サスペンス

京都人もびっくりな薄味ディナー 「謎解きはディナーのあとで」レビュー

謎解きはディナーのあとで サスペンス
画像引用元:©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会
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評価 ★★☆☆☆(20点) 全12話

TVアニメ『謎解きはディナーのあとで』第1弾PV│全国フジテレビ系“ノイタミナ”にて4月4日(金)より毎週金曜23時30分から放送開始

あらすじ 国立署に勤める新米刑事・宝生麗子は、実は世界的な大企業“宝生グループ”の御令嬢。この事実は警察の上層部でも一部のみが知る秘密だ。 引用- Wikipedia

京都人もびっくりな薄味ディナー

声優だよりなガバガバミステリー「謎解きはディナーのあとで」アニメレビュー

京都人もびっくりな薄味ディナー

原作は小説な本作品。
監督は増原光幸、制作はマッドハウス。
2011年に実写ドラマ化もされている。

お嬢様

この作品の主人公は「お嬢様」だ。
世界的な企業グループのご令嬢、そんなお嬢様は親の跡を継がずに、
そんな身分を隠して「警察官」になっている。
主人公は父親の代わりにとあるパーティーに参加し、
かつての友人たちと再会するというところから物語が始まる。

パーティーの最中で傷害事件が起こり、
主人公の友人たちが着ていた「赤いドレス」の女が犯人であるという
被害者の証言が手がかりとなる。

1話からコミカルなキャラクター描写が目立つ。
お嬢様な主人公がお嬢様であることを隠して警察官になり、
そんな主人公の上司である風祭はテンションが高く
白いスーツなんて着込んでいる。

風祭警部は素っ頓狂な推理を披露する。
そんな推理の中で加害者がプロポーズされたりと
スピーディーな展開が繰り広げられる。

時間もない中で焦る主人公のもとに執事がやってきて。
正直にいい放つ。

「お嬢様はアホでいらっしゃいますか?」

この作品を象徴するかのようなセリフだ。
そう、主人公と彼女の上司はこの執事を際立たせるために
わざと「アホ」なキャラクターになっている。

無駄にハイテンションで間違った推理ばかりを披露し、
そこに優秀でキレる執事がやってきて全て解決する。
それがこの作品のテンプレートだ。

ガバガバ

この作品、1話の時点からミステリーとしての面白みはない。
そもそも殺人事件ですら無い傷害事件、トリックと呼べるものなど
ないような事件であり、
1話の時点で「犯人」と呼べる人物が想像できてしまう。
そんなしょうもない事件を2話まで引き伸ばす。テンポすら悪い。

ほぼ毎話そんな調子で次の話まで事件を引っ張る
ストーリー構成になっており、歯切れが悪い。
毎回、ミステリーとしての面白さは薄く、
主人公と「風祭警部」のドタバタコメディが主体になっており、
そのコメディのオチとして執事がツッコミ、事件が終わる。

序盤の段階でそれがテンプレになっており、
「キャラクター」ありきの作品だ。
ミステリーとしての面白さは弱い。

ミステリーとしては不親切であり、
重要な証拠がほぼ一瞬しか映らなかったりすることも多く、
特に謎が面白いミステリー、事件でもないのに
証拠をきちんと見せない不親切さもあってミステリーとして
楽しむのを序盤で諦めてしまう。

特に5話と6話の事件はひどく、とある配達員が死亡する事件が起きる。
その配達員はとあるVTuberのファンだ。
配達員とVTuberが揉めている情報を掴み、VTuberが犯人ではないかと推理する。
だが、真犯人は唐突にでてきた別の配達員だ。
それまで一切登場していない人物が犯人というのはミステリーとして
あまりにも不出来だ。

なにもない

かといってドタバタコメディが面白いのかと言われるとそうでもなく、
ただただテンションが高いだけで空回りしており、
主人公を演ずる花澤香菜さんや風祭警部を演ずる宮野真守さんの
「演技」に頼りすぎてしまっており、それが序盤の段階で透けて見える。

いろいろな事件を解決する、それ以上でもそれ以下でもなく、
1話からやってることは殆ど変わらない。
警察なお嬢様な主人公がテンション高めの上司と素っ頓狂な推理をし、
そんな推理で事件が行き詰まる中で執事である影山が事件を解決する。
最終話までそれは変わらない。

というか、それ以外無い。
主人公と上司、もしくは執事との恋愛要素もなければ、
主人公が刑事をやらないといけない龍もなければ、
メインストーリーになるような復讐劇などもない。

なにもない。
特にキャラクター同士の関係性が変化したりするわけでもないので、
別に3話辺りまで見て4話から11話をすっ飛ばしたところで、
とくに問題がないストーリーになっている。それ故に飽きる。

いろいろな事件が起こり、VTuberなどいまどきの要素が絡む
事件などはあるものの、ミステリーとしての面白さがこの作品はそもそも薄く、
「キャラ」を楽しむしか無いのだが、そのキャラに変化がない。

総評:ディナーがそうめんレベル

全体的に見て微妙な作品だ。
ミステリーに関してはガバガバであり、容疑者が後出しだったり、
証拠を一瞬しか画面に映さなかったり、推理するという
面白さを味わえるわけでもなく、1つ1つの事件も大したことがない。

お嬢様だけど警察な主人公と、そんな主人公の頓珍漢な上司の
ハイテンションなずれた捜査とそんな捜査に突っ込むクールな執事、
この3人のキャラクターを楽しむのはわかるものの、
序盤でマンネリしており、その3人の関係性に
なにか変化があるわけでもない。

花澤香菜、宮野真守、梶裕貴。
メインキャラの3人を演ずる3人の声優さんの演技だよりに
なりすぎている部分が強く、アニメーションのクォリティは低い。
基本会話劇であり激しい戦闘シーンがあるような作品ではないが、
そんな会話劇を盛り上がるような演出があるわけでもない。

ノイタミナはドラマ的な作品をやるアニメ枠であり、
過去に実写ドラマ化された作品をアニメ化するというのは
試みとしては理解できるが、これならばドラマでいいとなってしまう。
アニメだからこその良さも感じず、ドラマCDでも問題ないレベルの
作品は残念でしかなかった。

個人的な感想:もともと

この作品、本屋大賞かなにかに選ばれたときに
読んだことがあるのだが、原作小説の時点で余り私は受け付けず、
実写ドラマもちらっと見た記憶があるのだが、
原作より楽しめるかなーという印象を受ける作品だった。

そういった意味でも原作から私とは相性が悪く、
そんな原作のアニメが合わないのも納得だったかもしれない。
ただ、フジテレビは今、色々と問題を抱えているが、
ノイタミナには頑張ってほしいところだ。

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