年末の空気感が一気に漂い、今年も残り一ヶ月を切る中、
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
どうもみなさん、笠希々です。
毎月恒例の振り返り記事になります。
11月
11月はとにかく映画を見ていた月でした。
劇場公開される作品も多く、それに関連する作品のレビューをするために
必然的に映画のレビューが多くなり、TVアニメのレビューが
少なくなってしまったのはバランスが悪くなってしまい、
ちょっと反省点です。
レビューの投稿数自体も13本と少し少なめで、
あと2,3本、TVアニメのレビューがあれば
バランスが取れたかなとも思うのですが、
気づいたのが11月終盤で既に時遅しでした。
12月は毎年恒例のYouTubeでの年末企画だったり、
今年は映画を多く見ていたこともあり、今年の映画の
まとめコラムを作ろうかと画策しています。
そんなわけで12月に見たアニメの個人的ランキングです。
13位 バーチャルさんはみている

VTuberが大量に生まれ、人気が大爆発して
日本の文化の1つとして定着しつつありますが、
そんなVTuberにも黎明期というものが存在し、
この作品はそんな中で生まれたVTuberのアニメでした。
メインで出ている人たちは今もなお活躍している人が多いのですが、
大量のVTuberがひしめきあいながら、
謎のバラエティをやっている、そんな作品でした。
でているVTuberさんには何の罪もありません、
制作側もVTuberというものがよくわからずに作っていたのでしょう。
滑りっぱなしの脚本、同じようなネタを繰り返し、
大量のよくわからないVTuberがただただ必死に笑いを求め
騒ぎ動いている。そんな作品です。
黎明期だからこその作品ではありますが、
今見返してもキツさはかわらないのですが、
いつかこの作品の2期が作られることを私は密かに期待しています。
12位 転生宗主の覇道譚 ~すべてを呑み込むサカナと這い上がる~

いわゆる中国アニメな本作品。
簡単に言えばポケモンです、策略により命を落としたジムリーダーが
転生し、没落したジムを再興させつつ、自分の命を奪ったのは誰なのかなどを
探っていくという感じのストーリーでした。
1話こそものすごいクォリティの作画で描かれているのですが、
2話以降は一気にクオリティが落ちてしまい、
露骨にポケモンの要素をパクっているのは清々しさすら感じ、
懐かしい中国アニメのノリを味わえる作品です。
ただ結局は既存の要素をかけ合わせたなにかにしかなっておらず、
もう1歩掘り下げれば面白くなりそうなのにならない、
中国アニメらしい作品でした
11位 果てしなきスカーレット

細田守監督作品最新作で公開初日に見て公開初日にレビューしました。
一言で言えば「なんだこれ」って作品です。
ストーリー自体はハムレットを下地に置いていることはわかりますが、
そんなハムレットを魔改造して謎の死後の世界という名の異世界転移させて、
そこにでてきた令和の男に復讐よくないと言われて復讐を辞める話です。
物語としてはシンプル、王道といえば聞こえはいいですが、ありきたりです。
小説、漫画、ゲーム、映画、アニメ、ありとあらゆる媒体で
描かれてきた「復讐は良くない」というテーマをただただやってるだけで、
そこに新鮮さのようなものは何もなく、何の面白みもありません。
この作品は教養がなければ楽しめないと言っている人もいますが、
教養云々以前の話で、細田ワープを連発し、
主人公たちより後ろに居て足を怪我もしていたはずの人物が、
なぜか主人公たちを追い越して登場したり、
復讐相手の叔父さんが死後の世界でも城を建築してたりと、
どうしてそうなった?と思うほど世界観も心理描写も展開も唐突です
不殺な現代の男がスカーレットを守るためとはいえ、
唐突に2キルしたのは意味不明すぎる上に、
ご都合主義で主人公がピンチになると必ずサンダードラゴンや
謎ババアが助けてくれるのも意味不明です。
映像のクオリティは高いのですが、それだけです。
謎の渋谷ダンスシーンだけはまるでMMDのごとくクォリティが
低いのも謎であり、もう細田監督は描きたいものがない、
作家性というものを絞って絞ってでてきた搾りかすのような作品でした。
10位 未来のミライ

この作品に対する気持ち悪さはなんなんでしょうか(苦笑)
かなり強引にねじ込んだ謎のケモナー要素もそうなんですが、
バリアフリー完全無視な家の構造だったり、
ろくに説明しない唐突な展開の数々だったり、
作品全体のチグハグさが半端ない作品でした。
短編を複数つなげたような構成になっているのはわかるのですが、
その1つ1つの短編の話が特に面白みがなく、
なんでそうなったのかという起承転結の起の部分がなく、
転転転転結というような印象を受ける作品です。
終盤の未来の東京駅のシーンだけは細田守監督らしさを感じるのですが、
98分、特に感情を揺り動かされることがなく、
何なんだこの作品は?という疑問感のみが残る印象の作品でした。
9位 ベルサイユのばら

