「EX-ARM エクスアーム」レビュー

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SF
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評価 ☆☆☆☆☆(7点) 全12話

あらすじ 埠頭の「EX-ARM」取引現場に潜入した上園美波とアンドロイド・アルマのコンビは、取引物のトランク「EX-ARM“No.00”」を奪取して敵の船に逃げ込む引用- Wikipedia

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前代未聞

原作はグラウンドジャンプ、及び少年ジャンプ+で
連載していた漫画作品。
監督は木村好克、制作はビジュアルフライト

動かざること山の如し


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 1話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

1話冒頭、主人公が何やら今の状況について説明する。
崩壊する東京、宙に浮き上がる人々、
そんな世紀末的な状況を生み出したのが主人公らしいが、
絵がまるで動かない(苦笑)

あからさまに1枚絵を下から上にカメラを動かし、
「エフェクト」をつけまくることで動いている風に
みせかけているが、明らかに動いていない。
その後に流れるOPも衝撃的だ。

いまどきここまで低クォリティの3DCGがあるのか?と思うほどの
低クォリティすぎるクォリティで作られたCGによって
描かれているキャラクターがもれなく、みな表情が死んでいる。
各キャラクター3モデリングをくるくると動かすだけで
明らかに使いまわしにしか見えないOP映像は衝撃的だ。

ぬるぬるカクカク


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 1話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

1話、主人公はクラスメイトに合コンに誘われ
連絡先を教えろと迫られる。
すると主人公は何故か唐突にめまいを起こし、
見てるこちら側が酔いそうなエフェクトとともに場面転換し、
次のシーンでは主人公はチャーハンを作っている。

何を言っているかわからないと思うが私もわからない。
なぜか3DCGで描かれているキャラクターとそうでないキャラがおり、
ぬるぬるで動くキャラとカクカクにしか動かないキャラが
同じ画面の中に存在している。
まるで別のアニメを無理やりくっつけているかのような気持ち悪さだ。

単純に作画が悪いのではない。やってることが意味不明だ。
CGでやるならCGでやる、やらないならやらない。
どっちかにすればいいのに統一感がまるで無い。
そのせいでシンプルに画面が気持ち悪い。

作画だけならまだ我慢できるが音響も悪い。
一瞬、私が使っているヘッドホンの故障を疑うほど
キャラクターたちの声が籠もっており聞こえづらいったらありゃしない。
そこにBGMがかぶさることで余計に聞きづらく、
ただでさえ話についていけないのに余計についていけない。

この作品は個人制作か何かなのだろうか?と疑ってしまうほど
「アニメ」という媒体においてのクォリティがあまりにも低い、
いや、この場合は「悪い」といったほうが正しいかもしれない。

制作会社の「ビジュアルフライト」は2007年にできた
制作会社のようだが、技術レベルは14年前どころか
30年前のアニメ作品以下だ。90年代ももう少しマシなCGがあった。

単純に予算がない・あるといった問題でもない。
もしかしたらスケジュールにとんでもなく余裕がなかったのかもしれないが
「作画崩壊」という言葉以前の問題のレベルの作画は
本当に見ていてシンプルにきつい。

戦闘シーン


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 1話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

このレベルのCGなのに戦闘シーンも多いのが厄介だ。
ヒロインの一人が敵に囲まれ銃を撃たれまくるが華麗に避ける。
本来ならスピード感が合って然るべきのシーンで
スピード感0だ。ぬるーっと動いてぬるーっとよける、
このスピードで当てることが出来ない敵の無能っぷりが際立つ。

CGの質だけでなく演出面も最悪であり、
カメラワークは「無駄に揺らしたり」することで
余計に見づらさが増し、無駄なスロー演出を使いまくる。
特にスロー演出は多様するものの、まるで意味がない。
単純にセンスもない。

メインキャラの一人が敵キャラを唐突に殴るが、
殴った後と殴る前で立ち位置も変わっておらず、
殴った拳も描かれないため「超能力」かなにかで
殴ったの?と思うようなシーンまである。

殴った後に敵も味方も何も言わず、無言のシーンが5秒も続く。
この5秒の間も意味がわからず、見ているこちらが側が
常に唖然として気持ちになってしまう。

見ていて「今何が起きたか」理解できない。
単純なシーンでえ理解するために頭をフル回転させなければならない
とんでもなくハイカロリーな作品だ。

多分そういうストーリー


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 1話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

PS1、もしくはドリームキャストあたりのCGを
彷彿とさせるシーンの数々は見づらく気持ちわるく、
籠もっている声と唐突な展開のせいでストーリーが
まるで頭に入ってこない。

