劇場版トリコ 美食神の超食宝

評価/★★☆☆☆(23点)

劇場版トリコ 美食神の超食宝 評価

全80分
監督/座古明史
声優/置鮎龍太郎,朴璐美,櫻井孝宏,岩田光央,松田賢二ほか

あらすじ
世はグルメ時代、美食屋四天王・トリコの元に、ある食材の調達依頼がやってくる。それは美食神・アカシアのフルコースの裏に隠された“スペシャルメニュー”。その正体を求めて、トリコたちは巨大雲が渦巻く“ハングリートライアングル”を潜り抜けて絶海の孤島・旧第1ビオトープ、通称“アカシアのキッチン”へ辿り着く。

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ケンタッキートリコ

本作品は「トリコ」の映画作品。
なお、トリコとしてては一応「ワンピース」と同時上映した3D映画作品があるが
トリコ単独としては本作品が初、原作にはないオリジナルエピソードだ

基本的なストーリーはアクションファンタジー。
美食會の「ギリム」は突如、あるものを求め美食會を裏切った
それは美食新アカシアのスペシャルメニューと呼ばられるものだった
同時にトリコたちは鉄平の依頼でスペシャルメニューをもとめ
アカシアのキッチンへと旅立った
という所からストーリーは始まる

冒頭から惹きつけられない。
アニメではお馴染みの冒頭の「ナレーション」が敢えて無く、
いきなり「美食会」のギリムの裏切りから描写されてしまい
そこで強い惹きつけがあればストーリーの期待感を高めることが出来るのだが、
そこまで惹きつけられず、OPに入ってしまう。

アニメを見た方ならあのナレーションは印象的なはずだ
映画であの冒頭でのナレーションが聞きたかったと思ったのは私だけではないはず。
もちろん誤解のないようにいっておくが、物語を締めるためにあのナレーションはある。
だが、求めているのは冒頭でのナレーションなだけに残念だ

更に言えば今作でトリコと敵が追い求めるのは「アカシア」のスペシャルメニューだ
原作やアニメを見た方ならわかると思うが、
この「アカシア」のメニューに関しては素材やどんな料理かも一切わからず
名前だけでており、今もなお明らかになっていない。
そんな中で「スペシャルメニュー」だよという建前はあるものの、
本編では重要な要素のはずのアカシアを出してしまったのは違和感を感じる

更に本作品では必要性を感じない「3DCG」描写が多い。
トリコ達は旅客機に乗ってグルメキッチンと呼ばれる場所に行くのだが、
途中台風のようなものがあり、激しい飛行機アクションと台風などがCGで描写されるが
違和感が半端無く、そこでトリコ達が活躍するなら意味を感じるのだが
シートベルトに捕まって運転手任せで特に必要性を感じない。
「あ~映画だし派手なシーン作りたかったんだな」と分かってしまうシーンだ。

本作品は「映画だし派手なシーン」を作りたい演出側の意図が見えすぎている。
飛行機でのシーンもそうだが、安易に大きな敵、派手すぎるエフェクト、
無駄に出しまくるGTロボ集団など映画だし派手にしたいという気持ちはわかるのだが
そこに面白みを感じる部分が少ない。

ストーリー展開も非常にテンポが悪い。
トリコではお馴染みの珍しい食材の解説が入るのだが、
島に入ってから相当数の食材の説明をしており、
それが本編と同じように笑ったり興味を惹かれるならいいのだが
微妙な感じの食材ばかりで、珍しいのは分かったと思わずつぶやきそうだった

更にキャラクターを無理矢理登場させすぎだ。
初の単独映画化でなるべく多くのキャラクターを出したいのは分かるのだが
あまりにも多く、無理矢理キャラクターを出しすぎているため
そのせいで余計に本編のストーリーのテンポを崩し素直に楽しませない。
オールスター感を出したいのはわかるが、出しすぎだ。

