「ドロヘドロ」レビュー

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ファンタジー
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評価 ★★★★☆(71点) 全12話

あらすじ 「魔法使いの世界」から来た魔法使いによって、頭を爬虫類に変えられ、記憶を失った男、カイマン。引用- Wikipedia

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みんな狂ってて、みんな愛らしい

原作は漫画な本作品。なお原作はすでに完結済み。
監督は林祐一郎、製作はMAPPA。

トカゲ


画像引用元:ドロヘドロ 1話より
©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会

1話冒頭早々、トカゲなような男が人間の頭に
かぶりついてるシーンから始まる(笑)
ぬるぬるとキビキビと動くアクション、
ポイントポイントでスローモーションを効果的に使い、「ゴア表現」を見せつける。

あまりにも刺激的でセンセーショナルだ。
1話のたった2分ほどのシーンでこの作品の世界観、
この作品の主人公の魅力にどっと取り込まれる。

この世界には魔法使いが存在する。彼らは扉を介して魔法使いの国からやってくる。
魔法使いは魔法の練習をするために人間を利用している。
主人公もまた魔法使いに「爬虫類」の姿に変えられてしまった存在だ、
変えられる以前の記憶がなく、誰になんのために変えられたのかわからない。

だからこそ彼は記憶と元の姿を取り戻すために魔法使いを「狩って」いる。
作品の世界観、主人公の目的が1話の10分も立たずにわかる。
重厚に見える世界観なのにそんな世界観の中でシンプルにわかりやすい
主人公の目的と1度見たら忘れられない主人公の姿、
そして彼を演じる「高木渉」さんの軽快な演技も相まって
10分も見ればこの作品の世界観にどっぷりとハマってしまう

血液表現や人体破損の表現も多い。
だが、そんなゴア表現を気持ち悪く見せるのではなく、
どこか爽やかな爽快感すら感じさせるコミカルさを感じさせてくれる。
重いはずなのに、暗いはずの世界観なのにコミカル。
本来はちぐはぐに感じる要素のはずが見事に噛み合っている。

主人公の仲間が魔法使いの魔法で虫の姿にされそう。
そんな本来は危機感溢れてシリアスになってもおかしくないシーンなのに
なんてざまだとため息を付き、「自分の餃子」を食われたことのほうが
気になってしまう(笑)

一歩間違えば重厚なシリアスなアニメになりそうなのに一切そうはならない。
絶妙な綱渡り的な面白さを感じさせる。
原作の「センス」をアニメでも爆発させている。
他のアニメにはない、このアニメだからこその雰囲気と世界観だ。

まるでゴミのように命があっさりと燃やされる世界観。
そんな世界観が1話で癖になってしまう。

CG


画像引用元:ドロヘドロ 1話より
©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会

この作品はCGで描かれている。
だが、言われなければわからないという人もいるのではないだろうか?
それほどまでに「自然すぎる」CGで描かれており、
CG特有の軽さはないのに、CG特有の滑らかさがきちんとある。
だが、不自然なほど滑らかなわけではない。恐ろしいほどまでに自然だ。

作品の世界観的なものはあるものの不自然な綺麗さがなく、
自然に「汚れ」たキャラクターたちだからこそ、より、
背景とキャラのCGの垣根か無く、本当に自然だ。
劇場アニメならともかく、TVアニメでここまで自然なCGアニメが
描かれるようになったのかと驚くほどだ。

癖のあるキャラクターたち


画像引用元:ドロヘドロ 1話より
©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会

魔法使いの多くは特徴的なマスクをしている。
心臓の形をしていたり、ドクロの形をしていたり、
ピエロのようなマスクをしていたり。癖のあるマスクのおかげで
強烈な第一印象を抱かせ、そんな彼らがマスクを脱いだときのギャップが
更にキャラクターの印象を深めてくれる。

