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「リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」レビュー

4.0
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評価 ★★★★☆(69点) 全100分

ついに【予告編】解禁!『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』公式

あらすじ 全国大会決勝の死闘を制し、さらなる強さを求めて単身アメリカへ武者修行の旅に出た越前リョーマ引用- Wikipedia

荒唐無稽

この作品はテニスの王子様の劇場映画作品。
テニスの王子様としては初のフル3DCGアニメとなっている。
監督は神志那弘志、制作はThe Mook Studio,ケイカ

バタ臭い

キービジュアルを見ていただければわかると思うが、
この作品のCGのクォリティ自体はあまり高くない。
特に「髪の毛」はまとまった感じであり、サラサラ感のようなものは
まるでない、一言で言えばバタ臭いCGだ。

最近のフルCG作品としてはCGのクォリティという部分ではやや見劣りする部分もあり、
この作品にそこを期待してる人は居ないとは思うものの、CGや
「アニメーション」としてのクォリティは微妙なところだ。

しかし、それは見る前の印象だ。
見終わった今だからこそ、このあまりクォリティの高くないCGが
逆にこの作品の「妙ちくりん」ともいえる雰囲気を良い意味で
後押ししてくれている。

観客

映画冒頭、リョーマが試合してるシーンから始まる。
「テニスの王子様」という作品はタイトルどおりテニスを題材にした作品だ。
だからこそテニスの試合シーンから始まる。
問題はそんな王道なテニスの試合を見ている「観客」だ。

彼等は試合そっちのけで「踊り」「歌っている」。
何を言っているかわからないと思うが、そうなのだからしかたない。
めちゃめちゃ踊って歌っている(笑)
それだけならまだ笑うことを我慢することもできた、
しかし、試合中のリョーマ自身も彼らの歌に合わせるように歌い出す。

コレは一体何なんだろうかと思う有様だ。
試合の描写よりも彼らの踊りと歌のほうが気になって仕方なく、
映画が始まって30秒足らずでこの作品はなにか「やばい」と
感じさせてくれるシーンだ。

そんな試合はリョーマが見ている夢だ。
武者修行のためにアメリカに向かう飛行機の中で見た夢、
どんな夢を見てるんだと思わず突っ込みたくなるものの、
「夢」ならば観客や選手が踊って歌うのはまだ理解できる。

見ている側としても、そうか、あれは「夢の中」という演出で
オープニングがてらみんなで歌って踊ってるんだと
納得仕掛ける。

だが、この作品はそうではない。この作品の約7割、いや8割は
「歌」と「ダンス」で構成されている(笑)
もはやテニスとはなんだったのかと改めて考えたくなるような内容だ。

ストーリー

そんな歌とダンスに負けないのがストーリーだ。
米国に来たリョーマ、そこで偶然、テニスギャングに
絡まれてる「竜崎桜乃」を助けるところから物語が始まる。

もうこの時点で「テニスギャング」ってなんだよ?!と
突っ込みたくなるが突っ込んだら負けだ。
負ければ2000ドル失うテニスバトル、なおリョーマ1人と
テニスギャング3名によるバトルだ(笑)

そんなテニスはダイジェスト的に流れる中で
ノリノリでテニスギャング3人がラップを披露してくれる。
さすが本場アメリカである。
そんなラップに対しリョーマも試合中にも関わらずラップを披露する。
テニスをしているのかラップバトルをしているのか、
もはやわからないシーンを見せられる。

そんなわけのわからないシーンを見せられた後に、
テニスボール同士がぶつかりあい時空が歪み、
リョーマたちは「過去」へとタイムスリップしてしまう。

突っ込みたくなるが突っ込んだら負けである(笑)
リョーマと竜崎桜乃はリョーマの父親が引退する大会が
行われようとしている過去にタイムスリップしてしまうところから
物語が動き出す。

キャラクターがいつ、どこで、何を歌うのかまるで予想できない。
本当に唐突に歌い出すため見ている側としては大混乱だ。
なにせ「電話中」でも歌い出す(笑)
誰も予想できないタイミングで本当に唐突に歌い出すキャラクター達、
いつ歌うのか、どのタイミングで歌うのかそればかりが気になってしまう。

例えばリョーマが現役の父の試合を見るというシーンが有る。
そんな試合、彼は目を輝かせボールを追いかける。
そんなボールをカメラで写しつつ、ボールの後ろにはボールを見つめている
リョーマの姿を「ぼんやり」と映しつつ、
リョーマ自体は歌っている(笑)

このようにこの作品は、試合の際ほぼ確実に誰かが歌っている。
テニスの試合自体はそこまで長く描かれない、
歌が終われば終わりである。

テニスが本題なのか歌が本題なのか、テニスの王子様ってなんだっけ?と
思わずテニスの王子様の1話から振り返りたくなるような内容だ。
体感で言えば20分に1回は誰かが歌っている。
しかも8割がたリョーマが歌っている、リョーマonステージ状態だ。

バトル

ストーリーも大変な状況だ。
タイムスリップして1分ほどでリョーマは
「タイムスリップしたんだ!」と恐るべき理解力で理解する。
これぐらいで突っ込んではいけない。

リョーマの父親を妨害するためにギャングが襲ってくるわ、
竜崎桜乃は誘拐されるわ、ギャングとバトルを繰り広げるわ、
逃走劇を繰り広げるわと大変なことが起きている。
テニスのシーンは全然ない(笑)