出しすぎたために戦闘も詰め込みすぎている。
メインである「トリコ」はそれなりに描かれているのだが、
他四天王や与作・節乃の戦いなどもっと描いてほしいと感じる部分も多く
物足りなさを感じてしまうシーンも多い。
出したからには活躍させないとという意図が見えてしまっていた。

そして重要な「ギリム」、本作では戦うのはGTロボ、食材、そしてギリムだ。
GTロボとの戦闘シーンは劇場というスクリーンを生かした
スピード感のある戦闘描写で爽快感があり、それぞれの技が炸裂するシーンは見応えがあった。

「スペシャルメニューの食材」もかなり巨大であり凶暴だ。
四天王に対し圧倒的な存在感とパワーで立ち向かってくる様は
「大きな敵で派手なシーンを作りたい」という制作側の意図は感じるものの
巨大な敵にどう勝つのかというストーリーの期待感が強まった。

しかし、ギリムとの戦いが微妙・・・というよりデザインが凄い安易なのだ
ネタバレになってしまうが、せっかく弱らせた食材をギリムがものすご勢いで食ってしまう。
このシーンの絶望感は素晴らしいのだが、その後のギリムの変化がもう・・・(笑)

この作品の多くのキャラクターは美味しい食材、珍しい食材などを食べればパワーアップする
食べた後に体の筋肉が膨らんだり、体が輝いたりと、そういった演出だ。
しかしながら、本作の敵は食材を食べると、その食材のキャラデザまで取り込むようだ(苦笑)
この敵は無意味に仮面をかぶっていたりしたのだが、その仮面もすぐに自ら脱ぎ
普通の時もトリコたちを圧倒していて、本来ならもっと絶望的に感じさせるシーンなのだが
キャラデザの変化があまりにも安っぽく、子ども向けなんだなと強く意識してしまう。

そして、そんな敵に対しトリコも「ある食材」を口にして敵に負けないほど変化する。
この変化に関しては敵に対してそこまで違和感がなく、妥当に感じるのだが・・・
この部分は最後まで書くかどうか悩んだのだが、
私の中であまりにも印象づいてしまったためあえて書きたい。
あくまで私個人の見た瞬間の印象だ。

「ケンタッキー」なのだ(笑)
変化としてはトリコの髪が青く輝き、肌の色が変わり光るという変化なのだが
その肝心の肌の色のせいで「ケンタッキー」にしか見えない。
茶色くテカったと書けばわかりやすいだろう。
茶色くテカった筋肉がまるで「ケンタッキー」のように見えてしまうのだ。

しかしながら、その敵の安易な変化とケンタッキートリコを除けば
最後の戦闘シーンは悪くはない。
トドメの「100連釘パンチ」の演出は気持ちよさすら感じるほど素晴らしく、
全体の戦闘シーンの出来栄えは映画というスクリーンで見応えのなるものになっていたのは
本作品で評価できる少ないポイントだろう。

全体的に見てストーリーのオチもトリコらしい感じがして納得できるオチで
戦闘シーンも見応えがあるのだが、そこに至るまでのストーリーのテンポや違和感、
詰め込みすぎなキャラクターたち、結局うまいもの求めて自分を見失ってただけの敵など
初の単独映画化と考えれば妥当さを感じるといえば感じるのだが
あくまでもトリコのファン向け、更に言えば子度向けの域を出ない作品だった

後、これは私個人が感じただけなのかもしれないが
「いただきます」の台詞が入るところがおかしくないか?と感じる部分がある。
人間の敵をやっつけるときに「いただきます」、やっつけたあとに「ごちそうさま」と
トリコが言うのだが、これは食材の時だけだったのでは・・・(苦笑)

興行成績的にはかなり悪い。
NARUTO、ワンピース、BLEACHと映画が毎年作られるジャンプアニメだが
その中のBLEACHがなくなったため、変わりに「トリコ」を推したいのだろう
次回作があるなら期待したい所ではあるが
それは難しいかもしれない・・・

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