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「最強陰陽師の異世界転生記」レビュー

2.0
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評価 ★★☆☆☆(33点) 全13話
https://www.youtube.com/watch?v=klj-p3GT7ho

あらすじ かつて朝廷に仕え、天才と称された陰陽師・玖峨晴嘉は信じていた朝廷からの裏切りにあい、非業の死を遂げた引用- Wikipedia

置換なろう

原作は小説家になろうで連載中のライトノベル作品。
監督は長山延好、制作はスタジオブラン

1話冒頭から和風な雰囲気で物語が展開される。
力を追い求めた主人公だったが、裏切りにあい命を失うものの、
死ぬ寸前に転生の呪を使ったことで異世界で転生する。
物語の始まり時点は新鮮な印象を受ける作品だ。

基本的にいわゆる「なろう」作品は現代日本の若者が
なぜか異世界に転生されてチート能力を神様などに付与されて..という
猫も杓子も同じような始まりだが、
この作品の場合、主人公は転生前から最強に近い力を持っている。
彼はその力を持ったまま異世界に転生する。

特別な主人公が特別のまま転生する。
特別ではない主人公が特別な存在で転生や転移をすると言うかたちではない
物語の始まりはやや新鮮味があり、式神や呪いという
他のなろう系作品ではあまり見かけない要素があるからこそ、
なにか新しいものを魅せてくれるのではないか?という期待感がある。

虐げられる

主人公は典型的ななろうファンタジー異世界において
「魔力」の存在しない無能な存在だ。それゆえに彼の兄は主人公を虐げる。
自身に魔法の才があるからこそ、魔法の才能がない主人公をいじめている。
どこかで見た構図だ(苦笑)

物語の導入自体は新鮮味と独創性を感じるのだが、
始まって10分もたたないうちにその新鮮味と独創性は消え失せる。
主人公は前世では力を求め、力をみせびらかしすぎたために裏切られている。
それゆえに今生では「狡猾に」生きよううとしている。

だが、そんな考えのはずなのに家族の前でいきなり自分の力を見せつける。
「青いファイアーボール!?無詠唱だと!?」
いつものなろうだ。
この世界における魔法ではない、存在も知られておらず知識も知られていない
主人公だけが使える「陰陽道」の力を使いイキる。

この作品は言葉を「置換」しているだけだ。
いつものチート能力を「陰陽道」の力に置き換えて、
魔法の数々を陰陽道の呪いや技の数々に置き換えてるにすぎず、
1話の10分もすぎればいつものなろう的な展開だ。

「式神」という存在は独創性があるように見えるが、
他のなろうにおける「召喚獣」や「使い魔」と同じだ。
他のなろうと同じく「奴隷」な立場にいるヒロインもおり、
話が進めば進むほどテンプレート的ななろう要素が顔を出し始める。

1話では主人公の子供時代が描かれており、
めかけの子供という弱い立場の主人公が「ヤラセ行為」で
自らが済む屋敷をモンスターに襲わせて自分の実力を認めさせる。
狡猾そのものではあるものの、イキる主人公にかっこよさを感じずに、
淡々と物語を見つめてしまう。

決闘、試験

2話以降もテンプレ通りの展開が描かれる。
主人公を舐めている兄と決闘をし、学園に入るための試験でイキる。
もう似たような展開どころかそのまんまの展開を
数々のなろう作品で見続けてきた、常にデジャヴュが起きるような作品だ。

前世では力を見せびらかしすぎて力のない一般人の策略で殺されたからこそ、
腹黒く狡猾に「大多数の弱い人間」として今生では生きる。
それをしょっちゅういうのだが、そういうふうには一切見えない
行動しかしていない。

テンプレート的な展開の数々はいい意味でも悪い意味でも
予想を裏切らないストーリーだ。
よく言えば王道、悪く言えばベタというカンジダ。

和歌

3話で謎のモンスターがいきなり現れて
主人公が一人で倒すという展開がある。
展開自体は毒にも薬にもならないのだが、
1つだけ、この作品の最大の特徴とも言える要素がある。

