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「KING OF PRISM by PrettyRhythm」レビュー

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評価 ★★★★☆(70点) 全58分

あらすじ 7月7日の夜、一条シンはホタルに導かれ河川敷で如月ルヰと出会う。シンはルヰからOver The Rainbowのライブチケットと共にペンダントを手渡され「彼にプリズムショーを見せてあげてほしい」と言われる引用- Wikipedia

Don’t think. FEEL!

本作品はプリティーリズム・レインボーライブのスピンオフ作品。
監督は菱田正和、制作はタツノコプロ。
なおレビューしてる私自身は「プリティーリズム・レインボーライブ」に
関する知識0でこの作品を見てるのをご容赦ください。

開始早々


引用元:©T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

始まって早々に一切何の説明もなくライブシーンから始まる。
ガチすぎる女性ファンの「歓声」に妙に笑いを誘われる中で、
3人のアイドルがアイススケートのシューズを履いたまま、踊り歌っている。

かつて光GENJIはローラースケートを履いたまま歌って踊っていたが、
この作品はそういう「ノリ」なのだろうという感じさせる。
一体「何回転」シてるんだと思うほどにひねり、飛び、回りながら
ド派手な技を繰り出す。羽生結弦も土下座するほどの技の数々だ。

そんな技に負けてないのが演出だ。
この作品は「ギャグなのか?」と思うほどの意味不明な演出だ。
キャラクターが飛び、体を反ると体から巨大なハートが飛び出す、
「無限ハグ」とキャラクターが叫ぶとキャラクターの分身体が飛び出し、
観客を抱きしめる。

もはや文章で説明しながら私は何を書いてるんだろうと思ってしまうが、
事実なのだから仕方ない。今までにいろいろなアイドルアニメを見てきた。
ゾンビだったり、地方アイドルだったり、王道アイドルだったり、
仮想現実世界の中のアイドルだったり。

だが、この作品はそのどれにも当てはまらない。
おそらくは王道アイドルと言う枠組みに入れることができるはずなのに、
自分の中の王道がそれを拒否する。

「何を見せられているんだろう」と感じてしまうほど意味不明な光景が広がる。
謎のシーン、謎の演出、謎の技、あまりにも「カオス」に満ちたライブシーンは
どういう仕組でどういう原理でこのライブが作られているんだろうと
考えたくなるほどぶっ飛びまくったライブシーンだ。

いきなり自転車を漕ぎ出したかと思えば、ファンを彼女に見立たてるような
デートシーンが始まったかとおもえば「公道での二人乗りは禁止だよ」
というキメ台詞とともに終わる。
今のデートシーンはなんだったんだ?と一瞬考えたくなるが、
この作品は考えたら負けなのだというのを開始5分足らずで叩き込まれる。

そう、わずか5分だ。
おもわず一時停止して時間を確認したら5分しか経ってない。
あまりにも濃厚かつ、カオスすぎるライブシーンを冒頭から描くことで
この作品のある意味でサイケデリックな世界観を叩き込まれるような感覚だ

たった5分のライブシーンですでに1000文字のレビューだ。
この作品が以下に「濃い」かおわかりいただけると思う。

始まりは土手から


引用元:©T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

そのとてつもないライブシーンを主人公も初めて見る。
プリズムショーを初めて見た主人公が足をガクガクに震わせ衝撃を受ける。
「なんだこれは」
主人公のそんな言葉に思わず共感してしまう(笑)

そんな主人公がライブ後にテンションが上がってしまい、
自転車で土手をジャンプするところを見たキャラクターが
彼の「スター性」を見抜くところから物語が始まる。

スピンオフではあるものの、
「プリティーリズム・レインボーライブ」を見ていなくても
非常にわかりやすく入りやすい始まり方をしており、
プリティーリズム・レインボーライブを知らない人をきちんと意識し、
主人公がプリズムショーを見て、彼もプリズムスタァを目指すという
自然かつわかりやすいストーリーの始まり方になっている。

怒涛の登場


引用元:©T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

主人公は「エーデルローズ」という養成所に通うことになる。
そんなエーデルローズに訪れた瞬間にまるで嵐の如く
次々とキャラクターが登場する。

あるものは舞妓姿で、あるものは主人公とのラッキースケベで、
あるものは忍者のごとく空から、あるものはゼウスと名乗り、
あるものは出会って早々に主人公に苦手な食べ物を聞いてくる

濃い(苦笑)
強制的に脳細胞に叩き込まれるような登場シーンのおおかげで
多いキャラクターの印象がきっちりとつく。

キャラクターが初めて画面に出てきたときのファーストインパクトを
きちんと意識しており、60分という短い尺の中で
多いキャラクターを印象づけるような工夫がしっかりとある。

