「劇場版 マジンガー Z / INFINITY」レビュー

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映画
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評価 ★★★★★(87点) 全95分

あらすじ つてスーパーロボットのマジンガーZを操り、悪の科学者Dr.ヘル率いる地下帝国の野望から人類を救った兜甲児は、あれから10年がたち引用- Wikipedia

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正義と悪の在り方、これがマジンガーZだ!

本作品はマジンガーZの劇場アニメ化作品。
テレビアニメから10年後の世界を舞台にマジンガーZの新たな戦いが描かれる。

忘れかけてた熱き魂


引用元:(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

冒頭から期待感しか無い。
声たからかに技名を叫びながら大量の機械獣をなぎ倒していく。
「シャキーン!」という効果音は超合金Zで出来ていることを感じさせ、
放送から50年近く経っても色褪せない「マジンガーZ」というロボットの
デザインの良さと魅力をひしひしと感じさせてくれる。

技名を叫ぶ度にワクワクさせられ、動く度に心踊る。
そしてオープニングが流れる。
もう待ってましたと言わんばかりの「アニキ」の声だ。

「空にそびえる鉄の城、スーパーロボットマジンガーZ」

誰しも1度は聞いたことのあるあの曲を5

0年という月日が経って聞いても
震えるほどに心に響き渡る。忘れかけてた昭和の熱き鋼の魂、
あの頃見ていた子どもたちがいい大人になっても、
また「ワクワク」させてくれる、そんな冒頭は本当に素晴らしく、
懐かしさと期待感でニヤニヤしっぱなしだ。

そんな中で富士山の地中深くに巨大なマジンガーZに似たものが発見され、
更には中から裸の女性が現れるところから物語が始まる。
裸な女性なところは永井豪イズムを強く感じさせるところだ(笑)

変化


引用元:(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

作中では10年のときが経過しており、
メインキャラクターたちはそれぞれ変化している。
マジンガーZは博物館に飾られ、兜甲児は祖父や父と同じ用に科学者の道へ。
剣鉄也は軍に入り、炎ジュンは妊娠中。
弓さやかは兜甲児と付き合ってはいるものの倦怠期。

そんなメインキャラクターの変化は10年の月日をしっかりと感じさせ、
その変化をマジンガーZという作品を楽しんできた人にとっては
その変化もしっかりと楽しめる。

マジンガーZという作品を詳しく知らない人はナンノコッチャという感じだろう。
ただ、この作品は王道であるがゆえに話自体た非常にわかりやすく、
「なんとなく」マジンガーZという作品を知っている方でも
ある程度問題なく、この作品を見ることができる。

1度は倒したはずのかつての敵がなぜか生き返り、彼らの前に現れる。
かつての宿敵が蘇るというある意味で王道パターンを
この作品はしっかりと見せてくれる。
彼らはなぜ蘇ったのか、大量の機械獣をどうするのか。
王道であるがゆえに話しの盛り上げ方が真っ直ぐで面白い。

ドクター・ヘル


引用元:(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

現役を退き、軍属ですら無い兜甲児が再びマジンガーZに乗る。
1度は戦いを退いた主人公がもう1度戦いに赴く、彼は希望だ。
幾度も幾度も戦い、何年もたった彼ではあるが、
希望であるからこそ彼は戦う運命にある。
なんて王道なんだろう、この王道さだけで涙腺を刺激されてしまう。

大量の機械獣を対処するために量産型マジンガーで挑む。
だが巨大な謎の兵器の量産型マジンガーはいとも簡単に倒される、
それは同じ量産型マジンガーにのる「兜甲児」も同じだ。
あまりにも巨大で強大な敵は象にアリが挑むようなものだ。

