「博多豚骨ラーメンズ」レビュー

評価 ★☆☆☆☆(13点) 全12話

あらすじ 福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。引用- Wikipedia

この豚骨ラーメンはできそこないだ、食べられないよ。

原作はライトノベルな本作品。
監督は安田賢司、制作はサテライト。

見出して感じるのは雰囲気作りをしようとしている努力を感じる所だろう。
ハードボイルドな感じのBGMと女性向けであることを感じさせる
シュっとしたイケメンなキャラクターたちのデザインで、
「オシャレ」な雰囲気を出そうとしている。

しかし、そんなオシャレでハードボイルドな雰囲気と裏腹に、
舞台設定の練り込みが浅い。この作品の舞台は「博多」だ。
そんな博多に何故か暗殺者が集い、殺人請負会社があったり、
復讐専門の復讐屋がいたりと有象無象な暗殺者が大集合している。

引用元:© 2017 木崎ちあき/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ

いわゆるネットのネタである「修羅の国、博多」というネタを
作品の中に取り込んでいることは分かるのだが、
そもそも「なぜ」暗殺者が博多に集まっているのか?という
最低限の理由付けが何も説明されない。

この世界の博多は「人口の3%」が暗殺者らしいのだが、
流石に多すぎるだろう。
実際の博多の人口は22万人らしいので2200人以上も暗殺者が居ることになる。

そもそも法律だったりはどうなっているんだろうか疑問だ。
真面目なサラリーマンのような外見のキャラクターが
普通に殺人請負会社で働いていたりする世界観ではあるものの、
「博多」がどういう状況で、どうしてここまで殺し屋が集まっているのか
という基本的な舞台設定の練り込みや描写が出来ていない。
はっきりいって浅い。

引用元:© 2017 木崎ちあき/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ

キャラクターも序盤から大量に出てくる。
だが、出しすぎているせいで印象に残るキャラクターが少なく、
デュラララのような群像劇を描きたいのは分かるが、
印象に残るキャラが少ないのは致命的だ。

女装キャラなどでインパクトを出そうとしているのは分かるが、
そもそも女装している理由もふわっとしており、特に意味はない。
その程度のキャラクター設定であり、他のキャラも同様だ。
底が抜ける寸前の上辺だけの浅い設定のキャラがどんどん登場し、
メインキャラ以外のサブキャラはキャラの名前を覚える間もなく死んでいく。

引用元:© 2017 木崎ちあき/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ

ストーリー展開も甘い。
ストーリーの結末が描かれる前に「あ、こういうシーンになるだろうな」
という予測ができてしまうほど浅く安易だ。
予想できるストーリーほどつまらないものはなく意外性の欠片もない。

予測ができても、その予想を超える描写がれば楽しめるのだが、
予想の範疇をまったく超えてこないストーリーが多く、
こうなるだろうな~という予想が早い段階で出来てしまい、
あっさりと、その予想通りに描かれる。

引用元:© 2017 木崎ちあき/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ

登場人物の「秘密」や「作戦」もあっさりと明かされることもあり、
本来なら見てる側にもう少し隠して置いたほうが良い要素すらも、
あっさりと明かしてしまう。
例えば登場人物の一人がとある有名な殺し屋である。
正体不明の殺し屋であり、仮面を着けた殺し屋殺しの殺し屋だ。

本来なら見てる側にも誰かわからないようにしなければならいはずなのだが、
拍子抜けするほどあっさりと正体がわかってしまい、
他のキャラが正体を知らない状態でも見てる側には既に周知の事実であり、
他のキャラが正体を知って驚いたり気づいたりしても面白みがない。

引用元:© 2017 木崎ちあき/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ

更に彼が「死を偽装」しピンチの状況を打開するシーンが有る。
これも死を偽装すると予め宣言しており、そのとおりの展開を見せられる。
予め「こういう展開をやりますよ」というのをわざわざ予告しており、
何のためにそんな見せ方をしているのか、ちょっと意味がわからない。

やりたい事は分かる。デュラララ的な群像劇をやりたいのだろう。
だが力量が足りておらず、多くのキャラクターをきちんと動かせず、
見てる側の予想を全く超えてこないストーリーばかりが描かれてしまう。
デュラララの世界観だけ借りてキャラがオリジナルの同人誌を見てる感じだった。

引用元:© 2017 木崎ちあき/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ

総評

全体的に見て残念な作品だ。
「人口の3%が暗殺者」という博多を舞台にした割には、
その舞台設定を全く使いこなせておらず、掘り下げることも出来ていない
インパクトのあるタイトルや設定の割には
浅いストーリーと個性のないキャラクターはただひたすらに空虚だ。

この作品で1番感じるのはデュラララが好きな人が作ったことだけだ。
おそらく原作者は「成田良悟」先生が好きなのだろう。
そう感じてしまうポイントが非常に多いのだが、
逆に言えばそう感じてしまう点が有るのがこの作品の最大の欠点であり、
劣化デュラララでしかなく、作品の個性というものがない作品だった

引用元:© 2017 木崎ちあき/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ

個人的な感想

個人的には気になる部分が多すぎた作品だ。
舞台設定の活かさなさ、掘り下げなさや女装設定のフワフワ感など、
1つ1つの要素をきちんと掘り下げないままに進めている感じが強く、
作品の芯がいつまでも定まらないままに見終わってしまった作品だ。

ストーリーの魅せ方ももう少し合ったのではと感じる。
特に序盤はごちゃごちゃとし過ぎであり、キャラと組織が多すぎて、
多くの視聴者の興味が削がれてしまっただろう。
中盤以降でようやくいろいろとスッキリしだすのだが、
3話切が定番の昨今のアニメ事情を考えればストーリー構成も良くなかった。

売り上げが発売前なためまだ正確な枚数は出ていないものの、
プロデューサーの方のツイッターの発言を見る限り、
2期をやれる!という感じではなさそうだ。

余談だがプロデューサーはツイッターで
色々と喋りすぎではないだろうか(苦笑)
原作ファンの方が原作のシーンがアニメでなかったことに対して
不満を述べており、それに対しプロデューサーが長々と言い訳を述べている。
アニメを作る仕事をしているなら、Twitterではなく作品で語って欲しい所だ。

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