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これがキラキラドキドキだ!「BanG Dream! 3rd Season」レビュー

BanG Dream! 3rd Season 青春
BanG Dream! 3rd Season ©BanG Dream! Project
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評価 ★★★☆☆(60点) 全13話

BanG Dream! 3rd Season Trailer

あらすじ Poppin’Partyの主催ライブから4ヶ月後の秋、主催ライブが成功し、いつも通りの日常を過ごしていた香澄たちはライブハウス「Galaxy」で、東京のライブハウスの連盟が企画するガールズバンドの大会「BanG Dream! Girls Band Challenge!(バンドリ!ガールズバンドチャレンジ!) 」の告知ポスターを見つける。引用- Wikipedia

これがキラキラドキドキだ!

本作品はBang Dream!の3期。
制作も監督も2期から変更はなく、
2期から1年の時間を開けての3期となった。

四ヶ月後

Poppin’Partyの主催ライブから4ヶ月後の時間が経過している。
1期は色々と問題が在り、2期もソシャゲが始まった影響で
キャラクターがかなり増えたせいかソシャゲ原作アニメっぽさが
強くなってしまい、MVっぽさが強くなってしまった。

3期では、そんな1期と2期を経た段階だ。
ある程度のキャラクター紹介は終わっており、
もはや「おなじみ」感すらあふれるポピパのキャラたち。
3期の1話ではそんなキャラクターを中心にしつつ
「RAISE A SUILEN」を主軸にした物語になっている。

癖のあるキャラクターが多いバンドだ。
そんなバンドにサポートとして「おたえ」が2期では参加したが、
おたえは結局、ポピパに戻り、
「RAISE A SUILEN」はギターを探しており、
ポピパは「ガールズバンド」の大会に参加することになる。

決勝まで生き残れば武道館でライブができる。
彼女達の新たな目標が定まるところから
ストーリーが始まる。

ポピパの「ありさ」にとって武道館は目標の1つだ。
みんなで同じことを目指す、
それがどれだけ大きな舞台でも、不可能なことでも、
みんななら可能かもしれない。

そしてもうひとり「ロック」だ。
2期から出てきたキャラクターだが、彼女はどのバンドにも入っていない。
田舎から出てきた彼女はギターがうまく、ポピパのことが大好きだが、
そんな大好きなポピパには彼女は入らない。
あくまで、ポピパは彼女にとっての憧れだ。

そんな彼女が「RAISE A SUILEN」、RASのメンバーと
出会うところから物語が動き出す。
今作の主人公はポピパではない、彼女達だ。

ポピパとロゼリアをぶっ潰す、
そんな「チュチュ」の野望にロックは巻き込まれていく。

メンバー集め

ある種、1期を思い出すような展開だ。
キラキラを求めて香澄がバンドメンバーを集めたように、
「チュチュ」は自身の野望のために自身の
プロデューサーとしてのお眼鏡にかなったロックを求めている。

香澄がキラキラしたいという野望があるならば、
チュチュは最強のガールズバンドを作ることが野望だ。
だが、そんな勢いに奥手な「ロック」はドン引きだ(笑)
彼女は元々ポピパが大好きな女の子だ、
だからこそ、そんなポピパを潰すと宣言したチュチュを避けている。

だが、彼女のギターの才能は本物だ。
チュチュが見初めたその才能とは裏腹に、
彼女は自分に自身が持てていない。
だからこそ、誰ともバンドを組めていない今がある。

たった一人での演奏と、バンドでの演奏は違う。
チュチュが求めてるのは彼女の自由な演奏だ。
それが出来ない彼女はRASには必要がない。

序盤から丁寧な物語を紡いでおり、
一人ひとりのキャラクターがしっかりと印象がつく。
本来の主軸であるポピパの物語は断片的にしか描かれず、
あくまで3期の主軸はRASですすんでおり、
他のバンドのキャラクターは申し訳ない程度にしか出ない。

そのあたりはキャラクターのファンにとっては不満かもしれないが、
2期のようなキャラクターのMVのような物語になっておらず、
かといって1期のような香澄の奇行が目立つわけでもない。
3期にして始めて王道のバンドストーリーが紡がれている。

