星刻の竜騎士

☆☆☆☆☆(4点)

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欲しいのはセンス、この作品には圧倒的にアニメセンスが足りない

原作はライトノベルな本作品。
アニメーション制作は「C-Station」という会社で
この作品が初めての制作元請けだ。

始まって早々「訳の分からない世界観」にぶち込まれる。
主人公と思われる少年はいきなり血だらけで倒れているうえに左腕は無い
その横には少女が倒れており、意味深な女性が主人公の左腕を再生する・・・
そうかと思ったら怪しげなお姉さんが主人公の体にキスしまくり(笑)
本来ならこの冒頭のシーンでこの作品に対する「期待感」を感じられるのがベストなのだろうが
どうにも「面白そう」と思わせるほどの魅力はなく淡々とストーリーを進める

この作品はいわゆる「異世界ファンタジー」なライトノベルだ。
この手の作品にありがちな「専門用語」全開で1話からどんどんとストーリーを進める
何の説明もない、用語の説明や解説もないままに用語を使いまくりでストーリーを進めるため
はっきりってついていけない。

「よくシニオスに上がられたわよね、自分のパルも生まれてないくせに」
「みなさんの体に刻まれた星刻、それはブリーダーの証」

などのセリフからは察する事でしか物語を理解できない。
何となくシーンの状況で頭のなかで理解しようと努力しないと非常に厳しい内容だ
完璧に理解できないままにストーリーを見ながら
何となく主人公らしき人物の行動やセリフを追う。
この作業感が面白い作品もあるがこの作品はそこに面白さを感じない

ありがちなファンタジー設定とありがちなラノベ的展開が
ストーリーの中で淡々と描写されつつ専門用語を交えながらストーリーを進める
よく言えば王道という言葉で表現することもできるが、悪く言えばテンプレ展開でしかない

更に本作品の目玉とも言えるはずの「竜」同士の戦い。
主人公たちはそれぞれ自分の竜を持ち、竜使いとして成長するために学校に通っている
実習の中で「竜同士」の戦いも描写されるのだが、これが非常に大味だ
スピード感や竜同士がぶつかる迫力のようなものが薄く、
もう少し戦闘シーンでの描写に力を入れてほしいと感じてしまう。

そもそもの作画自体が「90年代」のような作画とキャラクターデザインなため
どうにも「古臭く」「地味」な印象をずっと感じてしまう
そんな古臭い作画の雰囲気の中で「セクシーシーン」も頻繁に描写され、
それが別に「セクシー」ではない。
専門用語が詰め込まれたストーリーの中でセクシーシーンは
テンポが落ちる上に作品の空気感がガラッっと変わってしまうため
余計にストーリーに集中しきれない

更に「1枚絵」の多さ。
1話の段階から1枚絵が目立っていたが、ストーリーとストーリーの間の描写が薄く
イベントとイベントでシーンを繋いでしまうためストーリーの「流れ」というものがない。
しかも、その流れの中で1枚絵を多用しつつストーリーを進めていくため
余計に「流れ」を感じにくく、「はい、イベント」「はい、次のイベント」と
淡々とストーリーを進めていき、悪く言えばダイジェストのような展開になってしまっている

おそらくは原作では描写されているであろう部分がカットしているせいもあるのだろう。
どうにも「キャラクターの言動や行動」に?と感じてしまう部分があり、
キャラクターの行動や言動をこちらが理解する前にどんどん話を進め
余計に詰め込み過ぎた印象を受けるうえに理解できないため面白いと感じない

話が進んでも「面白い」と感じる部分は薄い。
というよりも話が進めば進むほど「色々な作品」が頭の中によぎってくる設定ばかりだ
ツンデレなヒロインはゼロの使い魔を彷彿とさせつつつ、
少女がドラゴンという設定はドラゴンクライシスを彷彿とさせつつと
この作品の「オリジナル」な部分を殆ど感じない。
色々な作品の色々な要素を詰めあわせてこの作品を作りました感があまりにも強い

その中でもせめて「この作品らしい」面白さがあれば違ったかもしれない
だが、この作品らしい面白さは「触手」シーンぐらいだ
この作品のタイトルで画像検索するとキャラクターが触手に襲われているシーンの
画像ばかりが検索で引っかかるはずだ。
何の脈絡もなく触手が出てくるシーンも多く、確かに気合が入りまくりな描写だ
ある意味唯一の見所ともいえるが放送局によっては規制されているため
なんともいえない所だ。

全体的に見てアニメとしてのクォリティが低すぎる。
同じシーンでも別の制作会社や監督ならもっと魅力あるシーンに出来ただろうと
感じるシーンがあまりにも多く、はっきりいってしまえばシーンの表現が浅い。
大味な戦闘シーンのせいで戦闘シーンが多いのに退屈でしか無く、
ストーリーの流れもダイジェストチックで流れや間のない雑なストーリー展開のせいで
キャラクターの行動や言動を理解できない。

勝手に物語が進み、どんどんとイベントが起こって、勝手にキャラクターが変化していく
1話から最終話まで見ても「面白い」と感じる部分はほとんどなく、
原作小説の「再現」が甘いのだろうと感じる部分があまりにも多い
いろいろな作品を彷彿とさせる要素、テンプレート的だと感じる部分など
「描写」の仕方1つで全く違った印象を覚えただろう。

この作品は本来堂々と王道で描かなければならない。
誠実に真っ直ぐに王道を描写すればもっと印象に残るシーンも多かったはずだ
だが、どうにも1つ1つのシーンの印象が薄く(触手を除く)
1つの1つのシーンがどこかで見たようなシーンばかりで新鮮味に常にかけてしまう

この作品を一言でいえば「ダサい」だ。
その特徴とも言えるのが主人公が着る鎧だろう(苦笑)
本来ならかっこいいと感じさせないといけない主人公の鎧があまりにもダサい。
中学生のノートの落書きのような鎧のデザインのダサさはある意味、この作品の象徴だ
古臭い、王道という言葉ではなく1つ1つの描写が「ダサい」せいで
作品全体から地味かつ受け入れきれない空気感が出てしまい、
いろいろな部分で「どうにかならなかったのか」と感じてしまう。

予算が少ないというのももちろんあっただろう、
だが、「予算の少なさ」よりも「圧倒的センスの足り無さ」を感じてしまう作品だった
制作スタッフのこの作品に対する熱意が作品全体ではなく、
「触手シーン」のみに注がれてしまい、それ以外のシーンが散漫になってしまった

ただ以外なことにストーリーは1期である程度まとまっている(笑)
もちろんいろいろな要素は残しているもののテンポよく話を進めたおかげか
ある程度「区切」がついており後腐れなくさっぱりと終わっているのは以外な点だ
この手の作品ならもっと2期を匂わせるようなシーンが
最後の最後であってもおかしくないはずなのだが、びっくりするほど綺麗にまとまっている。
その点だけは評価したい。

売り上げ的に1000枚以下でいわゆる爆死。
原作の売上が伸びれば2期があるかもしれないが・・・
ただ綺麗に終わっているので気になる方は原作でという感じでもいいかもしれない。