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ライトアニメの限界「大賢者リドルの時間逆行」レビュー

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大賢者リドルの時間逆行 ファンタジーアニメ一覧
画像引用元:©STUDIO SEED/小学館
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オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

評価 ★☆☆☆☆(5点) 全12話

アニメ『大賢者リドルの時間逆行』予告映像

あらすじ 二周目の世界で、失った全てを取り戻せ!世界の崩壊を企む者たち<悪意の箱>の手により、仲間も世界も失ってしまった青年・リドル引用- Wikipedia

ライトアニメの限界

アドバンテージを活かさない「大賢者リドルの時間逆行」アニメレビュー

タイムリープの意味がない「大賢者リドルの時間逆行」レビュー

タイムリープ

この世界は、いわゆる悪の組織によって滅亡している。
死者の扉というものが開かれ、
魔物のようなものがはびこり、魔法の限界もなくなった世界だ。

主人公はそんな悪の組織の野望を止められず、
多くの仲間を失っている。
そんな彼が魔法の限界がなくなった世界で千年の研究をした結果、
時間を巻き戻す魔法を手に入れ、過去に戻ることに成功する。

いわゆるタイムリープものであり、展開としてはかなりありきたりだ。
未来で世界が滅び、仲間を失った主人公が過去に戻ってやり直す。
この手の作品であれば、未来の知識や経験を活かして、
過去の失敗をどう乗り越えていくのかが一番の見どころになる。

しかし、本作はその前提となる世界観がかなりふわっとしている。
そもそも悪の組織とやらが、なぜ死者の扉を開いて世界をめちゃくちゃにしたのか。
そのあたりの根本的な部分が描かれないため、
作品に対する没入感も薄まっている。

世界が滅んだという事実はある。
仲間を失ったという過去もある。
だが、そこに至るまでの因果や悪の組織の目的が見えづらいため、
主人公が過去に戻ったことの重みも、いまいち伝わってこない。

進まない

本作はライトアニメで制作されているが故に、1話5分もない。
日常アニメやギャグアニメなら気にならないかもしれないが、
ファンタジーバトルアニメでそれをやられてしまうと、
「話が進まない」もどかしさが凄まじい。

せっかく1000年前に戻ったのに、
魔法の影響か、千年の月日という時間の問題なのか、
主人公の過去の記憶はかなり断片的なものになっており、
しかもマナや体力は新人冒険者並みだ。

この設定自体は悪くない。
未来の知識はあるが、力は失われている。
だからこそ、知恵と経験で危機を乗り越えるという面白さも作れるはずだ。

しかし、本作の場合はその面白さがかなり薄い。
微妙にチート感も薄く、タイムリープ感も薄い。
未来を知っているからこその先回りや、
1000年研究した大賢者だからこその知識量が、
物語の中であまり強く活かされない。

3話かけてようやく1000年後からタイムリープして、
1000年前には逃げることしかできなかった
ダンジョンの中の魔物を倒すことができる。

だが、そこにあるのは爽快感というより、
「ようやくここまで来たのか」という感覚だ。
展開の遅さはかなり致命的であり、
作画の使い回しもかなり多い。
それなのに、実質本編の尺は1話3分ほどしかない。

1話1話を見ているというより、
普通のアニメの1話か2話くらいまでを
細切れにして見せられているような印象だ。

ここで終わりかい!

中盤になると、高額な依頼を受けて冒険に出る。
その依頼には悪の組織が関与していたりするのだが、
主人公はあらかじめそれを知っていて依頼を受けたわけではない。

ここが本作の一番もったいないところだ。
タイムリープものなら、過去の出来事を知っている主人公が、
あえて危険な依頼を受ける、敵の動きを先読みする、
失敗した未来を回避するために動くといった展開が期待される。

しかし、本作はそうしたタイムリープのアドバンテージを
ことごとく活かさない展開が続く。
未来を知っているはずなのに、その知識が物語を大きく動かさない。
1000年研究したはずなのに、その知識が強烈な武器になっている印象も薄い。

クランの周りのキャラクターは主人公の変化に疑いの目を向けており、
そんな中で主人公は力を取り戻すためにも旅立つ。
ヒロインとも涙の別れをするのだが、
そもそも前回の時間軸でどういう関係だったのかも描かれないため、
いまいち主人公と同じような感情になれない。

本来なら、前の時間軸での関係性があるからこそ、
今回の別れに切なさが生まれるはずだ。
だが、その積み重ねが描かれないため、
ヒロインとの別れも感情的な山場になりきれていない。

1クール全12話、60分にも満たない尺では
何も話が進んでおらず、主人公が旅立ち、
悪い奴らが動き出すという中途半端すぎるところで終わっている。

「ここから面白くなりそう」ではなく、
「ここで終わりかい!」という感覚のほうが強い作品だ。

総評:アドバンテージを活かさない

全体的に見て微妙な作品だ。
ライトアニメでの制作作品に期待するほうが間違いではあるものの、
この作品はいろいろと中途半端だ。

タイムリープして1000年前に戻り、
悪の組織の野望を打ち砕く。
そういうわかりやすいメインストーリーがある。

しかし、1話5分ほどでは何も話が進まずに終わってしまい、
アニメとしての盛り上がりや面白みはほとんど感じない。
あくまで原作の宣伝でしかない作りだ。

ただ、その宣伝としても弱い。
タイムリープものとしての面白さも薄く、
ファンタジーバトルとしての迫力も薄く、
キャラクター同士の関係性も深掘りされない。
結果として、原作を読んでみたいと思わせるほどの引きも生まれていない。

声優陣がやたら豪華というところは特筆すべき点だが、
逆に言えばそれ以外は何もない。
作画もライトアニメなのでお察しレベルであり、
ストーリーの面白みも薄い。

小学館としては初のライトアニメであり、
原作の宣伝になればいいと割り切っているのかもしれない。
だが、少なくともアニメ単体で見ると、
原作の宣伝にすらなっていないのでは? と感じてしまう作品だった。

個人的な感想:ライトアニメは厳しいよ

小学館初のライトアニメではあるものの、
今後も小学館はこれを続けるのだろうか?

ライトアニメという形式そのものが絶対に悪いとは思わない。
日常系やギャグ、ショートコメディのような作品なら、
短い尺や限られた作画でも成立する余地はある。

しかし、本作のようなタイムリープファンタジー、
しかも世界の滅亡や悪の組織、主人公の成長や再起を描くような作品とは、
相性がかなり悪い。

本家のライトアニメと同じく話題になることもなければ、
おそらく視聴者というのも限定的だろう。
ライトアニメという技術自体の問題も多く、
その問題を乗り越えるような作品が、
現状ではまだ生まれていない。

ライトアニメがどこまで続くのか。
そして、終わる前に「名作」と呼ばれる作品が生まれるのか。
その点は少し気になるところだ。

ただ、少なくとも本作に関しては、
ライトアニメの可能性よりも限界のほうを強く感じてしまう作品だった。

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