ポピパ

ポピパはロックにとって先輩だ。
彼女達に憧れ、自分もキラキラしたバンドを組みたい。
そう思ってるのに踏み出せない。

中学の時にやっていたバンドのように楽しくやりたいとは思いつつも、
彼女の周りにいるのはどのバンドも「本気」だ。遊びではない。
自分に自身がないからこそ本気になれない彼女、
そんな彼女を引き上げるのが「ポピパ」だ。

「ポピパ」が大切な友達のために、
自分たちを好きで居てくれる女の子のために、
自信がない女の子のために「1歩」を踏み出すために
新曲を演奏してくれる。
他の誰でもない彼女のために歌う曲におもわず涙腺を刺激されてしまう。

「夢を止めないでね、好きを止めないでね、走り出そうよ」

ポピパらしい、ガールズバンドアニメだからこその
背中の押し方は本当に素晴らしいストーリー展開だ。
背中を押された彼女は一歩を踏み出す。

RASに入った彼女はRASにふさわしいギタリストになれるのか。
一人の奥手な女の子の青春物語が動き出す。

もう1歩

RASに入ったからといって順風満帆とはいえない。
バンドの凄さに、バンドメンバーの凄さに、
そこで演奏することの魅力に彼女もハマっている。
だが、チュチュが求める演奏には至っていない。

他のバンドメンバーは彼女より歳上だ。
あまり多くは語られないものの、彼女達にも求める音楽がある。
そんな中で色々在りながら彼女達はRASへとたどり着いた。
チュチュが求める最強のバンド、
そんな最強のバンドのメンバーに選ばれた理由が彼女達にもある。

過去があるからこそ、同じように悩むロックを導いてくれる。
序盤から中盤まででバンドとしてのRASが徐々に形になっていく。

ロゼリア

RASのプロデューサーであるチュチュはロゼリアを敵対視している。
最初はロゼリアの「湊 友希那」も彼女を相手していない。
だが、何度も何度もチュチュは彼女達に戦いを挑んでいる。
そんな戦いを彼女も受けることになる。

ポピパやRASが参加している大会に自身も参加し、
そしてチュチュの勝負にも臨んでいる。
ロゼリアは彼女の存在を、プロデューサーを否定した。
だからこそチュチュも彼女達との勝負にこだわっている。

チュチュは何でもできる女の子だ。
作詞はもちろん歌も歌える、だが、彼女は楽器の演奏だけはしない。
自身が求める最強のバンド、そんな最強のバンドにふさわしい音を
彼女は奏でる才能がない。

「たとえ音が奏でられなくても」

自分に奏でる才能がないとわかっているからこそ、
彼女はプロデューサーとしての存在意義を求めている。

他のバンドの出番は少ないものの、
それぞれのバンドがロゼリアに、RASに影響されながら
自分たちの目標へと一歩ずつ進んでいく。
もっと大きな舞台にたちたい、武道館に行きたい。

キラキラドキドキした青春物語が紡がれていく。

ギスギス

終盤はバンドリシリーズでおなじみになったギスギス展開だ(笑)
各バンドが切磋琢磨する中で彼女達が争っている
ガールズバンドのランキングにも変動が起こる。
ポピパが順調に順位を上げる中で、
RASはロゼリアに1位の座を奪われてしまう。

中盤の対バン対決でRASはロゼリアに勝利している。
だが、そんな敗北からRASは更にバンドとして成長した。
だからこその順位だ。
しかし、チュチュはそれを認められない。

RASに負けているというチュチュの焦りを、
彼女はバンドメンバーにぶつけてしまう。
ずっと彼女に付き従っていたパレオすら
チュチュは突き放してしまう。
そんなチュチュの態度のせいでRASは崩壊寸前だ。

RASの現状にロックは悩むものの、そんな背中を押すのは「香澄」だ。
彼女もここまで色々なことを経験してきた。
声が出なくなったり、バンドメンバーが別のバンドに行ってしまったり、
そんな経験があるからこそ、彼女の背中を押すことができる。

他のメンバーも今に悩んでいる。
ロゼリアに負けている事実、チュチュの焦りも納得できる。
今の自分に何が足りないのか。

チュチュ

終盤でチュチュの過去も描かれる。
彼女の両親は音楽家だ、だが、そんな才能を受け継いでおらず、
それゆえに最強のバンドメンバーを欲していた。
自分のわがままだ、だが、同時にバンドメンバーに対しての信頼でもある。
そんな信頼にバンドメンバーもこたえていた。

