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「映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説」レビュー

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評価 ★★★☆☆(59点) 全90分

あらすじ 彼らの前に紅魔女の少女ゆんゆんが現れ、彼女の故郷である「紅魔の里」の危機を訴える。生まれ故郷を救うため旅立ったゆんゆんを追い引用- Wikipedia

劇場版でも彼らはいつもどおり

本作品は「この素晴らしい世界に祝福を」の劇場版。
監督は金崎貴臣と変わらないものの、制作会社はスタジオディーンから
J.CSTAFFへと変更された。

いつもどおり


引用元:(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

始まって早々に「カエル」が出てくる、ヒロインたちの飲み込み舐め回した
シリーズではおなじみの「カエル」が冒頭に現れて、
遠くの方でめぐみんの爆裂魔法が炸裂する、
彼らはクエストを失敗して帰ってくる。

TVシリーズの2期が2017年の冬アニメで2年の月日がたっており、
テレビではなく劇場という媒体、更に制作会社の変更という要素があるにも関わらず
この作品はそれを一切感じさせない。懐かしさすら感じないほど
「いつもどおり」の彼らだ。

クエストに失敗し、ひとっ風呂浴びて、口喧嘩をしながら日常を過ごす。
いい意味で何も変わらず相変わらずの彼らの日常から始まることで、
不思議な安心感すら感じてしまう。

監督やキャラクターデザインを担当された方の変更がないのが幸いしたのか
制作会社が変わってもまるで違和感がない。おそらく言われなければ
「制作会社」が変わったことにすら気づかない人が多いだろう。
2期からそのまま劇場版にシームレスにうつることができる。

紅魔の里


引用元:(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

そんないつもどおりな彼らだが、今回は舞台が「紅魔の里」だ。
メインヒロインでもある「めぐみん」の故郷であり、
サブキャラくチャーでもある「ゆんゆん」の故郷でもある。
そんな紅魔の里を魔王軍が遅い、壊滅の危機にあっているという情報を聞きつけ
訪れるという内容になっている。

本来、こういった作品の映画の場合はオリジナルのキャラが出て、
そのキャラの事情やストーリーで話を勧めていくことが多いが、
この作品は普通に2期の続きだ。
だからこそ、この作品の根幹でもある「王道の異世界ファンタジー」の
逆手をとる要素も健在だ。

王道の作品なら魔王軍がヒロインの故郷を攻めているという状況なら
本来ならシリアスなはずだ。しかし、この作品はギャグアニメである(笑)
魔王軍が攻めてきていることは事実ではあったものの、
紅魔の里の住人たちは魔王軍が逃げ出すのほどの実力者ばかりであり、
逆に魔王軍が可愛そうになるほど魔王軍がボコボコにされている。

そんな魔王軍がボコボコにされているさまを主人公であるカズマたちは、
全員が全員「中二病」みたいな紅魔族の人間に呆れつつ、
魔王軍を倒す様をやや引き気味に見つめた後はのんきに「観光」だ(笑)
もはや劇場版らしい壮大なストーリーなど一切存在しない。

普通なら劇場版だからこそのストーリーというのを期待したくなるが、
ある意味、この作品だからこそそういった壮大なストーリーではなく、
いつもどおりな感じで良いとすら感じてしまう。

モテキ


引用元:(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

あくまでこの作品がギャグであることを忘れない。
口喧嘩を繰り返しつつ、残念な女神様やドMな騎士、中2な魔法使いという
ヒロインたちとドタバタしつつ、主人公であるカズマは女オークに襲われかける。
そんな不幸なカズマではあるものの、本作品では「モテ期」が到来している。

紅魔の里を救うためと「ゆんゆん」に子作りを求められ、
オークとはいえ大量の女性にも子作りを迫られ、
魔王の女性幹部にも気に入られてしまう。

最大のモテ期だ(笑)だが、そんなモテ期という男性にとって
嬉しい状況に関わらず、不幸でしかない。
「ゆんゆん」との子作りはゆんゆんの勘違いが発覚したため無しになり、
大量の女性に子作りを迫られるものオークの大群というトラウマを植え付けられ、
魔王の女性幹部は元男で股間の一物を押し付けられてトラウマだ(笑)

主人公がモテまくるという状況ですら、この作品はうまくギャグにしており、
更にこのギャグとしか思えない要素が伏線にもなっている。
この素晴らしい要素のギャグでの活かし方と伏線が
90分という尺の中にきっちりと含まれている。

めぐみん


引用元:(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

ある意味で今作のヒロインと言っても良い「めぐみん」。
彼女の両輪はカズマの財産状況を知るやいなや、
めぐみんと結婚させようと必死であり、既成事実を作ろうとする。

ヒロインと主人公が部屋で二人きりで1つの布団で夜を過ごす。
もはや一大イベントと言っても良い状況だ。しかも二晩も過ごしてしまう。
一夜目はギャグだ。
寝ているめぐみんの周りをぐるぐると歩きながら主人公であるカズマは考える。

「彼女を襲っても良いのだろうか?」と(笑)
さすがはクズマという愛称でおなじみの主人公だ、ヒロインの母親公認で
絶好のシチュエーションとはいえ、普通の異世界ファンタジーの主人公ならば
「寝ているヒロインを襲う」という思考には至らない。