「くもりなき 夜半の空こそ さみしけれ 呪いしくろき 雲のけぬれは」

和歌である。
闇夜に紛れて主人公が登場する際になぜか和歌を詠む。
意味がわからない(笑)

作品として他作品と差別化するための陰陽師要素が
この作品の特徴でもあるが、3話の時点で確かにそれは
他のなろうの要素の言葉を置き換えただけにすぎず、
ほとんど機能していなかった。

だからこそ「和歌」という特徴を出したのかもしれない。
これで1話から主人公が和歌を詠む癖があるみたいな
特徴がアレばまだ納得できるのだが、
3話でいきなり和歌を詠むため不意打ちのように笑ってしまう。

和歌の解説となぜその和歌を読んだのかを解説してくれるのだが、
和歌をいきなり読んだ衝撃のせいでまるで頭に入らない。
これである種の決めセリフとして和歌がお約束になるなら分かるが、
3話以降まるで無い。

終盤になるまで和歌の要素がないせいで、余計に
「3話の和歌はなんだったんだ…?」となってしまう謎要素だ。
ちなみに3話では登場だけでなく、戦闘中も和歌の返歌を詠む。
とってつけたような和歌が妙に印象に残ってしまう。

これで4話以降も和歌まみれならば、
ある種のB級アニメ的な面白さが生まれたかもしれないが、
残念ながら3話と話しかない。
数々のなろう作品でマヨネーズでイキってた主人公も居たが、
和歌はなかなか構成的な要素だっただけにそれを活かしきれていないのは残念だ。

テンプレ

そんな和歌の衝撃のあとは、またテンプレが続く。
ダンジョン攻略、対人の大会etc….
本当に教科書通りの展開しかこの作品は見せてくれない。
話が進むとヒロインも増えていくが、増えたからといって
この作品が劇的に面白くなるわけでもない。

ヒロインは奴隷、ツンデレ娘、クール系美少女と
これまたテンプレ的なヒロイン属性のキャラでしかなく、
どこかで見たことのあるようなヒロインだ。
この作品だからこその可愛いヒロインと言う感じでもない。
普遍的なヒロインだ。

一応、ヒロインの一人が勇者と言われるものになりそうな存在であり、
そんな存在を狙って魔族が襲ってきたりするものの、
主人公がドヤ顔でやっつけて終わる。
勇者という存在や魔族という存在もふわっとしており、
なぜ帝国と魔族が争ってるのかというのもいまいちはっきりとしない。

展開自体は異様に早く、あっというまに1年や2年が経つ。
その間に色々ありそうなものだが、そんなの関係ねぇといわんばかりに
テンプレ展開とともに時間だけが過ぎていく。

展開自体は早いが、内容自体は薄い。
先の展開があまり気にならず、盛り上がる展開もなく
淡々と物語が進んでしまう。

唯一引っかかったところといえば
名前も知らぬキャラを「鈴木達央」さんが演じて
あっさりと退場していったところくらいだ(笑)
彼のことは密かに応援しているだけに出てきたときは
ややテンションが上った

えぐい

序盤から主人公の片腕がぶっとんだり、
主人公が容赦なく人を殺したり、
大会中に対戦相手を平気で殺すようなキャラが居たりと、
血液描写はかなり多い。

人間側と魔族側が争っており、魔族は平気で人間を殺すような
存在なのかもしれないが、魔族側にも人間のスパイがいたり、
逆に人間側にも魔族のスパイが居たりしたりもする。

人間側も人間側で勇者を守るために勇者の影武者をたて、
影武者を殺すことで勇者が死んだように見せかけるなど、
わりと「えぐい」ことをやっており、
ヒロインの一人の兄は脳を改造されて感情を消されたあげく
最後には死ぬような展開もある。

序盤から中盤まではテンプレ展開だが、
中盤から地味にえぐい要素が顔を出し始める。
ヒロインの一人の兄も主人公は「死者蘇生」の術を使えるにも限らず、
「一般人」であるために使わない(苦笑)

