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不毛遊戯で飯は食えない「死亡遊戯で飯を食う。」レビュー

1.0
死亡遊戯で飯を食う。 サスペンスアニメ一覧
画像引用元:©鵜飼有志・ねこめたる/KADOKAWA/「死亡遊戯で飯を食う。」製作委員会
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評価 ★☆☆☆☆(11点) 全11話

TVアニメ「死亡遊戯で飯を食う。」ゲームPV「ゴーストハウス」|2026年1月7日(水)放送・配信開始 初回は60分スペシャル

あらすじ これは、とあるいかれた世界の話。少女《プレイヤー》たちが挑むのは、死が隣り合わせのゲーム。 引用- Wikipedia

不毛遊戯で飯は食えない

原作はライトノベルな本作品。
監督は上野壮大、制作はスタジオディーン

情緒

1話から情緒たっぷりなシーンが作られている。
眠りからさめた主人公がモーニングコールで目を覚ます。
メイド服に身を包み、古い洋館のような場所で、
同じようなメイド服の美女が集まっている。

雰囲気のある音楽と、まるで映画のようなシネスコで制作されており、
暗い雰囲気ではあるものの、明るいライティングと、
引きの絵であえてキャラクターたちの「表情」を映さない演出が
独特の雰囲気づくりになっている。

彼女たちは「デスゲーム」に参加している。
今回、彼女たちが参加するゲームは脱出ゲームであり、
洋館のいたるところに罠が仕掛けられており、
無事に脱出できれば賞金を手に入れられる。

主人公は何度もこのデスゲームに参加しているようで、
ほぼ初参加のような別のメイドたちに説明しつつ、
見ている側にもそういう世界観ですよと説明している印象だ。

リョナ?

美麗な作画とキャラクターデザインの女性キャラが
デスゲームをする、いわゆるリョナ好きにはたまらない
シチュエーションだろう。だが、同時にがっかりする。

淡々と粛々とゲームは進む。あっさりと一人の少女が死ぬ。
脱出のためのアイテムに仕掛けられた罠に手を伸ばすと凶器が飛んでくる、
そんな凶器が頭を貫くのだが、血液描写すらない。
「そういう」作品なのにゴア表現を避けてしまっている。

その次はいわゆる水攻めで、手錠に縛られながら
上からは丸のこが落ちてきてるという状況だ、
鍵を解除しながら、鍵を奪い合った結果、犠牲者が生まれる。
1枚1枚の作画はハイクォリティーで描かれるのだが、
「情緒たっぷり」に描かれるせいでテンポが悪く緊張感がまるで無い。

丸鋸で切り裂かれるというシチュエーションでも、
「声」しか聞こえてこず、その光景は一切描かれない。
せっかくの美麗な作画、せっかくの美しい少女たち、
そんな芸術ともいえるようなキャラクターが悲惨な目にあう、
そのギャップがあってこその面白さなのにもかかわらず、
その描写から逃げている。

このデスゲームを誰かが見ているらしく、
そういった「規制」ゆえに、キャラの右手が切断されてても、
まるでワタ人形が切り裂かれたが如く、
綿でそこが隠されてしまっている。

デスゲームをクリアするために「四肢」が欠損することもあるのだが、
四肢が残っていればゲーム後にはくっつくという
緊張感のない設定まである。まるでお人形遊びだ。

ポエミー

謎の実写演出でキャラクターの過去を匂わせるような回想もあるのだが、
1話で死んで名前すらよく覚えてないキャラの
過去回想をポエミーなセリフたっぷりに描かれても、
それが面白さに変わることはない。

ポエミーなセリフを色々と聞かされてるうちに
いつの間にかデスゲームの終盤になり、
最終的に理不尽なルールで主人公が一人殺してクリアになる。

主人公は99回このデスゲームをクリアすることが目的のようだが、
これだけちんたらやられてたら、いつ99回に行くのやらと
頭を抱えてしまう1話だ。

1話はいわゆる1時間SPで2話分の尺で描かれているが、
それでもグダグダしており、そんなグダグダしているうえに、
ゲームの内容自体は浅く薄くつまらない。

ゲームクリアできるのは3人だけなので一人殺しましょう、
鍵を順番に回して脱出しましょう。
そんな薄いゲームをダラダラグダグダと見せられるのは苦痛でしか無い。
これを見ている観客とやらはリアルタイムでこれを見ているんだろうか?

