アクションアニメ一覧

テンプレ全開の打ち切り「BLACK TORCH」レビュー

1.0
BLACK TORCH アクションアニメ一覧
画像引用元:©タカキツヨシ/集英社・BLACK TORCH製作委員会
スポンサーリンク
笠希々のプロフィール画像
この記事を書いた人

オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

評価 ★☆☆☆☆(17点) 全12話

TVアニメ『BLACK TORCH』メインPV第1弾

あらすじ 忍者の末裔として祖父に育てられ、動物と話す能力を持つ高校生・我妻弐郎は、ある日、森の中で傷つき倒れる黒猫・羅睺と出会う。一見ただの黒猫に見えた羅睺だったが… 引用- Wikipedia

テンプレ全開の打ち切り

原作はジャンプSQ.で連載されていた漫画作品。
監督は馬引圭、制作は100studio。

動物

主人公には不思議な能力がある。
子供の頃から「動物」と喋れるおかげで、
人間の友だちを作ることもできず、ややグレている。
祖父から忍者の技を教わり身体能力は高いものの、
動物と喋れるという能力を活かすわけでもなく、鬱屈とした日々を送っている。

ある日、彼は傷だらけの猫を発見して保護するのだが、
その猫は特別な「もののけ」で、「羅睺」という存在であることが発覚する。
「羅睺」はいろいろな存在に狙われており、
追手が現れるというところから物語が動き出す。

非常にベタな設定と展開だ。
要素だけ抜き出せば、どこかの漫画やアニメですでにやっている展開であり、
キャラクターデザイン的な特徴も薄い。

アニメーションに関してはこだわりを感じる部分があり、
気合が入っているのだが、それ自体がこの作品の特徴や
面白さにまで昇華しているとはいえず、作品への没入感が生まれず、
3歩くらい引いて見てしまっているような感覚だ。

しかもうるさい。
戦闘中に洋楽っぽい英語のボーカル入りの曲を大音量で流すため、
戦闘中のキャラクターたちのセリフと重なってしまい、聞き取れない。
オシャレさを優先してセリフが聞き取れないなど本末転倒だ。

忍者

祖父から忍びの技を教わっている主人公は、追手と戦うことはできるものの、
致命傷を負ってしまい、羅睺は自らの命をもって主人公の命を助けることになる。
本来は人間の敵である「もののけ」が人間に力を貸し、
主人公は忍びともののけの力を持つ存在になる。
要はNARUTOや呪術廻戦的な感じだ。

この世界では忍者が本当に存在し、国の組織である**公儀隠密局**として働いている。
彼らはもののけと戦ったりしているが、もののけはあまり事件を起こさず、
普段は要人警護などをしていた。
しかし、長年封印されていた「羅睺」が動き出したことにより、
公儀隠密局も動き出している。

祖父も元公儀隠密局の人間であり、いろいろと悶着がありつつ、
主人公は公儀隠密局の管理下に置かれることになる。
1話が過ぎ、2話が過ぎてもピンとこない。

バトル

主人公・弐郎を狙っていろいろなもののけがやってくる。
もののけたちは特別な領域を展開し、現世から隔離した世界を作り出して襲ってくる。
ヒロインが戦ったりするのだが、特に強くはないため印象にも残らない。

主人公以外は基本的に忍びの技術を使ってナイフやら銃やらを使うが、
呪術廻戦のような呪術があるわけでも、NARUTOのようなチャクラがあるわけでもないため、
地味になりやすい。

主人公の存在は危ういのだが、公儀隠密局の一人は彼を隠密として運用することを決める。
呪術廻戦より連載開始時期は早いのだが、ほぼ呪術廻戦みたいな要素や
展開があまりにも多く、スリーマンセルでもののけを倒すという展開自体も
もう呪術廻戦そのものだ。

連載開始時期は少し早いのに、アニメ化自体はこの作品のほうが後であるがゆえに、
どうしても重ねてしまう部分がある。

両作品とも、特別な力を宿した主人公、異形の存在と戦う組織、
三人一組のチームといった、少年漫画としては王道の設定を使っている。
しかし、同じような設定でもキャラクターの魅力や戦闘の見せ方によって、
ここまで印象が変わるのかと感じてしまう。

繰り返し

情報の開示自体が遅く、羅睺がなぜもののけに狙われているのかという
理由がいつまでたってもふわっとしており、メインキャラが出揃うのも遅い。
4話になってようやくスリーマンセルを組むキャラが揃い、
5話でキャラ同士の絡みがあり、スリーマンセルとして行動する。

羅睺を狙って新しい敵が出てきて、戦って、少し情報が開示されて、
新しい敵が出てきて戦って、新しい情報が開示される。
その繰り返しだ。
途中で訓練したりするものの、キャラクターの掘り下げや魅力が
足りていない状況で訓練されても、盛り上がりにつながるわけでもない。

