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企画倒れの昭和の遺物「サイボーグ009 ネメシス」レビュー

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サイボーグ009 ネメシス SFアニメ一覧
画像引用元:©石森プロ
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オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

評価 ★☆☆☆☆(17点) 全3話

「サイボーグ009 ネメシス」本PV 【7/19より配信開始】

あらすじ 世界各地で相次ぐ大規模な破壊行為。犯罪組織やテロ支援国家、そしてその関係者たちが拠点ごと葬られるという実行困難かつ大胆な事件に対し、サイボーグの暗躍を噂する者も少なくなかった。 引用- Wikipedia

企画倒れの昭和の遺物

本作品は『サイボーグ009』のアニメ化作品。
監督は安保英樹、制作はアレクト。

サイボーグ009

『サイボーグ009』といえば石ノ森章太郎による漫画作品であり、
数多くの媒体でアニメ化されてきた作品だ。
TVアニメ、映画、そして今作は配信限定と、
時代を越えて何度も何度もアニメ化されている。

2016年に制作された『CYBORG 009 CALL OF JUSTICE』以来、
10年ぶりの『サイボーグ009』のアニメ化だ。

この作品は『サイボーグ009』を既に知っている前提で作られている。
サイボーグ009だけでなく、ほかのキャラの説明や設定もろくになく、
基本的な設定は頭に入っている前提でストーリーが進む。
それは致し方ない部分もあるとしても、
一部のキャラはキャラデザが変わりすぎていて、「誰?」となってしまうのも問題だ。

しかも全3話しかない。
これで1話1話が1時間半くらいの映画のような尺であれば違ったかもしれないが、
1話30分しかなく、全3話で合計1時間半だ。
もしかしたら映画の企画が頓挫して配信に切り替わったのでは?と
邪推してしまうほど尺が短すぎる。

ネメシス

悪と戦い続けているサイボーグ009たち。
そんな彼らの前に、別のサイボーグである「ネメシス」たちが現れる。
彼らは悪と決めた者ならば、子どもであろうと容赦なく命を奪おうとする。
自らも「009」と名乗るサイボーグ・ネメシスの正体は何なのか。
というところから始まる。

ネメシスは「009」だけでなく、サイボーグ009たちと同様に
ご丁寧に9体存在する(苦笑)。
この時点で9×2のキャラクターが存在する。
もはやたった3話では絶対に掘り下げきれない数のキャラクターが
画面に所狭しとあふれてしまっている。

ネメシスたちの紹介は完全にダイジェストであり、
ネメシスの009以外は一切印象に残らない。
尺がないならキャラを削ればいいのに、それをしない。
完全に企画段階から何かを間違えている作品だ。

ネメシスが全員登場したかと思えば、
ネメシスたちはネメシスを開発した博士の遺志とは別に、
自らを兵器として各国に売り込んでいることが
あっさりと明らかになる。

自己紹介から5分も経たないうちに本心丸出しだ。

バトルだぁああ!

ネメシスたちと対立したことで戦うことになる。
1VS1だ。わざわざ同じナンバー同士で戦う展開になるのだが、
当然、尺がないので戦闘シーンの面白みも薄い。
お互いがちょこちょこと言い合って、技を出して、別のキャラの場面に切り替わる。
これを「9回」繰り返す。

完全に無駄だ。
それぞれに見せ場を用意しようとして、
1時間半しか尺がないアニメで9人もネメシスを出してしまったがゆえに、
ダイジェストにしかなっていない。

正義のぶつかり合い的なストーリーにしたかったのは分かるが、
尺が短すぎる上にキャラが多すぎて、
その価値観のぶつかり合いを印象づけられるほど
深い話になっていない。

009同士の戦いはそれなりにガッツリと描かれているが、
それ以外のキャラ同士の戦いはもう浅いなんてもんじゃない。
いつの間にか戦いが終わっているキャラが多すぎる。

ボスミサイル

終盤、ネメシスが襲ったドラッグ工場のボスが、
サイボーグたちへの報復を目論み、
サイボーグたちに大量の攻撃を仕掛ける。
戦い合ったサイボーグたちは同じ目的を持つ者として友情を育み、
協力して対処するという、予想外でも何でもない流れだ。

ネメシスたちはサイボーグ009たちとの戦いで
いつの間にか3人ほど死んでいたり、
唐突にネメシスたちが自己犠牲をし始めたりと、
勝手にやってろと言いたくなるような展開だ。

ネメシスたちに何の思い入れもないのに自己犠牲されたところで、
こちらの感情は何も揺り動かない。
最後も「ふわっと」終わってしまう感じがあり、
色々と中途半端すぎる印象が残る作品だった。

総評:擦り倒してカスしか残ってない

全体的に見て企画倒れ感が凄まじい作品だ。
本来は2時間くらいの映画として想定していた設定やストーリーだったのに、
映画としての企画が通らず、30分×3話のWebアニメになった。
そういう事情でもない限り納得できないほど、
粗削り感が凄まじい作品だ。

尺がないのに敵キャラであるネメシスを9人も出し、
サイボーグ009たち一人ひとりに相手をさせるという、
無駄に尺を使うことをやっているのは狂気の沙汰でしかなく、
最後まで印象に残らないキャラクターが多い。

サイボーグ009たちのことも知っている前提ではあるが、
それを前提としていてもキャラデザの変更もあり印象が薄れ、
ろくに掘り下げや活躍もないキャラも多い。

作画はそこまで悪くなく、声優も豪華ではあるものの、それだけな感じもある。
『サイボーグ009』という、何度も何度も昭和から平成にかけて
アニメ化され続けた作品だが、もう限界なのだろう。
擦り倒されすぎているのに令和によみがえっても、
もう何も残っていない、そんな印象を受けてしまう作品だ。

きちんとしたリメイクならば、令和に『サイボーグ009』をやる
という意味合いも生まれたかもしれないが、
よく分からないオリジナルストーリーを
よく分からないまま見せられたような感覚が残ってしまう作品だった。

『サイボーグ009』という今もなお多くのファンがいる作品なのだから、
きちんとした形で令和という時代に殴り込んできてほしかったところだ。

個人的な感想:中途半端

明らかに企画倒れ感のある作品だ。
本来は映画か、もう少し長い尺でやろうとしたのに、
予算か企画が通らずこうなった、そんな感じを受ける作品だ。

配信サイト限定のアニメはここ1、2年で一気に増え、
配信サイト限定だからこそ尺を自由にしやすいのも利点だが、
そういった利点も感じられず、
強引にアニメ化した感じが否めない作品だ。

やりたいことは分かる上に、ネメシスたちのキャラも悪くなかっただけに、
強引に1時間半の尺へ押し込められてしまったのは
残念でならないところだ。

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