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「シュート!Goal to the Future」レビュー

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評価 ☆☆☆☆☆(8点) 全13話

「シュート! Goal to the Future」ノンクレED

あらすじ 元掛川高校のキャプテンでありイタリア名門チームでも活躍した“世界の闘将”神谷篤司。引用- Wikipedia

けつなあな確定

本作品は1990年から2003年まで連載されていた漫画である
「シュート」、そんなアニメ化や、かつてはSMAPで実写映画などもされた作品の
続編作品として制作されている。
監督は中村憲由、制作はEMTスクエアード、マジックバス

FPS

1話冒頭、おおよそサッカーアニメとは思えない光景が映し出される。
主人公は「FPS」ゲームをしており、そんなFPSの画面が
1話冒頭で映し出される。
FPSゲームの画面のクォリティはそこそこ高いものの、
回想シーンで振り返る「サッカー」のシーンのクォリティは恐ろしいほど低い。

前作の主人公である田仲俊彦達が通っていた学校、
かつては強豪校と言われていたが、
前作の主人公達が卒業した後は弱小校に落ち込んでいる。
「烏合の集」「クズ」と言われるサッカー部だ。

自分のせいでシュートが入らないんじゃない、
仲間のせいでシュートが入らない。
スポーツアニメにはありがちな孤高の天才のキャラは
何番煎じだと思うようなキャラクター描写であり、
1話冒頭からなんの期待感も感じさせない。

サッカーを辞めて斜に構えながら、サッカー部を笑い
イキる様は不快感しか感じない。
サッカー部から因縁をつけられ、いざこざが発生すると

「やめろ!俺を二度とサッカーにひきこむなぁぁぁあああ!」

とブチ切れる(笑)
全キャラの感情が過剰すぎるうえに演出の安っぽさと
安っぽい音楽が作品全体の安っぽさにつながっており、
もう見ていて逆に笑えてしまう始末だ。

そんなブチギレて過呼吸を起こすほどサッカーに対して
トラウマがあるのに、PK勝負をする。もはや意味不明だ。

作画

作画のクォリティは恐ろしく低い。
これで原作も続編が連載されていて原作の宣伝という意味もあるのだが、
この作品は別に続編が漫画として連載されているわけでもなく、
アニメだけでシュートの続編を描いている。
それなのに恐ろしく作画のクォリティが低い。

一体何のためにわざわざシュートの続編をアニメでやったのか?
その意味すら考え出してしまうほどの低予算ぶりには頭を抱えるしかなく、
2022年のアニメというよりは90年代のアニメのクォリティだ。
いや、それだと逆に90年代のアニメに失礼ともいえるほど、
クォリティが低すぎる。

演出のセンスだけでいえば90年代だ。
「集中線」を入れた止め絵でシーンを見せまくり、
何回も何回も回想シーンを入れまくりながらストーリーが進んでいく。
5分前に見たシーンですら回想シーンに入れてくるのがこの作品だ。

試合のシーンであろうと回想シーンを入れまくる、
このあたりはキャプテン翼オマージュなのかもしれないが、
回想シーンだけでなく別の場所でのシーンも入れ込むためテンポが崩れる。

場面転換して別の場所での風景を描くのは構わないが、
まとめて描けばいいのに、5分ほどのPKシーンで
コーチと教頭の会話を3度も差し込むのがこの作品だ。

主人公とサッカー部の一人がPK勝負をし、
それをコーチが見守っている。
主人公がシュートを2,3回放つたびに、教頭とコーチの話が挟まる。
もう意味不明なストーリー構成はセンスをまるで感じない。

そんなセンス0のアニメーションとストーリー構成を
見せられる中でキャラクターたちは過剰な演技でPK戦をしている。

「うそだろ!?あのジョウが1度求められないなんて!?」

ちなみにジョウはキーパーではない(笑)
これでキーパーなら主人公のシュートのすごさというものが伝わるが、
キーパーではないサッカー選手が止められない主人公のシュートを
見せられてもまるですごさは伝わらない。

EDの演出も最低であり、なぜかキャラクターが
海で泳ぐ「わかめ」のような踊りをしており、
次回予告では次回の話のタイトルもであるのだが、
フォントにまるでこだわりがなく、異様なまでの安っぽさも生まれている

