ディーふらぐ!

評価/★★★★☆(61点)

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清々しい節操の無さ、それがこの作品の魅力。

原作は「月刊コミックアライブ」で連載中の漫画作品。
インターネット上では原作のとあるシーンが色々な所に貼られており、
ある意味で有名な作品だ。

見だして感じるのは独特の空気感だろう。
いわゆる「日常部活系」の作品であり、ギャグシーンも多いのだが独特のテンポで描写される。
ストーリーとストーリー、ギャグとギャグ、セリフと台詞の間に「ふっ」っと独特の間が入り、
テンポがいいんだか悪いんだかよくわからない(笑)

言葉で表現するのは少し難しいのだが、
ギャグを「ノリ」で誤魔化してる時もあればギャグを「間」で膨らましたり、
逆に勢いに任せすぎてギャグが滑っていたり、間をあけすぎてグダグダになったりと
いい意味でも悪い意味でも「統一感」がない。
こちらが見ながら感じる「流れ」や「リズム」を全く無視ししてストーリーが展開していき、
一定の流れでストーリーが進んだかと思えば唐突に何の脈絡もなくキャラクターが乱入したり
いきなりギャグが入ったりして、それが「不意打ち」のような笑いを生んでいる。

その「不意打ち」的な笑いはキャラクターの独特な魅力にもつながっている。
ヒロインは外見的には中身も予想できるありがちなテンプレートキャラではあるのだが、
外見と最初の印象を「大きく裏切る」キャラクターばかりだ。

特に「柴崎 芦花」というキャラクターは予想するほうが難しいキャラクターだ。
最初の印象は小さくて大人しく「花澤香菜」さんが演じるキャラクターらしいなという印象だが
その印象は話が進めば進むほどブレていく。
萌え萌えなセリフで主人公を部活に誘おうとしたかと思えば、
ヤンデレのごとく主人公を拉致したり、そうかと思えばSDキャラになってとぼけたり、
そうかと思えば最初に感じた印象のように真面目な感じのキャラになったりする。
このキャラクターを一言で表現することが不可能と思うほど
良くも悪くも「カオス」なキャラクターであり、そのカオス感こそがこの作品らしさでもある。

特にサブキャラクターは「カオス」の象徴だろう。
変態の副会長がいきなり出たり、本当の「ゲーム制作部」だったり、
キャラクターが出れば出るほど主人公の状況がカオスになっていき、
毎話のように新キャラクターが出てカオスにカオスを重ねていく。
ギャグアニメとして清々しほどサブキャラなんぞ使い捨てさ!と言っているように
ネタとストーリーを作っていく。

更にそのキャラクター達が「豪華声優陣」という所も注目すべき点だろう。
メイン、サブ、モブキャラに至るまで少しアニメに詳しいなら知っている声優さんばかりだ
小西克幸、花澤香菜、斎藤千和、高橋美佳子、小清水亜美とメインキャラクターだけでも凄いのに
福山潤、伊藤静、豊口めぐみ、白石涼子、植田佳奈、三瓶由布子、石田彰、豊崎愛生、
松来未祐、加藤英美里、柚木涼香、中田譲治etc…と
深夜アニメ、しかも「1クールアニメ」なのにちょっと豪華すぎる声優陣だ。
新人と呼べるほ声優さんがほぼ居ない深夜アニメは最近にしてはめずらしい。

しっかりした声優陣だからこそ「濃い味付け」のキャラクターの印象が更に強まる。
特にサブキャラは1回でるとしばらくでなくなることも多いため、
本当なら次に出る時は忘れかけてしまうキャラクターも居るはずなのだが、
ベテラン声優陣の演技のお陰で濃い味付けのキャラ設定以上にキャラの印象が強まっており
「使い捨て感」のあるサブキャラクターの「使い捨て感」が弱くなり、
再登場した時のインパクトが大きく、強い笑いにつながる。

更にいうとモブキャラでさえ強烈なキャラクター描写をしており、
使い捨てキャラクターなのに使い捨てと割りきっりまくった大胆なキャラクター描写になっており、
話によってはメインキャラ放置でモブキャラ大活躍といわんばかりだ(笑)
メインキャラは満遍なく、サブキャラは思い出したかのように、モブキャラは使い捨てと
メイン、サブ、モブでキャラクター描写をきっちり使い分けることで
この作品らしい笑いと空気感を作り出している。

下手に新人声優を使わなかったことは正解だ。
話によっては「ネタ」や「ギャグ」が弱い場合も多く、はっきりいってしまうと当たり外れが多い。
そんな状況の中でベテラン声優がきっちりとした演技をされていることで
滑っているギャグの滑り具合を薄めており、
本来なら「滑っている」と感じてしまう部分を
「この滑り具合もこの作品の空気感なんだな」と感じさせる要因になっている。

