今年の夏アニメも話題なものが多く、盛り上がってる中ですが、
当サイトではあえてそんな話題とは真逆、
10年前の夏アニメを振り返っていこうと思います。
2015年夏アニメ
今から10年前の2015年夏アニメですが、
作品数としては「51作品」ありました。
15年前の2010年夏アニメは「19作品」だったことを考えると、
たった5年で3倍近く作品数が増えていることになります。
その変化も感じるようなラインナップ、
振り返ってみると非常に楽しい作品ばかりでした。
干物妹!うまるちゃん

UMIR!UMR!なOPでおなじみのうまるちゃん。
OPを今も覚えている人は多いのではないでしょうか。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花、
寝転べば干物、這いずる姿はハムスターでおなじみの
うまるちゃんを主人公とした日常アニメでした。
外面はいいけれども、家ではダメ人間なうまるちゃんが
兄に甘えつつ、そんな兄に好意をいだくヒロインもでてきて、
ラブコメ要素もありつつなワチャワチャな日常アニメとして
大ヒットした作品でした。
2期まで制作され、今見ても楽しめる作品の1つです
わかば*ガール

うまるちゃんもそうですが、まだまだ日常アニメも元気な頃。
この作品もまたそんな日常アニメの1つです。
お金持ちのお嬢様である主人公は頭の悪さからお嬢様学校ではなく
普通の高校に入学することになります。
1話5分のショートアニメでありながら、
テンポの強烈な速さもなく、詰め込み過ぎていないのに
メインキャラクターの魅力が大爆発している作品です。
お嬢様な主人公という特徴を活かした日常もので
ひねりは甘いのですが、ショートアニメらしく
サクッと見れる作品です。
モンスター娘のいる日常

日常とはついているものの、こちらは日常アニメではなく、
「セクシー」なアニメでした。
しかも、でてくる女の子は「モンスター」という名の異種族。
「上半身部分」は人間で下半身部分が蛇だったり、馬だったり、
人間とはいえないヒロインがメインの作品でフェチズムを感じる作品でした。
よくあるセクシーなラブコメではあるのですが、
ヒロインが人外だからこその特殊さがあり、
そんなヒロインに対して主人公は人間であり、
とある事情で彼女たちに手を出すことはできません。
それなのにヒロインたちはガンガン迫ってくるという
シチュエーションも素晴らしく、
過激なシーンの数々は未だに印象に残っている作品です。
がっこうぐらし

日常アニメブームが流行していることを利用した
と言っても過言ではない作品でした。
1話では帰宅しない部活に入っている主人公の
幸せそうな学校生活が描かれます。
しかし、その様子はあくまで主人公が見ている世界。
実際は「やつら」という名のゾンビがはびこった世界でした。
そんな1話詐欺のようなギャップは話題性を呼び、
多くの人の心を掴んだ作品でした。
アニメは残念ながら1期だけしか制作されていませんが、
後に実写化もされ、原作は完結しています。
1期を見て原作で最終話まで読むという
見方もありかもしれません。
監獄学園

日本流のプリズンブレイクと名高い(?)本作品。
女子が99%な学校で1%な男子たちが風呂を覗こうとして
学園内の監獄へと閉じ込められてしまいます(笑)
非常に濃ゆいキャラクターデザインなのですが、
そのキャラデザの濃ゆさと内容のバカバカしさが
素晴らしいギャップを生んでおり、監獄に入れられ
強制労働を強いられ、生徒会メンバーからお仕置きを受ける日々が描かれています。
セクシーなアニメではあるのですが、同時にくだらなさと
バカバカしさも大爆発している作品であり、
くだらない理由で監獄に入り、くだらない理由で脱獄を計画します。
全く予想できない展開と声優さんの演技、
濃ゆい作画が1度見ると忘れられない作品に仕上がっています。
オーバーロード