おぅ…

この作品はいわゆるBL的な要素がある。
その要素の好き嫌いよりも、キャラクターが問題だ。
主人公は過去に幼なじみである小久保とタッグを組み、
素晴らしいプレイをしていたが、小久保は一人海外に行ってしまい、
そのあと主人公はサッカーうまくできなくなってしまう。

そんな小久保が日本へ帰ってきて敵チームになる。
この流れ自体はいいのだが、小久保というキャラが気持ち悪い。
異様なまでに主人公に執着し、触りまくり、ハグしまくる。
これが日常パートだけなら気にならないが、
試合中も常に主人公につきまといキラキラ空間を展開させる。

BLとしてみた場合もキャラの魅力やシチュエーションとしての
魅力も一切なく、とってつけたようなBL要素にいらっとしてしまう。
自分のドリブルやプレイについてこれないと

「どうしてついてきてくれないのシュート!?どうして!?どうして!?」
と泣きながらプレイをし、最後にシュートを決めたと思ったら
「さよなら」と言い放ち叫び倒す(苦笑)
さっきまでの主人公への執着は何処へ行ったかと思うほどの
メンヘラっぷりに頭を抱えるしか無い。

実力差がつき、トラウマもあり、幼なじみに追いつけなかった主人公。
見方を変えれば友人の尻をおいかけたり追いかけ回したりしているような作品だ。
これが僧侶枠なら無理やり、後ろの穴をなんとかされそうな展開が
起こりそうだが、一応はスポーツアニメなだけにたちがわるい。

なにがしたいんだ

主人公はサッカーをやりたくないといいつつPK勝負したり、
試合に出たり、5時半からの早朝練習にわざわざ参加する。
まだ入部してないのにスタメンに選ばれる展開も意味不明であり、
「部内」の他のキャラが主人公へ突っかかる展開も
ある意味で納得できるが、いつまでもギスギスと喧嘩をしている。

序盤の段階でこの作品をスポーツアニメとして見れず、
ギャグアニメとして割り切ってみていたが、
序盤で1番笑えたのはやる気を急に出した主人公に
スラディングしてきた選手の足が腹にめり込むシーンである(笑)
バトルアニメなのだろうか。

腹にけりをくらいボロボロになりながらもゴールに向かう主人公、
そんな主人公をキーパーは止められない。
なお、技術的な問題ではなく精神的な問題である(笑)
主人公はシュートが決まらない問題を抱えていたが、
試合の中での初ゴールがキーパーの同情によるものだ。
一体何なんだこのアニメは。

そんな茶番を目の前にした先輩たちのほとんどがやめてしまう。
当然の結果である(笑)

「なんでこんなことになっちまうんだよ!」

とジョウはいつものように叫ぶが、
ぽっと出のサッカー部でもないやつにスタメンを奪われたあげく、
キーパーは主人公に同情し点を入れさせるようなサッカー部に
居たいと思うほうが不思議なくらいだ。

そんなツッコミだらけかつ、色々と気になる部分は多いが、
中盤くらいはまともな王道スポーツアニメっぽい
ストーリーが展開される。
各キャラクターの問題点やチームとしてのまとまりを描きつつ、
弱小チームが徐々に強くなっていく過程を丁寧に描いている。

そんな中で合宿という定番イベントが始まったかと思えば、
彼らは真っ裸で学校の「プール」に入る(笑)
男性サッカー部員たちのサービスシーンといえば聞こえはいいが、
見ているコチラ側としては一体何を見せられているんだろうかと
思うような謎のシーンをちらほら挟むことで王道のスポーツアニメでは
無いことをこの作品は伝えてくれる。

作画こそ悪いもののアニメーションとしての動きの面白さはあり、
サッカーのシーンではぬるぬるとキャラクターがきちんと動く。
それはこの作品の良さではあるものの、
違うところに居たキャラがいきなりワープしたりするシーンも有り、
見ていて混乱する作品だ。

独特の勢いとテンポがあり、それが妙に脇腹をくすぐってくる。
なにせ味方チームがボールを止めるとは言え、
味方キーパーの代わりに「手」を使う始末だ(笑)