だが、終盤でそれをチュチュが焦りから裏切ってしまう。
高慢でわがままな彼女が自分自身を見つめ直す。
「パレオ」もまたチュチュによって変われた女の子だ。
元々は真面目な優等生だった彼女がキーボードの実力を
チュチュに見初められ、自分の中で抑えてたものを解放してもらった。

RASはチュチュによって変われたものの集まりだ。
誰ともバンドを組んでいなかった和奏 レイや「ロック」が、
自分自身を縛り付けていたパレオが、
誰にもバンドに誘われなかった佐藤 ますきが、
チュチュによってRASというバンドを組むことが出来た。

それぞれが優秀なソロアーティストだ。
だからこそ複雑なパズルなように組み合わさることがなかった。
そんな複雑なパズルを組み合わせたのがチュチュだ。
彼女もまた自身の理想のために最強のバンドメンバーを欲していた。

5人が本気で自分に、バンドメンバーに向き合った結果、
RASは真の意味で最強になる。
そんな5人の物語が1クールできれいに描かれている作品だ。

タイトル回収

終盤で3バンドが決勝に進む。
ロゼリア、RAS、ポピパ、2期でメインで描かれた3組が
夢の武道館に立つことになる。

彼女が勝ち進んだ
「BanG Dream! Girls Band Challenge!」、バンドリだ。
3期にしてタイトルを回収し、
主人公である「香澄」のふわっとしていたキラキラドキドキも
抽象的なものではなく、3期までの物語で伝わるものになっている。

彼女のキラキラドキドキが多くのキャラクターを巻き込み、
自分自身と向かい、それぞれのキラキラドキドキを求めていく。
バンドを組んでいない主人公の妹も、
主人公に影響されてバンド活動の手伝いまで始めている。

自分だけではない周りのみんながキラキラしてドキドキする、
一人では彼女が幼い頃に憧れた「星の鼓動」にはなれない、
自分たちのバンドだけではなく、関わったみんなが
キラキラドキドキして始めて星の鼓動が生まれる。

そんな星の鼓動を刻む武道館ライブで物語の幕は閉じる。

総評:バンドリは3期で開花した!

全体的に見て素晴らしい3期だった。
1期は香澄のキラキラドキドキ中毒に引いてしまい、
2期はソシャゲが始まったからこそのキャラの多さに引いてしまったが、
3期は1期のようにぶっ飛んだ要素がなく、2期のような
キャラクターにストーリーが振り回されることがなくなっている。

3期まで登場したバンドが互いに競い合い武道館を目指す。
物語の序盤でそんなストーリーの目標を示し、
そこに「ロック」を中心としたRASのバンドの物語を描きつつ、
それぞれのバンドが自分たちと向き合いながら、
音楽とは、バンドとは、自分とは何かを見つめ合っていく。

「キラキラドキドキしたい!」
1期の香澄のキャッチコピーでも合ったが、1期では抽象的だった。
だが、2期をへて、この3期でそんな彼女の
キラキラドキドキが見ている側にも伝わるような
素晴らしい青春ストーリーになっており、
3期まで見て始めてバンドリという作品が完成されるような感覚だ。

2期からフルCGになったことでキャラの表情や動きが豊かなものになり、
特に演奏シーンの演出は3期で極まっている。
武道館という大きな舞台で大勢のファンに向けて、
彼女達が自らの音楽を披露するさまは本当にライブを見ているかのようだ。

それぞれのバンドだからこそのライティング、歌、演奏が
バンドの特徴を掴んだものになっており、
カメラワークもフルCGだからこその舐め回すようなアングルで、
キャラクターたちの演奏を舐め回すように描いている。

これからも彼女達のバンド活動、キラキラドキドキは続いていく。
そう感じさせる余韻を残す3期だった。

個人的な感想:オーナー

かなり個人的な感想だが、1期のキャラであるオーナーの再登場は
おもわず「おぉ」と唸る展開だったのだが、
最終話では「次元の壁」をこえて登場したのは少し笑ってしまった(笑)

2期ではフルCGになったメインキャラたちだが、
オーナーだけは1期からのキャラであるがゆえに手書きのままだ。
流石にちょい役のためにCGモデリングを
作るわけには行かなかったのかもしれないが、
一瞬エクスアームを思い出してしまう出来事だった

この後、MYGOというスピンオフをはさみ、
更にスピンオフも決定している。
スピンオフではどんなキラキラドキドキをみせてくれるのか、
楽しみにしたいところだ

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