これぞ男性アイドルアニメとギャグアニメの新しい形「石膏ボーイズ」レビュー

2016年6月29日

評価★★★★☆(74点)全12話
ホルベイン 石膏ボーイズ フィギュア メディチの部屋

あらすじ
東京上野にある芸能事務所、ホルベイン芸能株式会社に就職した美大出身の新卒1年目・石本美希。
美大受験から美大生時代まで散々石膏デッサンをさせられてきた石本美希は石膏像に嫌気が差し、石膏像や美術とは全く関係のない仕事に就こうと決意する。

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これぞ男性アイドルアニメとギャグアニメの新しい形

本作品はKADOKAWA、ザリガニワークス、ホルベイン画材の
3社共同プロデュースによる日本のバーチャルアイドルグループを元にした
テレビアニメ作品。監督は宅野誠起、制作はライデンフィルム。

見だして驚くのは「うたプリ」のようなライブシーンだろう(笑)
ライブ会場で女性たちが騒ぐ中、煙とともに現れる石膏ボーイズたち。
1話8分のアニメでありながらまるで30分アニメのような
作画のクォリティで描かれており、絵だけ見ると短編アニメとは思えない。

ストーリー的にはギャグだ。
美大出身のヒロインはデッサンで飽きるほど「石膏像」を描いており、
石膏像に飽きてしまった。
そんな彼女は心機一転するために芸能プロダクションに入社したが、
彼女は入社早々「石膏ボーイズ」の担当になってしまうという
ところから話が始まる。

彼女の石膏に対する怒りは半端無く、そのリアクションの描き方は
まさしくギャグアニメのようなオーバーリアクションでありながら、
短編アニメにありがちな「テンポが早いだけ」のリアクションではない。
見ている間に短編アニメであることを忘れるほどの、
絶妙なテンポで描かれるギャグは素直に面白い。

「石膏ボーイズ」という名前から想像できる通り、
この作品の男性アイドルは石膏そのものである。
口は動かないがもちろん喋れる上、いい声である(笑)
杉田智和、立花慎之介、福山潤、小野大輔と
いい声な彼らの声は石膏から鳴り響いている。
細かいことは気にしてはいけない(笑)

ギャグアニメにおいて「動かない」というのは本来は致命的だが、
その致命的にもなりがちな欠点を敢えて取り入れている。
なにせ彼らは石膏像なのだから自分では動けない。
マネージャーである彼女がマンションに迎えに行くと、
石膏が佇んでいる、全く動いていない。なのに面白すぎる(笑)

ちょっと文章では伝わりにくいかもしれない、
だが、いろいろな人にこの作品を見てもらいたいがために
私はレビューサイトとしては禁じ手であるキャプチャ画像をここに貼る。

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玄関を開けたら1秒でこれである。
ちなみにCVは小野大輔な彼の気だるそうな声でイケメンなセリフを言ってくれる。
笑う以外どうしろというのだ(笑)

刀、戦国武将など数々の「イケメン化」「擬人化」がされている中で、
この作品のキャラはもともとの石膏そのままである。
持てば重く、だが、誰かに持ち運ばれなければ動くことはできない。
基本移動はマネージャーに抱っこされるかカートで運ばれる(笑)

一切動いていないギャグアニメなのに
その動かないからこそのシーンづくりと、
動けないからこそのギャグの数々はこの作品でしか味わえない面白さだ。
ちなみに照れると頬は染まる(笑)

石膏たちは大げさに表情や動きにリアクションやギャグは一切できない、
その分、マネージャーであるヒロインが「わたわた」と動きまわり、
あくせくと必死に働く要素が石膏ボーイズとのシュールさと
良い意味でギャップが生まれている。

更に強烈なパロディ要素。
相棒のパロディある「バディ」にドラマ出演したり、
節子の部屋のパロディだったりと、
実際にある番組や芸能人のパロディを似過ぎなほどに描いており、
そこに「石膏ボーイズ」たちが出演する事でより面白さが強まっている。

全体的に見て素晴らしいギャグアニメである。
本来はアニメにおいて欠点でしかない「動かない」という要素を、
キャラクターを石膏にすることによって見事にギャグにしており、
なおかつ彼らがアイドルグループという設定を足すただけなのに、
そのキャラクターと設定だけで作れる日常風景が破壊的なギャグになっている。

車に乗っているだけで面白い、メイクされているだけで面白い、
座布団に座っているだけでも面白い。
そんなギャグ&アイドルアニメが他にあるだろうか(笑)
彼らの日常風が見事に破壊力抜群なシュールなギャグになっており、
そこに過度な突っ込みを入れないがマネージャーとして必死に働く
ヒロインが居ることでいい塩梅で作品のバランスが取れている。

本当に素晴らしい作品だった。
ギャグアニメの場合当たり外れがあったり、好みがあったりするが、
この作品はそういう要素が薄い。
画面内に多くの突っ込みどころが用意されており、
視聴者がそれを見つけて思わず笑ってしまう(笑)

動かないアニメという事をあえて逆手に取った石膏アニメ、
ぜひ味わっていただきたい。