嫉妬

中盤でそんなサッカーアニメとして真面目な展開を見せたかと思えば、
終盤でとあるキャラが嫉妬してくる。
ジョウの幼なじみであり、親友なキャラが露骨に主人公に嫉妬してくる。
忘れてはいけない、このアニメはスポーツアニメなんかじゃないとでも
いいたげなBL展開には笑うしかない。

「なんでだよジョウ、俺のこと要らなくなっちゃったの…」

と一人涙を流すシーンを見せられても笑うことしかできない。
「そうだあいつが悪い、主人公が悪いんだ」と
病み全開で眼鏡を曇らせる姿は、この作品が
スポーツアニメではないことの証なのかもしれない。

ジョウとの仲を引き裂こうと、チームの連携を崩そうと
紛争する姿をどう受け止めていいのかわからず、
何がしたいんだこいつとなってしまうキャラだ。
そういうキャラのいざこざを描いている間に
肝心の試合をカットし、いつのまにか予選を勝ち抜いている(笑)

ちなみにこの終盤のいざこざは3話もかけて描かれる。
なお、試合は基本的に1話完結かダイジェストかカットだ。
サッカーよりも男友達同士の友情を超えた愛のいざこざを
3話かけてやるのがこの作品だ。

ちなみにいざこざの中で主人公は退部届を出す。
そんなことよりもサッカーをして欲しいが、
男同士の痴情のもつれをこの作品は徹底的に描いている。
いつ、メインキャラ同士が一夜を過ごしたシーンが描かれても
おかしくないような、そんな雰囲気が垂れ流されている。

そんな空間の中でとってつけたように前作のキャラが出るのは
たちがわるく、この作品がシュートの続編ではなく、
アニメオリジナル作品なら評価できたが、
シュートの続編という看板を掲げてるのにこれでは目も当てられない。

痴情のもつれも3人の本心をぶつけ合い、
涙を流し、叫び、抱き合って終わりだ。
ちなみに痴情のもつれの解決は試合のハーフタイムで行われる(笑)
相手チームは一体、この様子をどんな気持ちで見ていたのだろうかあ。

元彼

終盤は元彼ではなく、主人公の幼なじみと再戦だ。
今彼を手に入れ、いろいろなトラウマを乗り越えた主人公は
果たして元彼を超えることができるのか。
サッカーシーンは割りと丁寧に描かれているが、
根本は男性同士の恋愛事情にしか見えないのがこの作品だ。

サッカーを通じて元彼とのトラブルを解決し、
最後は「ベッドシーン」で終了だ。
何を言ってるのかわからないが、真実である(笑)

もういっそのことキスでもすればいいと思うのだが、
いろいろなカップルが最終的には登場し、
謎のBLアニメとして妙なツボに入ってしまう作品だった。

総評:サッカーマンガの金字塔、崩壊

全体的にみて謎の面白さがある作品だ。
情緒不安定な男性キャラクターたちの痴情のもつれ、
作画のクォリティの低さや演出の悪さがそこにからむことで
何とも言えない面白さを醸し出しており、
いい意味でも悪い意味でも見てる側に一切予想できない展開を生んでいる。

これがこの作品だけの作品ならもう少し評価できたが、
忘れてはいけない、この作品は「シュート」の続編である。
シュートの続編!という期待感を持ってこの作品を見た人にとっては
とんでもない裏切り行為であり、
とってつけたような前作キャラの登場や、前作とは方向性がまるで違う
この作品は本当に一体何がしたかったのだろうか….

色々と謎は残る作品ではあるものの、
他のアニメでは味わえない何とも言えない面白さはある作品であり、
みなさんにもぜひ、この面白さを味わっていただきたい作品だ。

個人的な感想:まさか…

シュート自体はちらっと見た、読んだくらいの記憶で
スポーツアニメを見るつもりだったのだが、
まさかのBL全開アニメだ(苦笑)

作画のクォリティのせいか展開のせいか、
どうにも僧侶枠の作品に見えてしまう部分もあり、
僧侶枠とみればある種、名作なのだが、
シュートの続編とみれば最悪な作品だ。

一体どんな企画会議でどうなったのか..
大人の事情が気になるところだ

「シュート!Goal to the Future」は面白い?つまらない?

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