どうやら主人公は交通事故で死んだ際に「脳」だけが保存され、
その脳は「エクスアーム」という兵器になっており、
主人公は16年の眠りを経て2030年に目覚めるというところから
おそらくものがたりは始まる。

交通事故になった主人公はどうしてエクスアームになったのか、
自分ではそれすらも分からず、その技術で作られている
エクスアームは誰が作ったのか。

そういった基本的な話の部分は気になるところではあるものの、
「アニメ」での表現が最悪すぎるあまり話自体の面白さが
まったくもってつたわってこない。
それを差し置いてもストーリー構成も疑問に感じる部分がある。

特に展開の唐突さは話についていけなくなるほど唐突だ。

表情


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 1話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

この作品の多くのキャラクターはCGで描かれている。
CGはモデリングをしてしまえば、手書きの作画と違い、
ある程度、自由に動きや表情をつけることができるのが利点だ。

しかし、この作品の伽羅の表情は微動だにしない。
特に主人公の表情のパターンは3パターンくらいしか無く、
登場人物の殆どが「まばたき」というものをほとんどせず、
瞳も常にまっすぐ一点を見つめている。
本来は表情からキャラの感情を読み取れるがこの作品は一切読み取れない。
独特の怖さすら感じてしまう。

全キャラもれなくガンギマリしたかのような焦点の合っていない目と
微動だにしない表情は見ているとこちらもなにか精神的に汚染されるような
そんな気分になるほど見れば見るほどゾワゾワとさせてくる。

一体キャラクターたちは何を考え、どこを見ているのか。
アニメーションという媒体なのに「見て」伝わるということがない。

本来CGというのは作画崩壊はしない。
1枚1枚描く手書きの作画と違い、
キャラクターのモデリングが済んだ時点で完成されている。
しかし、この作品はその完成形がすでに崩壊している。

本来ならフルCGで作画崩壊というのはありえない。
この作品のコレを作画崩壊という表現で表現して良いのかすら
わからない、正しい言葉でこの作品のクォリティを表現できない。
なにせ前代未聞だ。
新しい言葉が必要なレベルでありえないことがこの作品では起きている。

ちなみにこの作品は「SE」もひどい
メインキャラのうつ拳銃の音が「ぱすんぱすん」言っているときは
もう大爆笑してしまった。ツバでも吐いているような音だ。

BGMもときおりレトロゲームで聞いたことのあるような
一周回って逆に懐かしさすら感じるダサい曲が多く、
あらゆる方向から腹部をくすぐってくる。

序盤


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 3話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

話自体は決して悪くない。
脳だけの存在になり「エクスアーム」にされてしまった主人公、
そんな彼がエクスアームの犯罪を取り締まっている警察の一員となり、
エクスアームを悪用するものを捕まえつつ、2030年の日本が描かれる。

序盤は脳だけの存在であり、アンドロイドなヒロインの
体を借りることが多かったが、3話では戦闘用ボデイを手に入れており、
それを利用した戦いはおそらくは原作で読めば
迫力があり面白いんだろうなと感じさせるものだ。

もっさりとした動きでなければアニメでも楽しめたかもしれないが、
主人公が必死に叫ぶ中、のっしのっしと動く戦闘用ボディは
シュールの極みだ。
ストーリーは決して悪くない、声優の演技も良い。
だが「アニメーション」での表現がそのすべてを邪魔をする。

中盤になると10年前のテロを起こした
「ベータ」という存在も明らかになる。
脳だけになった主人公はすべての真相を解き明かし、
自らの体を取り戻すことができるのか。
話がまともなのがこの作品の唯一の救いと言っても良いかもしれない。

いや、逆に皮がこれだけ悪いと話も素っ頓狂な方が
ネタアニメとして楽しめたかもしれないだけに、
なまじストーリーが真面目なだけにネタにも出来ない。

作画が悪い悪くない以前の問題


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 7話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

話が進んでくると作画の悪さ以上に「作画のおかしさ」のほうが
目立ってくる。3DCGのクォリティの低さに関しては慣れる。

それだけでなく「尺」の使い方も悪い。
例えば7話のラスト、主人公の目の前に因縁のある「ベータ」が現れる。
10年前に起きたテロの犯人とも言える人物であり、
主人公のことも知ってそうな存在だ。

そんな彼がいきなり目の前に現れ、主人公は叫ぶ

「ベータ、俺は必ずお前を…」

この「お前を…」という台詞のあとに
5秒ほどの間があいてエンディングに入る。
主人公はベータを一体どうしたいのか、もう一言なにか
ありそうな間をあけてエンディングに入るため肩透かしだ。

