COPPELION

評価/★☆☆☆☆(18点)

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陣痛3日続いたぜ!カラスは戦闘機並みで飛ぶぜ!謎の力に目覚めたぜ!

原作は漫画な本作品。
2010年ごろにアニメ化が発表されたが、震災の影響で一時アニメ化が断念されていた
内容的に「原発事故が起こった無人の東京」という舞台設定が問題だったようだが
2013年秋にアニメ化された

見だして感じるのは微妙なキャラクターデザインだろう。
キャラクターの輪郭を黒く縁ったような感じは「無人の東京」というせっかく描き込まれたの背景から
やたら浮いたような絵になってしまっている。
更に「戸松遥」さんが演じる大阪弁のキャラクターの演技、
いわゆる「エセ大阪弁」であり、非常に気になる演技をしている。
戸松遥さんの大阪弁の演技がうまいとはお世辞にも言えない。

ストーリー的にも色々とぼかしているせいでいまいちパッっとしない。
有害物質のせいでゴーストタウンと化した街で、有害物質に適応した遺伝子操作された3人の少女が
制服を来て、通学バッグ片手に、ローファーで救助活動を行う。
救助が必要な人間を見つけ次第、軍が重装備でヘリコプターで
救助ポイントに向かってくるというのがこの作品のストーリーだ。
ちなみに救助活動は常に徒歩(苦笑)

しかし、そういった疑問や違和感を「アクションシーン」で魅せる。
有害物質が蔓延し、ゴーストタウンと化した東京では動物たちが野生化している。
有害物質が蔓延して人間は防護服でしか活動できないのに
なぜ動物たちが普通に生きているのかは突っ込んではいけない。
野生化した動物が襲い掛かってきたり、倒壊する建物でのアクションだったりと
「廃退した街」でのアクションシーンはカメラアングルを大胆に動かしながら魅せるアクションになっている

ただ、ストーリーは淡々としている。
汚染された街に残る人には事情があるのだが、そのストーリーの見せ方や
重要な設定を明かす際に「原発」や「放射能」といった言葉を出さないように進めるため、
ふわふわっとした基板でストーリーを進めるため面白さが伝わりにくい
作中で起こる出来事で重大なこともあるのだが、どうにも淡々としており
ストーリーが「軽く」見えてしまう。

有害物質の処理、遺伝子操作されて生まれた少女たちと
描けばもっと重く、見ている側に何かを感じさせるストーリーになるはずのなのだが
登場人物に感情移入しにくい上に淡々と進めてしまうため
本来なら重いはずの内容が軽くなってしまっている。

演出面でもギャグにしか見えない描写が多い。
普通の人間は防護服がないと汚染物質に侵され死ぬ、
しかし「エーテル」という薬を打てば10分間だけは防護服がなくても大丈夫なのだが、
途中でとあるキャラが自殺するために防護服を脱ぐ。
それをヒロインたちが10分間の間に運び救助するという内容があるのだが・・・
画面の左下で「カウントダウン」が行われる(苦笑)

これが常に表示されているなら本当に10分の尺で描写しましたという面白さがあるかもしれないないが
思い出したかのようにカウントダウンを表示し、
別に本当に10分間の尺で描写しているわけではない。
なぜカウントダウンを表示したのか意味不明だ、カウントダウンがなくても緊張感は伝わるのだが
カウントダウンじゃなく「腕時計」を見るような演出でも良かったはずだ。
全体的に演出面はちょっとギャグにしか見えない演出が非常に多い。
はっきり言ってしまえば世界観に合わないセンスのない演出をしてしまっている。

更に音。
私はアニメで音楽や音響、効果音の面をあまりレビューで書くことはないのだが、
この作品における「音」は画面に合っていない。
感動的なシーンや決めのシーンでの効果音の違和感や、かかっている音楽が画面にあっておらず
緊張感のあるシーンなのに緊張感が出ていなかったり、
感動的なシーンのはずなのに感動できなかったりと音で邪魔される部分が多い。
世界観に合わない曲はギャグにしか見えない。

