「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」レビュー

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評価 ★★★★☆(68点) 全113分

あらすじ 「偉大なる航路(グランドライン)」での航海を続ける麦わらの一味のもとに、ルフィたちの故郷である「東の海(イーストブルー)」でいくつもの島が襲われているという衝撃的なニュースが飛び込む。引用- Wikipedia

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ワンピース流任侠映画

本作品はワンピースの映画作品。
ワンピースとしては10作目という記念すべき作品であり、
初めて原作者・尾田栄一郎が監修した作品ということで話題になった。
監督は境宗久、制作は東映

金獅子

冒頭、海軍がとある海賊と戦ってるシーンから描かれる。
かつて海賊王ロジャーの時代に暴れていた伝説の大海賊、金獅子と呼ばれた男。
ロジャーに破れ、捕まっても「足」を切り落としてまで脱獄した男。
「ジーハッハ!」という独特な笑い声と、かつてロジャーに捕まったという
名目が敵キャラの強大感を表し、空を飛ぶ船で飛び姿は
見ている側の期待感も煽ってくれる。

そうかと思えば次に登場したときの金獅子は踊っている(笑)
やばそうな設定を持つキャラなのに謎の踊りで
ナミの目の前に部下とともに姿を現す姿はなんともコミカルであり、
ワンピースという作品らしい「ユーモア」を兼ね備えた敵だ。

しかし、そんなユーモアさを見せた後に、また「怖さ」を見せる。
部下のミスは絶対に許さず、仲間の海賊も平気で犠牲にする。
海賊らしく「欲しい物」は力付くでも手に入れる欲望の深さもあり、
敵キャラとしての魅力と存在感を序盤できっちりと感じることができる。

自分の欲望や夢、目的のために仲間も平気で犠牲にする敵、
ルフィとは真逆の存在だ。
故郷のイーストブルーが誰かに襲われてると聞けば、
冒険をやめ、助けに行こうとする、仲間が囚われれば何が何でも
助けようとする。

「オマツリ男爵と秘密の島」の脚本で描かれた内容とは
真逆とも言える敵とルフィの描き方は、
尾田先生なりのアンサーなのかもしれない(苦笑)

敵によってさらわれてしまったナミを助けることはできるのか?
ばらばらになった仲間たちと再開することはできるのか?
という冒頭から先が気になるストーリーが展開している。

芸能人声優

過去のワンピース映画にはいわゆる芸能人声優も多かったが、
今作でもそんな芸能人声優は起用されている。
ボスである金獅子は「竹中直人」さんが演じられており、
竹中直人さんの声と演技力はさすがとしか言いようがない。

その他にも水泳選手である「北島康介」さんも起用されているが、
あくまでサブキャラとしての起用であり、そこまで気にならず、
欠点になりがちだった芸能人声優の起用が
問題ないのもこの作品の利点だ。

戦闘シーン

冒頭から映画というスクリーンを意識したシーンが非常に多い。
今作までのワンピース映画はどちらかといえば、
TVSP的なクォリティの作品が多く、スクリーンを意識していないカメラワークや、
作画のクォリティ自体もあまり良くない作品が多かった。

しかし、今作では冒頭の金獅子の逃亡シーンから、
ルフィ達が「空島」のような場所で巨大化した生物と戦うシーンと、
かなりダイナミックにシーンを描いており、
ただの巨大化した動物なのに「ギア3」を使って戦う姿は
贅沢にすら感じてしまう(笑)

ある意味でのファンサービスとあまりワンピースを詳しくない人に向けての
説明の意味合いも込めて、冒頭からギア3を出したのだろう。
映画では今作が初登場である「ギア3」の技やデメリットを、
コミカルかつテンポ良く最初から見せ、
今作から登場する「ブルック」の活躍も見せることで
キャラの印象をしっかりとつけている。

フワフワの実

金獅子は悪魔の実の能力者だ。
そんな彼が食べたのは「フワフワの実」だ。
自身や生命を持たないものの重力を操りフワフワさせる。
そんな子供のお菓子のような名前ではあるものの、
名前とのギャップがここまで激しい能力は珍しい。

彼にとっては命を持たないもの全てが武器だ。
砂、空気、なんでもあやつり武器にしてしまい、
自身を浮かせる能力のお陰でルフィたちの技もあっさりと避けられてしまう。
攻守ともに優秀すぎる能力のせいで、あっさりとルフィたちはやられてしまう。

敵との圧倒的な差を中盤で見せることによって
敵キャラの存在感を完璧なものにし、そんな彼に対する
「リベンジマッチ」が必然と盛り上がる。
こんな強い敵に勝てるのか?どうやったら勝てるのか?

