秘密結社鷹の爪 鷹の爪GO 〜美しきエリエール消臭プラス〜

評価/★★★★☆(63点)

秘密結社鷹の爪 鷹の爪GO 〜美しきエリエール消臭プラス〜 評価

全110分
監督/FROGMAN
声優/FROGMANほか

あらすじ
吉田くんの実家、島根県の神社で全員が「凶」を引いてしまった鷹の爪団。そんな彼らのもとに、悪のネマール帝国に侵攻された機械生命体の惑星ゴゴゴから命からがら脱出してきた冴えない中年男、オキテマス・スマイルとその娘、ヨルニーがやってくる。彼らによると、予言の中で語られる「青く輝く星に住む一人の尖った耳の男」、つまり総統が救世主なのだと言う。

島根を馬鹿にしていいのは鳥取だけだ!

本作品は秘密結社鷹の爪の映画の第5作品目。
なお今回の入場者特典は「第6作品目」がつくなど意味不明の内容になっている
最新作の映画を見て家に帰ったら次回作まで見れてしまうなんて、なんてお得なんだ(笑)

見だして早々、おなじみの「予算ゲージ」が出現する。
今回のこの予算ゲージとおなじみになったスポンサーの使い方が上手い。
もちろん相変わらずチープなCGでがっつりとゲージが減ってしまうのだが、
今回は以外のも敵キャラの巨大兵器のCGにコリに凝りまくっており
そのせいかスポンサーが出まくる(笑)

後半になればなるほど露骨にスポンサー名やロゴが画面上に出まくり
キャラクターたちが必死に予算を稼ぐさまは馬鹿らしいが面白いw
本当にスポンサーなのかどうかあやしい「アセロラ」の紹介で予算ゲージがガッツリ増えたり、
そうかと思えば今回コラボしたモンスターハンター4のCMはコラボのためか無料のため予算は増えず(笑)
ストーリー展開を無視しまくり、テンポ崩しまくりの怒涛のスポンサーラッシュは
それ自体がギャグになっており、挟んでくるスポンサーが実に上手い。

不自然なスポンサーの入れ方ではあるのだが、それがギャグになってしまい
更に笑えてしまうのがこの「鷹の爪」という作品の不思議な魅力だ。
本来ならあからさまな宣伝行為なはずなのに許せてしまう、笑えてしまう
終盤でがっつりと「歴史物語都市甲府」の宣伝が入るシーンは思わず腹を抱えてしまった
今回の「ネーミングライツ」であるエリエールなど物語の重要なところで最大限の宣伝をぶちかましているw
まさかエリエール消臭プラスが敵のボスの攻撃を防ぐとは・・・予想するほうが難しい(笑)

そんなスポンサーネタを主軸に相変わらず島根を蔑んでいる。
今回、「総統」は宇宙人から狙われているのだが、島根に逃げると宇宙人が「島根」を見つけられない(笑)
日本人を誘拐し聞いても場所がわからない、島根を馬鹿にしていいのは鳥取だけなど
もう島根がどんどん地に落ちていくネタをぶち込んでくる。
もはや安定の島根ネタといっても過言ではないだろう。

更にそこに様々な小ネタ、パロディをどんどんと積みかせていく。
こっちが笑ってる最中に更に小ネタを積みかせて、気づかないところでも小ネタを入れてくる
全てに突っ込んでいたらキリがないネタの数々だ。
流石に映画も第5作品目となりネタが洗練されてきた印象だ
劇場も自然と笑い声が漏れる、何とも不思議な一体感を感じてしまった

ストーリー的には今回はSFだ。
トランスフ●ーマーにそっくりな機械生命体が住んでいる惑星が
ネマール星人によって支配されてしまっており、
そんな中でトランスフ●ーマーのコ●ボイにそっくりな元総司令官が
ネマール星人が恐れる予言の男である「総統」に会いに来る所からストーリーは始まる

このコ●ボイにそっくりなキャラはある意味でもう一人の主人公だ。
彼はネマール星人が侵略してきた時に大ミスをしており仲間からも蔑まれ
組織の中では「氷係」になっているなど何とも情けないキャラだ
しかし、そんな彼が娘の前だけでは総司令官でいようと虚勢を張る姿は何とも悲しく
同時にどんどんと災難を積み重ねてしまう。