本来は主人公の敵であるはずの「魔法使い」たちも、
どこか憎めず、どこか愛くるしく、魅力的で酷い(笑)
悪役であるはずの魔法使いたちに愛着がわき、
彼らが「悪」だからこその蠱惑的魅力を振りまいている。

ゴア表現も多く、本来なら吐き気をもよおすような猫写や行動もある。
しかし、そんなゴア表現をどこか憎めず蠱惑的な魅力的のあるキャラクターが
するおかげで吐き気どころかギャグや爽快感すら生んでいる。
一歩間違えば不快感のあるキャラやシーンばかりだ、
しかし、その一歩前で踏みとどまることでこの作品らしい面白さにしている。

彼らは頻繁に食事をする。それがどこか美味しそうで、
食事とは日常だ。そんな日常のワンシーンを丁寧に描くことで、
美味しそうなものを食べる彼らの姿に愛着を抱く。
餃子をたべたり、カップラーメンをすすったり、時にはおせち料理を食べたり。
そのどれもが美味しそうで、美味しそうに食べる彼らが愛くるしい。

主人公も敵も大量に出血し合いながら殺し合う。
吹き出す血液、切り落とされる首、折れる骨。
「目がはなせない」戦闘シーンを目まぐるしく描き、
愛着が湧いている主人公と敵がストレートに殺し合う様が
ゾクゾクとした退廃的な魅力を出している。

そんな魅力的なキャラが多く登場する中で、
徐々に、徐々に主人公の秘密が解き明かされていく。
しかし解き明かしてるはずなのに謎が謎を呼び、話が進んでるようで進んでいない。
それに伴い、登場人物も増えていく。
複雑に絡み合うキャラクターたちの過去と今、見れば見るほど話が気になっていく

関係性


画像引用元:ドロヘドロ 7話より
©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会

主人公も敵である魔法使いたちも、一人ひとりにきちんとした関係性がある。
主人公とパートナーである「ニカイドウ」、
魔法使いであり、その事を隠しているニカイドウは本来は主人公にとっては敵だ。

殺し合ってるはずなのに「野球」をしたり、
本来はシリアスなストーリーなはずなのに、そんなストーリーの中でも
「日常」がきちんとえがかれることで、キャラクター同士の関係性を深め、
一人ひとりのキャラクターにより愛着を持てる。

もう全キャラクターが可愛らしい(笑)
主人公も二階堂も、魔法使いたちも、この作品に出てくる全てのキャラ、
一人ひとりにしっかり魅力があり、しっかりと印象がつく。
キャラクター自体は割と多いのだが、その多さを感じさせないほど
一人ひとりのキャラとそのキャラクターたちの関係性が微笑ましい。

義理人情


画像引用元:ドロヘドロ 8話より
©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会

ずっとこんな彼らの日常を見ていたいと思わせる猫写だ。
どんどんキャラが増えても、既存のキャラの癖を上回るような
キャラがどんどんと出てくる。
無法地帯で殺人も強盗も起こりまくる世界だ。
だが、そんな世界でも彼らには最低限の義理人情がある。

恋愛関係とは少し違う、友情とも少し違う。
信頼で結ばれた関係性は殺伐としたこの世界だからこその関係性だ。
十分掘り下げたキャラなのに、敵のボスキャラとも言えるキャラが唐突に
「アレは昔、俺がラーメンチェーンをやっていた時..」
と謎の過去が明かされることもある(笑)

一人ひとりのキャラの引き出しに入ってるエピソードや設定が多すぎる。
掘り下げれば掘り下げるほどに以外なものが飛び出てくる。
主人公はトカゲな「カイマン」ではあるものの、
主人公が霞むほど一人ひとりのキャラが強く,
群像劇になっている。

キャラが出れば出るほど「誰が」主人公の謎が深まる。
主人公の口の中にいる男と同じ顔の男、主人公の姿にそっくりな姿になれる
魔法を持つ少女、ニカイドウの魔法の謎。

それぞれのキャラの目的、行動理由がきちんと1クールでえがかれている。
なぜ彼らがこんな殺伐とした世界でも生き生きと生きているのか。
命があっさりと捨て去られる世界で彼らは義理人情を重んじ、信頼関係を作り、
この世界で生きている。

