「厨病激発ボーイ」レビュー

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青春
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評価 ★☆☆☆☆(16点) 全11話

あらすじ わけあって中途半端な時期に皆神高校に転入した高校生、聖瑞姫。引用- Wikipedia

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この痛々しさを受け入れられるか!?

原作はVOICALOIDによる楽曲であり、総再生数1億回を突破した曲。
ノベライズ化やコミカライズ化をされており、アニメ化もされた。
監督は市川量也、制作はスタジオディーン。

これが厨病激発ボーイなのね


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

冒頭でOPで「厨病激発ボーイ」が流れる。
私個人としては初めて聞いたのだが
「あーいかにもニコニコで投稿されてそうな曲だな」という曲でしか無く、
それ以上でもそれ以下でもない。

ただ最近の曲と言うよりはニコニコの全盛期ころの曲のようにも聞こえてしまい、
やや古臭さを感じる。
VOCALOIDの曲を元にノベライズやアニメ化されることはたまにあるものの、
正直「曲をアニメ化する」というのは未だにイメージが掴みきれず、
結局、この作品の最後まで見てもそのイメージは掴めないままに終わった。

厨二病


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

タイトルからも分かる通り、この作品のメインキャラクターはどれも
「厨二病」を患っている。高校生にもなって彼らは自らのカルマにとらわれており、
あるものは戦隊モノオタクで日々修行中、赤白帽をウルトラマンのようにかぶり、
転校してきた女子に「実は俺レッドなんだ」と真っ直ぐな目で迫る。

正直言って痛々しさがやばい。
主人公である「ピンク」こと聖瑞姫は転向してきた普通の女の子でしか無く、
彼女は別に厨二病でもなにもない。
そんな彼女に彼らは容赦なくグイグイ迫ってくる。

簡単に言えば「うざ絡み」だ。
普通な主人公に彼らは遠慮なく自らの厨二病なノリを押し付けてくる。
主人公の反応など完全無視で彼らは我を押し通す。

これで主人公が彼らに対してガンガン突っ込むならギャグとして
成立する部分もあるが、主人公はドン引きしてるだけでツッコミとして弱い。
ひたすらに滑りっぱなしな厨二病ボケをツッコミすらしないのにボケ倒す。

一言で言えば「きつい」と感じてしまうノリだ。
1話では主人公の友達を作るために学校の屋上から
友達募集中と書いた大量の紙飛行機を飛ばしたりする。
「構わないで」と主人公が彼らに言い放つものの、そんなことは関係なしだ。

うざいなんてもんじゃない。
1話5分か15分くらいならばこのウザさにも絶えられるかもしれないが、
1話30分構成はきつすぎる。
おそらくは多くの人が1話で見るのをやめた、
そう感じてしまうほど厳しいものがある

大げさな演出


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

次回予告は「ニコニコのコメント風」の演出付きであり、
散々やり尽くした薄ら寒い演出まで魅せてくれる。
キャラクターの行動や言動にいちいち大げさなリアクションが有り、
「厨二病」というキャラ設定を印象づけるような過剰な身振り手振りだ。

はっきり言えば古臭い。
10年くらい前のノリを今持ち出してきた感じが強く、
ニコニコのコメント風などの演出も10年前ならまだ楽しめただろう。
キャラクターも演出も内容もどこか10年くらい前の雰囲気を醸し出しており、
今更感がものすごく出てしまっている。

ギャグアニメ


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

この作品は徹底してギャグだ、厨二病の彼らの言動や行動が
そのままギャグになっており、それに巻き込まれる主人公が
ツッコミという形になっている。

ただ、結局は彼らのキャラクターは「出落ち」でしかなく、
それ以上でもそれ以下でもない。深みのないキャラクター設定であり、
序盤こそそれぞれの尖った厨二病感そのものがギャグになっているが、
序盤をすぎるとその尖った部分に慣れてしまい、必然的に笑える要素も減っていく。

それなのにストーリーは引き伸ばす。
1話完結の中での起承転結ではなくどうでもいいストーリーを前後編に分けており、
ギャグアニメとしてのメリハリも生まれておらずテンポも悪い。
わざわざ引っ張る要素ではない要素を引っ張る意味もわからない。

全員が全員ボケ倒すわりには、そのボケにツッコミが追いついていない部分も多く、
滑りっぱなしなボケを淡々と見せられているような感じ。
きちんとボケに対して突っ込みがあることで成立する部分を、
ツッコミが薄いせいで成立しきれていない。

1つ1つのボケも長く、そんな長いボケに主人公は突っ込まずに一緒に
そのノリに乗ったり「中村くん、絶好調だ」と褒めたりする始末だ。

とにかくうざい


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

ほとんどのメインキャラがとにかくうざい。
「レッド」は高校生とは思えないような知能による言動と行動で
自分のしたいことしかせず、他人をまるで意識しない。
とてもじゃないが高校生とは思えない。むしろ小学生という年齢設定でも痛い。

他のキャラに関しても「黒幕気取り」だったり、
分かりやすい中二病だったり、2次元キャラ好きだったり。
そもそも「2次元キャラ好き」は厨二病というくくりなのか?と思うほど
キャラ設定も浅い

彼らは互いが互いの「キャラ設定」を受け入れており、
余計にツッコミ役が居ない。
彼らを「可愛い」「かっこいい」と1話の段階で思えるなら
この痛々しさやウザさを受け入れられるのかもしれないが、
1話30分、この痛々しさやウザさ全開でやられるとキツい。

