクワク感」を呼び覚ましてくれる。

冴えわたるアニメーション、冴えわたる演出、
冴えわたるBLEACHらしさ、冴えわたる声優の熱演、
完成度が高すぎて震えすら感じるほどだ。

山本元柳斎重國

中盤の盛り上がりとも言えるのが「山本元柳斎重國」の戦闘シーンだ。
死神たちの総隊長であり、卍解を使うだけでソウル・ソサエティの
気温を上げてしまうほどの「熱」を帯びた刀を持つ彼の戦闘シーンは凄まじい。
触れるだけで相手を滅し、爆炎を纏いながら放つ「亡者」の技の
圧倒的なケレン味は制作陣の狂気と熱量まで帯びているかのようだ。

そんな圧倒的な存在感を見せた「山本元柳斎重國」でさえ卍解を奪われ、殺される。
希望と絶望をテンポよく繰り返し、最大級の盛り上がりを
常に維持しているような印象だ。

絶望的な状況で黒崎一護が間に合っても、ユーハバッハには敵わず、
しかも黒崎一護がクインシーであるという事実を突きつけられる。

さらには原作にはなかったシーンまで盛り込んでくる(笑)
7話のAパートでは旧護廷十三隊とユーハバッハのかつての
戦いをダイジェストで挟み込んでいる。
そのおかげで原作よりも「情報量」が多いという
意味のわからないことになっている。

ただでさえ情報量も多く、横文字の用語も多い作品だが、
そこに原作読者すら知らないようなシーンまで盛り込んでくる。
サービスが凄まじい作品だ。

修行

そんな騒動を経て、いわゆる修行回になる。
一護たちは温泉に入ったり、飯を食べたりと修行っぽくないが、
「更木剣八」の修行には単なる修行回ではない魅力がある。

剣八という名をかつて持っていた「卯ノ花八千流」、
いわゆる治療役のキャラが実は最強という
燃える展開も含みつつ、修行という名の死闘を繰り広げる。

そんな最強に負けていないのが「更木剣八」だ(笑)
無意識に自らに枷をはめ、彼は敵に自らの力量を合わせてしまう。
かつて黒崎一護に敗北した理由でさえカバーしている。

斬撃の嵐、小細工など一切ない刀による応酬と飛び散る血しぶきの数々。
単なる修行とは思えないほどの盛り上がりだ。

1クール

平成のアニメと違うのは、令和のアニメは1クールが当たり前ということだ。
この作品もそこは例に漏れず、1クールずつ放送されている。
修行が終わり、黒崎一護の出生の秘密が明らかになるところで終わっており、
俺達の戦いはこれからだ。

だが、このクオリティを1クールずつとはいえ
保ちながら令和という時代にBLEACHという作品を
完結まで描くというのは感謝しかなく、
これから見る「訣別譚」が楽しみで仕方ない。

原作にはないシーンもあるというアニオリ要素も、
平成のようなアニオリでストーリーを展開するのではなく、
「補完」するという令和らしい愛あふれるものになっており、
原作を読んだことがない人も、読んだ人も楽しめる作品になっている。

黒崎一護の中に眠っていたクインシーの力、
「斬月のおっさん」との対話は懐かしくもあり、
同時に「斬月のおっさん」が長い間、黒崎一護という主人公を
見守っていたのと同じく、私たちもBLEACHを見守っていた。
だからこそ「斬月のおっさん」の気持ちに強い共感すら覚えて
1クールを終える。

総評:俺達の平成って最高じゃないか?

全体的に見て素晴らしすぎる作品だ。
平成の漫画、アニメである「BLEACH」を令和という時代にやるには
どうすればいいのか、その解答において100点満点を出している作品であり、
ハイクオリティなアニメーション、テンポの良いストーリー構成、
原作既読組すら知らないアニオリシーンの追加とファンサービスまみれだ。

ストーリー的にもBLEACHが今も語られる人気作であるということを
感じさせるものになっており、今の令和のジャンプ作品では
味わえない「平成」のジャンプアニメの魅力を感じることができる。
ベタではある。だが、そのベタさに王道のジャンプアニメの魅力を感じ、
カタルシス全開で描かれるストーリーを盛りに盛りまくっている。

これぞ平成だ。その平成感を崩さずに令和のアニメに仕上げている。
平成や令和の作品、どちらが優れているという話ではなく、
あの時代の作品だからこそ出せる空気感を
最大限に感じさせてくれる作品だ。

個人的な感想:

私はもう、あの頃のように毎週ジャンプを買うことはなくなった。
夕方にテレビの前でアニメを楽しみにする生活も、
とっくの昔に終わってしまった。

だが、あの頃に夢中になっていた作品は終わっていなかった。
令和という時代になって、あの頃の熱狂を、あの頃以上の映像で見せてくれる。
平成のアニメは作画が悪かった。テンポも悪かった。アニオリだって多かった。
だが、それでも私たちは毎週、夢中になって見ていた。

そんな平成のジャンプアニメの魅力が、
令和の技術によって最大限に引き出されている。
こんな作品を見せられたら、言いたくもなる。

俺達の平成って、最高じゃないか。

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