ダイジェストでキャラクターたちの過去が描かれたりするのだが、
「濃いキャラクター」の「熱いノリ」とわかり易すぎるセリフのおかげで
非常にわかりやすく伝わりやすいダイジェストになっている。
15分前まではキャラの名前もどんなキャラかもしらなかった
キャラクターたちの過去とキャラの名前が強烈に印象付けられる。

こんなにわかりやすい過去回想とダイジェストは初めて見たと思うほどに
わかりやすく、ダイジェストの中でもカオスに満ちたライブシーンが
描かれるため、そのライブシーンのインパクトと同時に
キャラの印象も叩き込まれる。

唐突に「勇者の心を失ってしまっていた」ととあるキャラが言いだしたときは
流石にどういうことだ?とツッコミたくなったものの、
剣を振り下ろしてキャラクターを切り裂くプリズムショーを見せられれば
そんな突っ込みをするのも忘れてしまう。

この作品は突っ込んだら負けだ、感じればいい。
「Don’t think. FEEL!」と自分の心の中のブルース・リーを
呼び起こされるような感覚だ(笑)

どうしたいきなり


引用元:©T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

先輩たちの過去を知ったことで主人公は「仲間の大切さ」に気づき、仲間に出会う。
それが「ルヰ」だ、彼こそが主人公を「プリズムショー」に導いた本人であり、
彼に泣きながらプリズムショーに行ってくれと頼んだり、
再開したかと思えば抱きしめる。
情緒不安定すぎるキャラクターと不思議すぎる雰囲気は強烈な印象だ。

この作品は唐突な展開が多い。
冒頭のプリズムショーも、主人公がエーデルローズに入るキッカケも、
過去回想も、唐突に始まる。60分という尺だからこそ唐突さだ。
本来はその「唐突な展開」というのは欠点でしか無いが
この作品の場合、そんな唐突な展開が癖になる。

なにしろ、いきなり外でキャラクターがブレイクダンスを
してるかと思えば別のキャラクターがイチャモンを付けてきて

「貴方は俺の知ってる仁科カヅキなんかじゃない、
今のカヅキ先輩なら倒せるっす」

と言い放つ。倒す倒さないとはどういうことなのだろうかと
一瞬思うものの、考える前に更に別のキャラクターが出てくる

「お前がストリートのカリスマとか言われてる仁科カヅキだな、
俺の名前は大和アレクサンダー、てめぇだけはぶちのめさないと気がすまねぇ」

とイチャもんをつけてくる(笑)
イチャモンをつけてるところに別のキャラが更にかぶせてイチャモンをつけてくる
という被せまくりかつ唐突な展開にまるでついていけないが、
「大和アレクサンダー」という名前のインパクトのせいで
笑うことをやめられない。

今こうやって文章を書いてるだけでも思い出し笑いしてしまいそうになるほど
この作品の唐突すぎる展開の数々にすっかりハマってしまう。

戦わなければ生き残れない


引用元:©T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

そして対決が始まる。
プリズムショーのシステムには「バトルモード」があるらしく、
変身してダンスバトルが始まる。

仁科カヅキがウィンドミルで風を起こしたかと思えば、
大和アレクサンダーはヘッドスピンで宙に浮く(笑)
技の強さは自動的に「数値化」されるらしく、
放った技の強さで身にまとうアーマーが砕けていく。

仁科カヅキが龍の背に乗り天に登ったかと思えば
巨大な「剣」を召喚する。しかし、大和アレクサンダーは強敵だ、腹筋に力を入れ
「鋼のシックスパック」で彼の技を受け止め、黒い龍に跨り突っ込んでくる。

だが、仁科カヅキも負けていない。
勝利することは出来ないものの「自爆技」で彼もろとも技を受けドローに持ち込む。
これがプリズムダンスバトルである(笑)

文章で書くということがあまりにも馬鹿らしくなってしまうほど、
バトルモードの意味不明さはぶっ飛びまくっており、
誰かに解説を求めたくなるものの、おそらく誰も解説できないだろう。
この作品はこういうものだ、これでいいんだ、これこそがキンプリだと
言わんばかりのシーンだ。

これは何なのだろうかと考えてはいけない、
もはや「考える」という行為の無意味さを中盤で見せつけられる。

初めて「Gガンダム」を見たときの衝撃に近い。
あの作品も「これはガンダムなのか?」という疑問のある作品だが、
そんな疑問は石破ラブラブ天驚拳で粉々に砕かれた。

この作品も同じだ。
この作品は「アイドルアニメなのか?」という疑問を
大和アレクサンダーに粉々に砕かれる。

序章


引用元:©T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

この作品はあくまでも序章の物語だ。
主人公がプリズムショーを知り、衝撃を受け、自らもプリズムスタァを目指すが、
主人公が初めて見たプリズムショーの出演者である
「Over The Rainbow」のメンバーの一人はエーデルローズの負債のために渡米し、
その間に「Over The Rainbow」の活動は休止してしまう。