私は本来、倍速再生は否定派だが、
この作品に限って言えば3倍速くらいで見るのが
おそらくちょうどいいと思うほど、情景を見せるようなシーンや
くどい演出が多すぎる。15分で終わる話を60分くらいにするために、
自己満足全開のポエミー演出を盛り込みまくってる作品だ。

OPもびっくりするほど意味がない。
高速道路の光景がひたすら映し出され、
ボーカルのないインストゥルメンタルな曲が流れるだけだ。
「雰囲気」だけで中身がスカスカだ。

グダグダ

2話になってもそれは変わらない。
このデスゲームは何回も参加しているものが多く、知り合い同士もいる。
だが、見ている側は主人公以外常にはじめましてだ。
そんなはじめましてなキャラがオシャレに死んだ所で
特に何の感情も生まれない。

これでリョナ的な要素があれば初対面のキャラでも
リョナ的な面白さがあるが、そういった面白さはない。
常にオシャレに、常にポエミーに、常に雰囲気だけはいっちょ前だ。
2話にしてもデスゲームが始まるまでも異様に長く、
始まってからもグダグダしている。

1話は脱出ゲームで謎解き要素もあり、
2話は地雷ゲームでどこに地雷があるのか
わからない中で歩くというものだ。

1話もそうだが2話でも主人公のモノローグで
「こういう事がありました」とデスゲームの中での出来事を
説明して済ませることが多く、テンポの悪さも相まって
余計にデスゲームそのものの面白さを感じない。

グダグダしながら各キャラの過去回想が描かれても、
「見たいのはそこじゃない」という感じが強く、
思い入れのないキャラの過去回想を描かれた所で
何の感情も揺さぶられない。

時系列

1話と2話では時系列もおかしく、
1話よりも2話のほうが過去の出来事だ。
その時系列シャッフルに意味があるのか無いのかすらよくわからない。
同じ話の中でも意図的にシーンを飛ばす事がかなり多く、
そのせいで余計にわかりづらさが増している。

シーンによっては暗くてよくわからないシーンも有り、
キャラクターの音量のバランスもシーンによって調整しているのは分かるが、
そのせいでセリフの聞き取りづらさも生まれている。
「それっぽいだけ」の実写邦画でも見ている気分だ。

2話から始まったゲームもたっぷり時間をかけ、
最後に生き残りをかけた投票、誰が犠牲者になるかの
投票なども行われているのだが、それもあっさりしており、
よくわからないままに4話までかかって終わる。

根本的なデスゲームが薄く浅いうえに、
きちんと見せてくれないせいで、つまらないどころか
よくわからない感じが生まれている。
意図的に原作では描写されている描写を何故か排除していることが
原作を見ずともわかってしまう。

戦闘で銭湯

中盤になると時系列が戻り、銭湯でのデスゲームが始まる。
ほとんどの参加キャラがまた新キャラであり、
知らないキャラがバスタオルを巻いて大量に現れる。

銭湯での棚の「札」を奪い合うというゲームであり、
銭湯で戦闘をする。どんなオヤジギャグだと思うような
デスゲームが始まり、大量のキャラで小競り合いする。
一応、主人公との因縁のあるキャラもでてくるのだが、
盛り上がりは別に生まれない。

