「プロメア」アニメレビュー

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映画
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評価 ★★★★★(91点) 全111分

あらすじ 炎を操る新人類バーニッシュの出現に端を発する惑星規模の発火現象である世界大炎上により、人口の半分が焼失してから30年が過ぎた世界引用- Wikipedia

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粋の極み、これぞロボットアニメだ!

本作品はTRIGGERによる劇場オリジナルアニメ作品。
監督は今石洋之、製作はTRIGGER

静かな始まり


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

冒頭は静かな始まりだ。
各国で「ストレス」を溜め込んだ人たちが映し出される。
あるものは満員電車に、あるものは渋滞に、あるものは暴力に。

様々なストレルが貯まる環境の中にさらされる中で
そのストレスに「火」が突く。人は火を吹き、街を破壊する。
世界の人口の半分がその「バーニッシュ」の出現により焼失した世界。
作品の世界観を「静かに」描き、見る側に世界観を認識させている。

そんな世界の中で「バーニングレスキュー」というものが存在する。
人々が燃え、炎を操る新人類へと進化し暴れまわる彼らを消火するための組織だ。
TRIGGERらしい尖ったキャラクターデザインのキャラクターは
きっちりとインパクトに残り、TRIGGERらしいカメラアングルと演出で
描かれる「消火作業」はワクワクが止まらない。

なにせパワードスーツだ(笑)
作業員が消防車から飛び出し、パワードスーツを着込み、
火炎を氷漬けにするために戦う。
画面狭しと動き回るパワードスーツを着込んだ消防員と、
どこか「勇者シリーズ」を見ているようなメカの描写は
見ているだけで少年心を刺激される。

そして主人公がまるで歌舞伎役者のように登場する。
「待ってました!」という民衆の掛け声はまさにぴったりだ。
消防車から迫り上がり、彼の舞台へと見参する。
敵に対する「名乗り」も含めて傾いてやがる彼の姿は主人公としての魅力に溢れ、
主人公である「ガロ」の姿は「彼」を彷彿とさせるはずだ。

映画が始まってたった10分で鷲掴みにされる。
こんな作品を待ってたんだといいたくなるようなTRIGGERらしい
野性味溢れ、どこか懐かしさを感じ、ワクワクさせてくれる空気は
さすがとしか言いようがない。

気持ちよすぎる戦闘シーン


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

冒頭から戦闘シーンの連続だ。
敵は燃え盛る炎のバイクに跨り、主人公はコロコロと可愛らしさすら感じる
パワードスーツを身に着けて戦う。

まるで歌舞伎の舞台に舞う紙吹雪のように、
大胆で派手できらびやかなやエフェクトをこれでもかと盛り込み、
そんなエフェクトだらけの空間で目まぐるしいアクションが描かれる。
時間としては5秒、いや1秒も同じ場所にいない。
常に移動し、常に攻撃し、常に避け、常に動き回る。

考えつくされた「動き」の面白さをアニメーションという媒体に落とし込み、
目まぐるしいまでのアクションが繰り広げられる。
瞬きをする暇さえ与えてくれない。瞬きすれば1アクションを見逃してしまう。
目が乾くのも忘れされるほどの「怒涛」のアクションが描かれる。

サクサク、バラバラ、ボーボー、カチンコチン、ギュインギュインと、
そんな擬音が次々と耳に聞こえてくる。
なんて気持ちのいい戦闘シーンなんだと思わずいいたくなるほど気持ちがいい。

目まぐるしいストーリー展開


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

序盤から次々と登場人物が現れて次々とストーリーが展開していく。
「バーニッシュ」をまとめているリーダーであるリオが現れ、
主人公と戦い、リオは捕まり、主人公は英雄のように表彰される。
主人公側の正義が描かれたかと思いきや、「バーニッシュ」は
虐げられている存在であり、彼らにも彼らの正義があり行動していることが分かる。

決して絶対的な悪ではない敵と、絶対的な正義と信じてる主人公。
まっすぐで王道なストーリーが30分できちんと描かれており、
TVアニメなら3話くらいかかってもおかしくない話の流れが
ぎゅぎゅっと3分の1くらいに圧縮されて描かれている。

立場の違う二人の主人公が対峙し、互いの生き様をぶつけ合う。
「燃えて消す」というガロ、「燃やさなければ生きていけない」というリオ。
相手を知ることで「ガロ」は信じているものが疑いに変わり、
自らの正義が揺らぐ。

