ベストもやったからにはワーストもやらないとということで、
今回は2025年アニメ映画の個人的なワースト10です。
たまに勘違いされる方がいますが、ワーストなので、
順位1位が1番ひどかったランキングになります。
2025年アニメ映画ワーストランキング
ベストのほうでも書きましたが、2025年はアニメ映画が大盛り上がりでした。
いい意味での盛り上がりもあったのですが、
悪い意味での盛り上がりもあり、興行収入だったり、
内容面だったり、いろいろな意味でワーストのほうの映画も盛り上がりました。
そういった意味でも2025年のアニメ映画は話題に事欠かず、
私ももっと語りたいことがある作品が多くあります。
今回はそんなことを語りつつランキング形式で
個人的なワーストランキングをお届けできればと思います。
10位 劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク

ソシャゲのプロセカの映画作品でした。
プロセカのファンならば楽しめる部分はあると思います、
しかし、それを踏まえても1本の映画としての完成度はかなり低く、
原作ファンに配慮したストーリー展開は常軌を逸していました。
全キャラを平等に出す、そうしないとファンに怒られる。
だからこそ同じような展開をユニットごとに「5回」繰り返すのは
正気の沙汰とはいえず、20人が20人とも
迷子のミクに出会い、同じような経験をし、同じような結末を迎えます。
キャラクターを絞れば30分で終わるようなストーリーを、
5回同じように繰り返すやり方は映画としては不完全すぎる上に、
1本映画を見ただけなのに5回同じ映画を見たような感覚になる、
何とも不思議な作品でした。
9位 不思議の国でアリスと-Dive in Wonderland-

この作品、ある意味面白くはあるんです。
不思議の国のアリスを基盤に、そんな不思議のアリスの世界を
VRゲーム的なものに仕上げた祖母をもつ主人公が、
そんな世界に迷い込み、不思議の国のアリスの世界を味わう。
序盤から中盤までずっとそんな感じです。
主人公を就活生にして、悩める彼女が不思議の国のアリスの世界での
体験をもとに成長するという展開自体は悪くないのですが、
現代的にアレンジした不思議の国のアリスの世界を味わう以外の
面白さが序盤から中盤一切なく、淡々としています。
脈絡のない展開、ヒーリングミュージック的な音楽、
声優さんの声が強烈な眠気を誘い、
上映当時、眠ってしまったという声が多発した不思議な作品でした。
個人的にも一瞬気絶しかけるほどの催眠作用を味わいまして、
配信が始まった際はぜひ、この催眠映画を味わってほしいところです。
8位 KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ

Netflixオリジナル映画として制作された本作品。
世界中でかなりヒットしたようなのですが、日本では無風に近い作品です。
世界観自体は面白くはあります。デーモンハンターな主人公たち、その力の源といえるのは
人々を魅了することであり、主人公たちはKーPOPアイドルとして
人々を魅了しながらデーモンを刈っています。
この設定自体はなかなか面白いのですが、
敵もK-POPアイドルになって歌いだして、
実は魔物と人間のハーフな主人公がいろいろ悩んだり、
ファンも失い仲間も失った状況で、
なんか歌いだすと一気に物事が解決します。
脚本周りの強引さや、ストーリー的にはどこかで見たことのある展開でしかなく、
K-POPという文化を知らない私にはちょっと
魅力がわからなかった作品でした。
7位 ベルサイユのばら

あのベルサイユのばらが令和に蘇らせる、
そんな制作側の意図を感じる作品ではあるのですが
「映画」という媒体にしてしまったがゆえに
かなり無理のあるものになっている感じがありました。
私自体がベルばらに関してはにわかであるゆえの感想ではありますが、
作品全体がまるで総集編のようなダイジェストになっており、
そのダイジェストの見せ方が挿入歌を入れまりながら
背景で見せるというかなり強引な手法です。
ミュージカル映画ともいえなくはないのですが、それともまた違うんですよね。
楽曲もあまり雰囲気にあっておらず、そのちぐはぐさに
少々笑いつつも、終盤は原作力の強さを見せつけるかのように
少し涙腺を刺激されてしまう、
何とも不思議な作品でした。
6位 星つなぎのエリオ

最近のディズニーやピクサーは続編はヒットするものの、
完全新作はヒットしない傾向にあります。
この作品もピクサーによる新作映画でしたが、
興行収入的には日本だけでなく世界的にも厳しい状況です。
内容的には王道ではあります、人となじめない主人公が
宇宙人との出会いを求めていたら本当に宇宙人がいて、
宇宙船に連れていかれるも、主人公が地球の代表とうそをつき、
危険な宇宙人との交渉もしたりとうそをつきまくります。
一言で言えば悪ガキが大暴れしているような映画で不快感が強烈に生まれ、
メインキャラが出てくるのも中盤以降で遅く、
色々と練りこまれていないことを感じさせる映画でした
5位 ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い