このあたりから、いわゆる「なろう系」というジャンルが流行りだしました。
この作品もまさにそんななろう系の1つであり、
プレイしていたゲームのサービス終了の日に立ち会った主人公、
そんな主人公はなぜかゲームの姿のまま異世界へと転移してしまいます。
主人公が作り出したNPCも同時に異世界へ転移します。
右も左もわからない、その中で広大な異世界を探索していく。
これはどこかオープンワールドゲームをやっているような感覚です。
主人公の強さは異世界において最強に近いものがあるのですが、
それでも「脅威」が存在することで俺つえーなチートでは終わりません。
あくまでも主人公を慕うNPCたちもゲーム内のキャラクターである
「アインズ」を慕っており、現実の主人公ではありません。
だからこそ「ロールプレイ」を強いられているというところも面白く、
今もなお続くシリーズになっているのも納得の作品です。
GATE

この作品も同じくなろう系でした。
異世界へのゲートが開き、そんなゲートを
「自衛隊」がくぐり、異世界を捜査する。
2025年現在、様々ななろう系アニメがありますが、
この作品はなかなかに異色です。
あくまでも主人公たちは自衛隊、特殊な能力があるわけでも
魔法が使えるようになるわけでもありません。
異世界のモンスターが出てきたら自衛隊の装備で立ち向かわなければなりません。
ドラゴン相手に銃とロケットランチャーで挑むのは
今もなおこの作品くらいであり、独創性の強い作品でした。
終盤になると異世界の住人がこちら側にやってきて
証人喚問を受けたりと、
2クールガッツリとした面白さのある作品でした。
乱歩奇譚 Game of Laplace

この作品、かつての読書少年にはたまらない作品でした。
あのノイタミナで「江戸川乱歩」を原案にしたアニメをやる、
これだけで気になってしまった人にはぜひ見ていただきたい作品です。
主人公であるコバヤシ少年の目からは他人が影のように見えてしまっています。
彼が認識することで、物語の登場人物として
視聴者も認識できるようになる。彼はどこか狂っています。
目の前に残酷な死体があっても、彼は笑顔です。
壊れた少年の目線で描かれる新たな江戸川乱歩の物語の解釈は
素晴らしいものがありました。
序盤から中盤は素晴らしいのですが、中盤からはやや
好みが分かれる展開になっているところがもったいなくはありますが、
江戸川乱歩が好きならばぜひ御覧いただきたい作品です。
六花の勇者

この作品、一言で言えば「人狼ゲーム」をやってる作品です。
何百年に1度、魔神が復活する世界で、6人の勇者がその都度選ばれます。
しかし、集まったのは7人。
勇者たちは魔神が封じられてる場所の手前の森で閉じ込められてしまい、
疑心暗鬼にかられていきます。
ファンタジーでありながらミステリーという趣は面白く、
魔法がトリックにも絡んでくるミステリーは斬新ではありました。
原作1巻を1クールで丁寧にアニメ化しており、
この空気感や雰囲気がきになった人は楽しめる作品です。
その一方でラストでどんでん返しのような展開が起こり、
2期を匂わせつつも、未だに2期が作られていない作品でもあります。
下ネタという概念が存在しない退屈な世界

2025年夏アニメには「ぬきたし」という作品が話題沸騰です。
そんな今から10年前には「下セカ」が存在しました。
この作品はタイトル通り、下ネタという概念が存在しない世界の物語です。
すべてのエロが徹底的に排除されて16年。
メインキャラクターたちは16歳であり、裸の写真を見ても
それを「エロいもの」と認識すらできません。
下ネタを言えば処罰されてしまう世界、SFでいえばディストピアです。
そんな世界だからこそ下ネタが日常会話で平気で出てきます(笑)
メインキャラたちが何が卑猥なのかがわからなのに、
見てる側にはそれがとてつもなく卑猥なものであるということがわかる。
このメタ的な見せ方は非常に面白く、同時に性を規制した世界を
きちんと描いている作品でもありました。
粒ぞろいの名作!2015年夏アニメ
10年前のアニメはいかがでしたでしょうか?
個人的に思い入れのある作品が非常に多く、
特にあまり知名度がなく中盤からの展開は好みが分かれますが
「乱歩奇譚」はぜひ見ていただきたい作品の1つです。
今は80作品以上のアニメが毎クール放送されるのが当たり前で
過去のアニメがなかなか注目されることはないのですが、
この機会にぜひ、10年前のアニメをご覧いただくと
1アニメレビューアーとして嬉しい限りです。
最後までお読みいただきありがとうございました。