大人目線で今一度、高校生活を「ReLIFE」レビュー

2017年2月16日

評価★★★★☆(66点)全13話

あらすじ 前職を三ヶ月で退職し求職中の海崎新太。元々大学受験で二浪した上大学院に進学していたため、現在27歳と若くもなく就活は難航する。いわゆるニート状態に陥っていた。これからの生活に悩む新太の前にリライフ研究所の職員を名乗る夜明了が現れる。夜明は「リライフ」、ニートを社会復帰させるとして、新太に『1年間の高校生活を送る実験』に参加することを提案する。
引用 – Wikipedia


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大人目線で今一度、高校生活を

原作はマンガアプリcomioで連載中の漫画作品。
監督は小坂知、制作は トムス・エンタテイメント/だぶるいーぐる。
なお、舞台化と実写映画化が決まっている。

見出して感じるのはコミカルな曲だ。
社会人の主人公は三ヶ月で会社をやめ、再就職先を探しているが、現在は無職。
先行きに不安を抱えているという状況が描かれるのだが、
「ピアノ」によるシンプルなBGMが妙に耳に残り、
1シーン1シーンに不思議な印象を与えている。

そんな中で主人公は「怪しげな実験」に参加する。
実験の内容は非常にシンプルだ、
薬を飲み「高校生の身体」に若返り、高校生活を1年間送る。
簡単に言えば原因も理由もわかっている
「名探偵コナン」状態である(笑)

コナンは謎の組織に謎の薬を打ち込まれたことで身体が小さくなるが、
この作品はきちんとした研究所の被験者として選ばれ、
若返る薬を飲み、1年間の生活費をもらう代わりに、
高校生活を送っている。

コナンのように若返ってしまった部分に関する謎解きは一切なく、
あくまでも
「社会人が若返って高校生活を送ったらどうなる?」という設定を
シンプルに追求しており、SFのようでSFではない。

これで若返ったのが原因不明だったり、
高校生時代にタイムトラベルしてしまったり、
高校生活をミスったら時間が逆行したりすればSFなのだが、
そういった複雑な設定や伏線というものはない。

更に高校生活を1年間送るのは良いが、
よりにもよって高校3年生である(笑)
受験を控えたクラスメイトの中に無職の27歳が若返って紛れ込む、
その状況によるストーリー展開をストレートに描いている。

シンプルであるがゆえに面白い。
主人公自身が学生という意識が薄い序盤は、
「普段吸っているタバコをカバンに入れっぱなし」にしてしまったり、
学生ならば当然のことを忘れてしまっていたりと、
もし自分が同じような状況に置かれてもやってしまいそうなミスを
ギャグとして描いている。

この作品のターゲット層は間違いなく20代後半以降だ。
学生の人が見ても、この作品の面白さはいまいちピンとこないかもしれない。
しかし20代後半の人が見れば確実に、
この作品のストレートな設定による世界観と、
主人公にきっちりと感情移入することで1話から作品に惹き込まれる。

更に明らかに20代後半を狙ったエンディングテーマの数々。
イージュー★ライダー、HOT LIMIT、タイミングetc…
今の10代が聞いたことがないような2000年代の懐かしい曲ばかりを
あえてエンディングテーマに採用することで、より作品への愛着を深める。

物語のテンポも非常によく、小気味よくギャグを織り交ぜてはいるが、
決して過剰ではない演出で「社会人の高校生活」を描いており、
メリハリの有るストーリーがよりひとりひとりのキャラクターに対して、
しっかりとした感情移入をさせている。
特にヒロインの「日代さん」の絶妙な可愛さは個人的にはツボだった(笑)

序盤の段階できっちりとメインキャラの印象がつくからこそ、
中盤からの青春模様もきっちりと楽しめる。
非常にわかりやすい青春ストーリーだ、
しかし、ひとりひとりのキャラの印象がしっかりついてるからこそ、
そのストレートな青春ストーリーを素直に楽しむことができる。

どちらかといえば「少女漫画」で描かれるような人間関係の描写だが、
ドロドロになる一歩手前で、主人公が高校生の青春に割り込んだり、
ヒロインである「日代さん」のキャラクターも相まって、
すっきりとした青春模様に切り替わる。
シリアスな展開が嫌いという人もその一歩手前で留まる感じなので問題ないだろう。

これが高校生だけならばドロドロ青春劇になってしまう。
しかし、「27歳」の大人が居ることで、
客観的にその青春劇が取り返しがつかなくならないように振る舞う。
本来は見ている側が思わずキャラクターに言いたくなるセリフを、
主人公が代弁し、キャラに伝えている。
だからこそストレスが貯まらず、見れば見るほど作品への愛着が強まる。

物語後半からは設定を活かしたストーリーも垣間見える。
ストーリーが進んでもReLifeの基本的な設定は変わらないし、
追加されることはない。

若返り1年間高校生活を送るが、自分がリライフを行っていることは
他人には喋ってはいけない。
そして1年後に自分の存在の記憶はクラスメイトから消される。

この条件は物語の序盤から主人公=視聴者に提示されているが、
ある意味裏をかいたストーリーだ。
SF設定っぽくありながらSFではない、あくまで主人公が行っているリライフは
「リライフ研究所」が行っているニートを対象とした社会復帰プログラムだ。
そして被験者は必ずしも「主人公だけ」ではない(笑)

それが分かることで物語の面白さが更に増し、
最終話で「衝撃的な事実」が分かることで、
より、この作品にハマってしまい、続きが見たいと思ってしまう。
残念ながら原作がまだつづづいているため俺達のリライフはこれからだ!で
終わってしまっているが、1話から最終話までこの作品にすっかりとハマってしまう
面白さがある作品だった。

全体的に見て設定の活かし方が非常にうまい作品だ。
主人公が若返る&学生生活をもう1度味わうというような作品は他にもあるが、
この作品はその設定をシンプルに活かしつつも、
シンプルに大人が高校生活をもう1度味わったらどうなるか?という
客観的な視点で、その客観的視点を視聴者と主人公に同時に味わわせている。

リライフ研究所じゃないが、本当に実験のようなアニメだ。
予め決められた条件と材料以外の組み合わせ以上のことはせずに、
実験結果をゆっくりと見ているような感覚だ。
「後付」的な設定がないからこそ納得してストーリーを楽しむことができ、
きちんとキャラクターの行く末を見守りたくなる。

20代以上じゃないと主人公に対して共感しづらい部分もあるかもしれない。
この作品は主人公とシンクロすることでより面白さが深まる部分があり、
そのシンクロ率によって作品へのハマリ具合は違うだろう。
私はがっつりとハマってしまった(笑)

欠点を言うならば後半やや作画の不安定さが目立ったこと、
特に最終話布巾の作画は手抜きがかなり目立ったのは残念だ。
内容的にも20代~30代前半をピンポイントにターゲットにしているため、
10代や30代後半以降の人は面白さが伝わりづらいかもしれない。

個人的には序盤の段階で「日代さん」の何とも言えない可愛さにやられ、
中盤やや部活関係のこざこざに飽きかけたものの、
終盤の甘酸っぱい恋愛模様を主人公とともにニヤニヤと
見つめてしまう作品だった。

最終話まで見てしまうと確実に2期か続きが見たくなるが、
残念なことに売上が500枚以下、
原作の連載が「アプリ」ということを考えると、
この作品の最終話を見た人はアプリをインストールしているかもしれない。

原作の売り上げ、もしくはアプリのインストール数の伸び次第で
2期があるかもしれないが、原作のストックもあまりないようで
早い段階での2期がなさそうなのが残念だ。

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