主人公がいたところとは別のところ、男風呂と女風呂があって、
主人公たちはそれに気づかず、
そこには大量のプレイヤーがいました!みたいな
状況ですらポエミーなセリフでまともに状況を説明できておらず、
説明できた所でアホみたいなシチュエーションだ。

因縁の相手との戦いも特に盛り上がらず、あっさりと死ぬ。
ルールもガバガバで面白みのないゲームに大量の女が参加し、不毛に死んでいく。
それぞれのキャラの「死亡」シーンという本来は
印象に残るはずのシーンすらぼかし、印象に残らず、
不毛な戦いがずっと続くだけだ。

師匠

終盤に差し掛かると、また時系列がシャッフルされ巻き戻る。
主人公には「師匠」がいる。
デスゲームの師匠とはなんぞやという感じではあるが、
この師匠は95連勝を記録している。

そんな師匠とともに参加した過去のデスゲームはシンプルな殺し合いだ。
うさぎと切り株にわかれ、制限時間以内にうさぎは生き残ること、
切り株はうさぎを5人殺せば良い。
シンプルなルールではあり、中盤まで描かれたデスゲームよりはわかりやすい。

ただ、あいも変わらず回想地獄であり、
その回想も意味があるのか無いのか、どこの誰だかもわかりづらい。
そんな不毛な回想が終わると不毛な殺し合いが描かれる。

丁寧に新しいキャラの掘り下げをしてもメインキャラにすらならず
あっさりと死ぬことがあまりにも多い。
だからこそ、回想のたびに「この回想は意味があるのか?」という
疑問が常に生まれる。

主人公の師匠でさえ驚くほどあっさり殺される。
最終話で主人公は師匠の意思を受け継ぎ、この世界で
生きていくことを決めるという展開になるのは良いが、
それ以外は全て不毛に終わってしまう作品だった。

総評:こんな不味い飯は食えないよ

全体的に見て酷すぎる作品だ。
1話の時点ではおしゃれな雰囲気アニメという印象があるのだが、
そんなオシャレさを出すための演出、撮影、作画の数々は、
おそらくは作画枚数やクォリティをごまかすためだけのものだ。

戦闘シーンでさえトレス線も表情もないアクションシーンで描かれ、
必要最低限の作画枚数で描かれている。
デスゲームものなのにオシャレで美麗というのがウリな作品なのは分かるが、
欠損描写や血液描写も「綿」で隠されており、
肝心の死亡シーンなどもほとんど描かれないかごまかされて描かれる。

各デスゲーム自体のつまらなさ、そんなつまらないデスゲームを
これでもかと引き延ばすテンポの悪さ、
5分で終わる物語を毎回30分かけて描かれてる印象だ。
最終話までの話が3話までで描かれていれば印象は違ったかもしれないが、
そう感じるほど致命的にテンポが悪い。

調べた所、原作の1巻から2巻までを描いており、
その1巻から2巻までの内容もバラバラに取り込んで描いてるため、
こんな事になっている。
原作2巻分で実質12話分のアニメを作るのは本来かなり難しい。

その尺を稼いでいるのはポエミーなセリフの数々と
意味があるんだか無いんだかわからない回想シーンの数々だ。
最終話でタイトル回収する展開はわるくないものの、
そこに至るまで不毛な回想シーンと不毛なデスゲームを見せられ、
もう頭の中にはふわふわの綿毛しか詰まっていない状態にしかならない。

毎話、見たはずなのに記憶が残らず、キャラの印象も残らない。
原作は面白いのかもしれないが、
そんな面白さを感じられない不毛なアニメだった。

個人的な感想:ひどい

いわゆる雰囲気アニメ、質アニメっぽさが凄まじい作品だ。
このおしゃれな演出の数々はハマれば面白くなるかもしれない、
しかし、この作品とは相性が悪かったように思える。
ようは水と油だ。

原作と相性の良い監督、アニメ制作会社なら
印象も違ったかもしれないだけに、
もったいなさは感じる作品だった。

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