劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 裂空の訪問者 デオキシス

☆☆☆☆☆(8点)

劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 裂空の訪問者 デオキシス 評価

99分
監督湯山邦彦
声優/松本梨香,大谷育江,うえだゆうじ, KAORIほか

あらすじ
ある日、宇宙から隕石が飛来し氷原に激突した。隕石の元へ駆けつけた観測隊のロンド博士たちが見たのは、DNAポケモン「デオキシス」だった。そこへさらにデオキシスを追って「レックウザ」が襲来。激しい戦いの末にデオキシスは敗れ、レックウザも天空へと帰ってゆく。その戦いのさなか、ロンド博士の息子であるトオイは戦いから逃げようとしたポケモンの群れの移動に巻き込まれ、それがトラウマとなりポケモンに触れなくなる。

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カビゴンを踏み台にして!?

本作品はポケットモンスターの映画作品。
ポケットモンスターとしては7作品目、アドバンスジェネレーションとしては2作品目の映画作品

基本的なストーリーはファンタジー
子供の頃にデオキシスとレックウザの戦いに巻き込まれたトオイ、その戦いから時は過ぎ
トオイは過去のトラウマからポケモンに怯えるようになっていた。
そんなトオイがサトシたちと出会い・・・
というところからストーリーは始まる

序盤からデオキシスとレックウザの激しい戦いが描かれる。
レックウザがドラゴン、デオキシスが人型のような感じなので体格差のある戦闘シーンは迫力があり
物語への期待感を高める。
更に今作の部隊である「ハイテクシティ」がなかなか面白い設定だ。
近未来都市である街は歩く歩道がまるでRPGのフィールドの強制移動にあるように設置されていたり、
ゴミ箱が自動だったりと近未来な街の描写は素晴らしい

ただストーリー展開がグダグダだ。
サトシとトオイの交流が描かれつつ、なぜかデオキシスが街襲いながらオーロラを出しまくる。
トオイがポケモンに触れる、怯えるなどのトラウマもなかなか治らずデオキシスの目的もわからない。
同じような展開とシーンが40分以上も続いてしまって面白みにかける。

更に本作品にである「デオキシス」と「レックウザ」、そのレックウザの行動理由が酷い
レックウザはデオキシスが自分の住んでいる場所に入ってきたため怒っている。
わざわざ町中に現れたデオキシスを追って街を破壊するくらい怒りまくる。
この作品における「レックウザ」の役目はそれだけだ(苦笑)
デオキシスの行動を邪魔したいとかではない、ただ怒っているから打ちのめしに来ただけだ。
せっかくの伝説のポケモンなのだからもう少し伝説のポケモンとしての威厳や信念がほしいと感じてしまう。

レックウザの領域は「オゾン層」らしく、デオキシスが宇宙から来るときに
そこを通ったから怒っているというのはまだ分かるが、
4年も経過しているのに、わざわざオゾン層ではなく街中にいるデオキシスを追ってくるなど
ちょっと執念深いにも程がある(苦笑)
伝説のポケモンなのにあまりにも器が小さいポケモンという印象がついてしまった
これではただの野生のポケモンだ

そして「デオキシス」。
宇宙から来たデオキシスと地上に落ちた隕石に居た2体が居たため、デオキシスは仲間を探している。
ただ、なぜ地球にやってきたのかというのが描写されておらず
なんか地球におちた仲間探しに来たらレックウザに喧嘩ウラれて大事になった上
仲間も見つからないから街のポケモンさらいまくって仲間見つけやすくするという行動理由だ(苦笑)

デオキシスもレックウザも「深い事情」がなく、仲間見つけるため、領域荒されたためと
酷く単純なものになっており、そんな単純な理由で伝説のポケモン同士柄争ったり街が破壊されたりと
やっていることは大事なのだが、巻き込まれる人間サイドが可哀想でならない。
これで悪の人間などが絡んだ陰謀の1つでもあれば、人間サイドが巻き込まれる理由もでき
サトシやトオイのキャラクターの行動や言動が立ってくるのだが、そんな陰謀はない。
完璧にサトシ達は巻き込まれただけだ。

更に終盤の戦闘シーンは伝説のポケモンVS街のガードロボットという何とも盛り上がりに欠ける内容だ
ガードロボットもどこからわいたんだと突っ込みたくなるほど大量に伝説のポケモンに襲いかかる。
街のガードロボットのはずなのに明らかに街の住人を超える数のロボットだ(苦笑)
前作は終盤怪獣映画だったが、今作はSF映画になったようだ。
この展開も無理やりサトシを活躍させるためのような展開に見えてならない。

全体的に見て浅いストーリーだ。
トオイというトラウマのせいでポケモンに触れないキャラや
映画オリジナルの登場人物やポケモンはキャラクターとして素晴らしいのだが
物語の主軸にある「伝説のポケモン」が浅い設定で戦ったり行動するため
せっかくのキャラクターが生きてこない。
ストーリー展開もグダグダでグダグダの割りには中身が薄くなってしまっている。

トオイという人物のポケモン恐怖症ももっと掘り下げれば面白かったはずだ。
彼が唯一友だちと思ってた「謎の友達」が実はポケモンだとわかってからの展開が弱く、
そこに「ポケモンは苦手だけど・・・」というような展開があれば
もう少し深いストーリー内容はキャラクターの描写ができたと思うのだが、
あっさりとしすぎてしまった。

主人公であるサトシも今回は空気を読まない。
トオイの話を一切聞かないまま無理やりタッグバトルに参加させたと思ったら
「ポケモンさわれない?なにいってるんだ!ポケモンは友達だぜ!!」
と熱血教師のごとくトオイをストーカーし、ポケモンと絡ませようとする。
子供向けアニメだから王道の展開になっているが、普通ならトラウマを余計に深めるだけだ
あまりにもうざいキャラクターに主人公であるサトシが成り下がっていることも
この作品が低評価につながった要因だ。

伝説のポケモン以外のポケモンの描写は非常に可愛らしく、
プラスルとマイナンの可愛らしさや、ゴンベの空気を読まない大食いぶりから
まさかの進化という展開は楽しめたのだが、
そんな進化したゴンベすら踏み台にするサトシさんはあまりにも非道だ(苦笑)

この作品のタイトルで検索すると
「この作品からポケモン映画はダメになった」というような意見が多く見られた。
まさに、その意見に深く頷いてしまう出来栄えだった(苦笑)