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「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」レビュー

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評価 ★★★★☆(60点) 全12話

あらすじ 「クロスレヴェリ」というMMORPGにて、魔王と恐れられていたディアヴロ(坂本拓真)。引用- Wikipedia

異世界水戸黄門

原作はライトノベルな本作品。
監督は村野佑太、制作は亜細亜堂。

どこかで見かけた設定だが?


引用元:©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会

1話冒頭、主人公はゲームの中で最強魔王キャラクターとして
リア充を蹂躙することを楽しんでいっる(笑)
引きこもりの主人公はMMOで魔王と恐れられるキャラだったが、
ある日いきなりゲーム内の姿で美少女2人に異世界に召喚される。

この冒頭のあらすじで「あれ?どこか見たことあるな?」と
感じるほど最近のラノベ系、なろう系アニメでは見たことのある設定だ。
新鮮さという意味合いではかなり薄い。
どこかでみたことのある凡庸な世界観の設定でしか無い。
テンプレート的であるともいえる。

しかしタイトルにもある通り「奴隷魔術」がこの作品の肝だ。
主人公はなぜかゲーム内の姿を強さと装備を持ったまま異世界に転移する。
彼は魔法が効かないうえに反射する装備を身に着けており、
本来、彼の召喚者である二人の美少女から掛けられるはずだった
奴隷魔術を反射してしまい、2人の美少女を奴隷にしてしまう。

つまり、この作品は「そういう」アニメである(笑)

ロールプレイ


引用元:©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会

異世界に転移した主人公の内心は戸惑ってビクビクしている。
自らの状況もよくわからず、目の前には二人の美少女。
そんな主人公は自分のコミュ障をごまかすために
「魔王」になりきっている。

いわゆる「ロールプレイ」だ。
コミュ障で長い間引きこもりだった
彼、人生というゲームにおいて彼はソロプレイしかしたことがない。
しかし「ディアブロ」というゲーム内の魔王としてのロールプレイは
長年彼はやってきた。

そんな彼だからこそ「魔王」を「ディアブロ」をロールプレイすることで
唐突に訪れた異世界転移という状況を乗り切ろうとしている。

ヒロインのおっぱいを偶然触ってしまったときでも、
堂々と魔王として振る舞う姿は「ギャグ」になっており、
主人公の内心の焦りと魔王としてのロールプレイによるギャップが、
きっちりとした笑いどころになっている。

そんなロールプレイだからこその二面性が主人公の魅力になっており、
変にナヨナヨしたり悩んだりもしない。
それゆえにストーリーも引っかかることがなくスムーズに展開する。
謎を後回しにしたりすることがなく、ゲーマーであるからこそ
この世界の設定やヒロインたちの立場を理解し解決しようとする。

少し古い作品で設定も違うものの、
どこか「魔法剣士リウイ」を思い出す主人公と要素がある。

ちょうどいい軽さ


引用元:©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会

この作品のストーリーはものすごくわかりやすい。
ややこしい設定というものはほとんどなく、
「どうしてゲームのキャラで異世界に召喚されたのか?」という所が、
この作品の最大の謎だが、そこに関してはスルーされている。

本来この手の作品は元の世界に戻るためにいろいろしたり、
他にも自分以外のプレイヤー以外が探したりする作品も多いが、
この作品はしない。根本的に主人公が元の世界に
戻りたいという意志がない。
戻ったところでソロプレイの引きこもりだ。

この世界ならば、自分の知らない世界ではあるものの
自分がやっていたゲームと似ている部分も多く、自分は最強。
美少女二人には慕われている、帰る理由がない(笑)
元の世界では味わえなかった「仲間」や「女の子とのイチャイチャ」が
味わえる世界、帰りたいと思うほうが馬鹿である。

基本的にヒロインの事情か絡みでストーリーが進んでいき、
エルフの王女だったり、魔王の魂が封じられてる少女だったりと、
「予想がしやすい」ストーリーはシリアスな要素も薄く、サクサクと進む。