ストーリー


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

ストーリー自体は大したことはない。
彼らは「ヒーロー部」というものを立ち上げており、人助けをしている。
暗い森の中で迷子になった猫を探すというだけで、
彼らは厨二病全開で妄想や技を繰り広げつつ、猫を探す。

あきらかに1話30分という尺を使い余しており、
もう少しテンポよくストーリーを展開していけば笑える部分ですら
グダグダとやってしまう。

バイトをしたり、学園祭で演劇部を手伝ったりと
この手の学園日常アニメではベタなイベントが多く、
そのベタなイベントの中に「厨二病」という要素を絡めている。

終盤には「ヒーロー部」が「廃部」の危機になる展開まで
ベタ中のベタな展開だ。

キャラ描写


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

例えば彼らが「なぜ今みたいな厨二病」になったのか?というような
ストーリーはない。なぜ彼らがあそこまで我を突き通し、人助けをするのか。
そういう根本的な部分の描写がなく、ただ「そういうキャラです」というだけだ。
いい意味でも悪い意味でも彼らの印象は1話から大きくは変わらない。

逆に主人公の「ピンク」は彼らに影響されていく。
最初はウザ絡みされ、ヒーロー部の一員のように扱われ、ピンクと言われ、
彼らの厨二病な感じにうんざりしつつも、
話が進んでいき、彼らと行動する中で彼女もまたヒーロー部の一員になっていく。

最初は彼らのバカ騒ぎのような行動や言動をドン引きしていたはずなのに、
いつの間にか彼女もその「馬鹿騒ぎ」を楽しむようになっていく。
終盤の廃部騒動のときには彼女は涙を流し、寂しそうにするくらいだ。
文句は言いつつも彼女も彼らの世界観や彼らとの日々が楽しかった。

ある意味で彼らは自由だ、誰にも媚びること無く自分のしたいようにしている。
高校生にもなって「素」を貫き通す彼らとの日々が少なからず羨ましく思い、
途中から彼らの仲間になる「グリーン」も自分を出すようになる。

最終話


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

最終話では主人公もまた彼らとともに馬鹿騒ぎをする。
最初は否定し、ドン引きしていたはずの彼らの行動や言動だったが
1クールの中で彼らと過ごす間に彼らの「まっすぐ」さに触れることで
彼女も自らを解き放ち、エターナルブリザードを解き放つ。

この終盤のストーリーの流れ自体は悪くなく、
意外にもストーリーはきちんとまとまっているのは
この作品の面白いところではあるものの、
そこに至るまでが色々と厳しい作品だったと言えるかもしれない。

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総評:彼らを受け入れるには1クールかかる


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

全体的に見てかなり厳しい作品だ。
序盤の段階ではメインキャラのうざ絡みのような言動や行動は痛々しい上にうざい。
好き嫌いがはっきりと分かれるキャラクターたちには愛着を持ちづらく、
厨二病ギャグは間延びしていてツッコミもひどく弱い。

ギャグに関しては好みが分かれる部分ではあるものの、
ギャグアニメとしての「笑い」レベルは低く、作画のレベルも低く、
演出の古臭さや「厨二病」な彼らのキャラ描写は
最近のアニメというよりは10年くらい前のやや古いノリを感じてしまう。

1話1話のストーリーもこの手の作品としてはベタな内容が多く、
各イベントや部活が廃部になる流れなども「あるある」でしかない。
それでも主人公が厨二病な彼らと触れ合うことで変化し、成長してることが
最終話ではきっちりと伝わり、ストーリー自体はよくまとまっている。

だが、その最終話までたどり着くのがかなり困難だ。
特に「レッド」に関しては好みというよりは駅で見かける関わってはいけない
ヤバい人みたいな感じのノリがあり、痛々しいというよりはやばいやつだ。
ギャグアニメにはそういう「ヤバイやつ」というものはつきもののではあるものの、
笑えるレベルではないヤバイやつほど厄介なものはない。

序盤の段階でキャラのウザさや痛々しさを受け入れることができるかどうかが
この作品を楽しめるかどうかの分かれ目だ。
見てる側が恥ずかしくなるほどの厨二病全開な彼らの行動やセリフを
受け手がどの程度、許容できるか。

いろいろな意味で難易度が高い作品かもしれない。

個人的な感想:レッドさえいなければ…


引用元:©2019 れるりり・藤並みなと/KADOKAWA/厨病激発ボーイ製作委員会

他のキャラはともかく、レッドの痛々しさはかなりきつい。
高校生とは思えない行動や言動は気恥ずかしさを超える鳥肌感あるキャラであり、
コレが中学生ならまだ飲み込めたが、高校生は流石に喉仏を通らない。
おそらく若い女の子ならば「レッド可愛いー」と言えるのかもしれない。

個人的なもういろいろな意味できついキャラだった。
王道な厨二病であるブラックはギャグとして受け入れやすかったのだが、
レッドの存在だけは本当に度し難いものがある。
年齢層的に10代前半くらいをターゲットにして、
その世代なら受け入れやすいのかもしれないが…

ストーリー自体はそこまで悪くなかっただけに、
1話15分くらいでテンポよく詰め込んで描かれれば
もう少し印象が違った作品かもしれない。

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