アクションアニメ一覧

世界を救う鶏「ニワトリ・ファイター」レビュー

2.5
ニワトリ・ファイター アクションアニメ一覧
画像引用元:©Shu Sakuratani/Kino-HERO’s, VIZ Media
スポンサーリンク
笠希々のプロフィール画像
この記事を書いた人

オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

評価 ★★★☆☆(57点) 全12話

『ニワトリ・ファイター』アニメ公式PVフルバージョン

あらすじ 街が破壊され、絶望に暮れる人々…。誰もが諦めかけたその時、鬼獣に立ち向かう一つの影が——!「テメーら、トサカにくるぜ!!」 引用- Wikipedia

世界を救う鶏

原作はHERO’S Webで連載中の漫画作品。
監督は鈴木大介、制作はサンジゲン。

機獣

1話冒頭から強烈な「期待感」を感じさせてくれる。
人間たちが住む街に、巨大な怪獣「機獣」と呼ばれる存在が現れ、
街を破壊し、人を食い散らかしている。
そんな脅威に人類はなすすべがない。しかし、その脅威に
たった1羽の「鶏」が立ち向かう(笑)

本来ならウルトラマンやゴジラ、戦隊ヒーローが出てきても
おかしくはないシチュエーションだ。
巨大な存在に襲われる人類というシチュエーションは、
昭和の頃から日本の漫画や特撮の中で多く描かれてきた設定であり、
ある種の「古典」ともいっていい。

そんな巨大な存在に立ち向かうのも、同じく巨大な存在だ。
ロボットや巨大生物、宇宙人。
我々人類ではない「巨大な存在」に憧れを抱き、
少年心をたぎらせることができる。

しかし、この作品の主人公は巨大な存在ではない。
ロボットでも、怪獣でも、宇宙人でもない。
ただの鶏だ(笑)

コケコッコー

そんな鶏が交尾しているところから物語が始まる。
主人公である「ケイジ」はオスの鶏であり、異様に渋い顔をしている。
「三宅健太」さんの声が、よりその渋さを後押ししており、
鶏なのに渡り鳥のように日本を渡り歩き、メスを抱いている。

まるでハードボイルドな西部劇のようなBGM、
ニヒルさ漂う台詞回し、
人間ほどの知能を持つ鶏という設定が、
独特の世界観と雰囲気を作り上げている。

主人公であるケイジは過去に機獣に襲われ、妹を食われている。
妹の仇である機獣を探すため、
彼は全国を回りながら機獣を狩り続けている。

通常のニワトリと違うのは、彼が異様に強く、
「鴣鴂鶻鵁」(コケコッコー)という必殺技まで持っていることだ。
強烈な鳴き声を相手にぶつけ、破壊する。
ウルトラマンのスペシウム光線のような、
いや、北斗神拳を食らった敵のような最期だ(笑)

この異様ともいえるシチュエーション、
シュールな絵面を、サンジゲンがダイナミックかつ迫力のある
CGで描いており、笑いと面白さが同居している不思議な感覚になる。

機獣を倒し、世話になった人間には借りを返し、
立つ鳥跡を濁さず、街から街へとさすらう。
まるで1話完結の西部劇でも見ているような感覚だ。

仲間

機獣と呼ばれる存在は、元々「人間」だ。
人間が過度なストレスを感じると、機獣へと変貌する。
どこに、いつ現れるか分からない脅威だ。
そんな存在に立ち向かえるのは「ニワトリ」たちしかいない。

主人公であるケイジは旅の中でヒヨコに惚れられたり、
過去に交尾したメスのニワトリに殺されかけたりするものの、
彼女たちを仲間にしながら旅を続けていく。
基本的に話のテンポは異様によく、話を変に引き伸ばさず、
1話1話で起承転結がきちんとある。

下手をすれば、1話の出落ちで終わりそうなほど
インパクトのある作品だが、そのインパクトを出落ちで終わらせず、
毎話、さまざまなパターンで話を構成し、
キャラクターを丁寧に追加しながら旅を描いている。

3話では仇である機獣が見つかり、さらに妹が生きている可能性も見いだす。
進化している機獣、機獣とは何なのか、
ニワトリたちはなぜ戦えるのか。
謎をばらまきながら、倒すべき存在をきちんと明示し、
王道のストーリーが突き進んでいく。

オサカリ様

ニワトリたちは基本的に、ニワトリとは思えないほどの知性を持っている。
人間と会話するための翻訳機を持っていたり、
機獣という巨大な生物を倒すこともできたりと、
知能も人間並みだ。