リョーマ自体はラケットを常に装備しているものの、
ラケットは人を傷つけるものではないという信条から
彼は決してラケットで人を殴ったりはしない。立派だ。
しかし、ラケット代わりの拾った箒では攻撃しまくる。
そんなリョーマのアクションシーンは是非劇場でお確かめいただきたい。

しかし「ラケットは人を傷つけるものではない」という信条は
立派なのだが、あくまでそれは「直接攻撃」に限るようだ。
ラケットを使って強引にギャングの運転する車を止めたりと、
下手したら死人が出てもおかしくない状況だが、
ラケットで直接攻撃していないならば問題ないらしい。

もう常に突っ込みどころがある。突っ込みどころしか無い。
三村マサカズ、ノブ、トシ、小峠etc…
心の中にいるツッコミ芸人が全員、口から飛び出そうになるほど
ほぼ毎秒突っ込める状態だ。

ギャングとのバトルや逃走中でも歌は忘れない(笑)
中盤の最大の盛り上がりどころである、
ヒロインである「竜崎桜乃」とリョーマのデュエットは
彼女のヒロインとしての風格すら感じさせると同時に
壮大な演出がもはや腹筋にダイレクトアタックをかまされるほど笑ってしまう。

一応、ギャングの姉御的な存在とテニスで勝負をするシーンはあり、
相手が「脚」にラケットを装備するというとんでもない状況にもかかわらず、
歌のほうが印象に残ってしまっている。本末転倒だ。

電話

この作品は実は「2パターン」で上映されている。
一方が「Glory」、一方が「Decide」となっている。
見ていない人に分かりやすく言ううならば
ポケットモンスターの赤と緑のようなものだ。

終盤、過去から未来に何故か電話が繋がり、
そんな電話のシーンで
Decideには手塚と幸村が出てきて、
Gloryには跡部と白石が出てくる。

ストーリー自体に大きな変化はないが、
このシーンで出てくるキャラクターが違うだけという
とんでもない商法をしている(苦笑)

一応、エンドロール後にミニメドレーのようなものが流れるのだが、
それも「Glory」と「Decide」で違う。
これに関してはお好みでとしか言いようがない、
ファンは両方見ると「電話」のシーンでの変化が出て面白いかもしれない。

私はGloryを見たが、気だるそうな「跡部様」が歌いながら
リョーマと電話し、光の粒となって消えるシーンは
笑い声を我慢するのが限界だったため、
Gloryをおすすめしたい(笑)

この電話のシーンの歌詞は、もうほとんど会話であり
リョーマなど
「今は西暦何年すか?」などと聞いてるだけなのに歌にしている。
電話なのに歌にする意味はあるのか、そんな事を考えてはいけない。

オールスター

色々な問題は割とあっさりと片付き、
この作品の「目玉」とも言える「リョーマの父」VS「リョーマ」の
試合がラストで描かれる。親子対決だ。
ラストにして「そうだ、私はテニスのアニメ映画を見に来たんだ!」と
気付かされるほどワクワクした気持ちになる。

しかし、そんなワクワクを「歌」が邪魔してくる。
親子で楽しそうにテニスをしているのに、「時空の歪み」が再発生し、
テニスの王子様オールスターが召喚され
色々なキャラが歌い出す(笑)

作中ではセリフがないのに歌だけ歌いにきたようなキャラも多く、
テニスの王子様を見たことがある人ならば懐かしさすら
感じるキャラクター達が、ただただ、歌い、踊る。

なぜ彼等が歌うためだけにでてきたのか。考えてはいけない。
大爆笑で物語は終る。

総評:「テニプリだから」その一言で許される

全体的に見てとんでもない作品だ。
この作品のジャンルはなんだったのか、思い返しても
スポーツアニメともミュージカルアニメともSFアニメとも青春アニメともいえない。
「テニプリ」ですとしか言いようがない荒唐無稽な内容だ。

試合のシーンでは必ず歌を歌い、歌を歌わなくてもいいようなシーンまで歌う。
謎のラップバトル、謎の時空の歪み、謎のバトル。もはや謎しか無い。
映画の始まりから終わりまでずーっと突っ込める映画だ。

これは「テニスの王子様」という作品だからこそ許されると言ってもいい。
他の作品でこんな歌ってばかりでテニスそっちのけな
映画だったら怒るファンも多いだろう。
しかし「テニスの王子様」だからこそ受け入れて楽しめてしまう。
むしろこれでいい、これでこそテニスの王子様だとすら思ってしまう(笑)

本来はテニスの王子様という作品はキャラ数の多い作品だが、
「越前リョーマ」という主人公にきちんと的を絞り、
そんな主人公とヒロインの関係性も描写しつつ、親子の絆を描いているため、
ストーリー自体はまとまっており、そんなまとまっているはずのストーリーを
ミュージカル的な歌と踊りでごちゃまぜにしたような作品だった。

ぜひ、みなさんも劇場でこのとんでもない作品を味わっていただきたい。

個人的な感想:なにかとんでもないものをみた

予告編のときからだいぶぶっ飛んでる作品だなとは感じていたが、
本編は予告編以上にぶっ飛んでいる。
おそらく皆さんが想像する3倍はリョーマが歌っている(笑)

本当に突っ込みだしたらきりがなく、ニコニコ動画あたりで
配信されれば画面がコメントで埋め尽くされるような
そんな作品だった。
この作品の続編というのが作られるかはわからないが、
同じクォリティで別のキャラの物語が見てみたいと感じている自分がいる。

「」は面白い?つまらない?

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