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低予算ガバガバ人狼アニメ「マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド」アニメレビュー

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©マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド製作委員会 サスペンス
画像引用元:©マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド製作委員会
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評価 ☆☆☆☆☆(6点) 全6話

TVアニメ「マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド」第1弾PV

あらすじ ゾンビパンデミックで崩壊した世界。記憶を失い、見知らぬ場所で目覚めた主人公・天野ミコトは、6人の少女たち、蘭奈、莉莉、夕、史香、ムルムル、るみなに保護される。 引用- Wikipedia

低予算ガバガバ人狼アニメ

原作はいわゆる人狼のようなゲームだ。
監督は石井友博[、制作はZiine Studio

ゾンビ

タイトルでなんとなく察することができるが、
この作品はゾンビが突如として溢れた世界だ。
世界は崩壊し、人類の生き残りも少ない。
数少ない生存者は協力し合いながら生きている。

そんな中で主人公は記憶を失っており、
見知らぬ男性と二人きりで車の中に居たところ、
生き残りの女性たちにたすけられる。

だが、一緒にたすけられたはずの男性が殺されてしまう。
一体誰が何の目的で殺人事件を起こしたのか。
この基本的なシチュエーションはわかりやすく、
原作は人狼系のゲームだからこそ、その犯人を当てることが主体であり、
このゾンビまみれの世界を同行しようという話ではない。

いわゆるミステリーだ

低クォリティCG

シチュエーション的には非常にわかりやすいものの、
この作品はフルCGで制作されている、このクォリティがあまりにも低すぎる。
最近はCGのクォリティもあがり、CG特有の欠点も減ってきた。
アニメでも多く活用されている。

だが、それなのにこの作品はぬるぬるゆらゆらと
無駄な動きばかりの一昔前のフルCGアニメのような
酔うようなフルCGアニメになっている。

いわゆる「モーションキャプチャー」で作られていることが分かる。
モーションキャプチャーは実際の人の動きを撮影し、
その動きにCGの皮を被せるような感じの手法だ。
それゆえにアニメでは本来は省略されるような動きまでも
無駄に誇張されて映像にしているためこうなってしまう。

無駄にゆれる登場人物は見ているだけで気持ち悪く、
モーションキャプチャーの技術自体も低い。
現実の人間にはある重さを演出で補助することで
CG特有の軽さが減るのだが、この作品はそんなことをしていない。

ふわふわふゆらゆら。
アニメーションとしての面白みもなく、
アニメーションとして見ていると酔ってしまう。

動きはともかく表情の部分は後付なのか、
ときおり「口の動き」がセリフと合っていないことも多く、
そのせいで余計に違和感も強くなり、
どんなときでも表情がガチガチに固まっており、見れたもんじゃない。

CGをつかうことも、モーションキャプチャーを使うことも別にいい。
それを使って素晴らしいものを作り上げている作品も多くある。
しかし、この作品はただ予算がないからフルCGでモーションキャプチャーで
適当に作っているだけだ。

これがYouTubeで無料で公開されるような同人アニメならともかく、
地上波や各種サブスク配信サイトで流すようなクォリティではない。

安全圏

彼女たちは1年も新宿の歌舞伎町タワーにこもって生活しており、
それゆえに希望を求めている。
主人公とともに運ばれた男性が残した「安全圏」という言葉、
どこかにあるかもしれない楽園に希望を見出している。

主人公は記憶を失っているものの、
もしかしたら、見知らぬ男性とともに楽園を目指していたのかもしれない。
だが、そんな希望を目の前にして見知らぬ男性が殺されてしまうことで
希望がきえてしまう。

2話以降は犯人探しが始まり、会話劇が中心になる。
遺体に残った後から「信奉者殺し」という言葉も出てくる。
信奉者というゾンビを崇めて世界の破滅を望む人たち、
そんな人達を狙って殺している存在もいる。

2話以降になると、キャラクターたちの過去が明らかになっていき、
死体の状況とキャラの行動が結びついていく。
序盤はミステリー感があるものの、主人公が記憶喪失であるがゆえに、
忘れてることがあまりにも多すぎる。

途中でメインキャラの一人がゾンビに噛まれ、
追放するかどうかの投票が行われたりと、
原作がT狼系ゲームであることを感じさせる部分がある。

怪しげな行動をしている人物も無駄に多く、
かなり複雑なミステリーになっている。

犯人

最終話で犯人が明らかになるのだが、特にろくな証拠もなく、
実はこうでしたという後出しの情報を投票で最多になった犯人自らが
べらべらと喋ってくれる。
これが原作のゲームなら成り立つのだろうが、アニメとして
1本のストーリーに仕立て上げるとガバガバでしかない。

最後に都合よく主人公の記憶が戻るのも後出し情報でしか無く、
結局ミステリーとしての面白さは薄い。
結局、ゾンビ問題も解決の糸口は見つかっているが、
投げっぱなしのラストであり、かなりもやもやして終わってしまう。

全6話という短い尺だが、この尺の中で原作の良さや、
原作の面白さというのも感じられず、
中途半端すぎるアニメ化になってしまっていた。

総評:証拠はないけど怪しいからお前が犯人!

全体的に見て非常に微妙な作品だ。
原作のボードゲーム、人狼系のゲームをアニメ化するというのは
難しい試みだったことはわかるものの、ストーリーはガバガバで
後出し情報が非常に多く、最終話まで見てもスッキリとした感じがない。

ミステリーとして楽しむことは難しく、
かといって人狼系のゲームの面白さを味わえるわけでもなく、
とってつけたような投票要素や後出し情報の数々に
見れば見るほど萎えていく作品だ。

ストーリー部分は原作のゲームをアニメのストーリーにするうえでの
難しさもあるのだろう、仕方ない部分もあったのかもしれない。
しかし、この作品の問題は「アニメ」としてのクォリティだ。
見れたもんじゃない。

一体何年前のCG何だと思うほどクォリティの低いCGで、
無駄にゆらゆれと動くモーションキャプチャー全開の動きは
一切洗練されておらず、単純に少ない予算でアニメにするために
モーションキャプチャーを使い、CGの皮を被せて、
アニメにしてるに過ぎない。

表情の描写の悪さは致命的で、全キャラ接着剤で固めたかのような
表情筋が死にまくったメインキャラたちは
ゾンビものとしての緊張感を一切感じない。
とりあえずアニメ化しました感が凄まじい作品だ。

これでYouTubeなどで無料公開するものならともかく、
地上波のアニメとしては非常に厳しい。
おそらく本編はコラボしている歌舞伎町タワーのイベントだったり、
出演している声優さんたちにマダミスをやらせることが目的だったのかもしれない。

そう考えてしまうほどアニメ自体のできの悪さが目立つ作品であり、
この手のボードゲームが流行ってる中でのアニメ化というのを
活かしきれなかった作品だった。

個人的な感想:グノーシア

この手の人狼系ゲームがアニメ化されるのは本作品が初であり、
色々と試行錯誤はあったのかもしれないが、残念感が凄まじかった。
似たようなゲームであるグノーシアも今年、アニメ化されることになっており、
こちらは非常に期待感が強い作品だ。

いつか本家本元である人狼もアニメ化されるなんてこともあるかもしれないが、
この人狼系とアニメと言う媒体の相性が悪いのかいいのかというのを
この作品からは察せずに終わってしまっただけに、
グノーシアには期待したいところだ。

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