お前を倒すだったり、お前を許さないだったり。
その後に続く台詞は何でもいいが、明らかにもう一言ある間を
残してエンディングに入るのは気持ち悪さすら感じてしまう。
1話1話の尺の使い方がへたであり、その調整のために
こういった妙な間をあけるため作品自体がガッタガタだ。

ちなみにこのシーンは8話冒頭でも使い回すが、
その後に続く台詞はない。
一体主人公はベータをどうしたいのだろうか(苦笑)

他のシーンでも「キャラの死」という衝撃的なシーンですら
この作品はスロー演出を使い、間をたっぷりと取るため
ギャグにしか見えない。本当に致命的なまでに
アニメ制作におけるセンスがない。

時おり、急にカメラの遠近が変わる瞬間もあり
音で表現するならば「ぎゅん!」というような感じになるシーンもあり、
常にモヤがかかっとような画面フェクトもあいまって、
もはや何が目的なのかも分からない演出も多々ある。

3D兄貴


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 10話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

終盤でいきなり主人公の兄貴が出てくる。
1話の時点や主人公の過去回想では彼は「2D」で描かれているが、
再登場するとなぜか3DCGになってしまっている。
意味不明である(笑)

再登場した兄貴は兄貴のクローンであることはわかるのだが、
この世界ではクローンになると3DCGになってしまう
法則でもあるのだろるか?
主人公含めて他のキャラクターの多くも3DCGで描かれており、
過去の人間や一部のキャラだけがなぜか2Dだ。

これでクローンやアンドロイドといった純粋な人間ではない
キャラクターは3DCGで描かれているという演出ならわかるが、
そういった描き分けがされてるなら7割くらいのキャラが
クローンということになる。

そもそも事故に合う前の時点で主人公は3Dだったため、
その可能性も低く、別にそういった描き分けが
されているというわけでもない。
もはや何がしたいのかわからない。

ベータもいわゆるスパイダーマンで言えば「ベノム」的な存在であり、
色々な謎があっさり明かされ、ベータが倒され、めでたしめでたしだ。
と、ならないのがこの作品だ(笑)

最終話


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 12話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

ベータを倒してめでたしめでたしと思いきや、
いきなり日本の中枢が乗っ取られる。ちなみにもう最終話だ(笑)
伏線無しでいきなり黒幕が正体を表し、
なんか色々なことが起こって終わる。

結果的に殆どの謎は解決し、ものがたりは一応完結している。
ある意味でこの作品において最大の衝撃とも言える、
きちんとストーリーがまとまっている(苦笑)

最終決戦部分がナレーションで片付けられるというのも
ある意味でこの作品らしいが、
原作は面白いんだろうなと思える部分も多く、
アニメとしての表現がとことん最悪だったと言える作品だった。

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総評:コレがプロの仕事なのか


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 11話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

全体的に見て前代未聞の作品だ。
「3DCGは作画崩壊しない」そんな固定概念を覆され、
本当にこの作品は2021年のアニメなのか?と思うほどの
クォリティの低すぎる3DCGはどうしてこうなったと
言わんばかりのクォリティの低さだ。

単純にCGの質も低いが、それだけでなくカメラワークや
演出も悪すぎる。無駄なスロー演出の多様、謎のカメラワーク、
接着剤で固められたようなキャラの表情、
ストーリー構成も悪く、妙な間があいたりすることも多々あり、
本当にプロが作ったのかと疑ってしまうほどだ。

画面を見ているよりも画面を見ないほうが声優さんの努力も合って
キャラの感情も伝わる。
もはやアニメとしてそれはどうなんだと言いたくなるような出来であり、
本当にひどい。

これで原作のないオリジナルアニメならまだしも、
この作品には原作がある。この作品の出来不出来の問題かは
定かでないが、エクスアームの続編の連載も終わってしまった。
原作に対してもこの作品はあまりにも失礼だ。

ストーリーは突っ込みどころはあるものの決して悪くない。
それだけにきちんとアニメ化すればもっと面白い作品になったはずだ。
アニメでこんな有様にされてしまったことが本当に、
他人事ながら悲しくなってしまう。

いつかエクスアームが実写映画やアニメのリメイクで
報われる日が来ることを願いたい。

個人的な感想:なんだこれぇ…


画像引用元:EX-ARMエクスアーム 1話より
©古味慎也・HiRock/集英社・「EX-ARM」製作委員会

噂は色々と聞いていたものの、いざみると本当にひどい。
制作を手掛けたビジュアルフライトは2007年に
出来てる制作会社ではあるものの
アニメの元請けはやっていなかったようで、
監督もほぼアニメの経験はないようなものだ。

そんな2つが合わさった結果生まれたのが
この化け物なのかもしれない。
二度とこんな化け物が生まれないことを願いたい。

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