しかし、彼らはあくまでニワトリだ。
メスは卵を産み、
そしてニワトリは動物であるがゆえに「発情期」がある(笑)

いつもはクールでニヒルなケイジでさえ、発情期には逆らえない。
抗いがたい動物としての本能「オサカリ様」がやってくると、
彼は理性を失い、性欲に支配される(笑)

ヤるために、盛るために、本来の自分の信条にはない行動もしてしまう。
男ならば強く共感できることだろう。
女を求め、美食を求める。
男としての「欲望」がきちんとあるニワトリだ。

シュールなシチュエーションであり、一歩間違えばシリアスな状況なのだが、
主人公が「ニワトリ」であるがゆえに、そのシリアスさやシチュエーションの
重さが、逆に笑いを生むギャップになっている。

機獣

序盤では、機獣という存在はシンプルに謎の悪い巨大生物なのだが、
中盤になると彼らが進化し、機獣の中にも人を襲わないものが現れ、
普通にパチンコを楽しむものまでいる。
機獣を全滅させる、そんな単純な話ではなくなり、
物語の謎も深まっていく。

そんな状況なのに、ハトと合コンしたりする(笑)
シリアスな要素とコメディ的な要素。
この両立のうまさは序盤だけでなく、作品全体で機能しており、
どんどんと深まる世界の謎も相まって、見れば見るほど
ハマってしまう魅力がある。

人間だけでなく、人間以外の生物にも機獣化現象が起き、
機人という存在も現れ、どんどんと混沌としていく。
主人公の父や腹違いの弟も現れ、
「機獣」と主人公の血族の関係性も示唆される。

まるでジャンプ作品のような血統主義的なニュアンスはあるが、
戦闘シーンもどこか「ドラゴンボール」のようになっていく(笑)

死闘

終盤は「死闘」の一言だ。
序盤から中盤まで、主人公であるケイジはほぼ無双している。
だが、終盤になると敵が強くなり、
しかも自分より強い弟まで出てくる。
敵も1体ではなく、何体も同時に出てくることで、
苦戦を強いられてしまう。

そんな中で、序盤からケイジについてきたヒヨコ「ピヨ子」も活躍する。
彼女はヒヨコだ。ニワトリではない。
力のない彼女が必死に、ケイジのために、みんなのために戦う姿、
そして覚醒する展開は、シンプルに熱い。

主人公自身も変わっていく。
人を信じず、一人で戦ってきた彼が、多くの者と
協力して戦うようになる。友情だ。
それでも敵わない相手がいる。

何度も何度も立ち上がり、何度も何度も立ち向かう。
だが、それでも敵わない。
多くの「犠牲」を払い、
また守れなかったという感情が「ケイジ」を覚醒させる。

敵の変化、仲間の犠牲からの主人公の覚醒。
やっていることはドラゴンボールそのものではあるものの、
主人公が鶏だからこそ面白い。
終盤で苦戦した敵を倒した後に「悲しい過去」が描かれるなど、
『鬼滅の刃』っぽさまであるのはご愛嬌だ(笑)

1クールで「俺たちの戦いはこれからだ」で終わってしまうものの、
最終話だけ「子安武人」さん演じる最大のボスが出てくる展開には
笑うしかなく、強烈なインパクトを残してくれる作品だった。

総評:ゴジラだ?ウルトラマンだ?いや!鶏だ

全体的に見て、出落ちで終わりそうな作品なのだが、
そんな出落ち的な設定を出落ちで終わらせず、
中盤から王道のジャンプ漫画的な展開にシフトしたことで、
インパクトだけではない、王道の面白さがしっかりとある作品になっている。

ただ、中盤から話が肥大化し、壮大なストーリーが展開しており、
原作もまだ連載中で、先が見えないところはやや気になる。
だが、いい意味で気になる部分でもあり、
続きを見たいという気持ちが自然と生まれる。

2期があれば、ぜひ見たいところだが、
なければ原作が完結した際に、続きを読んでみたいところだ。

個人的な感想:2期

2期があるかどうかは分からないが、
ハイクオリティなCGで描かれる映像と、
ケイジを演じる「三宅健太」さんの声で
続きをぜひ味わいたいからこそ、原作で続きを読むのではなく、
アニメで続きを見たいところだ。

Netflixあたりがうまくこの作品を拾ってくれれば、
続編もあるかもしれない。
ぜひアニメでの続きを期待したいところだ。
`

「ニワトリ・ファイター」に似てるアニメレビュー