映画オリジナルキャラだからこそ、きちんと掘り下げ、
存在感を明確にし、「強敵」の印象を見る側に明確にし、
岩に閉じ込められるルフィたちの姿に対する絶望感が生まれる。

ルフィたちを助けるための「ナミ」の自己犠牲も素晴らしく、
ナミの過去を知っているからこそ、仲間からこそ、
ナミの自己犠牲を否定しようとする「ウソップ」の姿は、
あの映画とは真逆だ(笑)

明らかに「オマツリ男爵」を意識した部分を感じてしまうのは
尾田先生なりにあの作品に思うところがあったのだろうと感じてしまう。
絶対にかなわない敵を目の前にし、ルフィは仲間の犠牲を選ばず、
新たな仲間を加えるわけでもなく、何が何でも仲間を助ける。
目的のために手段を選ばない男ではないとでもいいたいようなストーリーだ。

リベンジ

ルフィたちは終盤でリベンジマッチを誓う。
その姿はまさに「討ち入り」だ。
全身黒い服で身を包む、その姿は決意の証でもあり、
どこか「任侠映画」のような雰囲気すら感じさせてくれるデザインの服と、
演出の数々は思わずニヤニヤさせてくれる。

海賊とヤクザ、どこか近い存在の彼ら。
そんな海賊たちをあえて終盤はヤクザのように描き、
ヤクザの抗争のような終盤は「ゾロ」ですら銃器を持っている(笑)

組長としての船長、ルフィの姿とスーツスタイルな彼らは
この映画だからこその「特別感」があり、
仲間たちが戦ってる中でまっすぐに「金獅子」へと足を運ぶ姿は
素直に「かっこいい」と感じてしまう。

ラストバトルもこの作品だからこその仲間と協力した
ギア3の「技」は映画というスクリーンを意識した大迫力なものになっており、
満足感をたっぷりと味わえるラストになっていた。

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総評:新時代の幕開けだ

全体的にみてワンピースの映画としての満足感の高い作品だ。
スクリーンを意識した戦闘シーンは迫力満点に描かれており、
そんな戦闘シーンの中で敵である「金獅子」の強さ、
そんな敵に立ち向かうルフィたちのかっこよさや余すことなく描かれており、
ストーリーもまっすぐに描かれている。

ナミの自己犠牲という要素はありつつも、
最初から最後まで彼らは信頼し合っている。
目的のための仲間ではない、仲間とともに目的を達成して初めて意味がある。
どんな状況でもその信頼は揺るがず、ワンピースにおける仲間同士の関係性が
この作品の形ではストレートに描かれている作品だ。

一方で金獅子の側近の敵キャラがあまり強くないのは
気になるところではあるものの、彼らの存在や
金獅子の性格がギャグ要素にもなっており、
シリアスとコメディのバランスが素晴らしい作品だった。

個人的感想:尾田先生流のアンサー?

個人的な見解になってしまうが、明らかにオマツリ男爵を
意識、オマツリ男爵に対するアンサーのような脚本に感じる部分がちょこちょこあり、
仲間の描き方、ウソップとナミのセリフなど、細かい部分で
アンサーのようなセリフやストーリーが多かった印象だ。

ただ、オマツリ男爵はいい意味でも悪い意味でも
ワンピースらしくない作品だ。
尾田先生が監修したことで、当然ことながらワンピースらしさ
全開のストーリーになったことで、自然とオマツリ男爵に対する
アンサーのような作品になったのかもしれない(笑)

この作品から興行収入も40奥超えと、前作の4倍以上の
売上を叩き出したことを考えると、
みんな「尾田先生監修」のワンピース映画を求めていたのかもしれない。

「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」は面白い?つまらない?

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