昭和の名作である「ベルサイユのばら」を映画でやる、
この「映画」でやるというところが問題な作品でした。
原作は全10巻、TVアニメは40話で描いた作品を
2時間ほどの尺に収めるのにはそもそも無理があり、
その無理を通すために挿入歌地獄になっています。
序盤から中盤まで5分に1回挿入歌が流れるのは異様としかいいようがなく、
「オスカルがなぜ男装をしているのか」などの説明を省きながら、
ダイジェストで一気に物語を進めるのはかなり強引で、
キャラクターの心理描写、ストーリーもさらっと流されてしまいます。
ただ不思議なことに終盤からはメインキャラの生き様、
人生に強烈な感情がのり、彼女たちの最後の姿、彼女たちが
この激動の時代に自らの信念と愛を貫き通そうとする様に
涙を誘われてしまいました。
映画としては失策としかいいようがなく、挿入歌地獄には笑ってしまうのですが、
最終的には涙を流す、不思議な作品でした
8位 劇場版 呪術廻戦 渋谷事変 特別編集版×死滅回游 先行上映

呪術廻戦の特別編集+先行上映の映画作品でした。
前半の特別編集部分は2期の「戦闘」部分だけを抜き出した内容になっており、
総集編というよりは戦闘シーンMADのような感覚で描かれており、
しかもかなりダイジェストぎみで描かれているせいか、
盛り上がるというよりは淡々と見てしまう感じが強くありました。
鬼滅の刃も似たような方式で何作かやりましたが、
鬼滅の刃の場合は終盤の2話だけと次にやる最新話をくっつけるという
形でしたが、それとは違い、呪術廻戦はひたすらを戦闘シーンをかき集めるという
方法をとっているのは新しくはありましたが、個人的には
ちょっとMAD感が強めであまり楽しめませんでした。
その一方で死滅回遊編のほうはシリアスな雰囲気が全開で描かれており、
磨きがかかった作画、アニメーションを劇場のスクリーンで味わうことができ、
3期への期待感を募らせることが出来る作品でした。
7位 惡の華

実写ドラマが決定したことで軽く見返した作品でした。
強烈なインパクトのEDは1度聞いたら忘れられず、
同時に本編自体もロトスコープで不気味な雰囲気を纏った作品であり、
当時はやや炎上気味な盛り上がりを見せていたのを覚えています。
それでも多くの人が1話切りしなかったのは
作品自体の魅力があったからでしょう。
体操服を盗む主人公、それを見て主人公を悪の道へ引きずり込むヒロイン、
体操服を盗まれたはずなのにおかしくなっていく正統派ヒロイン。
一皮むけば欲望が見え隠れする人間というものを描いた作品でもありました。
1話はなんだこれ!?となる作品なのですが、
2話、3話と見続けていくうちに味わいが深まる作品でした。
6位 バケモノの子

前半と後半でストーリーのクォリティがまるで違う作品でした。
前半は孤独な少年がバケモノの国に迷い込み、熊の師匠とともに
生活しながら修行をし、成長していく過程が丁寧に描かれており、
ここの部分をもっと広げて深堀りしていけばとんでもない
名作になった可能性すらありました。
しかし、後半ではお得意の細田ワープを多用し、
唐突に人間の世界に戻り、唐突に図書館でヒロインに出会い、
唐突にライバルキャラが暴走しと唐突な展開だらけです。
きちんとしたキャラクターの心理描写ができておらず、
どれも表面を掬うような湯葉のような印象です。
作画のクオリティは本当に素晴らしく、細田守監督らしい
「影」を感じるキャラ描写の数々は素晴らしいのに、掘り下げてくれない。
このモヤモヤが最初から最後までずっと続いてしまう作品でした。
5位 おおかみこどもの雨と雪

細田守監督が脚本も手掛けるようになった本作品。
前作の奥寺さんと共著ではあるものの、
ところどころ「細田ワープ」をかましてきます。
ただそれでも、この作品で描きたいことはわかり、
シングルマザーな主人公がオオカミとの子供を育てる様子を
本当に丁寧に描いており、日常シーンでのカメラを動かさない構図や、
細田守監督らしい「憂いを秘めた」男性キャラの魅力も爆発しています。
料理や背景美術へのこだわりも素晴らしく、演出家・細田守の匂いを感じます。
しかし、ツッコミどころ気になってしまうと厳しい部分もあり、
この作品以降の作品でもそうですが、ご都合主義や設定のあらは目立ちます。
それを映画としてまとめあげている、形になっているのは
素晴らしくはあるものの、この作品のメッセージ性、描きたいものが
私の価値観とズレており、何回見てもしっくりとは来ない作品です。
4位 映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ

