「ドラゴンボール超 ブロリー」レビュー

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ドラゴンボール超 ブロリー 映画
ドラゴンボール超 ブロリー

評価 ★★★★★(90点) 全100分

あらすじ 宇宙の存亡を賭けた武道大会「力の大会」にて他の宇宙の猛者たちとの闘いを経験したことで、更なる高みを目指し修行に取り組む悟空とベジータ。そんな折に、ブルマが集めていたドラゴンボール6個とドラゴンレーダーが何者かに盗まれてしまう引用- Wikipedia

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全てのドラゴンボールファンに捧ぐ最高のDB映画

本作品はドラゴンボールの映画作品。
前作の「復活のF」から約4年ぶりの映画となり、
ドラゴンボールとしては20作品目の作品となっている。
監督は長峯達也、制作は東映アニメーション
なおネタバレを含みます。

ブロリー

タイトルからも分かる通り、この作品にはあの「ブロリー」が出る。
ドラゴンボールの映画といえば「ブロリー」という方も多いだろう、
それだけに期待感も強い。
ただ正しく言えば「あの」ブロリーではない。

過去のドラゴンボールZの映画で出てきたブロリーは
悟空たちに倒され、更にクローンでもあるバイオブロリーも倒されている。
「ドラゴンボール」という夢のアイテムのある作品で
死は意味のないものではあるが、本作におけるブロリーは別物だ。

簡単に言えばリブートだ。
ブロリーというキャラクターを復活させただけで過去とのつながりは一切ない。
高い潜在能力を持つという部分や、
ベジータ王によって始末されかけた過去がある設定以外に
過去作品との共通点や流れやつながりなどはない

幼少期に悟空に泣かされたという設定などもなくなっており、
悟空とブロリーの設定が同じサイヤ人以外ほぼなく、
どちらかというとベジータとの関わりのほうが多くなっている。

期待感

始まって早々に幼い頃の「フリーザ」が出てくる(笑)
これだけでもファンにとってはたまらない要素だ。
ベジータ王とバラガスの関係性を描きつつ、
「ブロリー」が惑星ベジータから追放されたのかを丁寧に描いている。

リブートしたからこそ「ブロリー」というキャラクターを
改めて最初から描いている。
驚くことに始まって15分間、主人公である「悟空」が出てこない。
それほどまでにブロリーというキャラクターのバックボーンを丁寧に掘り下げ、
ブロリーというキャラクターの存在感をしっかりとしたものにしている。

更に「バーダック」と「ギネ」。悟空の父と母も出てくる。
ドラゴンボールファンにとって思わず「おぉ!」と思ってしまうほど
細かくドラゴンボールのキャラクターを出しており、
それがファンサービスではなく、きちんと意味のある登場のさせ方をしている

惑星ベジータが滅びた原因、ブロリーと悟空とベジータが何故生き延びたのか、
改めてこの作品で描きなおすことで、
「劇場版ドラゴンボール」そのものを原点回帰させるような感覚だ。
ドラゴンボールという作品を見たことがない人でも、
この冒頭はわかりやすくなっている。

ついでにいえば少年期のベジータやブロリーの
可愛い姿も拝むことができる(笑)
この作品はファンの気持ちがわかっている。
「これが見たかった」「こんなのが見たかった」が詰まっていることを
冒頭の25分で感じさせる。

描写の違い

この作品におけるドラゴンボールの扱いはある意味ネタだ。
ブルマは5歳若返りたいがために集めており、
復活したフリーザは「身長を5cm伸ばすため」に集めている(笑)
ブルマの目的とフリーザの目的がどっこいどっこいというの
今作における最大の笑いどころかもしれない。

そんなフリーザがブロリーを見つけるところから物語が動き出す。
ブロリーがどんな生まれか、どういうふうに成長したのか。
そういったことを丁寧に描いている。
前半から中盤まで孫悟空という主人公がほとんど出ないのは驚きだ。

丁寧に描いたことで「ブロリー」というキャラクターに愛着さえ湧く。
彼は悪ではない。父親であるバラガスはベジータ王やベジータに対して
憎しみはあるが、彼自身はそうではない。何も知らない彼は純粋そのものでだ。
戦うことすら本当は望んではいない。
フリーザ軍の兵隊と仲良くなってすら居る。

これまでの「ブロリー」というキャラクター描写と方向性が違いを
見せつける中で、ブロリーはベジータと悟空と相まみえる。

戦闘シーン

最近のドラゴンボール映画の戦闘シーンはどこか物足りなかった。
神と神は久しぶりの映画ということもあり、
どこかお祭り感覚のある作品だったが戦闘シーンで3DCGを使ってしまった事で
どうにもドラゴンボールらしさがなかった。
復活のFに関しては期待ハズレもいいところだった。