あのロードオブザリングのアニメ映画な本作品ですが、
その割には一切話題にならず、興行収入も全然伸びなかった作品でした。
監督は神山健治さんで作画のクオリティに関しては
本当にとんでもないことになっていたのですが、
そんな作画よりストーリーのひどさのほうに目が行ってしまいました。
ロードオブザリング本編から200年前の世界であり、
そのせいかスピンオフ感は非常に薄く、
この作品オリジナルのキャラが脳筋全開でストーリーをつづっていくのは
ばかばかしさのほうが強く残ります。
王様が一発殴って殺してしまった相手の息子が復讐を誓い、
そんな息子と幼馴染の主人公の主人公感が薄く、
作画はすごいけどストーリーがペラペラな作品でした。
4位 ChaO

今世紀最大ともいっていい爆死映画でした。
構想に9年、作画枚数は10万枚。
これだけでも恐ろしい制作費ですが、全国で300館を超える
規模で公開するというわけのわからない規模でやったのに
肝心の興行収入はおそらく5000万円前後というとんでもない爆死です。
癖のあるキャラクターデザインは万人受けするとはいえず、
見ている間になれる部分はあるものの、それでも、ふとした瞬間に
違和感が強烈に生まれるキャラクターデザインは強烈でした。
これで公開規模が100館くらいならまだマニア向けの映画として
理解できなくはないのですが、300館ですからね。わけわかりません。
ストーリーは人魚姫をベースにしているのはわかるのですが、
頓珍漢な展開も多く、人魚姫という普遍的な題材を浅くしか描いておらず、
ツッコミどころの多い終盤は思わず笑ってしまうほどでした。
アニメーションのクオリティは高いのですが、高いだけで
印象には残らず、キャラデザのインパクトだけが残る作品です。
3位 LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族

私はこのLUPIN THE IIIRDシリーズが大好きでした。
地上波では決してできないエロスとグロを交えた
大人のルパン三世はハードボイルドという言葉がふさわしく、
シリーズラストのこの作品にも期待していました。
しかし、ふたを開ければハードボイルドはどこへやら。
過去作の泥臭いまでの戦闘シーンはどこへやら、
ダラダラと締まりのない戦闘や、ゾンビ映画のような展開、
クオリティの低いCGなど本当に最悪な出来栄えです。
ツッコミどころも間延びしまくったところもひどいストーリーは
シリーズラストにふさわしいものではなく、
この「残念さ」が3位にランクインした最大の理由でした。
2位 果てしなきスカーレット

細田守監督最新作である本作品。初日から暗雲がたちこめていました。
映画の初日の興行収入はその作品の知名度によるところが大きく、
コナンやドラえもんなどの国民的なアニメや、
新海誠監督やジブリなどの作品は初日から大ヒットすることが
わかる数字が出ることがほとんどです。
そんな中、あの細田守監督作品の初日に客がほとんど入っていない。
公開規模は全国でとんでもない回数の上映回数とスクリーン数だったのに
座席の着席率は5%を切っていました。95%空席です。
私はそんな5%の一人でしたが、本当にひどい作品でした。
ハムレットを下地に置き死者の世界での復讐を描くのですが、
その復讐も結局「復讐はよくないよね」という百万回くらい
色々な作品で描かれてきたテーマでしかなく、
そこに至るまでの過程にも納得できるものではありません。
世界観やストーリーのツッコミどころもすさまじく、
アニメーションのクオリティは高いものの、
それがまったくいかされておらず、謎の渋谷ダンスなどの
キテレツさや、終盤の展開のなんじゃそれ?と言いたくなる部分の数々に
怒りを通り越して呆れてしまった作品でした。
1位 アズワン AS ONE

レビュー当時もワースト1と言っていましたが、
それは結局変わることはありませんでした。
原作はアーケードゲームなのですが既に稼働終了、
稼働終了して4年の月日が経ってから映画になるという
ちょっと企画段階で意味不明さが際立ちます。
主人公を演じるのはJo1というグループの人で、
そんな音楽アイドルが声優をやった結果、やたら歌います。
演技がつたなく厳しい部分があるためセリフは必要最低限に、
そんなセリフよりも歌わせたい感じが強い作品です。
一応はロボットアニメなのですが、世界観的に主人公たちの
ロボットが武器を使用することができず、やってることは
ワイヤーをひっかけてひたすら綱引きです(苦笑)
CGで描かれたロボットのデザインはいいのに動きの面白みがまったくなく、
ロボットアニメとしての面白さはまるでありません。
キャラクターも主人公の魅力はほとんどなく、出番も薄く、
顔は手書きで体はCGという斬新な手法ではあるものの、
表情が固まりすぎててアニメーションでの演技もできていません。
使いまわしのような映像も多く、映画としての見ごたえはまるでなく、
作品として死んでいる作品でした。
2025年大豊作の裏で爆死したアニメ映画たち
鬼滅の刃やチェンソーマンといった大ヒット作が生まれる中で、
それとは真逆を行くような興行収入の作品も多く生まれた年でした。
内容的にも興行収入が低くて納得できる作品も多く、
ChaOなど公開規模を間違えたのでは?と思うような作品も少なくありませんでした。
アニメ映画バブルと言われてる時代だからこそ、
様々な挑戦作が生まれるのは歓迎したいところですが、
挑戦しすぎて自爆してるような作品も多くあり、
レビューのし甲斐がある年でした。
来年も挑戦作が多く生まれることを期待したいところです。