毎回映画館に必ず訪れている「すみっコ」ぐらし。
1作目のインパクトは凄まじく、2作目、3作目と
子供が楽しめる作品でありながら大人も強烈に泣けてしまうような
作品を多く生み出しているシリーズであり、
今年も期待して映画館に足を運びました。
ただ、今作はそういった大人向け要素はかなり控えめになっており、
いい意味で言えば「子供向け」として正統派なすみっコぐらしの
映画になっており、過去作のような作品を期待すると
やや期待外れ感はありますが、
すみっコぐらしでセカイ系をやるという挑戦作でもありました(笑)
王道な冒険ファンタジーとして面白いものになっており、
どこかゲーム的な要素をすみっコたちがクリアしていくさまは可愛らしく、
安定した面白さがある作品でした。
3位 トリツカレ男

この作品、一言で言えばものすごい挑戦作でした。
キャラクターデザインはクセがあります、多くの人は
このビジュアルの時点でちょっと映画館行くのに二の足を踏む部分があるのですが、
内容、ストーリー自体もかなりクセがあります。
色々なものに熱中しては飽きてしまう男がとある女性に恋をする。
トリツカレ男と呼ばれた男が本気でする恋は
どこかストーカー的でもあり、前半はギョっとする部分もあります。
しかし、後半になると彼の中にある「狂気」が顔を出します。
ある種のダブルミーニングなトリツカレ男というタイトル、
好きな女性の笑顔のためにそこまでするのか!?と驚愕してしまう
終盤の展開は凄まじいものがあり、見ていくと不思議とキャラデザも馴染み、
このキャラデザだからこその唯一無二な作品の空気感と雰囲気がありました。
口コミで徐々に伸びるのも分かる挑戦作であり、
この綱渡りな作品をぜひ映画館でご覧いただきたいところです。
2位 わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)

最高のガールズラブコメでした。
いわゆる百合アニメではあるのですが、
主人公が「天然の女たらし」であるがゆえにヒロインが増えていきハーレムになる。
その流れに嫌味がなく、テンプレ的な属性のヒロインたちでありながら、
それが一周回って新鮮さすら産んでいました。
スパダリお嬢様、ツンデレ、おしとやか。
こすり倒された属性を持つヒロインではあるのですが、
それをテンプレートで終わらせる王道のヒロインに仕上げているのが素晴らしく、
そんなヒロインたちが主人公に惚れるのも分かる過程がしっかりとあり、
同時に冴え渡ったギャグが笑いにもつながり、作品を盛り上げています。
少女漫画的なラブコメでありながら少女漫画的なラブコメでもある。
飽きさせない1クールをハイクオリティな作画と光の演出で見せており、
セクシーシーンもきちんと見せてくれて、最高の百合を楽しむことができました。
1位 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来

前作は本当に素晴らしい作品で、中国アニメもここまで来たか!と
驚いた作品でした。当初は日本では小規模で公開されていたのに、
一気に人気が火がつき吹替版も作られるヒット策となりました。
そんな作品の続編、あまりにも素晴らしい出来栄えに
中国アニメの脅威を感じる作品でもありました。
前作はNARUTOでありながらジブリという組み合わせの作品でしたが、
今作もそのテイストは変わらず、成長した主人公であるシャオヘイが
人間と妖精の間で自身の生き方を悩みながらも選択していく、
このストーリーもまっすぐに描かれており、
前作以上に緊迫している人間と妖精の状況にはハラハラさせられます。
そんなストーリーを「えぐい」と叫んでしまいそうなアニメーションが盛り上げます。
あえて手書きにこだわったアニメーション、エフェクトや撮影処理で
ド派手にするのではなく、シンプルに「動き」で見せる戦闘シーンの数々は
本当に素晴らしく、場面場面によって異なる戦闘方法にこだわりと感じました。
中国アニメということで見ていない人も多いと思いますが、
これが「今」の中国アニメ最高峰であり、
中国アニメのすごさを全身で感じられる作品です。
ぜひ劇場で楽しんでいただければと思います。
作家性の絞りかす
11月は細田守監督作品に囚われた月でもありました。
果てしなきスカーレットがあんなことになってしまったがゆえに、
なんでこうなってしまったのか、細田守監督作品ってどういう感じだったのか。
そもそも細田守監督とはと頭の中で例の曲が何度も流れ、
例の謎ダンス映像が頭にこびりつき、まるで呪いのように
彼の作品を見続けてしまいました。
あとはサマーウォーズだけですが、すでに執筆済みで記事にするだけなので
近日中に記事にして、ラストに「細田守監督」をテーマにしたコラムを
書く予定です、ここまで酷評し固執してしまいましたが、
それはそれだけ細田守監督に魅力があり、才能があるからこそなのかもしれません。
12月は秋アニメも終わりますし、まだ見てない夏アニメも
どんどんレビューしつつ年末に備えたいところです。
そんなわけで12月もよろしくお願いいたします。