そんな彼らの生き様はこの作品そのものだ。
終盤になっても新キャラは登場し続けるが、そんな新キャラたちも
実力のある声優さんたちが演じることできちんと印象が深まる。

友達


画像引用元:ドロヘドロ 12話より
©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会

主人公とニカイドウは友達だ。そんな友達同士が最終話戦ってしまう。
自分自身が何者なのか、なにの罪を犯したのかすら主人公はわからない。
得体のしれないなにかが飛び出す。謎が謎のまま謎を生み、混沌とする中で
主人公は「出会い」を思い出す。
記憶を失い、戸惑っていた自分に「カイマン」と名付けてくれた友人。

二人は腹を割って話す。いままで抱え込んできた事を打ち明ける。
嘘つきじゃないか、なぜ嘘をついていたのか、なんで自分に手を貸してくれたのか。
腹を割って話したからこそ二人にはより深い友情が生まれる。
この殺伐とした世界で何もわからなかってしまった主人公が信じる唯一の友。
そんな友との指きりげんまんでこの作品は終わる。

びっくりスくらい中途半端だ(笑)
話は進んでいる、だが、謎が謎を呼び全ては混沌の中で終わってしまう。
早く2期を、早く続きを見せてくれと視聴者の欲望を掻き立てる、
罪深い作品だ。

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総評:ゴアとトカゲと義理人情


画像引用元:ドロヘドロ 6話より
©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会

全体的に見て凄く良く出来た作品だ。
完成された殺伐とした世界観に癖があり練り込まれたキャラクターたちが
生き生きと生きている。一人ひとりに物語があり、一人ひとりに義理人情があり、
そんな彼らの物語だからこそ面白い。

アニメーションとしてのクォリティもさすがはMAPPAだ。
作画のクォリティも当然ながら演出面では本当に驚かされた。
戦闘シーンでのピンポイントでの「スローモーション」は
より戦闘シーンの迫力を際立たせ、容赦のないゴア表現は
グロテスクなはずなのに爽快感すら感じさせてくれる。

本来は好みの分かれそうな過激な表現ではあるものの、
そんな過激な表現を豪快に描き、血液の表現だけを大胆にすることで
グロテスクさを余り感じさせない。
もちろん、こういった表現が苦手な方はいるだろうが、
それでもこういった表現特有のドロッとした感じがない。

こんなにも殺伐とした世界観なのにコミカルなキャラクターたちが
本当に愛らしく、ひとりひとりのキャラクターに愛着を持ってしまう。
本気で殺し合ってるのにそれがシリアスにならない。
本当に絶妙なバランスでゴアとコミカルさとシリアスさを保っており、
一歩間違えばバランスが崩れそうな絶妙な塩梅で成り立ってる作品だ。

唯一欠点としてはやはりストーリーが驚くほど中途半端に終っている所だ。
区切りが良い…とは言い難く、これで2期がなければどうすればいいんだ?と
思わず叫びたくなるほど続きが気になってしまう。
1度見たら絶対にわすられない強烈な世界観と癖のあるキャラクターたち、
脳細胞にこびりつくような作品だった。

ぜひ2期を期待したい。

個人的な感想:可愛い


画像引用元:ドロヘドロ 11話より
©2020 林田球・小学館/ドロヘドロ製作委員会

とにかくキャラクターが可愛かった。
カイマンもニカイドウも煙も心も能井も藤田も恵比寿もジョンソンも(笑)
敵も味方も関係なく、本当に一人ひとりのキャラが可愛い。
彼がの行く末がどうなるのか、カイマンの謎は一体どうなってるのか。
もう気になって気になって仕方ない。

ぜひ2期をやってほしいのだが2期の情報がない。
原作に手が伸びそうで戦っている自分がいる…(苦笑)

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