2話の段階で二人のヒロインの秘密が明かされており、
変に謎を引き伸ばすことがない。敵が現れても分かりやすい小物であり、
そんな小物を圧倒的な力で成敗する。
決して「俺ツエー」的な作品の主人公の傲慢さを感じず、
きちんと行動理念と感情を感じるからこそ魅力を感じる主人公だ。

非常に分かりやすい、水戸黄門的なストーリーとも言える。
いわゆる「ストレスフリー」な作品だ。

分かりやすいキャラと分かりやすい設定と分かりやすいストーリーで
1話1話のストーリーにきちんと起承転結がある。
主人公である「ディアブロ」がいい意味でおせっかいであり、
魔王をロールプレイングしているが、決して悪ではない。
お人好しな魔王様だ。

おっぱい


引用元:©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会

この作品はセクシー要素の強い作品だ。
それだけに「おっぱい」に対するこだわりが強い。
この作品の世界における女性キャラのおっぱいは爆乳か貧乳かであり、
なぜか服の面積が狭いキャラクターばかりだ。
露骨に胸元を見せつけてくる。

2人のメインヒロインも対象的な胸の大きさだ。
アニメにおけるおっぱい描写は基本的に「巨乳」の際に
活かされる事が多い。揺れや柔らかさの表現などが
巨乳のほうがやりやすく、とことん大きな胸を持つキャラクターの
居る作品も居る。

だが、この作品は巨乳だけでなく「貧乳」にもきっちりこだわっている。
これは文章で表現すると「全年齢仕様」の当サイトでは色々とまずいが、
きっちりと胸の「先端部分」へのこだわりや、
貧乳キャラの貧乳コンプレックスによる可愛さや恥じらいなども、
きっちりと描いており、そこにきちんとしたフェチジムを感じる描写は
アニメにおける「おっぱい」が好きな人ならば満足できる描写になっている

こういったセクシー要素は好みの分かれる要素ではあるものの、
「主人公」が魔王をロールプレイングしながら、
内心ではラッキースケベへの戸惑いを感じるギャップが笑いにもなっており
水戸黄門でいう「由美かおるの入浴シーン」のごとく
毎話お約束のようにセクシーシーンが盛り込まれている。

最高に小物な敵達


引用元:©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会

基本的に敵は調子に乗っている。
調子に乗って小物感を高めていき、己の欲望と陰謀を顕にしつつ、
あくどい顔を浮かべる。

そんな調子に乗った敵が主人公に圧倒される。
わかりやすい「やられ役」を石田彰さんなどが熱演することで、
余計に小物感がまし、彼らが調子に乗れば乗るほどやられっぷりが面白く、
彼らが調子に乗ることが「フリ」になっている。

わかりやすい小物やわかりやすい敵がわかりやすく主人公にやられ、
ヒロインが主人公への思いをつのらせハーレム要素を強めていく。
シンプルイズベストな起承転結のスッキリとした話であり、
わかりやすい話をわかりやすく展開してくれる。
だからこそ主人公にやられる様は分かりやすい爽快感が出ている。

そんな中でも「ソロ」だった主人公の悲哀。
元の世界で「拒絶」されたからこそ自分の世界に引きこもった彼が
異世界でもう1度誰かと繋がりを持ち、信じようとする。
召喚された魔王と、奴隷な彼女たち。
そんな不思議な関係性が好意を積み重ね、信頼へとつながっていく。

もしかしたら、もう1度傷つくかもしれない。
そんな過去の自分を乗り越える。
決して前世のゲーム内のキャラの強さだけではない、
「この世界で身につけた」強さもあるからこそ、
「俺ツエー」要素に不快さがない。

シリアスなシーンが有っても、場面が変わればセクシーなシーンが
描かれており、ものが八足のメリハリと緩急の使い方が上手い。

勝負しすぎてるセクシー要素.