「Over The Rainbow」のファンが悲しんでる中で主人公は
みんなを笑顔にする「プリズムショー」を披露して物語が終わる。
ここからはじまる、ここから彼のプリズムスタァの道を進むんだと
感じさせるラストだ。

ストーリーとしてはやや物足りなさを感じる部分はあるものの、
逆にその物足りなさが今後の展開への期待感につながっている作品だった。

総評:サイケデリックワールド


引用元:©T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

全体的に見てこの作品は強烈すぎるインパクトのある作品だ。
話の流れとしては最初から最後まで非常にわかりやすいストーリーだ。
60分という尺の中で主人公の「始まり」の物語を描いている。

だが、そんなわかりやすく王道なはずのアイドルストーリーを
「プリズムショー」という名のカオスが
サイケデリックという言葉でしか言い表せないほどのシーンばかりになっている。

唐突にキャラクターが出てきて、唐突にバトルが始まり、
唐突に剣が出てきたり、唐突に龍が出てくる。
アイドルアニメで「龍」が出てくる必要性はまるで無いだろう、
だが、キンプリだからこそ、この作品の世界観だからこそ許される(笑)
いや、龍が出てくるくらいはこの作品では当たり前だ。

そんなこの作品における「常識」という名の非常識を
60分たっぷり見せつけられ、そんな本来はぶっ飛びまくったプリズムショーに
主人公と同じようにハマってしまう。
プリズムショーをもっとみたい、彼らのライブをもっと見たい、バトルも見たい。
見る人をプリズムショーの虜にする、この作品はそんな作品だ。

「プリズムショーはなんて素晴らしいんだ」
とあるキャラクターの最後のセリフに笑いとともに深く頷いてしまう。

このレビューを見てる貴方もぜひ見てほしい。男性も女性も大人も子供も関係ない。
この作品の冒頭の5分だけでもチラ見してほしい。
きっと、貴方も「プリズムショー」の魅力に新しい刺激を受けるはずだ。

個人的な感想:キンプリヤバイ


引用元:©T-ARTS / syn Sophia / キングオブプリズム製作委員会

上映当時から話題になっていたものの、プリティーリズム・レインボーライブの
スピンオフということで見ていなかった作品だったが、
いざ見出すと本当に大げさでもなんでも無く「キンプリやばい」という
言葉がこの作品を表すのにベストな言葉だと解る(笑)

こんな作品があったのかという衝撃だ。思い出すだけでも楽しい。
「応援上映」したくなる気持ちもわかるほどにテンションが上がる作品だ。

ただ個人的に1番気になったのはエンディングロールが普通すぎることだ(笑)
本編中のライブシーンの衝撃が強すぎて、
エンディング曲と一枚絵とスタッフロールを流すだけの
エンディングロールが物凄く物足りなかった。

9割の映画作品と同じようなエンディングロールなのに、
この作品の場合、物足りない。
本編で上がりまくったテンションをクールダウンさせるには
落ち着いたエンディングロールはベストなのかもしれないが、
物凄く物足りなさを感じてしまった。

今から次作である「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」を見るのが楽しみだ。
きっともっと楽しいに違いない、見る前からそんな核心を突くようなものを
感じさせてくれる。これがキンプリなのだろう(笑)

「」は面白い?つまらない?

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  1. 名無しのキンプリエリート(自称) より:

    いや本当にキンプリは神
    今キンプリベストテンが全国の劇場でやってるので
    それの応援上映に行ってください。いいですか応援上映ですよ。
    あの一体感は一度は経験しないともったいないですから
    総集編みたいな奴ですが新規のパートも結構入ってて
    楽しいですよ。プリズムの煌めきを直に浴びれるいい機会なので是非
    応援上映に!ペンライト持ってくといいと思いますよ!

  2.   より:

    スピンオフ元であるプリティーリズム・レインボーライブ(以下RL)は土曜朝の女の子向けアニメとは思えないくらい超ドロドロでハードかつシリアスな人間ドラマでした。
    キンプリはその直接的な後日談でありながら少年漫画テイストが強くなっています。
    突拍子のない演出から悪ふざけのように思われがちですが実はその根底にあるのは骨太なスポ根ドラマという構造がまた面白いんですよ
    それは続編以降に顕在化していきますので
    「シリーズ入門篇」としてまず本作が勧められる事が多いです