主人公以外のメインキャラにもそれぞれ事情があり、
メガネ男は兄がもののけに憑依され、どこかへ消えており、
ヒロインの母親はもののけによって石化の術をかけられており、助け出せていない。
そんな事情があることはわかるが、1クールではそのあたりが
掘り下げられるわけでもない。

ヒロインの母親は最後まで石化したままだ(苦笑)
メガネ男の兄とは再会して戦うことになるものの、
特にそれが話の盛り上がりにつながるわけもなく、
修行してもあまり強くなった感じがない。

主人公の両親にも何かあるようだが、明かされることはない。
投げっぱなしの要素がかなり多い。

敵

主人公は羅睺と合体したことで命をずっと削り続けており、
力を使えば使うほど死へと近づいていることが発覚する。
その展開自体は面白みがあり、
主人公の命を守るためにも、羅睺は敵に言われたとおり、
主人公の体から出ていってしまう。

羅睺を狙う敵のボスも微妙に弱い。
過去にも人間に戦争を仕掛けているが敗北しており、部下も弱く使えない。
ヒロインに惚れて裏切るやつ、羅睺をかばって裏切るやつ、
ボスにカリスマ性がなく、裏切るやつばかりで、
敵の歯ごたえや魅力というものがまるでない。

根本的に「キャラクター」の魅力というものをこの作品からは感じず、
どこかで見たキャラのうわべだけをなぞっているような感覚だ。

中盤で味方のもののけが出ても、出ただけ。
公儀隠密局のいろいろなキャラも、キャラ付けこそされているが、
特にストーリー的な意味もなく、魅力もない。
掘り下げやキャラの印象付けが徹底的に甘い。

原作は実質打ち切り漫画であり、早い段階で連載終了が決まったのだろう。
だからこそ多くのサブキャラを掘り下げる尺がなく、
薄いキャラばかりになってしまっている。

終盤

6話で修行したかと思えば、10話でまた修行する(苦笑)
修行するよりヒロインの母親の問題や主人公の両親の謎など、
やることがあるはずなのだが、ちんたら修行する。

ラスボス戦では仲間は役に立たず、
ラスボスと戦うのは主人公だけだ。
メガネ男の兄との決着はつかないまま、
ヒロインの母親は石化したまま、
主人公の両親の謎も放置。

わかりやすく投げっぱなしな、
打ち切り漫画らしさ全開の作品だった。

総評:そら打ち切られるわ…

全体的に微妙な作品だ。
作画に関しては一定以上のクオリティがあるのだが、
戦闘シーンの内容自体がつまらず、あっさりとした決着になることも多い。
主人公以外が忍術で戦ってはいるものの、いわゆる異能ではないため、
絵面としても地味になりやすく、微妙な印象ばかりが残る。

ストーリー的にも既視感が強く、
同時期に連載していた呪術廻戦とほぼ同じような要素が多い。
この作品ならではの独自性や世界観というものがほぼなく、
主人公が動物と喋れるという設定も序盤以外、活かしきれていない。

恐らく序盤のあたりで連載終了が決まったのか、
未消化な要素も数多く存在しており、
メインではないキャラの掘り下げはかなり浅く、
印象も魅力も薄いキャラが多い。

結局、最後はラスボス的な存在を倒したものの、
放置された要素が多すぎて、完結しているのに完結していない感じがあり、
モヤモヤとしたものが残る作品になっている。

主人公が動物と喋れるという設定自体は面白い。
動物と喋れる少年と、もののけである黒猫。
この二人の関係性を掘り下げるだけでも、作品ならではの魅力を作れたはずだ。

ところが物語が進むにつれて、忍者組織やもののけ同士のバトルが中心となり、
主人公が動物と喋れるという設定はほとんど意味をなさなくなってしまう。
せっかく独自性になりそうな設定を持っているのに、それを活かさず、
どこかで見たような少年漫画の王道展開を繰り返す。

テンプレが悪いのではなく、テンプレに埋もれて、
この作品ならではの面白さが見えなくなっていることが問題だ。
本来、この動物と喋れるという設定にも何かしら意味があったのかもしれないが、
そこを見せる前に終わってしまっている。

本来はもっと壮大に展開したかったんだろうなという
要素だけが残っており、それを削るわけでもなく盛り込んだせいで、
この中途半端さも生まれている印象だ。

原作が打ち切られているというのにも納得できてしまう作品だった。

個人的な感想:なぜ…

原作自体がジャンプスクエアで連載されていた後に、
ジャンププラスで4話掲載され、その後終了している。
せっかくジャンププラスに移籍したのに4話で終わっているのも謎だが、
この作品がなぜアニメ化したのかも謎だ。

原作が何万部売れたなどの発表もなく、
あまり売れた作品でもない。

他の打ち切り漫画と比べて知名度的にもそこまで高くなく、
なぜこのタイミングでのアニメ化なのかが最大の謎な作品だった。

「BLACK TORCH」に似てるアニメレビュー