あまりにも絶望的な状況に「ドクター・ヘル」も復活する。
最近では勧善懲悪の作品は少ない。
人類の敵は人類だったり、正義が必ずしも正義とは限らな無い。

だが「ドクター・ヘル」は違う。悪だ。
人類を支配せんとする彼は「多様性」こそ人類の弱点だと言い放つ。
清々しいまでの悪、清々しいまでの敵、
ブレることのない「圧倒的存在感」が「ドクター・ヘル」という悪役を
際立たせる

多様性という価値観を許容できるほど人類は賢くなく、
ドクターヘルが居なくなれば結局、人類同士で争うだけだと。
悪が滅んでも争いはなくならなかった。

だからこそドクターヘルは世界を愚かな人類を滅ぼし、
新たな世界を作ろうとしている。
「悪」という価値観を清々しいまでに貫き通している。
悪役がなぜ世界征服を目論んでるのか。その答えがこの作品では描かれている。

純粋で最も強い好奇心。

世界か個人か


引用元:(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

「兜甲児」は世界のために戦ってきた男だ。
世界が崩壊し滅亡するかもしれないという状況の中で、
個人の幸せを選ぶなら愛する人のそばにいて、最後の時まで一緒に過ごすはずだ。
だが「兜甲児」はヒーローだ。そういう宿命に生まれてしまい、
彼自身もその自身の「サガ」に逆らうことが出来ない。

例え戦いを退いても、いざ戦いに赴けば高揚する。
「神か悪魔か」
彼が扱ってきた力は神にも悪魔にもなれる。だからこそ彼の意思が重要だ。
彼という正義が、彼というヒーローが乗ってこそマジンガーZは正義の力を
秘めた無敵のロボットになる。

「兜甲児」という男は個人の幸せより世界の幸せを願う。
そういう男だからこそ、彼はたとえ可能性の低い勝ち目のない戦いでも挑む。
同じ志を持つかつての仲間とともに。

「これがマジンガー最後の出撃になる」

彼の言葉は胸を震わせ、涙すら誘わられる。

「パイルダーオン!」

大人になって聞く彼のこの叫びにまさか泣かされるとは思わなかった。
ヒーローが正義を貫き世界の平和のために命がけて愛機に乗り込む。
描かれてることはシンプルかつ真っすぐで王道だ。
だが、そのシンプルで真っ直ぐなストーリーをこの作品はきちんと盛り上げ、
丁寧に描写するからこそ熱くたぎる。

戦闘シーン


引用元:(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

バックには「主題歌」が流れる中、彼は戦う。
大量の機械獣相手にありとあらゆる技を叫び、撃ち放ち、切り裂く。
マジンガーZの技のデパートを全て見せてくれるような遠慮なしの描写だ。
3DCGで描かれてはいるもののしっかりと重みを感じる演出と、
迫力のある技の数々は見ているだけで楽しい、見ているだけでニヤついてしまう。

昭和のロボットの泥臭い戦い。
それが平成になり高速で縦横無尽に暴れまわる。
技名を叫び、動き回るマジンガーZが本当にかっこいい。
この戦闘シーンを見ているときの自分は大人じゃない。子供の頃の自分だ。
舐め回すようなカメラワークに画面に思わず近づいて前のめりになって見てしまう。

マジンガーZの昭和らしい「コミカル」なシーンも有り、
そのコミカルさがたまらない。

正義と悪


引用元:(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

悪は正義を勧誘する。
「昔のお前はもっと自由であさはかだった、人類にいい加減愛想を尽かせ」
ドクターヘルが居なくなった世界でも争いがなくならないことを
ドクターヘルは正義である「兜甲児」に語りかける。
だが「兜甲児」は一切ぶれない。正義は迷わない。
迷ってはいけない。だからこそぶれない。仲間とともに彼は悪へと立ち向かう。

