評価 ★☆☆☆☆(13点) 全12話
あらすじ 普通の女子高生・カエデは、見覚えのない路地裏で目を覚ました。そこは獣人やエルフ、ドラゴンのいる不思議な異世界。カエデは持っていたリュックサックに見覚えのない本があることに気がつく。引用- Wikipedia
水浸しの紙芝居
原作は小説家になろうで連載している小説作品。
監督は古川未来子 、制作はIMAGICA Infos、Imageworks Studio
ライトアニメ
本作品は1話10分ほどの短編作品だ。
それだけならいいのだが、この作品は「ライトアニメ」として制作されている。
これはいわゆるモーションコミックに毛が生えたようなものであり、
低予算でほぼ動きがないアニメーションで作られている。
アニメではあるもののアニメというには物足りず、
この手法で作られていた作品は避けていたのだが、
それを知らずに見てしまったため、偶然手を出すことになってしまった。
想像通りクオリティは低く、作画のレベルが上がった
令和のアニメにおいて見応えが薄い。
このレベルでアニメ化する意味は果たしてあるのか本当に謎だ。
異世界転移
主人公は何の前触れもなく異世界に転移してしまう。
転移した際に持っていたリュックの中には
「バロウ」と呼ばれる人物からのメッセージと本があり、
ポーションのレシピが書かれている。
そんなレシピ通りに井戸水とそのへんの草でポーションを作る。
井戸水とそのへんの草でポーションが出来るのは百歩譲っていいが
ポーションが「瓶」に入って生成されるのはどういう仕組みなのだろうか(苦笑)
突っ込んだら負けなのは分かるが、あまりにもご都合主義全開だ。
ポーションを売って小銭を稼ぎ、パンを買い、宿に泊まる。
これで1話が終わりだ、1話10分ほどではあるものの
薄すぎる内容に何の感情の起伏も生まれない。
作画どうこう以前に内容が薄すぎて何の印象も残らない。
お金を稼ぐ
2話以降、お金を稼ごうとする。
ギルドに入ったり、アイテムボックス的なのを手に入れたりと、
もう1兆回は見たような展開だ。
元の世界に戻るという目的があるのは悪くないが、それだけだ。
より良いポーションを作るために素材集めをする、
その素材集めをするための護衛を雇って、
露天を開いてポーションを売る。
ひたすら金稼ぎをしている印象だ。
こののほほんとした雰囲気とスローライフな感じは悪くない。
ドラゴンが街に現れても一瞬で退治され、
とんとん拍子に物語が進んでいく。
このサクサク感も悪くはないのだが、やはり全体的に薄味だ。
終盤になると家を買ったり、妖精と出会ったり、護衛のために奴隷を買う。
最終話ではボス敵のような存在と戦い、
妖精とまた出会って終わる。びっくりするほど中途半端だ。
全12話1クールの話の区切りとしては
あまりにも中途半端でしかない。
一応、元の世界との接点や伏線などはあるものの、
なぜこの世界に連れてこられたのかなど決定的な部分は明かされず、
ただただ1クール、ひたすらポーションを作って
金稼ぎしてるだけのストーリーだった。
総評:こんなのでアニメ化する意味はあるのか?
全体的に見てこの「ライトアニメ」という手法自体への
疑問が拭い去られることはなかった作品だった。
ほぼ紙芝居なアニメーションはアニメと呼ぶにはいささか問題があり、
ストーリー自体も悪くはない部分はあるものの、薄味なストーリーで
しかも区切りが悪い1クールでもやもやしたものが残る。
あくまでも原作の宣伝のために低予算なアニメを作っているのは分かるが、
これで果たして宣伝効果はあるのだろうか?
この手法でアニメ化する意味はあるのだろうか。
そんな疑問が浮かんでしまう作品だ。
きちんとしたアニメならば、もう少し多くの人に見てもらえそうな作品だが、
ライトアニメの限界を感じる作品でもあった。
個人的な感想:この機会に
TVアニメ自体が年間で300本以上も放送され、
そんな中で低予算でできるとはいえ「ライトアニメ」を
制作しても埋もれるだけだ。
過去にも5作品作られているがどれも話題になっていないのがその証拠だろう。
ライトアニメは避けていたのだが、せっかくライトアニメを
見たついでに、過去作もこの勢いで見てみようと思っているが、
同じような感想が浮かびそうだ。