女性は助けるが男性は助けない。
ある意味で清々しいなろう系主人公だ。

序盤で当て馬でしかなかった主人公の兄だが、
終盤、そんな兄が成長して帰ってくる。
正確にそこまで大きく変化はないものの、
「軍人」として彼も成長しているのは以外な要素だ。
ただの当て馬で終わらず、ただの使い捨てキャラで終わらない。

ただ各ヒロインの扱いは雑だ。
彼女らとの出会い、ストーリーが終わるとメインキャラというよりは
サブキャラくらいの立ち位置になっており、
彼女たちの活躍や目立つシーンがメイン回以外はほぼない。
あくまでも主人公のお飾りになってしまっている。

終盤になると皇女殿下や、魔族側のキャラが多く登場するが、
新キャラが登場すると主人公以外の既存のキャラの存在感が薄れる。
多すぎるキャラクターを使いこなせてない印象だ。

和歌キタァー!!!

終盤になると強敵の魔族がやってくる。
ただ、特に掘り下げがあるわけでもないキャラクターでしかない。
そんな彼らに前にドヤ顔で登場するのが主人公である。

もちろん「和歌」とともに(笑)
長々と和歌の解説をしてまで和歌を詠みたい主人公の
心情は一切できないものの、3話から期待していた和歌が
ようやく12話で出てくるのは待ってましたといわんばかりの展開だ。

戦闘シーン自体も相変わらず主人公の圧勝だ。
特に苦戦することもなく、展開に面白みもない。
戦闘シーンの作画のクォリティはそれなりではあるものの、
目を見張る者はなく、主人公の和歌以外の期待感は薄い。

なにやら主人公は魔王であることが終盤で発覚するのだが、
特に驚きも衝撃もない。
この世界において勇者や魔王は戦争の火種でしかなく、
人間側も魔族側も、勇者も魔王も邪魔な存在でしか無いという
設定はわかるものの、ストーリーは中途半端なところで終わってしまう。

先の展開が気になるか?といえば、一切気にならず、
むしろ主人公の和歌のようが気になってしまう作品だった。

総評:もっと和歌を詠んでくれ!それしかないのだから

全体的に見て、前世から最強の主人公で陰陽師という設定の
斬新さはあるものの、話が進めば進むほどいつものなろうでしかない。
和風な言葉で独創性を出そうとしているのはわかるものの、
ただの言葉の「置換」にしかなっておらず、
ストーリー展開自体はいつものなろうの教科書通りの展開だ。

作画のクォリティはそれなりではあるものの目に見張るものはなく、
ヒロインも話が進めば進むほど増えていくが使いこなしているとはいえず、
終盤で魔族側のキャラなども出るのだが、あっさりと主人公に虐殺される。
主人公の兄の成長と変化など面白い部分はあるのだが、
主人公自身の成長や変化は薄い。

勇者や魔王という存在が疎まれているなど面白そうな要素もあるものの、
そういった要素がでるまえに1期のストーリーが終わってしまっており、
結果的に1クールでは主人公の和歌以外の記憶が残らない作品だ。
あの「和歌」の要素がもっと際立っていれば、
ほぼ毎話のように和歌が出てくれば評価は違ったかもしれないが、
3話と12話しかなかったのは残念なところだ。

結局、言葉を変えているだけでいつものなろうだ。
それ以上でもそれ以下でもないというのは、
利点でもあり、欠点でもある作品なのかもしれない。

個人的な感想:和歌の印象が…

ストーリー的に勇者がどうのこうの、魔族がどうのこうのより、
主人公や他のキャラの活躍よりも、主人公の和歌を期待してしまう。
この作品はそんなアニメだ。
おそらく来週には主人公の名前やストーリーの細かい部分は忘れ、
1年後には和歌以外の記憶は残っていない。

強烈なセクシー要素やコメディ要素もなく、
ストーリー的にも平坦だ。
戦闘シーンで容赦のない主人公の描写があり、
それにともなう若干のグロ描写はあるものの、刺激がかなり薄い。
それゆえに和歌という特異性のあるものが変に目立ってしまっている、
そんな作品だった

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