「この世は存在に値するのか」
絶対的な悪であるドクターヘルの問いだ。
そんな問いに彼はまっすぐと答える

「くそったれでロクでもないこともたくさんあるけれど、
 それでもそれでも、俺はこの世界を肯定する」

この世界を守ってきた絶対的な正義である「兜甲児」だからこその言葉だ。
絶対的な悪に、絶対的な正義で挑む。世界中の「光子力エネルギー」を集める。
正義は一人でなし得ない。「兜甲児」が肯定した世界が「兜甲児」に力を送る。
すべての人が「兜甲児」の力になる。
絶対的な悪が否定した人類が絶対的な悪に挑む力になる。

なんて王道なんだろうか、なんて燃える展開なんだろうか。
世界中に力を「兜甲児」に集めて、
「兜甲児」がそれを「ロケットパンチ」として悪にぶつける。

「この世は生きるに値するものだと強く実感した、また会おう」
それは可能性だ。それは未来だ。
兜甲児が世界を守ったからこそ、世界に可能性と未来が生まれる。

彼の最後の言葉とヒロインの行動は「The昭和」だ。だがそれでいい。
最後のシーンの「手」だけ映し出される二人とマジンガーZの姿が
心に強く刻み込まれる。
マジンガーZここにあり、「兜甲児」ここにありと。

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総評:これがマジンガーZだ!


引用元:(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

全体的に素晴らしい作品だ。
マジンガーZという昭和の作品をあえて30年たった今、続編として描く。
マジンガーZという作品が王道な作品だからこそ
マジンガーZという作品を見ていなくても問題なく見始めることができ、
マジンガーZという勧善懲悪な作品の中で正義と悪を描く。

なぜ正義が正義なのか、なぜ悪が悪なのか。
正義と悪の在り方と意義をマジンガーZという作品の中で描き、
そこにまっすぐな「兜甲児」というヒーローの行動や言動に心うたれ、
マジンガーZのかっこよさに心を震わされ、
最後の主人公とヒロインの姿に涙腺を刺激される。

本当に真っ直ぐな作品だ。だが、そんな真っ直ぐな作品だからこそ、
昭和の勧善懲悪な作品だからこそのキャラクター描写とストーリーが心地よく、
正義が正義らしく、悪が悪らしい。
最近の作品では悪もまた正義であることが多い中で、この作品の悪は悪だ。

なぜ悪いやつが世界征服を目論んでるのか。
なぜヒーローは自分を犠牲にしてまで世界を守るのか。
そんなある種、勧善懲悪が抱えていた疑問の答えも描写している。

本当に素晴らしい作品だ。
マジンガーZという作品を知っている人は懐かしさと彼らの変化も楽しめるが、
マジンガーZという作品を知らない人でも問題なく、
この作品の熱血なストーリーに心震わされるはずだ。

欠点を言うならやや綺麗すぎるCGや、なぜかエンディングが吉川晃司で
雰囲気ぶち壊しで邪魔でしかなかったという点だ。
せっかく本編は完璧なのになぜエンディングが吉川晃司なのか。

最後の最後でケチを付けられた感は否めないものの、
ロボットアニメが好きならば、正義のヒーローが好きならば、
マジンガーZが好きならば是非見てほしい作品だ。

個人的な感想:これがマジンガーZだ!


引用元:(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会

見る前は正直ココまで熱くなれる作品だとは思わなかった。
ある程度、TVアニメを見てて好きな人に向けたファン向けの作品であり、
強烈な駄作でも名作でもない、無難な作品かなーとしか思っておらず
見だしたらこのとおりだ(笑)

ファン向けの要素があることは否めないものの、
そこが気にならないほど「勧善懲悪なロボットアニメ」としての
ストーリーと描写の仕方が本当に素晴らしく、
パイルダーオンでわくわくし、ロケットパンチに燃えたぎる。

子供心を刺激され、正義の味方である「兜甲児」を応援してしまう自分が居た。
頑張れマジンガーZ、頑張れ兜甲児。
そんな自分の中の忘れかけた純粋な正義への憧れ、ヒーローに対する思いが
もう1度呼び起こされたような作品だった。

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