そんな彼の災難に巻き込まれてしまう「鷹の爪団」の活躍は安定しており、
吉田くんの素晴らしい即興曲と総統愛、フィリップの都合の良すぎる幽霊化能力、
レオナルド博士の安定の滅茶苦茶な発明ぶり、菩薩峠くんの素晴らしい嗅覚など
各キャラがしっかり立っているからこそ笑いに繋がっている。

更に今回「デラックスファイター」は物凄いギャグキャラだ(笑)
彼は今回、モモンガさんに殴られるわ、育てられて野生化してしまうわ
チョコレートを餌に吉田くんに協力してしまうわと散々なのだが、散々だからこそ笑えるw
出番が多いとはいえないが序盤からチョコチョコ出ては爆笑をかっさらっていく。

そして終盤、そんなきっちりとしたキャラ描写だからこそお涙頂戴路線を生んでいる。
吉田くんの思いに私は思わず共感してしまった
「総統は駄目オヤジだ、でもそんな駄目な親父でも本当の親父みたいに慕っているからこそ
 好きだからこそついていっている」

彼のこの思いは見ている側も思わず共感してしまうものだ。
「総統」というキャラは駄目で庶民的なのだがなぜか愛着のわく不思議なキャラだ
そんな総統と吉田くんとデラックスファイターによる最後のシーンは
涙腺が弱い方なら「ほろり」と来てしまうシーンだろう。

全体的に見て素晴らしい完成度だ。
確かにフラッシュアニメではあるのだが、劇場というスクリーンを意識したシーンも多く
ストーリーも意外にきちんとSFをしており、予想できない展開の数々は
王道路線に進みつつもギャグでどんどんと蛇行運転を続けているような感覚だ(笑)
更に洗練されたコネタの数々、キャラ描写、唐突に入れまくるスポンサーなど
「秘密結社鷹の爪」が好きならば間違いなく楽しめる作品だ。

ただ115分は少し長いと感じてしまった。
微妙に不自然な間のあるシーンがあったり、
流石に長すぎると感じたスポンサーのシーンもあったりと微妙に気になる点はあるものの、
そこはギャグで笑い飛ばしてみることが出来るだろう。

しかし・・・劇場で見る価値があるかと問われるとものすごく考えてしまう(笑)
確かに大きなスクリーンを意識したシーンや迫力のあるCGはあるものの
別に「凄い!」と感じるシーンではない。
あくまでギャグにするための迫力やCGであるため必要性があったかは微妙だ
あまり動かない映像を巨大スクリーンで見るシュールさはあるものの
劇場で見る価値がある!と断言できるほど映画として完成度が高いかどうかは判断しかねる。

映画化そのものがギャグみたいな物のだからこそ、映画館で見ることに価値がある。
そう捉えられるかどうか、更に「秘密結社鷹の爪」が好きの度合いで
劇場で見るかどうかを判断していただきたい。
あくまでファン向けの作品だ、だがファン向けだからこそ面白いと感じる

「秘密結社鷹の爪」が好きならば間違いなく笑えて間違いなく楽しめるが、
安定した「鷹の爪」らしさは物凄い出ているが、特出してこの作品がすごいわけではないw
面白いのだが、決して名作ではない。
1800円で入場者特典で次回作のDVDがつくと考えるとかなりお得には感じるところだが(笑)

ただ個人的には久しぶりに映画館で思わず声を出して何度も笑ってしまった。
劇場全体がクスクスとした笑いに包まれていたからこそ私も声を出して笑ってしまい
更に映画が終わった後に聞こえる会話に思わず頷きつつ、私も同じ所で笑った!と共感してしまう。
何とも不思議な一体感を生む映画なんだなとひしひしと感じてしまった。
「秘密結社鷹の爪」が好きな方はぜひ劇場で見て、この一体感を味わっていただきたい。

更に個人的には「出川哲朗」氏が一瞬でてきた瞬間に予算が結構減ってしまうシーンに注目だ
彼のギャラは意外に高い(笑)