しかし、今作の戦闘シーンは違う。
「これぞドラゴンボール」という戦闘シーンの描写は見ていて
ワクワクが止まらない。
純粋なぶつかり合い、殴り合いをへて相手の力を見極め
ベジータが超サイヤ人へと至る。

舐め回すようなカメラシーンは見ているだけでニヤけてしまうほどだ。
キビキビと動き回り、そこにきっちりとした重みのある演出を加えることで
戦闘シーンの迫力と重厚感が凄まじい。

単純な殴り合いを経てからエネルギー弾を打ち合いに変化し、
更に「超サイヤ人ゴッド」へベジータが変化し、
対抗するようにブロリーは大猿の力で対抗する。
徐々に戦闘が激しくなり、徐々に戦闘力が上がっていくことが
「見て」分かる。素晴らしい戦闘描写だ。

サイヤ人同士が「呼応」するように戦闘する描写は
子供の頃に劇場で見たドラゴンボール映画のワクワク感を
思い起こさせてくれる。

そして、悟空とブロリーへの対決へ移る

悟空VSブロリー

対戦前に謎のかけ声の演出が入る。
どこのプロレスの試合だと言いたくなるような
「悟空ぅ!」「ブロリィー!」という謎のBGM演出に笑ってしまうものの、
二人の対決もまた思わずニヤけてしまう。

「ダダダダダっ!」という掛け声とともに放たれる拳、
両手の拳で空中で叩きつける攻撃や背負投(笑)
ドラゴンボールらしい技の応酬と純粋な力と力のぶつかり合いは
これぞドラゴンボールだと言わんばかりの戦闘シーンだ。

悟空の超サイヤ人ゴッドでも互角以上にブロリーは戦う、
それに対抗するように悟空は「超サイヤ人ブルー」に変化する。
しかし、それでもいい勝負をシている(笑)

ドラゴンボールという作品はインフレの塊のような作品だ。
特に「超」になってからは、それがより顕著になったが、
そんなインフレに瞬時に対応してしまうブロリーに笑うしか無い。
だが、ブロリーというキャラクターだからこその
純粋な「力」による戦闘シーンが面白く
そのインフレについていけてしまうのにも納得してしまう。

彼の戦闘には小細工が一切ない。だからこそ面白い。
戦闘中に悟空が過去を思い出したり、フリーザもまた過去を思い出す。
「これまで」のドラゴンボールというストーリーを思い返させつつ
ストーリーが展開し戦闘が描かれる流れは素晴らしいとしか言いようがない。

超サイヤ人

そんな戦いを見てる間にフリーザーは思い出す、
なぜ悟空が超サイヤ人へと至ったのか。
彼がクリリンを殺したからこそ悟空は怒りで超サイヤ人へと至った。

フリーザーはブロリーを超サイヤ人にするために、自らバラガスに手をかける。
悟空と同じようにブロリーもフリーザーによって超サイヤ人へと至る。
こんな素晴らしいストーリー展開があるだろうか。

ドラゴンボールファンならばこのストーリー展開に燃えるしか無い。
単純な戦闘だが、ブロリーというキャラクターに愛着をもたせ
キャラ描写を深めたからこそブロリーというキャラに愛着を持ち、
彼だからこそインフレしていく力に納得でき、
親を殺された彼が超サイヤ人へと覚醒するシーンにゾクゾクとしてしまう。

自分のせいでブロリーが強くなってしまったのに巻き込まれて
戦うハメになるフリーザの道化感に爆笑しつつも、
悟空もベジータもかなわないブロリーにどう立ち向かうのか、
気になって仕方なくなる。

フュージョン

もはや、反則としかいいようがないだろう。
まさかの「フュージョン」だ(笑)
しかも、ゴジータだ、ベジットではない、ゴジータだ。
映画で1度登場し、GTでは出てきたものの、それ以降はなかった。

そんな「ゴジータ」が出てくる。ドラゴンボールファンにとって
もはやこんなの反則だ!と叫びたくなるほどのファンサービスでしか無い。
フリーザがボコられてる間にフュージョンの練習をして、
おなじみの「失敗」した姿まで出てくる(笑)

ゴジータと超サイヤ人になったブロリーの最後の戦いは期待感しか無い。
この作品の期待感は最初から最後まで常にMAXだ、
ドラゴンボールファンの期待感を超える展開と描写を
思う存分見せつけてくれる。