全体的にギャグにしか見えない作品だ
重い設定の中でのストーリーのはずのに見せ方が甘すぎるうえに
その設定の中で薄い救助ドラマを淡々と展開してしまい
更に演出意図が掴みかねるギャグのような演出やシーンに合わない音楽、
更には突込みどころの多い展開の数々のせいでせっかくのストーリーがギャグアニメのように見えてしまう。
はっきり言ってしまえば題材はいいのにセンスが無い作品になっている。

そのセンスの無さは声優の配役にも影響している。
前述した違和感のある大阪弁を使うキャラクターを戸松遥氏にやらせたり、
堀江由衣さんや坂本真綾さんなどの有名声優を起用してもキャラクターに合っていない。

ストーリー展開も「?」となるパターンが多い。
物語の中盤で「妊婦」が出るのだが、とある事情から救助ヘリが来ない
妊婦の父はなぜヘリが来ないんだ!と怒る。
しかし「自然分娩」という方法もあるんじゃないかと見ている側が思う(苦笑)
更に危険を犯して医者の居ない病院にまで行こうとするのでますます、
そんなリスク負うくらいなら「自然分娩」じゃだめなのか?と物凄い思ってしまう。
色々した後に結局「自然分娩」になるのだから笑うしかない。
ちなみに陣痛は3日くらい続いている、そもそも、こんな危機的状況で「妊娠」というのもあれだが・・・w

更に中盤以降は「能力バトルもの」にもなる。
まるでジャンプで打ち切りを免れるための路線変更のようだ(苦笑)
この作品は十分にストーリーを作れる設定が多くある、
汚染物質が蔓延する街、そんな汚染物質に対抗のある遺伝子操作された登場人物、
汚染された町で暗躍する組織、汚染物質を捨てる国など
十分すぎるほどの設定があるのに、能力バトルものまで盛り込んでくる。
序盤から中盤まで見てきたストーリーに対する期待感を台無しにされるような感覚だ
そもそも期待感自体あまりなかったが・・・

もちろん、きちんとしたストーリーに見せ方をしていれば
能力バトルものになっても受け入れることは出来ただろう。
しかし、このアニメでは「ギャグにしか見えない演出」しかしていないせいでギャグにしか見えない。
怪力や超視力なら遺伝子操作として理解できるのだが、
「電気うなぎの遺伝子」を組み込んで電撃使えたり、
何の遺伝子かわからないが「空中浮遊」したりと笑うしかない。
特に「空中浮遊」するキャラは何の遺伝子を組み込まれたかわからないのだが、
まあ・・・都合よく力に目覚めて都合のいい力ばかり使う(笑)

逆に言えばギャグアニメと割り切れば、これほど突込みどころがあり笑える作品は珍しい。
ある意味でシュールギャグアニメ作品と考えれば名作だ。
真面目な戦いのはずだったのにアヒルボートで追いかけっこしたり、
みんなで逃げようとする展開なのに「もう一人助けて欲しい人がいる」と言い出したり、
戦闘機と同じ速度で飛び回るカラスがいたりと笑いどころ満載だ。
前半は戦闘シーンはよく動いたのだが後半は殆ど動かないのも笑いどころだ。

アニメ化にあたりいろいろな部分を「ごまかす」ため面白さが伝わらず、
原作にある政治や企業に対する風刺描写や女性陣のお色気描写のも削られているので
この作品の面白さが出ず、演出がギャグでしかないためギャグアニメにしかなっていない。
監督はこの作品が初監督作品だったから仕方なかったかもしれないが、
もう少しきちんとしたアニメにならなかったことは残念でならない。
私個人としては途中からギャグアニメと割り切ったので突っ込みながら見ることが出来たが
同じスタッフで2期が見たいとはお世辞にも思わない(苦笑)

原作が続いていることもあり「俺たちの戦いはこれからだ」状態で終わっているが、
売り上げを考えても2期は期待できない。
続きが気になる方は原作で・・・という感じだろう、
面白そうなポイントは多くあったので近いうちに原作も読んでみたいと思います。