引用元:©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会

話が進むほどセクシー描写は過激になっていく。
それは主人公とヒロインたちの関係性が進展しているからこそでもあるが
特に「10話」はかなり過激であり、描写としてもかなり直接的だ。
正直、昨今のアニメの規制事情を考えればかなり勝負しており、
ギャグアニメチックな今作品だからこそギャグに見えなくもないのだが、
ダイレクトな表現がされているあのシーンは賛否両論だろう(苦笑)

ここであえて、ダイレクトなあのシーンを逃げずに描写した制作陣の
度胸を評価したい部分は個人的にはあるのだが、
こういった表現に関しては「声が大きくうるさい人」が居るうえに、
こういった表現自体が嫌いな人もいるだろう。

序盤から胸などのセクシー描写はあったが、
中盤以降のセクシー描写はかなり過激であり、
好き嫌いの分かれる要素がやや強まった感じは否めない。

スッキリ区切りをつけるストーリー


引用元:©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会

この作品はキャラクターの使い方が上手い。
サブキャラもメインキャラもきっちりストーリーの中で活かし、
サブキャラをサブキャラで終わらせない。
メインキャラに関しても「意外な事実」が終盤で分かることで
キャラクターの魅力が深まり、意外なストーリー展開も生む。

そして、きちんと最後にはロールプレイでしか無かった「魔王」が
本物の「魔王」と戦い、奴隷魔術というタイトルもきちんと回収する。
ある程度、1クールの段階できちんとストーリに区切りをつけており、
すっきりと見終わることができる。

最近では投げっぱなしで終わったり、
伏線残しまくりで終わる作品も多いだけに、
この作品は1話から最終話までできちんとした起承転結があり、
最終話を見終わった後に消化不良が残らない。

2期があれば見たいが、なければ原作を続きを楽しみたい。
そう感じさせるきれいな区切りをつけてくれた作品だ。

総評:お手軽異世界ファンタジーは最高だ


引用元:©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会

全体的に見てすごくお手軽r作品だ。
流行りの異世界やゲーム設定を取り入れつつ、
2人の「メインヒロインの可愛さ」を「エロ」を交えつつ描き、
わかりやすい小物な敵を強い主人公が
サクサク倒していく爽快さも盛り込みつつ、
最初から最後まで肩の力を抜いてスッキリと楽しめる作品だ。

欠点を言うならば、よくも悪くもこの作品はお手軽である。
深いストーリー展開や練り込まれた設定があるとはいいがたい。
流行りの「なろう系」のような設定も多く、
新鮮さやオリジナル要素というのは薄い。

だが、この「よくある要素」を丁寧かつセクシーに描き、
ストレスフリーなストーリーと不快感のないキャラ描写は、
爽快感すらある一本芯の通った面白さがあり、
1話を楽しめれば最終話まで楽しめる作品になっている。

異世界でいいじゃないか、エロくていいじゃないか、
可愛いヒロインと強い主人公を
すっきり1クール楽しめればいいじゃないか。
そんな「あっけらかん」とした面白さがあり、
セクシーな要素が嫌いな人でない限りは楽しめる作品だ。

個人的な感想:あぁ、面白かった(笑)


引用元:©むらさきゆきや・講談社/異世界魔王製作委員会

個人的な事情だが最近「投げっぱなし」な作品ばかりを見ている。
伏線や設定を残したままモヤモヤ年経消化不良な作品が多く、
正直、やや疲労感すら溜まっていた。
そんな私の疲れたアニメ胃袋を優しいおかゆのごとく癒やしてくれた。
この作品はそんな作品だった(笑)

ただ10話の「あのシーン」に関しては本当にやりすぎであり、
特典映像でのお楽しみくらいにしてカットや規制演出でも
問題なかったのではと感じる部分はある。

しかし、全体的に本当によくできており、
丁寧かつしっかりと作られている作品だ。
超個人的には巨乳キャラよりも貧乳キャラが好きなため、
色々な意味で楽しめた作品(笑)

2期は制作会社監督が変わってやや不安ではあるものの
今から見るのが楽しみだ。

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