「このはな綺譚」レビュー

2018年1月9日

評価 ★★☆☆☆(21点) 全12話
このはな綺譚

あらすじ 八百比丘尼に拾われ育てられた野狐(狐っ娘)の柚は、社会勉強のために高級温泉旅館・此花亭の仲居となる。引用- Wikipedia

料理の仕方を間違えた作品

原作は月刊コミックバーズで連載中の漫画作品。
監督は岡本英樹、制作はLerche。

見出して感じるのは不思議な世界感だろう。
江戸時代のような時代背景でありながら多くのキャラクターは獣耳がついており、
色々な種族がすんでいる。
そんな世界観で主人公は「此花亭」という旅館の仲居になる所から物語始まる

このあらすじから想像しやすいのは
「千と千尋の神隠し」や「花咲くいろは」と言った作品だが、
作品の世界観としてはそれらと酷似しており、
主人公が働く旅館は「神様」たちが訪れ、
現世とあの世の中間のような場所にあるようだ。
このはな綺譚

ジャンルとしてはいわゆる日常系に属する作品ではあるのだが、
1話から無駄にテンポが早い。
新人である主人公に辛辣に当たる先輩キャラクターがいるのだが、
辛辣に当たられてるのに主人公は頬を染める。
はっきりいってキャラクター描写が丁寧とはいえない。

早足気味のせいでこの作品の世界観の「空気」を出せていない。
仲居として働く中で色々なことが起こり、いわゆる感動系のいい話も結構あるのだが、
詰め込み気味のストーリー構成のせいで、そういったエピソードについていけず、
主人公がいきなり泣き出したりシてもこちらの感情移入が追いつかない。

話によって当たりハズレがでかい。特に序盤に外れの話が多く、
ハズレの回はとことんつまらない。
当たりの回もテンポが早いせいでいまいち感動しきれないときも多く、
決定的に作品の空気感を作りきれていない。
このはな綺譚

話に関してもほとんど主人公が絡まない話があったり、
「この作品で描く必要があるのか?」と感じてしまうエピソードもある。
いい話のほっこり日常をやりたいのか、百合百合な萌え日常をやりたいのか。
その両方をやろうとして中途半端になっている話も多い。

声優の演技力不足も所々で感じる。
特に「秦佐和子」さんは声の低い演技をしているがやや無理をしている感じが強く、
シーンによっては「下手だな」とストレートに思ってしまうほど演技力がない。
笑い方の演技が特に下手だ。

主人公を演じている大野柚布子さんもいかにもな萌え声であり、
いわゆる「キンキン声」だ。
演技力が伴っておらずいかにもな萌え演技はキャラの魅力を殺しており、
こういった「いい話」の雰囲気を醸し出す作品で、
いかにもな萌え声は作品の空気感の邪魔でしか無い。
このはな綺譚

お約束のように温泉に入る「セクシーシーン」があるのだが、中途半端だ。
何のこだわりも感じないセクシー描写であり、
そこにフェチズムやエロさを感じない。ただ脱がしてるだけだ。
調べると原作漫画では「色々と見えている」お約束シーンでのようだが、
アニメでは描写していないため、セクシーシーンの魅力もなくなってしまっている。

終盤になると「神様」を中心とした話が多くなり、
終盤で作品の方向性や面白さが定まってきて面白くなってくる。
終盤の雰囲気やキャラ描写、ストーリーが序盤でもしっかりあれば
作品の評価は違ったかもしれない。
このはな綺譚

総評

全体的に見て序盤から中盤が失敗している作品だ。
意味の分からないテンポの早いストーリー描写と、演技力不足のせいで
感情移入しにくいキャラクター描写、脱がしてるだけのセクシー描写、
当たりハズレの多い話と序盤から中盤に欠点を感じやすい部分が多く、
終盤で面白くなってくるものの、作品本来の面白さを描ききれていない。

原作の内容などをちらっと見ただけなのだが、
本来はもっと「百合要素」の強い作品のようで、女性キャラ同士のキスシーンもある。
「乳首」などの直接描写もある原作を、
アニメでは「癒やし」や「感動系」を強めに仕上げているせいで、
原作の魅力を中途半端にしか活かしきれなかった感じの有る作品だ。
このはな綺譚

個人的な感想

個人的にはどうにも馴染みきれなかった作品だ。
メインキャラの2人を演じている方の演技力不足も有ると思うのだが、
なかなか物語の主人公を好きになれず、
好きになれないキャラが主軸に描かれる話がしっくりとこなかった。
逆にサブキャラ同士の絡みなどはニヤニヤしながら見れただけに、残念な作品だ。

売上的には1158と爆死とはいえないものの、売れてはいない。
よっぽど原作の売上が伸びない限りは2期の可能性は低いだろう。

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