ガロを助けた恩人の組織が「バーニッシュ」を人体実験している。
そんな事実を知ることでまっすぐな彼は、その真っ直ぐな気持ちを
信じていた人にぶつける。

そして真実を知る。

正義


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

バーニッシュの出現から30年。
地球の地殻内のマグマは暴走し続けており、このままだと暴走し地球を覆う。
1万人の地球人を救う「宇宙船」はあるものの、動力は「バーニッシュ」たちだ。
バーニッシュたちの犠牲がなければ1万人の地球人しか救えない。
これもまた犠牲という名の正義だ。

キャラクターたちにはそれぞれの「正義」がある。
序盤では「敵」にしかみえなかったバーニッシュが、
中盤には敵には見えず、むしろ主人公側のキャラのほうが敵に見える。
立ち位置の変化をよく描いており、目まぐるしく変化するストーリーが
サクサクと進み、その目まぐるしさを面白さにしている。

1時間50分という尺の長さを感じさせないストーリ展開は
小気味よい。

拘束と覚醒


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

二人の主人公は中盤で拘束される。
一人は信じるものに裏切られ牢屋へ、一人は氷漬けにされる。
なにもできなくなったリオが「覚醒」するシーンは震えるほどだ。

怒れる火龍となり燃やす尽くすリオ。彼はもう決して凍りつかない。
仲間への思い、虐げられた感情を爆発させ街を燃やし尽くす。
龍の姿で街を燃やし尽くす様はぐるぐるとカメラを回しまくり描かれる。
あまりにも大胆なカメラワークは目が回るほどだ。

そんなリオの姿を見てガロは「消そう」とする。
彼の火消し魂は厚く燃え盛り、彼の体に飛びかかる。
二人で殴り合い、互いの気持ちをぶつける。
王道な熱血ストーリーが心地良い。

プロメア


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

終盤、「プロメア」の真実が分かる。
バーニッシュが使う炎の真実、なぜ彼らが炎を扱う人間になったのか。
あっさりと分かる真実はこの作品らしく、そして最終決戦へと挑む。
出てくるのは「超兵器」だ(笑)

二人の主人公が二人で操縦するロボット、あぁ、なんて王道で
なんて期待通りの展開なんだと思うほどに見てる側の期待に答えてくれる。
制作側が「TRIGGERが好きな皆さん、こんな展開好きですよね?」と言ってる、
そして見る側も「はい!大好きです!」と答えてしまう。

「待ってました」と言わんばかりの展開だ。
対峙していた二人の主人公が物語の最後には同じ目的で
同じロボットに乗って戦う。
こんな展開が嫌いな人はそもそもこの作品を見ないだろう(笑)
「TRIGGER」という制作会社に期待している全てがこの作品には詰まっている。

王道で、少し古臭くて、熱くて、まっすぐで、面白い。
これぞ「TRIGGER」という制作会社が約10年で築き上げてきた
「TRIGGER」の世界観を見せつけてくれる。

見た目


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

主人公である「ガロ」は超兵器の見た目が気に入らないという、
それは見てる側も同意見だ(笑)
まん丸でどこか「TRIGGER」らしさを感じない。

だから彼のやる気を出すために見た目が変わる。
そう、これが「求めてる」ロボットデザインだと思うほどの無骨なデザイン、
スマートさなど一切ない。あえてポリゴンっぽさを残したCGによる描写が
まさに「TRIGGER」作品にふさわしいデザインだ。

そして相対する敵もまた無骨だ。
超兵器よりも巨大で腹からは「滅殺開墾ビーム」が飛び出てくる(笑)
くそダサい技名も含めて思わず笑ってしまうほど素晴らしい。

巨大なロボットと超巨大なロボットが超高速で戦う。
殴り合い、引きずり回し、ぶつけ合う。
ドロ臭さすら感じさせる戦闘シーンは「おしゃれ」とは真逆だ。
いちいち技名が文字で出てきて、いちいち説明する。

そう、これでいい。技名を言わない、説明をしないロボットアニメなど粋ではない。
この作品はロボットアニメの粋を追求したと言ってもいい。
ダサくていい、理不尽でいい、勢い任せに描かれる
ロボット同士の戦闘シーンが熱く、粋の極みだ。

決着のシーンの一瞬。組み合い、背中には「大量のつらら」が生えている。
このたった5秒ほどの一瞬のシーンでさえ惚れ惚れしてしまう。

ノリノリな堺雅人


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

敵である「クレイ・フォーサイト」を演じてるのは堺雅人さんだ。
最初は清廉潔白な指導者を演じ、終盤にはまさに敵役なキャラだ。
己の目的のために相対する主人公たちに叫び、謡う。

