評価 ★★☆☆☆(25点) 全12話
あらすじ 異世界に転移し、勇者となった春原日向。ダークエルフのマリアベル、亜人族のメイ、神官のセシルと共についに魔王を討伐。役目を終えた日向は現世へと帰還を果たし元の生活に戻る、はずだったが…… 引用- Wikipedia
見えない、言わない、聞えない
原作はWEBコミックガンマぷらで連載中の作品。
監督は所俊克、制作はElias
エピローグ
1話冒頭、ファンタジーな世界に勇者として召喚された主人公が
「魔王」を倒したところから始まる。
愛の重いダークエルフに愛を告げられるものの、
元の世界に帰るのは主人公の定めだ。
平和で安全な元の世界での暮らしではあるものの、彼は両親を早くに亡くし孤独だ。
そんな彼の前に異世界のダークエルフがなぜかこちら側の世界に
やってくるというところから物語が始まる。
非常にわかりやすい作品だ、こちらの世界にやってきたダークエルフは
「全裸」であり、主人公とダークエルフの身長差からおねショタ的な要素もある。
真っ裸で謎の光で隠されるという懐かしい紳士アニメ的な規制ももちろんあり、
1話の冒頭から「こういう作品ですよ」ということが伝わる。
タイトル通り、愛の重いダークエルフはすべてを捨てて
主人公の世界にやってきている。
この作品の原作は「同人誌」であり、
そこから「WEBコミックガンマぷらす」で商業連載されている作品だ。
だからこその大胆なセクシーシーンが多い。
愛が重い
異世界からきたダークエルフは愛が重い。いわゆるヤンデレっぽいキャラだ。
2話から主人公が通う学校に彼女も唐突に通うことになり、
主人公に余計な虫がつかないように学校でもつきまとう。
なんで異世界のダークエルフが人間の学校に転入できたのか?など
気になるところはあるものの、そんなツッコミは野暮な作品だ。
主人公の同級生には主人公に思いを寄せるクラスメイトもおり、
ドタバタラブコメ感も極まってくる。
非常にわかりやすくストレートな作品ではあるものの、
テンポが悪い。
1話15分と短い癪なのだが、それでもダラーっとしており、
その中でも過激なシーンが毎回あるなら刺激にもなるのだが、
1話はお風呂で迫ったりとかなり大胆なシーンなのだが、
2話以降はそこまで大胆なシーンはない。
規制も光で規制するという単純な手法なのも気になるところだ。
同時期にアニメフェスタの紳士枠アニメとして
「かくして!マキナさん!」があったが、
あちらは規制の方法も工夫しており、作画のクォリティもかなり高い。
しかし、この作品の作画のクォリティはあまり高くない。
最近のアニメというよりは20年くらい前のセクシーラブコメっぽい雰囲気だ。
まぶらほやおねがい☆ツインズなど、あの辺りの雰囲気を感じる作品だ。
紳士アニメ黄金期が2010年代前半と考えると、
そこから更に10年古いアニメを見ている感覚だ。
しかも、セリフまで規制しており、不自然に無音になるシーンも有る。
規制版と規制なし版を分けることはこの手の作品のやり方なのはわかるが、
音まで規制されてしまうとかなり気になってしまう。
仲間
ダークエルフを連れ戻そうと元仲間がこちらの世界にやってきたりするが、
結局は主人公たちの隣の家にいつくことになる。
仲間の一人は、こちらの世界にきて一ヶ月でYouTuberみたいなことをしはじめて
大人気になっていたりと展開の唐突さは中盤になっても相変わらずだ。
旅行に行ったり、風邪イベントが起きたりと、
この手の作品での定番の展開がひたすら消化されていき、セクシーシーンも挟まれる。
作画のクォリティも話が進むとどんどんおちていき、
セクシーシーンも適当な感じになっていく。
シチュエーションだけがかわり、やってることが変わらない。
そのシチュエーションによる変化が面白さになってるともいい難い。
終盤になると主人公に思いを寄せるクラスメイトがやっている同人活動を
手伝うために売り子をやったりするのだが、
わざわざ前後編でやるエピソードか?と思うほど1話1話が薄い。
規制の強さも終盤になっても変わらずだが、
主人公のシャワーシーンでさえ規制がはいったのは
意味不明すぎて逆に笑ってしまった。
愛
主人公とダークエルフは終盤になっても一線だけは超えていない。
ダークエルフの愛はおもく、その愛に主人公が意識してしまう。
きちんとした場所できちんとした形で思いを伝えたい。
そんな気持ちを主人公は抱えている。
終盤はそんな中での遠出という名の水着回だ。
最終話でそんな思いをきちんとダークエルフに告げている。
1クールで相思相愛になり、物語がきちんと終わっている。
その点は評価したいところだ。
色々と問題はあるものの、スッキリと終わっているラストは悪くない。
総評:まるで20年前のアニメを見ているかのよう
全体的に見てテンポと作画の悪さは気になるところだ。
1話15分なのに作品全体がだらーっとしており、グダグダしている。
その反面、。1クールの中での起承転結はすっきりとしており、
異世界で出会ったダークエルフがやってきて、
そんなダークエルフの愛を受け止めて終わるストーリー自体はいい。
ただ、ダラダラとしたシチュエーションを変えただけの
日常回ばかりで、それが特に面白みがなく、
主軸となるセクシーシーンも規制が多い上に作画も悪い。
作画どころか音声まで規制されてるシーンもあったり、
なぜか男性主人公のシャワーシーンですら規制されている。
昨今、色々と厳しいのは分かるが、
このあたりは同時期に放送された
「かくして!マキナさん!」がうまくやっていただけに
気になるところだ。
ダークエルフとのおねショタ、この属性が好きな人ならば
楽しめる部分はあると思うが、いまいちパンチにかけてしまう作品だった。
個人的な感想:誰よ!
僧侶枠の作品もたまに謎の誰かがOPやEDを歌っていたりするのだが、
この作品のOPを歌っているのも破天荒夫婦という謎の人たちだ。
調べるとtiktokやYouTubeで人気の人たちなのはわかるが、
本作品との関連性もなく、そもそも歌が下手すぎる。
これだけ色々と調整ができる時代なのに
「下手」ということがわかってしまうOPを
毎回聞くのはかなり厳しいところだった…