評価 ★★☆☆☆(25点) 全12話
あらすじ 父の代理で団地の管理人となった青年ヨシダ。
平和な日常と思いきや、そこは「女の変質者」が出没する魔窟だった。 引用- Wikipedia
ショタVS危険人妻
原作はウェブコミック配信サイト『ドラドラしゃーぷ#』などで
連載中の漫画作品。
監督は所俊克、制作はElias。
原作
原作は一応全年齢対象の当サイトでは書きづらい部分があるほどの作品であり、
原作者もその界隈でかなり有名な作品を出している方だ。
原作自体も一応全年齢対象の作品ではあるものの、
過激な内容を含む作品となっており、そんな作品のアニメ化ということで
一部で話題になっていた作品だ。
この手の作品としては2025年に「ぬきたし」という作品がある。
明らかにモラルから逸脱した世界観で、
アブノーマルな描写が頻繁に描かれる作品だったが、
同時にマイノリティな存在とマジョリティな存在がぶつかり合う
ストーリーが見事であり、1話30分1クールのアニメとしてきちんと完成していた。
しかし、本作品は1話5分ほどだ。
製作は僧侶枠などを手掛けるウェイブであり、
規制のないバージョンをAnimeFestaで配信していたりもする。
つまり、実質僧侶枠な作品だ。
この時点で、原作の持つ異常性やシュールさをどこまで描けるのか。
そこが大きなポイントになる作品だった。
管理人
主人公はとある団地の管理人だ。
明らかに小学生男子くらいにしか見えない見た目の、
いわゆる「ショタ」ではあり、そんな「ショタ」な管理人が
とある人妻に「注意」するところから物語が始まる。
この作品の人妻たちはヤバい。
最初に出てくる人妻は少年たちに過剰なスキンシップをしており、
部屋には少年たちの写真が飾られている。
「なぜ少年を部屋に連れ込んではいけないのか」
そんな苛立ちを抱えていた彼女の前に「リビドークロス」という
謎のアイテムが現れる。
リビドークロスをまとった人妻たちは自らのリビドーを解放し、
異常な行動をしてしまうようになる。
もう設定の時点でまともではない。
ショタな管理人、異常な人妻、謎のリビドークロス。
これだけでツッコミどころしかない作品であり、
本来ならその馬鹿馬鹿しさが強烈な笑いにつながるはずだった。
マンネリ
1話からセクシーなシーンはあるものの、お世辞にも作画はよくないうえに、
1話5分だからこそかなり唐突な展開で、ダイジェスト気味だ。
毎話、様々なリビドーを抱える人妻が出てきて、
そんな彼女たちの前にリビドークロスが現れ、異常行動をする。
この繰り返しだ。
3話くらいの時点ですでに「パターン化」からのマンネリが生まれており、
本来原作にあるようなシュールさや異常さが、
1話5分という枠ゆえにダイジェストでさらっと流されてしまっている。
人妻に危険度が設定されていたり、
リビドークロスをまとう人妻に対し、ヤバい人妻が相対し、
戦うというバトルアニメになっていったりと、シュールさが笑いになる作品だ。
その荒唐無稽さやシュールさが、1話5分では出し切れていない。
主人公が警察にいろいろな事件を相談しに行ったら、
「足」でいろいろとされたあげく「催眠」をかけられる展開など、
本来はバカバカしい面白さがあるはずなのだが、
さらっと流されてしまう部分がある。
この作品は、設定を説明するだけで意味不明な面白さがある。
だからこそ、もう少し間や演出に余裕があれば、
ただのセクシー枠ではなく、きちんとした変態ギャグアニメとして
成立していたようにも感じる。
婦人会
中盤になると、変態人妻の中でもさらに凶悪な「婦人会」の面々が出てくるのだが、
このあたりから低予算ではあるものの、原作の異常性があふれ出てきている。
序盤では主人公の敵だった変態人妻。
そんな彼女たちを上回る凶暴な婦人会が現れることで、
人妻同士の苛烈な戦いが描かれる(笑)
そんな変態人妻がひどい目にあうことで、管理人も迷う。
本来はどちらもヤバいやつらで、ヤバいやつら同士が
争っているだけに過ぎないのだが、プレミアムリビドークロスが出てきて、
主人公にも謎の武器が供給されてと、カオスさが極まってくる。
人妻空手でもダメージを負わせられない
プレミアムリビドークロスをまとった人妻たち。
そんな人妻を倒すために変態人妻たちが立ち上がる。
もう文章で書くと意味不明な状況でしかないのだが、
そのカオスさを楽しむのがこの作品の魅力だ。
父や変態人妻のかたきを討つために主人公も拳を振るう、
まるでジャンプ漫画のような熱い展開まである。
人妻、リビドー、空手、復讐、謎の武器。
並べれば並べるほど何のアニメなのか分からなくなるが、
その分からなさこそが、この作品の持つおかしな魅力でもある。
こういった面白さが中盤からようやく本領を発揮したところで、
あっさりと1クールが終わってしまう。
そこに一番のもったいなさを感じる作品だった。
総評:さぁ、お前のリビドーを数えろ
全体的に見て「惜しい」という感覚が残る作品だ。
様々な変態人妻が集う謎の団地で巻き起こる事件と、
巻き込まれるショタな管理人という設定の時点からツッコミどころが
とんでもない作品であり、間違いなく面白い素材ではある。
しかし、本領を発揮しきれていない感が否めない。
規制もそうだが、1つ1つのシーンの演出、作画、
どれもこれも物足りないものになっており、尺も不足しているせいで、
作品全体がダイジェストになってしまっている。
せっかく面白い作品なのに、1話5分の僧侶枠で収めてしまったために
本領を発揮しきれていない。
この作品にこそリビドークロスが必要だろう。
数々のリビドーを持つ人妻たち。
それが出落ちで終わってしまっているのが本当にもったいない。
終盤にはその面白さがにじみ出てきた部分はあったものの、
去年のぬきたしのように、がっつりと1クール1話30分で
見てみたかったところだ。
素材は最高、尺が足りない。
そんな言葉がぴったりくるアニメだった。
個人的な感想:期待外れ
去年のぬきたしが名作だっただけに、
本作にも期待していたのだが、期待外れで終わってしまう作品だった。
原作自体は色々な意味で人気のある作品なだけに、
もっときちんとアニメ化したら違ったかもしれない。
そういう可能性を感じるだけに、本当にもったいない。
1話5分で輝く作品もあれば、そうでない作品もあることを
しみじみと実感してしまう作品だった。