殴り合い

ゴジータになっても基本は殴り合いだ(笑)
遠距離になればエネルギー弾を駆使することはあるものの、
瞬間移動と殴り合いを繰り返しながら戦う様は口が開きっぱなしになるほどの
大迫力で描かれる。

グリグリとキャラクターを回りながら映し出されるカメラアングル、
キャラクターの「影」を強めたことでより迫力が生まれ、
キャラクターのアップとスローを使うことでメリハリを付け、
高速に展開する戦闘シーンに瞬きすることすら忘れてしまう。
なんて戦闘シーンなんだと、もう、ちょっと涙が出てくるほどだ。

私はドラゴンボールを子供の頃からずっと見てきた。
この作品における最後の戦闘シーンはドラゴンボール史上1位かもしれない。
それほどまでに素晴らしい戦闘シーンを見せつけてくれた。
ラストは「カメハメ波」で終わる辺りも憎いとしか言いようがない。
(元気玉はもはや時代遅れなのだろうかと思ってしまったが)

ラスト

「ブロリー」の最後を含めて、気持ちのいいラストを迎えてくれた。
今までのブロリーの結末は全て倒されて終わりだった。
怒りに満ち溢れ悟空への憎しみしかない彼は倒されるしかなかった。
しかし、今作のブロリーは違う。

純粋な彼のキャラクターをきっちり描いて、
彼を思うキャラを出したからこそ彼の結末も変わった。
単純に悪を滅ぼしたでは終わらない。
「フリーザ」という悪は生き残ってるものの、
それと同時にブロリーというキャラクターも生き残った。

悟空とブロリーが戦わずに対峙する様はニヤニヤしてしまう(笑)
ブロリーが「笑顔」を浮かべて終わるドラゴンボール映画は、
新しいドラゴンボール映画の可能性を切り開いたといえるかもしれない。

総評:最高のドラゴンボール映画だった

全体的に見て素晴らしい作品だった。
ブロリーというキャラクターを改めてドラゴンボールという作品の世界に
投げ込み、彼のキャラクターを過去の作品のように
単純な敵として描くのではなく、純粋なサイヤ人の一人として描いたことで、
ブロリーというキャラクターの魅力をより深めている。

そして「ブロリー」というキャラクターだからこその戦闘シーンは
本当に感無量としか言いようがない。
力の塊のような彼の存在感と戦闘スタイルは繰り返される殴り合いで
これぞドラゴンボールだ!と言わんばかりの戦闘シーンを見せてくれる。

重みのある演出とキャラクターの影をしっかり描写することで、
デジタルの作画でありながら「セル画」時代のドラゴンボールを
思い起こさせるような作画になっており、
迫力満点の戦闘シーンは劇場というスクリーンで見たかった。
こんなに素晴らしい戦闘シーンはドラゴンボール映画史上1位かもしれない。

ストーリー的にも今までのブロリー映画とは違う結末を迎えており、
色々な「可能性」を感じさせる結末で終わっている。
悟空の敵として対峙するフリーザ、敵からライバルへと変わったブロリー、
今後、どうなるのか。

ドラゴンボールという作品の今後が20年経っても気になってしまう。
忘れかけてた少年心を思い起こさせるような
本当に素晴らしい作品だった。

個人的な感想:なぜ映画館にいかなかったんだ…

見終わった今、後悔しかない。なぜ、私は劇場に足を運ばなかったんだと。
こんなに素晴らしいドラゴンボール映画をなぜ劇場で見なかったんだと
自分で自分を殴りたいくらいに後悔している。

原因はドラゴンボールサイドにもある。
復活のFが期待はずれだったたり、神と神も戦闘シーンは
ややがっかりだったせいで劇場にイカなくてもいいかと思ってしまっていた。
しかし、この作品は劇場で見るべき作品だった。

ドラゴンボールファンなら、ドラゴンボールという作品が好きなら、
この作品は至高のドラゴンボール映画になっている。
まだ見ていないという人にもぜひ見てほしい、こんなに素晴らしい
ドラゴンボール映画が新しく生まれるとは思っても見なかった。

見終わった後にもう1度見直してしまうほど面白い作品だった。
本当にシンプルに「面白かった」といえる作品だ。
ドラゴンボールファン以外は楽しみにくいかもしれないが、
ドラゴンボールという作品が好きならばぜひ見てほしい。

20年前に東映まんがまつりに足を運んだあの頃のワクワク感を
思い起こさせてくれる作品だった。

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