堺雅人さんのノリノリすぎる演技は本当に素晴らしく、
「クレイ・フォーサイト」というキャラクターの魅力を盛り上げる。
中途半端な演技ではこのキャラの魅力は活かされない。
堺雅人さんの演技があるからこそ、「クレイ・フォーサイト」という敵が
「敵」として最大限源以上の魅力を発揮している。

こんなに真っ直ぐで、こんなに敵らしい敵は久しぶりだ。
敵が魅力だからこそ主人公たちが引き立つ、
主人公だけでは駄目だ、敵も魅力でなければ面白くない。
だからこそ敵も敵として魅力的に描く。

分かってる


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

超兵器での戦闘が終われば冒頭と同じ用にパワードスーツによる戦いだ。
ドリルを片手に地中を突き進む。そして彼らは乗る「敵のロボット」に(笑)
バーニッシュたちの力を集め、火消し魂をたぎらせる。
腕を組み仁王立ちで「名乗り」を上げ、地球に巨大なロボットで降り立り、
見得を切る。

なんで粋なんだろうか。
やや強引なストーリー展開と言えなくもないが、
この強引で勢い任せなストーリー展開が心地よく、
最初から最後まで「分かってる」といいたくなるほど見る側の期待に
期待通りに、いや、期待以上に答えてくれる。

「TRIGGER」という制作会社の作品を好きな人が好きな作品。
この作品はそれを意識して作られてる。
制作側が好きな描写、好きな要素をたっぷり詰め込み、
そんな製作が好きな人が120%楽しめる作品だ。

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総評:これぞTRIGGERだ


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

全体的に見てTheTRIGGERと言わんばかりの作品だった。
怒涛のストーリーと戦闘シーンが目まぐるしく展開され、
そこには熱くたぎるキャラクターたちが存在する。
まっすぐな彼らのまっすぐな正義のぶつかり合いはシンプルでありながら
見てる人の心を熱く、たぎらせてくれる。

名乗りで始まり、見得を切って終わる。
勢い任せに進む粋で乙な歌舞伎を見たような面白さをこの作品で味わう事ができる、
日本だからこその日本の文化を意識した要素と
「ロボットアニメ」の常識を掛け合わせることで生まれたロボットアニメは
まさにみんなが求めていたものだろう。

スマートじゃないロボットデザイン、いちいち技名を叫び、技名が出る。
そんなおしゃれとは真逆でスマートさのかけらもない演出と要素、
だが、ロボットアニメではそれが許される。
こんなときのために用意してたロボットで勢い任せに操縦してぶつかりあう。
それでいい、これでいいんだといいたくなるようなロボットアニメの面白さだ。

余計な設定というのが一切ない。むしろ足りないと感じるぐらいの
粗削りの設定のままストーリーを荒々しく進めている。
突っ込みどころがないわけじゃない、だが、そこに突っ込むのは粋じゃない。
あえて粗削りで無骨で荒々しいこの作品が愛おしく感じる。

設定を練り込んで盛り込んで体裁を整えるわけではない。
完璧に体裁を整えたスマートな最近のロボットアニメとは真逆と言ってもいい。
制作側がとにかくやりたいことをやっている、楽しんで作っている、
好きで作っている。

余計な体裁を整えないからこその熱量がこの作品にはある。
本当に最初か最後まで「熱い」TRIGGERらしい作品だった。

個人的な感想:傾いてる


引用元:(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

昨今ではロボットアニメ衰退論というなにを根拠に言ってるのか
わからないようなことを言う人もいるが、
そんな人にこそこの作品を見せたい。

決してロボットアニメは衰退してない、こんなにも面白い作品が
令和という時代になっても作られてるんだと叫びたくなるほどに、
素晴らしいロボットアニメだ。

欠点を言うなら良くも悪くもこの作品は荒削りだ。
ツッコミどころもある、展開も目まぐるしく忙しい、
ロボットアニメだからこそのお約束を盛り込んでいる。
そのツッコミどころや目まぐるしさお約束をお約束と
受け入れられない人はいるだろう

だが、そんなのは野暮だ。
この作品はTRIGGERが好きな、ロボットアニメが好きな人にこそ見ていただきたい。
そんな貴方のために作られたような作品だ。

コメント

  1. kon より:

    いまさらながら、レビュー見てプロメア観に行ってきました。
    熱い映画でした(・`ω´・)
    一番近くでも山を越えた隣県で、4DX版の最終日だったので
    無理して行ってきましたが、映画も凄いが4DXも凄かった!
    常にガンガン動いて、体の休まる暇が無いぐらい・・・
    臨場感すごすぎて、Blu-ray買おうかと。