しっかりした演技があるからこそ「キャラクター」にも愛着がわきやすく、
同時に作品にも愛着がわき、当たり外れのある「ネタ」とそのネタが醸し出す空気感も
面白いと感じられるようになっている。
しっかりとこの作品の「空気感」と楽しみ方がわかってくると
面白さと同時にキャラクターの可愛さも伝わってくる。

メインヒロインの「柴崎 芦花」の読めない可愛さと魅力や、
「高尾」のツンデレヒロイン的な可愛さ、
「船堀さん」のこの作品の中での唯一の「清涼剤」的可愛さと
話が進むとヒロインたちの可愛さを感じることができ、キャラクターの魅力も強まる。
キャラクターが増えれば増えるほど話が進めば進むほど、この作品の面白さは加速していく。

それだけに序盤の段階で好き嫌いが分かれやすい作品だ。
独特の空気感とテンポ、ギャグの好みや滑り具合など
この作品の「楽しみ方」「面白さ」を実感しにくい序盤で好みが分かれやすい。
序盤を乗り越えてこの作品に慣れると好き嫌いよりも面白さが勝るのだが、
非常に「味」にくせのある作品なだけに慣れるまでが問題の作品だ。
恐らく2話や3話あたりで見るのをやめてしまう人も多い反面で
4話以降まで見てしまえば、最終話まついつい見てしまたった人も多い作品だろう。
それだけにこの「慣れるまでの時間」がもったいないと感じる部分でもある。

全体的に見て好き嫌いの別れる作品だが、好みに合えばがっつりと気に入る作品だ。
ギャグが滑っていても勢いで誤魔化しつつも、その中でこの作品らしい強烈なギャグを
流れや展開を無視してストーリーの中に盛り込み、独特の間と空気感作り上げており
話が進めば進むほど増えるキャラクターと話が進めば進むほど魅力を感じてくる
愛すべきキャラクターたちであふれている作品だ。

序盤を乗り越えて中盤辺りになってくると「ラブコメ」要素も強まり
女性キャラクターの可愛さも溢れてくる。
この作品らしい「キャラクターの心理描写」の中で、
不意打ちのように主人公への恋心を見せるキャラクターが居るかと思えば、
真正面からラブコメ全開で見せつけてくれるキャラも居る。

感覚としては1作品の中に「複数」の作品を盛り込んでいるような作品だ。
ギャグアニメでもあり、日常アニメでも有り、ラブコメアニメでも有り、
一応「ゲームネタ」のパロディも扱ってるアニメでもある。ついでにいえばバトル要素も(笑)
背景や細かい部分でゲーム関連の「小ネタ」をバンバン入れてきたり、
サブキャラやモブキャラの使い捨て具合など
色々な要素を、悪く言えば「節操のない盛り込み方」ではあるのだが、
この節操のない盛り混み具合がこの作品らしい面白さを作り上げている。

その節操のない感じこそが好き嫌いが別れる原因でもあるのだが
ギャグアニメやりたいのかラブコメやりたいのかゲームネタやりたいのか、
はたまた学園バトルアニメをやりたいのか、
毎話毎話で違うアニメを見ているような、話によってはシーンごとで違うアニメを見ているような
この散らかってる感じが「魅力」な作品だ。

ただ、「話の当たり外れ」や「序盤の慣れがたさ」は明らかな欠点だ
この作品の面白さが分かればそれもこの作品の魅力だと感じられるのだが、
その欠点があるからこそ高い評価もしにくい。
特に「話の当たり外れ」に関しては、話によってグダグダになっている場合も多く
「前後編」にする必要があるのか?という話を引き伸ばしてしまっている感じも強い。
終盤の話など3話掛けてまでやる話だったのか?とちょっと疑問に感じてしまう。
もう少しギャグアニメらしいテンポの良さと話の進み具合が欲しかった。
話の中で登場するキャラクター数が多いだけに削りにくいのはわかるのだが・・・

個人的に序盤から中盤までは非常に楽しめたのだが、
終盤の話がややグダグダになってしまっていて見ていて面白いと思う反面で
結構な疲れを感じてしまう作品でもあった。
更にいうと「2期」を期待したい反面で売上が芳しくない。
この豪華声優陣によるギャグ日常ラブコメアニメをモット見たいと思うのだが
この作品の空気感やギャグに対する好みや、中盤以降のグダグダな感じと疲れる要素など
売上が少ないのも納得できる作品だ。

今から見る人は騙されたと思って6話あたりまで見てほしい。
キャラクターが増えれば増えるほど面白くなり、
キャラクターが増えれば増えるほど「疲れる」作品だということを納得してもらえるはずだ。
超個人的には評価が非常に難しい作品だった・・・
最終話のオチと高尾さんのロングヘアーがなければもう少し評価は低かったかもしれない(笑)