しかし、この作品の主人公はクズであり、男の子である。
少なからず自分に好意を抱いてくれていて、なおかつ母親公認で
襲っても良い状況が作られる中でカズマは思考する。
「おそってもいいのだろうか」と(笑)

ひたすらに心の声、いわゆるモノローグを聞かされる。
モノローグでおなじみの涼宮ハルヒの憂鬱のキョンもびっくりな
クズで長時間に渡るモノローグは最高にギャグだ。
一夜目はオチも含めてこのすばらしいギャグになっている。

そして2夜目、全く同じ状況を作られる中で今度は「めぐみん」が誘ってくる。
そこにギャグはない。完璧にヒロインとなった「めぐみん」が
カズマに抱きつくさまは劇場で見ている人のすべての心の声が一致したといってもい
可愛すぎる。

1期と2期で積み重ねてきたストーリー、キャラたちの関係性があったからこその
この「カズマ」と「めぐみん」の夜のシーンだ。これは変化といってもいい。
彼女の中でカズマに対する感情が徐々に変化し、
カズマに対しての「恋愛感情」が芽生えたからこそのシーンと可愛さだ。

劇場版になって「めぐみん」がヒロインになった。
そう感じさせるほどの可愛さはぜひ、劇場という大きなスクリーンで
ご覧頂きたいほどだ。

総決算


引用元:(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

ストーリー的にはいつもどおりの流れと言っても良い。
なんだかんだで魔王軍の幹部と戦う羽目になってしまい、
なんだかんだで倒してしまう。
1期や2期でもあったおなじみのストーリー展開だ。
そういった意味では意外性のない展開とも言えるかもしれない。

倒し方もカズマの自己犠牲とめぐみんの爆発魔法という
お馴染みのパターンではあるものの、そこにカズマのモテキという伏線や
めぐみんとゆんゆんの友情などの要素もいれつつバトルシーンを展開しており、
「リズ」や「バニル」といったキャラクターも戦闘に参加することで、
劇場版らしいファンサービス溢れる展開にもなっている。

敵も敵でなぜか「倒したはずの敵が復活」しており、更には合体してしまうことで
1期と2期の総決算のような敵と戦うハメになる。
そういった意味ではファンサービスとお祭り感があり、
劇場版らしいバトルシーンと言えなくはないが、あくまでも展開はいつもどおりだ。

変に話を広げず、変に要素を増やさず、
あくまでも「この素晴らしい世界に祝福を!」という作品で培ってきた要素を
うまく活かしつつ90分、起承転結のすっきりした作品に仕上げていた。

総評:安定のこのすば

引用元:(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

全体的に見て2年ぶりかつ制作会社の変更という不安要素はあったものの、
そんな見る前の不安が馬鹿らしくなるほど、いつもどおりの「このすば」だ(笑)
場面展開ごとのアイキャッチ、駄目なキャラクターたち、いつもどおりの展開、
1つ1つのこのすばらしい要素が安心感すら生んでおり、
最初から最後まできっちりと楽しめる。

そんな中で「めぐみん」というキャラクターが
ヒロインとして爆発的な可愛さを見せてくれる。この作品は
いつもの「このすば」を楽しみつつ、めぐみんの可愛さを味わうための作品だ。
男のオークがいないとがっかりしている女騎士のダクネスや、
相変わらずの金の汚さと残念な女神のアクアではない。

爆発魔法を愛した彼女とそんな彼女のライバルとの話や、
彼女を育てた街の住人たちの異様さ、そして彼女の爆発魔法にかける愛と、
主人公であるカズマへの「感情」の変化から生まれるヒロイン力を楽しめる。
そんな作品に仕上がっている。

いい意味でこのすばらしく、劇場版らしくない作品だ(笑)
劇場版だからこそというような展開や、ものすごい作画があるあわけではない。
戦闘シーンの演出はたしかに派手ではあったものの、それくらいだ。
しかし、このすばだからこそ、それでいい。

変に気取って劇場版だからこそのオリジナル要素やキャラを入れるのではなく、
あくまでも2期の延長線上で描かれる劇場版を安心して楽しめる。
そんな作品だ。

「この素晴らしい世界に祝福を!」という作品を、この作品に出ているキャラを
好きならば間違いなく楽しめる。ファン向けであることはやや否めないものの、
ファンの期待にきっちりと答えてくれる作品だった。

個人的な感想:めぐみんかわいいよ、めぐみん!


引用元:(C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会

本当に予想以上にめぐみんが可愛すぎた作品だった(笑)
あの布団でのシーンは本当に反則と言っても良い。
久しぶりに「ヤられた」と感じる可愛さを秘めまくったシーンだった。

ただ3期の予告がないのが本当に残念だ。
このまま90分ごとの区切りで劇場版で続きをやっていくのだろうか?
それでも構わないと感じる部分はあるが、やはり、
TVシリーズでがっつりと「このすば」をまた見たい。

興行収入自体は4億を突破しているようでかなり好調だ。
それだけファンが多いということだろう。
KADOKAWAさんにはぜひ、作品を腐らせずに3期、4期、劇場版第二弾と
やっていってほしいところだ。

「」は面白い?つまらない?

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  1. まぁ より:

    よしだけど、アニメとか本とか原作見てないとついて行けないし分からないと思う